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2011年(平成23年)  6月 20日(第4664号)






上下水道で発生する汚泥の取扱で考え方/原子力災害対策本部
 政府の原子力災害対策本部は16日、「放射性物質が検出された上下水処理等副次産物の当面の取扱いに関する考え方について」をとりまとめた。水処理によって発生する汚泥で、セシウム134と137の合計が10万ベクレル/㎏を超えるものは、発生した県内の遮へいできる施設で保管することとし、その他では、10万ベクレル/㎏以下、8千ベクレル/㎏以下、クリアランスレベル(原子炉等規制法に定めるコンクリート等のクリアランスレベルは100ベクレル/㎏)以下に分け、取り扱いの考え方を示した。8千ベクレル/㎏以下については、条件付きで管理型処分場への埋立処分ができるとした。一方で、高濃度の放射性物質を含む汚泥の処分方法については、引き続き検討するという表現に留まった。

事業体の今後の対応示唆/水道水における放射性物質検討会
 厚生労働省は13日、『水道水における放射性物質対策検討会』(座長=眞柄泰基・トキワ松学園理事長)の第3回目の会合を東京都内で開催した。今回の検討会では主に検討会による中間とりまとめ案の内容を吟味することに充てられ、モニタリングのあり方や浄水処理での除去性能など、水道関係者が今後留意すべき方向性について活発な意見交換がなされた。

津波被害の浄水場を調査/水道技術研究センター
 水道技術研究センターは東日本大震災の「浄水技術等支援チーム」の活動として13日から3日間、岩手県と宮城県の津波被災地域を調査した。塩化物イオン濃度が上昇した浅井戸の水替えを実施し給水再開にこぎつけた陸前高田市、MF膜を設置するなど仮設浄水場を設置した南三陸町などを精力的に回った。

広域的設備管理の推進へ/日水協がマニュアル発刊
 日本水道協会は、「水道施設における広域的設備管理マニュアル」を発刊した。平成21年度と22年度の機械・電気・計装専門委員会で検討課題となった中小規模の事業体における施設の集中化について、広域的な設備管理の進め方や設備の計画・設計および運転・保全体制、危機管理対策などがまとめられている。

復興へ学術団体が連携
 「東日本大震災の総合対応に関する学協会連絡会」(議長=濱田政則・早稲田大学教授)は14日、日本学術会議で当面の活動方針に関する記者発表を行った。同連絡会は、多様な学術団体が連携することで東日本大震災に対する総合的な対応を検討するために発足したもので、22の学術団体が参画している。

安藤茂氏に瑞宝小綬章/春の叙勲
 春の叙勲受章者が18日発表された。国土交通省関係では、和氣三郎・元国土庁長官官房水資源部長が瑞宝中綬章を受章した。また、安藤茂・元建設省都市局下水道部公共下水道課長が瑞宝小綬章、中川幸男・元建設省都市局下水道部下水道企画課建設専門官が瑞宝双光章を受章した。

「下水道ハブ」北橋市長が津川政務官に提案/北九州市
 北九州市の北橋健治市長は3日、国土交通省で、津川祥吾・国土交通大臣政務官と面談。同市の水ビジネスの国際戦略拠点発展に向けた提案書を手渡し、支援を訴えた。公害克服や環境分野での技術協力の実績や官民一体での活動、アジアの諸都市との人的ネットワークを構築など同市の強みをアピールし、水ビジネスの国際戦略拠点「日本版下水道ハブ」としての機能拡充へ向け、財政的支援を求めた。

提出議題3題を本部総会に/下水協関東支部
 日本下水道協会関東地方支部は13日、宇都宮市で第47回総会を開き、会員提出議題3題を30日の本部通常総会に上程することをはじめ、本部役員候補者の推薦、同支部役員の選任、今年度の事業計画・予算などを承認した。下水協の法人改革により、同支部は7月1日から「関東地方下水道協会」に改称することになっており、同支部の名称による最後の総会になった。

設計委託者を総合評価で/新潟市水道局
 新潟市水道局は戸頭浄水場の天日乾燥床実施設計業務委託の入札公告をした。申請申し込み締切りは6月22日17時まで。予定価格は980万円(税抜き)で、最低制限価格は設けない。入札方式は総合評価方式。

優良工事店を表彰/新潟市水道局
 新潟市水道局はさきごろ、同局水道技術研修センターで平成23年度新潟市指定給水装置工事事業者表彰式を行った。優良工事店表彰として、指定工事事業者18社を表彰した。また、今年度は、東日本大震災での水道復旧支援に対して、管工事業共同組合4団体、指定工事事業者92社に特別表彰として感謝状を贈呈した。

処理過程で汚泥・焼却灰を厳重管理/東京都下水道局
 福島第一原子力発電所事故で放出された放射性物質の影響で、下水汚泥や焼却灰から放射性物質が検出されていることを受け、東京都下水道局は15日、南部スラッジプラントをマスコミ関係者に公開した。
 同局は、汚泥や焼却灰の管理状況を説明するとともに、遠心濃縮機、遠心脱水機、焼却炉、混練施設、仮置施設などの各施設、敷地境界線での空間放射線量を測定した。

大震災展示に関心/八戸(企)水道フェスタ
 八戸圏域水道企業団は5日、同企業団本庁舎と白山浄水場で「水道フェスタ2011」を開催した。当日は晴天に恵まれ3500人が来場した。

汚泥取り扱いで厚労省に緊急要望/日水協関東支部
 日本水道協会関東地方支部は14日、厚生労働省に対し放射性物質を含む浄水汚泥の取り扱いについて緊急要望を行った。支部長都市を代表して林秀樹・横浜市水道局担当理事兼給水部長が同省水道課を訪問し、石飛博之・水道課長に要望書を手渡した。

被災地から遠隔監視
 兵庫県多可町はこのほど、「やくも水神Gシリーズ」(小松電機産業(株)製)を活用し、被災地から同町施設の遠隔監視を行った。同町職員が5月9~14日、岩手県大船渡市で支援活動していた際、大雨で水源地の濁度が向上。スマートフォンで状況を確認し、電話で対応を誘導したもので、全国どこでも施設監視できる同社製品の有効性が、改めて証明された。

管路更新計画策定を委託
 橿原市水道局は、管路更新計画策定業務を条件付き公募型プロポーザル方式で委託する。業務は▽管路更新▽管路耐震化▽水管橋の更新・耐震化▽管路ブロック化の各計画などで、期間は8月23日から約7カ月間、契約上限額は3200万円(税込)。資料配布は24日まで、参加申し込みは28日までで、詳細は同局ホームページに掲載。

震災復興で官民連携事業/国交省が案件募集
 日本PFI・PPP協会は6日、東京都千代田区の日本教育会館で、国土交通省のPPP/PFI推進案件募集に関する説明会を開いた。5月24日に「民間資金等の活用による公共施設等の整備等の推進に関する法律(PFI法)」が改正され、下水道や工業用水道にもコンセッション方式を導入することが可能になった。国土交通省はこれに合わせ、新たな官民連携事業の提案募集(6月29日まで)を行っており、その中で震災復興案件の募集スキームも提示している。説明会では、国交省総合政策局の長田仁・政策課課長補佐が改正PFI法のポイントや案件募集の概要について説明した。

バイオマスでガス発生量増加へ/B―DASH採択事業として/神戸市、神鋼環境ソリューション共同研究体
 神戸市と神鋼環境ソリューションで構成する共同研究体は、大阪ガスの協力のもとで国土交通省が公募する下水道革新的技術実証事業(B―DASHプロジェクト)に「神戸市東灘処理場再生可能エネルギー生産・革新的技術実証事業 ―KOBEグリーン・スイーツプロジェクト―」を提案し、採択された。実証期間は委託契約締結の翌日から平成24年3月23日まで。

アブダビに掘進機3基納入/川崎重工業
 川崎重工業はさきごろ、アラブ首長国連邦アブダビ首長国の下水道建設工事で使用されるシールド掘進機を3基受注した。中東地域では初めての受注で、2011年12月から2012年3月にかけて納入する。

中川全管連副会長が黄綬褒章/春の褒章
 平成23年春の褒章が15日付で発表された。本紙関係では、全国管工事業協同組合連合会副会長の中川悟・宝工業代表取締役が黄綬褒章を受章した。

放射能簡易分析パックを販売/HER
 環境計量証明事業所のHER(本社・兵庫県加西市、芝本忠雄社長)は、飲料水・地下水専用の「放射能分析対応HERパック」の販売を開始した。福島第1原発事故に伴い、水道水から放射性物質が検出されたことに緊急対応。NaIシンチレーションサーベイメータを用いて、放射性ヨウ素(ヨウ素131)と放射性セシウム(セシウム134、137)を同時分析する。販売価格は1万2千円(税別、送料込)で、原水や浄水の安全確認に役立ちそうだ。

業界団体総会
自治体との支援協定の締結促進/管路協
 日本下水道管路管理業協会(会長=長谷川健司・管清工業社長)は9日、東京都中央区のロイヤルパークホテルで第20回定時社員総会を開いた。平成23年度事業計画や収支予算について報告を行った。

復興支援に総力挙げる/全管連
 全国管工事業協同組合連合会(会長=大澤規郎・富士管工代表取締役)は15日、東京品川の品川プリンスホテルで第51回通常総会を開き、平成23年度事業計画などを決めた。また、役員改選が行われ、大澤会長が再選された。

新たな排水管理手法の開発へ/日水コンなど6社
 日水コンなど6社は、全排水毒性評価を活用した新たな排水管理手法(WET)を効率的・効果的な実用システムとすることを目的にWETシステム研究会を発足させた。5月27日には、都内ホテルで設立総会を開き、活動をスタートさせた。

災害用井戸は必要/さく井協会
 全国さく井協会(会長=脇雅史・参議院議員)は5月27日、東京都千代田区のTKP大手町カンファレンスセンターで第37回通常総会を開き、23年度事業計画などを審議、承認した。
 総会の冒頭、脇会長は「東日本大震災では大変多くの地域が被害を受けた。現地では、多くの会員企業が(復旧・復興)作業を展開している」と挨拶し、被災県の要請があれば、協会総力を挙げて対応する方針を明らかにした。

技能者基準の充実を/新理事長に當木仁氏/関配協
 関東配管工事業協同組合(三浦秀雄理事長)は5月24日、東京品川区のゆうぽうとで第7回通常総会を開き、平成23年度事業計画などを決めた。また、役員改選が行われ、當木仁・當木工事代表取締役が理事長に就任した。
 平成23年度事業計画では、技能者レベルランク認定評価基準の更なる充実や、共同購買事業、受注斡旋事業などを行っていく。
 新理事長に就任した當木理事長は「依然として厳しい状況が続くが、組合発展のために尽力していきたい」と決意を述べた。