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2012年(平成24年) 11月  5日(第4781号)






「信頼」の新水道ビジョン/めざすは安全・持続・強靱/厚労省検討会
 「新水道ビジョン」の検討が佳境を迎え、その骨格が見えてきた。目指すべき方向性を“安全な水の確保”“水道の持続性確保”“強靱な水道の構築”という3本柱に設定する。それらを包含する基本理念の核は“信頼”だという。この基本理念には、将来にわたり信頼され続ける日本の水道を作りあげようという思いが込められている。現行の水道ビジョンが策定されて7年あまり。東日本大震災の発生を例に挙げるまでもなく、水道を取り巻く情況は当時と確実に変わった。施設の耐震化や更新、人口減少への対応、技術力の確保など、課題は山積状態だ。これらを乗り越え、次の時代に水道をつなぐための指針になる新水道ビジョンに寄せられる期待は大きい。

スクラム組んで課題解決/富山市で開催 29都市が参加/施設更新や資源有効利用/下水道研究会議
 平成24年度下水道研究会議分科会・定時総会が10月25日、26日に富山市で開かれた。下水道研究会議は全国の一般都市の下水道部局長を会員とし、下水道事業の隘路を解決するための会議で今回は29都市が参加した。国土交通省や日本下水道協会などからアドバイスを受けながら下水道の技術的課題、経営的課題について意見交換を行った。
 総会の冒頭、代表幹事の青木孝行・横須賀市上下水道局技術部長が「下水道を取り巻く環境は厳しいが、下水道の役割は重要で機能停止することがないよう後世に引き継がなくてはいけない。アセットマネジメントの導入、資源有効利用などの課題に取り組むには一都市だけでは難しいので下水道研究会議を活用しながら取り組んでいきたい」と挨拶。
 続いて開催地の森雅志・富山市長が歓迎の挨拶を行った後、「下水道の課題は多いがしっかり取り組んでいかなくてはいけない」と述べ下水道研究会議の活動に期待を寄せた。

GX形規格化へ審議開始/継手性能試験など実施/日水協
 日本水道協会は10月30・31日、水道施設に関する規格専門委員会を開き、GX形ダクタイル鋳鉄管・異形管のJWWA規格制定に向けた審議を開始した。GX形は平成22年10月に日本ダクタイル鉄管協会規格に制定されてから多くの水道事業体から採用されており、事業体からもJWWA規格化の要望が寄せられていた。

業務指標イメージ示す/ベンチマーキング/国交省
 国土交通省下水道部は10月24日、第2回下水道マネジメントのためのベンチマーキング手法に関する検討会(座長=滝沢智・東京大学大学院)を開いた。国内外でのベンチマーキング手法の取り組み事例が紹介された後、新たな下水道ベンチマーキングの枠組みなどをめぐり議論した。
 国内約1500の下水道管理者を評価・公表することで、投資や経営の効率化など国全体として最適な下水道マネジメントに誘導することがベンチマーキングの狙い。この日は、下水道政策への活用や優良事例の全国展開、下水道管理者の自立的マネジメントといったベンチマーキング運用のイメージや、運転管理、ユーザーサービス・防災、経営、環境・エネルギーの各分野からなる業務指標のイメージが事務局から示された。

放射性物質テーマにセミナー
 日本水環境学会は来年1月24日に、都内で第58回セミナー「東日本大震災後の水環境における放射性物質の挙動」を開く。環境省が放射性物質に関する国の取り組みを紹介するのをはじめ、国立環境研究所、国立保健医療科学院、国土技術政策総合研究所、東京海洋大学の担当者が講演する。

ビジネスチャンスの獲得へ/活動実績や予定など報告/横浜水ビジネス協議会総会
 横浜水ビジネス協議会(会長=林文子・横浜市長)の平成24年度総会が10月31日、市内で開催され、事務局が活動実績や今後の活動予定について報告を行ったほか、協議会会員企業3社から横浜市とともに参加した海外での活動について報告があった。また国際協力機構(JICA)の田中寧・民間連携室長が上下水道分野におけるJICAの取り組みなどについて講演した。同市では、協議会の活動を通じて、会員企業がビジネスチャンスを獲得できるよう支援するとともに、新興国などにおける水環境に関する問題の解決に貢献していくとしている。

新設2配水池が来春完成/φ800導水管はシールド到達/高知市・旭浄水場更新
 高知市水道局の旭浄水場更新工事が、順調に進んでいる。施設の老朽化に伴い、総事業費約95億円(見込み)を投じて、平成17~28年度までの12カ年で実施。敷地が狭いことから、4段階で取り組んでおり、第1段階の浄水施設更新工事(同17~21年度)が完了。今年度末で第2段階の配水施設更新工事(同21~24年度)、第3段階の導水施設更新工事(同22~24年度)も完了予定となっている。

就任インタビュー/横須賀市上下水道事業管理者 小林 繁 氏
 横須賀市上下水道事業管理者・上下水道局長に、9月1日付で小林繁氏が就任した。市役所でのキャリアのおよそ半分を財政部で積み重ね、前任も財政部長だったこともあり、自ら「財政畑の人間」と称すほど市の財政そして市政に通じている。本紙では小林管理者へのインタビューを実施、上下水道に対する考えや今後の抱負などについて聞いた。

東京都の幹線再構築現場など視察/国交省社会資本メンテ戦略小委員会
 国土交通省の社会資本整備審議会社会資本メンテナンス戦略小委員会のメンバーが10月1日、東京都下水道局の現場を視察した。視察したのは白金幹線再構築その3工事の現場で、小口径SPR工法のデモとテレカメ調査のデモも見学した。また、同委員会メンバーのほかに、国土交通省下水道部の職員とミス日本水の天使の酒井美帆さんも現場を視察した。

水質事故などテーマに情報共有/企業長・事務局長経営会議開く/企業団協
 全国水道企業団協議会(会長=小林眞・八戸圏域水道企業団企業長、八戸市長)は10月11日、第43回企業長・事務局長経営会議を北海道滝川市内のホテルで開催した。企業団経営に関する情報共有を目的にしており、企業長を務める首長ら全国の水道企業団関係者約70人が出席した。
 開催を担当した中空知広域水道企業団の前田康吉・企業長(滝川市長)らの挨拶の後、北海道大学サスティナビリティ学教育研究センターの田中教幸・教授による講演(演題=「少子、高齢化社会に向けての公共サービスの将来像」)が行われた。

多摩川水源森林隊が10周年/東京都水道局
 東京都水道局は10月28日、都民ホールで多摩川水源森林隊10周年記念事業を行った。森林隊ボランティア、活動地提供者、東京都森林組合の代表者にそれぞれ感謝状が増子敦・東京都水道局長から贈呈された。また、多くの人に水源地の森林づくりの重要性を知ってもらい、その取り組みを広げていくために、式典のほかシンポジウム(詳細は4面で掲載)や記念イベントも開催した。
 同局は森林づくりを進めてきた結果、現在では、水道水源林が東京都23区の約3分の1に匹敵する約2万2000haと広大な面積となっている。一方で、同局の管理がおよばない民有林では、林業不振の影響などにより、管理が十分にできていない人工林が増えてきている。そこで、平成14年7月に多摩川水道水源林隊を設立し、ボランティアの力を借りて民有林を水源地にふさわしい緑豊かな森林へと再生する活動を行っている。

スタンプラリーでなごやのおいしい水をPR/名古屋市上下水道局
 名古屋市上下水道局は上下水道100周年事業の一環として、なごやのおいしい水のPRに協力している店舗を利用し、スタンプを集めて景品を当てるという「スタンプラリー2012」を実施している。期間は11月1日から来年3月31日まで。

水処理の高度化で役割大きく/膜との組み合わせにも注目/津野会長が適用事例紹介/第30回オゾン技術に関する講習会/日本オゾン協会
 日本オゾン協会(会長=津野洋・京都大学名誉教授、大阪産業大学教授)は10月23日、24日の2日間、都内で第30回オゾン技術に関する講習会を開いた。今回は津野会長自らが「下水廃水分野でのオゾン処理」について解説したほか、埼玉県企業局の高野利一氏が「新三郷浄水場における高度処理の導入について」をテーマに講演。上下水道における最新知見も披露された。

配水池改修工事を効率化/コンクリ表面処理機を開発/奥村組
 奥村組は、「柱・壁用コンクリート表面高速処理機」を開発し、配水池改修工事の実施工で施工性能を実証した。上下水道施設の補修・補強工事など広範囲に及ぶ柱や壁のコンクリート表面の削り取り作業を高速で行うことができる処理技術として、営業を強化する。
 従来、コンクリート構造物の補修・補強工事に伴いコンクリート表面の旧塗膜や劣化範囲を削り取る表面処理作業は、主にハンドガンタイプの超高圧水噴射装置を用いて人力で施工するケースが多かった。しかし、こうした施工方法では、表面積の広い柱や壁を処理する場合に作業効率が悪く、施工品質の面でも課題があった。
 今回同社が開発した柱・壁用コンクリート表面高速処理機は、人力での表面処理作業を機械化したもの。作業の大幅な高速化と省力化、仕上がり品質の均一化に貢献する。さらに、ミストや粉塵飛散の抑止、高所作業の低減も実現し、作業環境も従来の施工方法に比べて大幅に改善できるという。

小松電機の小松代表取締役が藍綬/全管連の松田理事が黄綬/平成24年秋の褒章
 平成24年秋の褒章で本紙関係では、小松昭夫・小松電機産業代表取締役が藍綬褒章、全国管工事業協同組合連合会理事・総務部長の松田英行・松田設備代表取締役が黄綬褒章、若藤滿幸・武井工業所職長が叙勲(二類)を受章した。

千代田設備の中谷さんが金賞/国際大会の参加決まる/第50回技能五輪全国大会
 第50回技能五輪全国大会が10月26日から29日まで松本市と諏訪市の会場で開かれ、配管職種では千代田設備(新潟市)の中谷尚平さんが金賞に輝いた。また中谷さんは厚生労働大臣賞を授与されるとともに、2013年7月にドイツ・ライプツッヒで行われる第42回技能五輪国際大会の参加資格を取得した。
 技能五輪全国大会は、全40職種について23歳以下の技能者の技能レベル全国一を競う大会で、若年技能者のレベル向上と、技能の重要性をアピールするのが主な目的。

洗浄用ホースに注目あつまる/2012洗浄総合展
 2012洗浄総合展が10月17日から19日までの3日間、東京有明の東京ビッグサイトで開かれた。
 同展示会は産業洗浄に関する国内最大規模の展示会で洗浄機器・システム、溶剤、回収機器・装置、超純水装置、周辺機器等を展示。115社・団体(277小間)が新技術・製品を出展した。
 本紙関連では日本洗浄技能開発協会が産業洗浄、産業洗浄技能検定を紹介。共栄産業は配管洗浄用ゴムホースを展示。軽量で折れ耐性が非常に高いホースが来場者の注目を集めていた。

秋葉氏ら講師に水質管理研修会/給衛協
 一般社団法人全国給水衛生検査協会は10月12日、「水道水質管理研修会」を都内で開催した。会員ら水道水質関係者およそ70人が参加、識者による講演を通して知識の習熟に努めた。講演は、秋葉道宏・国立保健医療科学院統括研究官、西村哲治・帝京平成大学教授、安藤茂・水道技術研究センター専務理事の3氏が務めた。

GKP、メタウォーターが出展予定/エコプロダクツ2012
 日本最大級の環境展示会「エコプロダクツ2012」が、12月13日から15日までの3日間、東京ビッグサイトで開かれる。今年で14回目を迎える同展示会には、約760社・団体が出展予定。3日間で18万5000人の来場が見こまれている。
 上下水道関係では、下水道広報プラットホーム(GKP)、メタウォーターなどが出展する。

管路管理技士1万人超える/管路協
 日本下水道管路管理業協会は10月31日、第15回資格認定試験の合格者を発表した。総合技士の合格者は12人、主任技士は98人、専門技士は358人だった。

亜鉛めっき年間大会講演会開催/日本鉱業協会など
 日本鉱業協会鉛亜鉛需要開発センター、日本溶融亜鉛鍍金協会は11月15日、東京都中央区の鉄鋼会館で「第15回亜鉛めっき年間大会講演会」を開く。講演内容は、「亜鉛の腐食挙動と亜鉛めっき鋼板の防食特性」「抗菌性酸化亜鉛粉体の合成と亜鉛めっき鋼材への応用展開」「最近の溶融亜鉛めっきの動向」。
 参加申し込みは鉛亜鉛需要開発センターのホームページから。参加費は無料。