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2011年(平成23年)  3月 24日(第4644号)





上下水道施設の復旧へ
 東北関東大震災で被害を受けた上下水道施設の復旧などに向けた取り組みが進められている。水道では、関係8者による「東北地方太平洋沖地震水道復旧対策特別本部」が設置され、初会合も開かれた。また、下水道では、国土交通省下水道部が「東北地方太平洋沖地震下水道支援調整チーム」の第2回会合を開いた。両会合では、出席者による情報交換などが行われ、連絡を密にしていくことが確認された。

御園日水協専務が被災地に/東北関東大震災
 日本水道協会の御園良彦・専務理事は22日から4日間の予定で東北関東大震災被災地の現地視察に向った。地震規模の大きさに加え、被災範囲の広さ、津波災害、原発問題と水道復旧支援に向けた活動がこれまでにない困難に直面している中、まずは協会トップ自らが現場を見て状況を把握しようと異例の現地調査に踏み切った。視察先は、東北地方支部長都市の仙台市をはじめ、被害が甚大だった宮城・岩手・福島の3県の支部長都市である盛岡・石巻・郡山の3市のほか、いわき市などなるべく多くの現場を見て応援活動の方向性を探る。

放射性物質検出で対応通知/厚労省
 厚生労働省は19日、「福島第一・第二原子力発電所の事故に伴う水道の対応」について、水道課長名で、各都道府県の水道担当者などに向け通知した。
 現在、文部科学省が蛇口から採取した水の放射性物質の測定を各都道府県に委託して行っているが、通知では、この測定値が、原子力安全委員会の定める「飲食物摂取制限に関する指標」の値を超過する場合には▽飲用は控える▽生活用水としての利用は問題がない▽代替となる飲用水がない場合には、飲用しても差し支えがない▽活性炭処理による除去効果を示す知見もあるため、粉末活性炭などによる処理の実施も検討してもらうことを、事業者などに周知するよう要請している。

断水復旧総数は134万戸
 東北関東大震災について、厚生労働省が23日午前零時現在でとめた水道の被害状況によると、10県で少なくとも74万戸の断水が続いている。これまでに復旧した総数は134万戸となっている。県別の断水戸数は▽岩手県=約5万戸▽宮城県=約45万戸▽福島県=約8万戸▽秋田県=204戸▽山形県=44戸▽茨城県=約14万戸▽栃木県=約810戸▽千葉県=約1万戸▽新潟県=約730戸▽長野県=約800戸―。また、施設損傷により送水を停止していた水資源機構の霞ヶ浦用水は、18日午前6時から送水を開始している
 日本水道協会では、給水車の派遣要請に対して、全国361の水道事業体から合計462台を確保した。311台が派遣中となっている。
 また、国土交通省が22日午後2時現在で確認できた下水道の被害状況によると、東北から関東の太平洋沿岸部を中心に、処理施設は50ヵ所、ポンプ施設は31ヵ所、管渠は51自治体で被害がある。
 東北地方整備局建政部内に設置した現地支援本部には、同省下水道部担当官2人、国土技術政策総合研究所2人が在駐しているほか、東京都1人、日本下水道協会2人、日本下水道事業団(JS)1人が連絡調整のために派遣されている。

浄水技術の支援チーム設置/水道技術研究センター
 水道技術研究センターは22日、東北関東大震災への対応として「浄水技術等支援チーム」を設置した。被災地域の水道、特に浄水技術に関する支援を産官学の総力を挙げて行う。浄水施設の応急復旧はもちろん、本格復旧に向けた水道事業体からの相談なども幅広く受け付ける。

東北関東大震災 被災地域の水道再構築視野に
   /水道技術研究センター浄水技術支援チーム
 東北関東大震災では、地震による直接の被害はもちろん、津波や火災による被害が過去に例がないほど広範かつ甚大で、都市計画そのものの再設計を余儀なくされるケースが少なくないと考えられる。その場合、水道システムも新たな都市計画と歩調を合わせた再構築が必須だ。
 しかし、国内の水道事業は建設から更新の時代にシフトしており、水道事業体の技術者も減少している。特に中小規模の事業体にとっては、そうした業務が大きな負担になることは間違いない。民間企業のノウハウ・技術力や学識者の知見、他地域の大規模事業体の協力など、水道界の総力を結集した取り組みが求められる状況だ。
 水道技術研究センターが設置した「浄水技術等支援チーム」は、浄水技術分野を対象に、そのための情報を集約し、具体的な支援に向けた調整を行うことを目的としている。応急復旧から本格復旧に至るまで、浄水技術に関する事業体からのあらゆる相談を受け付けるとともに、民間企業が提供できる技術や製品について情報収集・提供を行い、両者のマッチングを促進する。

自家発電と人海戦術で断水回避/さいたま市水道局
 さいたま市水道局は14日から始まった東京電力の計画停電に対し、浄・配水場の電源を自家発電に切り替えて対応している。断水は発生していないものの、濁水が発生しているという。

ジェネッツとの応援協定が奏功/柏市水道部
 柏市水道部は11日発生した地震の際、同部の職員に代わり電話対応などにあたるようジェネッツに協力を要請した。先月7日に同社と結んだ「災害時の応援業務に関する協定」に基づくもの。協定では地震などの災害時に市民への給水に支障が生じた場合に、広報活動や応急給水などを同社に要請し災害時対応の即応と充実を図ることを定めている。昨年7月から窓口業務や検針など料金関係業務を包括委託するなど、協力関係を築いていた。

いわき市への支援続々と/坂戸、鶴ヶ島水道(企)が給水活動開始
 22日、市内の約6割の世帯が断水しているいわき市の給水活動を支援するため、坂戸、鶴ヶ島水道企業団が応急給水支援隊を派遣し、同日昼過ぎから給水活動を開始した。県外からの応援は今回がはじめて。
 同企業団支援隊は、給水車(2t)1台とライトバン1台、職員4名の1班体制。班は3泊4日で別の班と交代するとしている。

GX形管受口用栓を開発/大成機工
 大成機工(大阪市、矢野裕史社長)はこのほど、新耐震管GX形ダクタイル鋳鉄管の受口用栓「GX形管用栓」を開発した。NS形管において多くのニーズがあるNS形管用栓のGX形版となる。
 同製品の特長としては1.GX形管配管後、管路の水圧試験を行う際、受口に取り付ける栓として使用する 2.ボルト・ナットだけで組み立てられ容易に取り付け、取り外しが出来、専用工具を必要とせず、解体矢を使用した作業は必要ない 3.乙切管及び解体時の手間を省き、コスト削減に寄与する 4.栓本体は直管、異形管兼用で但し、直管用にはアタッチメント(連結バンド)をつける。
 なお、販売開始は4月から、口径はφ75~φ250でGX形管の全口径をカバーしている。

広範囲に応急給水支援活動/神戸市水道局
 神戸市水道局は、東北関東大震災の支援活動を広範囲に行っている。13~15日まで、職員6名が、給水タンク車1台により、仙台市内の病院・小学校への応急給水活動、応急給水用バルーンの設置などを行った。
 他都市の支援部隊に引継ぎ後、岩手県内に移動。15日からは同県内の被害状況調査、盛岡市本部での応急給水活動の統括指示とともに、給水タンク車4台により、宮古市、大槌町の避難所などで応急給水活動を継続している。18日には第2陣の職員12名が、盛岡市へ出発し、現地で引き継ぎを行った。

PR用ボトル水を提供/静岡市上下水道局
 静岡市上下水道局は東北関東大震災の被災地へ市のPR用ペットボトル「静岡のみず」2万8000本を提供した。送り先は、岩手県、宮城県、仙台市、福島県、茨城県、千葉県で、各4800本ずつを発送した。
 また、同市は14日から現地へ給水車(4t)2台と職員を派遣しており、現在も石巻市で給水活動を行っている。