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2011年(平成23年)  3月 14日(第4641号)






14県 140万戸で断水
 11日午後2時46分頃、三陸沖を震源に発生した「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」では、東北地方から関東地方の広い範囲で強い揺れに見舞われ、宮城県栗原市では震度7を観測した。また、その後発生した大規模な津波により岩手・宮城・福島の3県の太平洋沿岸部では壊滅的な被害を受けた自治体もある。これに伴い、上下水道施設も大きな被害を受けており、水道では14県で少なくとも140万戸で断水、下水道では津波による処理場の浸水・機能停止などが発生している。また、12日午前3時59分頃には、新潟県中越地方を震源とする地震も発生し、長野県栄村で震度6強を観測している。

計画停電が大きな波紋
 東京電力が13日に公表した「計画停電実施」が首都圏・関東地方の上下水道事業体関係者に大きな波紋を投げかけている。
 厚生労働省は同日、水道課長名で各水道事業者に対して通知を出し、▽計画停電の実施期間の情報把握▽電力供給停止の影響分析▽自家発電施設等関連施設の点検・試運転・燃料確保▽断水可能性がある場合は、当該給水区域の確認と需要者への周知に向けた広報体制の整備▽断水が生じた場合に支障の大きい医療機関等の把握と応援体制の確保の検討―を求めた。

システムの骨格に対する被害は軽微の模様/仙台状況
 東北最大都市・仙台市の水道施設については基幹施設への被害は比較的軽微である模様。同市の水供給システムは、茂庭・中原・国見・福岡の4浄水場を軸にした階層ブロック化を実現しており、中原を除く3浄水場系の幹線はループ化されている。4浄水場はいずれも沿岸部から離れた市域西部の丘陵地帯に立地するため、浄水処理機能を大きく損なうような被害は免れた模様。ただ、地震直後から停電が継続していたため、取水機能や浄水機能を維持するための自家発電設備の燃料(灯油・軽油)の確保に苦労しているとのことだ。