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2011年(平成23年)  5月 16日(第4657号)






郡山市、いわき市で調査/厚労省・水道被害等現地調査団
 厚生労働省の「東日本大震災水道被害等現地調査団」(団長=古米弘明・東京大学大学院教授)は、調査最終日となった11日、郡山市水道局でのヒアリング調査といわき市水道局での現地調査を行った。今回の震災は、地震や津波、原子力発電所の事故が複合しているが、福島県については原発事故に関連する風評被害という問題もあり、応援活動等に支障が出ている。郡山市でのヒアリング調査でもその点で意見が交換された。また、沿岸部は他県と同様に津波被害が甚大で、いわき市では水管橋が橋ごと流される被害が起こっている。

10万ベクレル/㎏以下は仮置き可/下水汚泥中の放射性物質問題で「考え方」
 福島県内の下水処理場の脱水汚泥と溶融スラグから高濃度の放射性セシウムが検出された問題で、国の原子力安全委員会からの助言を踏まえつつ、原子力災害対策本部と関係府省で検討した「福島県内の下水処理副次産物の当面の取扱いに関する考え方」が12日、公表された。10万ベクレル/kgを超える汚泥等については、可能な限り県内で焼却・溶融等の減容化処理を行い適切に保管すること、10万ベクレル/kg以下の汚泥等については、県内の下水処理場または汚泥を埋立処分している管理型処分場の敷地内等に仮置きしても差し支えないとしている。仮置きしている汚泥等の処分方法については、決まり次第示す予定。

日水協は緊急要望を実施/夏期の電力使用15%抑制
 政府の電力需給緊急対策本部は13日、夏期の電力需給対策について東京・東北電力管内で各部門均一に15%の需要抑制を目標にすると発表した。契約電力500kw以上の大口需要家については、自主的な取り組みを尊重しつつ実効性及び公平性を担保する補完措置として、電気事業法第27条を活用できるよう必要な準備を進めるとしている。また家庭についても節電に取り組むとしており、「節水」の取り組みも例示している。
 対策本部の決定に先立ち日本水道協会では11日、電力使用制限の対象から水道施設が除外されるよう求め、民主党に緊急要望活動を行っていた。御園良彦・専務理事が東京都の尾﨑勝・水道局長らと国会議事堂を訪れ、民主党電力供給問題対策プロジェクトチームの座長を務める直嶋正行・元経産相、山根隆治・参議院議員と面談、断水などの影響を訴えた。

震災応援経費の取り扱いを確認/日水協
 日本水道協会は10日、「東北地方太平洋沖地震に伴う水道応援経費に関する打合せ会」を開いた。7地方支部長都市、福島・宮城・岩手の東北3県の県支部長都市と東京都水道局から経理担当者を集め、今回の大震災での応援にかかった経費の取り扱いについて確認した。
 会合では、日水協の「地震等緊急対策の手引き」(平成12年12月)に記載されている費用負担の基本的な考え方や、応急給水と応急復旧で国の財源措置が異なること、今回の震災では災害救助法の弾力的運用がなされていることなどを確認した。

水道水中の放射性物質検査状況まとめる/厚労省
 厚生労働省は、食品・水道水中の放射性物質に関する検査計画の策定・実施状況について関係都県からの報告を取りまとめ、4月28日付で健康局水道課長と食品安全部監視安全課長の連名で、関係都県の水道行政担当部局長と衛生主管部局長に対し情報提供を行った。水道水については、検査計画策定を要請したすべての都県で計画を策定しており、検査の実施状況でも、被災等で実施が困難である福島県浪江町、双葉町、大熊町、富岡町、楢葉町、宮城県南三陸町を除くすべての市町村で実施されている。

液状化対策へ知見集約/国交省が検討会議設置
 国土交通省は「液状化対策技術検討会議」を設置し、11日に省内会議室で第1回会合を開催した。東日本大震災における液状化被害の実態把握や、発生メカニズムの確認などを行い、宅地、下水道、河川、道路、住宅・建設、鉄道、港湾、空港の各分野に共通する技術的事項の検討を進め、液状化対策につなげることを目的としている。各分野における施設の復旧策を検討する上で、共通する地盤部分の解析が中心的な課題となる見込み。国交省の関連部局と、同省関係研究機関、関係学会が連携し、夏頃を目途に検討結果をとりまとめる予定。

地下水質等を緊急調査/環境省
 環境省は、東日本大震災の被災地における地下水質、公共用水域の水質、大気、土壌、海洋環境、津波堆積物について、早ければ今月中旬から緊急モニタリング調査を実施する。
 このうち、地下水質の調査項目は▽有機塩素化合物▽砒素▽鉛▽ダイオキシン類―。公共用水域は▽砒素▽鉛▽ポリ塩化ビフェニル(PCB)▽BOD▽COD▽ダイオキシン類―。福島県内では放射線ヨウ素とセシウムについても測定する。

給水財団、証書再発行手数料免除の特例措置
 給水工事技術振興財団は、東日本大震災で同財団発行の証書を失った人について、再発行申込時に罹災証明書を添付すれば手数料を免除する特例措置を実施している。問い合わせは同財団まで。

「給水分岐短管」を試験施工/横浜市水道局
 横浜市水道局は、同局が栗本鐵工所と共同開発した「給水分岐用短管」の試験施工を先月末から開始した。給水分岐部を一体化したことで、漏水防止やコスト縮減、耐震性向上などが期待される新規管材料についてそのポテンシャルの検証・確認がなされている。

放射能問題で緊急要望/利根荒水協
 利根川・荒川の両水系を水道水源にする水道事業体で組織する利根川・荒川水系水道事業者連絡協議会(会長=尾﨑勝・東京都水道局長)は11日、飲料水の放射能対策を求めて厚労・文科・国交・環境・財務の各省に緊急要望書を提出した。
 原発事故の影響で各事業体では浄水処理後の水道水から一時的に、乳児の飲用制限値を超える放射性ヨウ素が検出されていた。各省には、測定器の貸与や機器を購入するための財政措置といった検査体制を整備することを中心に、放射性物質を効果的に除去する粉末活性炭など浄水薬品の供給促進、放射性物質の除去技術に関する研究・開発を求めた。

最大規模UV設備順調に/光市水道局
 山口県の光市水道局が林浄水場(施設能力4万8000立方m/日)に導入した「紫外線照射設備」=が、3月から順調に稼動している。処理能力は1基あたり1万8000立方m/日で、3基設置し、低圧ランプの設備としては国内最大規模。クリプトスポリジウム対策として、平成21年12月に着工し、今年1月末に竣工した。施工は(株)ウォーターテックで、総事業費は3億3000万円となっている。
 林浄水場の水源は2級河川・島田川の伏流水で、水質数値の大きな変化は現在のところ、発生していない。今回の紫外線設備の設置で、さらなる水質の安全強化などを図るとしている。

伝統芸能「虎舞」で水道水をPR/八戸圏域水道企業団
 八戸圏域水道企業団は八戸市の八戸ポータルミュージアム「はっち」の野外広場に「虎舞」の水飲み場を設置した。同企業団が提供する水道水をPRするためのもので、蛇口からはいつでも約10℃の水が出る(12月~3月は凍結防止のため休止)。
 水のみ栓は鉄の上に真ちゅうを埋めた虎の親子のオブジェとなっており、市内在住の造形家が制作した。大きく開いた虎の口の中に蛇口があり、頭を口の中に頭を入れて水を飲む構造になっている。
 「虎舞」は縁起の良い伝統芸能とされており、この地域では虎に頭を噛まれると、頭脳明晰、無病息災のご利益があると伝えられている。蛇口から水を飲む様子はまさに虎に頭を噛まれているようになる。

豪・クィ州投資局長が表敬訪問/川崎市
 7月にオーストラリア・クィーンズランド州ブリスベンで開催されるアジア太平洋都市サミットに参加を表明した川崎市の阿部孝夫市長のもとを13日、同州政府貿易投資局長のロブ・ウィドン氏が訪れた。サミットへの協力依頼と東日本大震災の見舞い、1月に同州で発生した洪水被害への支援に対する感謝を伝えるのが目的だった。
 川崎市と同州は、JFEエンジニアリングと野村総合研究所が受託し同市が協力しているNEDOの「省水型・環境調和型水循環プロジェクト」を進めるなど協力関係にある。7月の都市サミットで阿部市長は、ニューヨークのジュリアーニ元市長やヴァージン航空のブランソン会長と並び講演する予定。市内にある民間企業も参加するという。

四国3大学研究者が大震災を報告/国交省四国地整
 国土交通省四国地方整備局はさきごろ、東日本大震災関連の報告会を開催した。四国内3大学(徳島大学・愛媛大学・高知大学)研究者が結成した「東日本大震災学術調査団」による東北地方(宮城県)の被災地調査、香川大学調査団による関東地方(千葉県)の地震被害調査などの報告が行われ、行政関係者ら200人が出席した。

業務効率化とサービス向上を実現する上下水道料金システム「WISH」/PUC
 PUCは水道営業業務の効率化とサービスを向上させる上下水道システム「WISH」をクラウド上で提供するサービスを開始した。昨年同社が開発した「WISH」をさらに進化させたもので、クラウドコンピューティング技術を用いることで、より安価でスピーディーに導入することができる。同社では、今後は、他社とも連携を行い、水道事業に関する様々な製品群を揃え、クラウド環境下で快適なソリューションサービスを提供していきたいとしている。

大型加圧脱水機で水道参入/アタカ大機が新中期経営計画
 アタカ大機(本社・東京都港区、小川泰雄社長)は11日、新中期経営計画『グローバルAD』(平成23~25年度)を発表した。海外への事業展開、新製品・新事業の創出として、「中国・地方部における小規模下水処理装置の受注」「電動メカ式フィルタープレス大型機の開発による上水への本格的参入」などに取り組む。

業界団体総会
宇治会長就任を報告/POLITEC
 配水用ポリエチレンパイプシステム協会は12日、東京都中央区の鉄鋼会館で理事会と定時総会を開き、23年度活動計画・予算などを決めた。また、会長の交代も報告。4月1日付で、伊澤宣夫・前会長に代わり宇治耕吉氏がクボタシーアイの社長に就任したため、宇治氏が伊澤前会長の残任期間である来春の総会まで会長を務める。

一般社団法人に移行へ/設備協
 東京下水道設備協会は4月27日、東京都千代田区の東京會舘で第35回通常総会を開き、平成22年度事業を総括するとともに、公益法人改革に伴う対応を協議し、一般社団法人への移行を早期にめざすことを決めた。「現段階では公益社団法人に移行するメリットがない」と判断したため。なお、平成23年度事業計画は、2月の第34回総会で既に決定している。

調達問題を重点課題に/水コン協関東支部
 全国上下水道コンサルタント協会関東支部は4月28日、東京都荒川区の協会事務所で全体協議会を開き、23年度事業計画や予算などを決めた。
 同支部は7年前から、入札・契約制度の変革に向けて要望活動を積極的に展開してきたが、これまでの成果を「低入調査制度が普及するとともに、一般競争入札、簡易公募型競争入札に最低制限価格制度を併用するケースも徐々に増えてきた」と総括。しかし「技術力重視の入札・契約制度は依然として普及の兆しが見えない」とし、今年度も調達問題を重点課題とすることを決めた。

栗田氏(東洋紡)が代表理事に/膜分離技術振興協会
 膜分離技術振興協会は13日、東京都中央区の東実健保会館で定時社員総会を開き、今年度の事業計画などを決めた。役員の改選も行い、植村忠廣・代表理事(東レ理事)が監事に就任。これに伴い臨時理事会を開き、東洋紡取締役常務執行役員の栗田和夫・バイオメディカル事業本部長が新たに代表理事となった。また、事務局長には熊野淳夫・東洋紡アクア膜事業部主幹が就任した。

耐震性を更にアピール/パルテム技術協会
 下水道管更生のパルテム技術協会(会長=缶文雄・芳森工業社長)は4月21日、東京浜松町の東京會館で第6回定時総会を開き、平成23年度事業計画などを決めた。

「官民協働」をさらに推進/水コン協関西支部・全体協議会
 全国上下水道コンサルタント協会関西支部の平成23年度(第28回)通常全体協議会が4月27日、大阪市淀川区のメルパルク大阪で開催された。23年度事業計画などを審議し、「官民協働の推進」などを重点事項に、例年以上に活発な活動を展開することなどを決定した。また、役員互選結果報告では、森一英支部長が再任されたことが報告された。

会員から約900万円集まる/水団連
 日本水道工業団体連合会は13日、東日本大震災被災者に対する義捐金として300万円を日本赤十字社へ寄付した。
 また、有志の会員20社・団体から寄付された886万7千円を水道復旧支援に活用してもらうため、日本水道協会へ提供した。
 寄付を行った有志会員企業・団体は次の通り(20社・団体には公表を希望しない企業を含む)。
 ▽水道O&M研究会▽ベルテクノ▽水研▽オリジナル設計▽ダクタイル鉄管用ゴム輪協会▽中日本建設コンサルタント▽オーヤラックス▽フジテコム▽栗本商事▽理水化学▽東京水道サービス▽ジャパンウォーター▽日邦バルブ▽東京設計事務所▽ウェルシィ▽PUC▽ワセダ技研▽ウォーターテック▽三協工業
(順不同)

6月に第5回セミナー/水団連、GS21
 日本水道工業団体連合会とNPO法人グリーンサイエンス21は、6月10日に日本水道会館で第5回セミナー「みんなの水道」を開く。
 【講演1】「なぜ理科教育・科学教育が必要なのか―だまされる大人達―」冨永靖徳・お茶の水女子大学名誉教授
 【講演2】「どうまとめる水基本法―安全な水供給と公共水域保全を担って働く立場から―」西川正夫・全日本水道労働組合中央本部書記長
 定員150名で参加費は3000円。問い合わせ、申込みは事務局(TEL・FAX03―3952―1121)まで。