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2012年(平成24年) 10月  4日(第4774号)





タイでの水ビジネス始動/無収水対策で覚書交わす/東京水道サービス
 東京都水道局の監理団体である東京水道サービス(TSS)出資の現地合弁会社・TSS―TESCOバンコク社とタイ王国首都圏水道公社(MWA)は2日、無収水対策に関するパイロット事業に関する基本合意に至り、両社代表者による覚書の交換が行われた。漏水調査や修繕作業などを試験的に行うことが盛り込まれた内容だという。同局ではこれまで、TSSを活用した国際貢献ビジネスを模索してきた。今回の合意を機に、水ビジネスがさらに発展する可能性もあり、今後の展開が注目される。

長年の功績たたえる/水道の発展に貢献 尾﨑氏ら85人受賞/平成24年度厚労大臣表彰
 厚生労働省は3日、平成24年度の水道関係大臣表彰(生活衛生事業功労者)の受賞者を発表した。水道の普及発展や水道に関する有益な調査研究、技術の改善・発明発見、水道行政に対する協力などに特に顕著な功績のあった個人・団体を表彰するもの。
 上水道関係では、東京都水道局長を務めた尾﨑勝氏(現・日本水道協会専務理事)ら79人が、簡易水道関係では全国簡易水道協議会の副会長を務めた伊東尚志氏(現・富山県上市町長)をはじめとする6人の計85人が受賞。産業界からは東京設計事務所社長の亀田宏氏、日之出水道機器社長の浦上紀之氏も名を連ねている。このほか、和歌山市管工事業協同組合が団体として受賞した。

あふれ出る水への想い/本紙主催・第54回水の写真コンテスト
旭川総会で展示も
 この一枚に『水』への想いを込めて―。水道産業新聞社が主催する毎年恒例「水の写真コンテスト」の入賞作品が決まった。グランプリ・厚生労働大臣賞には奥村克博さんの『お手伝い』が選ばれた。54回目を迎えた今回は2184点の応募があった。
 上位入賞作品は日水協総会会場(旭川市・10月17~19日)の水道産業新聞社ブースで展示されるほか、第9回水道技術国際シンポジウム(横浜市・11月20~22日)などでも披露される。

大震災被災地の支援状況を発表/JS
 日本下水道事業団(JS)は1日、東日本大震災からの復旧・復興に対する支援状況を発表した。平成24年度分の現在までの支援は次の通り。
 ▽宮城県気仙沼市において6箇所の応急仮処理施設を設置▽宮城県阿武隈川下流流域下水道・県南浄化センターにおいて通常処理を開始▽福島県相馬市・相馬下水処理場の復旧工事を完了▽福島県広野町・広野浄化センター、岩手県大槌町・大槌浄化センターにおいて水処理施設の通常処理を開始▽新たに1団体(楢葉町)の2施設に対する災害査定を完了▽宮城県岩沼市、宮城県松島町、福島県富岡町に対して支援開始

地域ビジョン策定が上水道の51%に
 厚労省水道課がさきごろ公表した9月1日現在の地域水道ビジョン策定状況によれば、上水道事業738事業(668プラン)、用水供給事業68事業(50プラン)でビジョン策定済みだった。策定事業数の割合は、上水道事業の51%、用水供給事業では69%となった。

技術レポート/継続的な業務改善を/アセット支援ツールを独自開発/日本水工設計
 日本水工設計は、アセットマネジメント(以下、AM)支援ツール「AssetMan(アセットマン)」を商標登録し、さらなる拡販に取り組む方針を明らかにした。上下水道事業の日常業務の流れに沿ってさまざまなデータを1つのデータベースに蓄積・管理することでAM計画の策定・運用を支援する同製品は、関係者が事業経営の針路を議論するための組織横断的な情報共有に威力を発揮する。同社が培ってきた水コンサルタントとしての総合力を活かし、上下水道事業の持続的発展に貢献したい意向だ。アセットマンの展開を軸にした同社のAM支援の取り組みを、技術企画部アセットマネジメント推進課に取材した。

北千葉広域水道企業団企業長 古澤昭彦氏に聞く
 北千葉広域水道企業団は今年4月に4年振りにトップが交代、新たに就任した古澤昭彦氏は、千葉県庁において財務関係をはじめとする幅広い職務を経験してきた。同企業団では、今年5月に利根川系河川を水源とする水道事業体に大きな衝撃を与えたホルムアルデヒド水質事故が発生、就任直後から前例のない事故対応の舵取りに追われた。ここでは、古澤企業長にこれまでの足跡を振り返っていただくと共に、企業団の施策の方向性についてお聞きした。

水処理事業の基盤強化へ/富士化水の事業を買収/クボタ
 クボタは24日、戸田工業の完全子会社で産業排水処理事業を手がける富士化水工業から、中国以外の事業を買収すると発表した。富士化水工業は中国以外の事業を設立する新会社に移管し、クボタは11月30日付けで新会社の全株式を取得する。株式取得額は、20億円。
 クボタはこれまで培った上下水道分野の設計・施工からアフターサービスまでの総合力に、新会社が持つ産業排水分野の技術・ノウハウを加えることで国内外で水処理事業の基盤強化を図っていく考えだ。具体的には、MBRや浄化槽などの製品・技術と新会社の拠点を結びつけることで、アジアでの事業展開を加速させていく。

信頼確保の水質検査で講演/農薬類検査法の開発など発表/給衛協近畿支部研修会
 全国給水衛生検査協会近畿支部(支部長=湯浅義三・社団法人京都微生物研究所理事)の平成24年度研修会が9月14日、メルパルク大阪で開催された。会員ら約70人が出席する中、農薬類の検査法開発など4題の事例発表、水質検査の特別講演が行われた。

微生物の自動解析が実用段階/解析作業が大幅に省力化/横浜国立大学・横浜市水道局
 横浜国立大学大学院の長尾智晴教授は、同大学の公開講座で「水道原水中における微生物自動解析システム」が実用化段階に入っていると発表した。
 同研究は、長尾教授が取締役CTOを務める同大学発ベンチャーの(株)マシンインテリジェンスが商品化した「進化的画像処理」(進化計算法を用いた機械学習により、画像処理の事例から必要な画像処理を完全自動構築するもの)を活用して、原水中のアナベナの分類と細胞数の計測を自動化するというもの。横浜市水道局と西谷浄水場で共同研究を行っている。従来の人手による顕微鏡を使った目視計測では、多くの時間と労力を費やすが、同システムは実用化されれば、自動解析により大幅な省力化が図れる。

4部門19題の知見披露/岩国市で水道事例発表会/日水協中国四国地方支部
 第12回日本水道協会中国四国地方支部水道事例発表会が8月30・31日、山口県周南市のザ・グラマシーで開催された。関係者ら約110人が出席する中、4部門19題の知見が披露された。

水工解析で古米教授が講演/データ収集の課題など指摘/フォーラムエイト
 フォーラムエイトは21日、東京・品川で「第6回デザインコンファレンス」を開催した。同コンファレンスの水工セッション・特別講演では、東京大学大学院の古米弘明教授が「ベトナムフエ市における水質を含めた浸水被害予測の現状と課題」と題して、浸水解析のためのデータ収集における課題などを紹介した。また、広島大学大学院の河原能久教授が、下水道・排水路データの整備や氾濫流の平面2次元解析の必要性などを説明し、芝浦工業大学工学部の守田優教授が、洪水リスクの構造とリスク評価の指標であるリスク・インパクト・ファクターを紹介した。

申込締切迫る
 日本オゾン協会が10月22日、23日に東京都大田区で開く「第30回オゾン技術に関する講習会・見学会」の参加申込が10日で締め切られる。問い合わせは事務局(Eメール:joa@mwd.biglobe.ne.jp、TEL03―6661―1622)まで。

膜分離セミナーの参加者募集中/膜協会
 膜分離技術振興協会は11月27日、東京都中央区の日本橋社会教育会館で第18回膜分離技術セミナーを開く。上下水道の現場技術者などを対象に、膜分離技術の基礎と応用を解説する。