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2012年(平成24年) 12月 24日(第4792号)






下水道PPP/PFIの可能性探る/施設更新、職員減少に対応/国交省
 国土交通省下水道部は14日、「第1回下水道施設の運営におけるPPP/PFIの活用に関する検討会」(委員長=滝沢智・東京大学大学院教授)を同省会議室で開いた。この検討会では持続可能な下水道施設の運営に向けたPPP/PFIの活用について検討していくことにしている。下水道のPPP/PFIは現在、PFIの資源利用7件のみに留まっており、他の展開があるか探る。具体的には直営、委託、包括委託、PFIなどの手法ごとのメリット、デメリットを検討していく。委員には下水道の専門家を始め金融、法律の専門家も入っており幅広い観点からの検討が期待される。

JIS化・国際標準化視野に/コンクリ防食技術/JS
 日本下水道事業団(JS)は日本コンクリート防食協会と共同で6日、「第1回下水道コンクリート構造物JIS原案作成委員会」(委員長=宮川豊章・京都大学大学院教授)を本社会議室で開いた。JSでは下水道コンクリート構造物の防食設計や防食工事を行う上で、地方公共団体により異なっている防食技術の設計・施工・維持管理の考え方を標準化するためJIS化を行うことにした。また、防食技術の国際標準化を検討しており、国際標準化への第一歩としての意味合いもある。委員会には宮川委員長、久保内昌敏・東京工業大学大学院教授(副委員長)、野中資博・島根大学教授(同)といったコンクリート防食分野を代表する専門家が参加。下水道界とコンクリート界の総勢21人の委員により1年をかけてJIS原案作成を行う。

水道産業新聞が選ぶ 2012年10大ニュース
1位:水道が目指すべき未来は…「新水道ビジョン」検討進む
 人口減少、経年施設の増加、水道職員の減少といった今後の水道を取り巻く環境に対応するための道筋を示す。検討会の開催はこれまで10数回におよんだ。「信頼」を基本理念に、キーワードは安心・持続・強靱の3本柱。次の時代に水道をつなぐためのこの指針は、年度末に公表・配布される。

2位:下水道の価値向上へ!循環のみち下水道の“成熟化”
 成熟期を迎える下水道界の戦略と国の取るべき具体的な行動を示した。持続性の確保、分野の拡大、地域の拡大という“成熟の3軸”を中心とした7つの戦略と行動により、下水道の価値・ステータス・ブランドの向上をめざしていく。

3位:利根川水系ホルムアルデヒド流出事故で1都4県に影響、36万戸が断水

課題の背景に高齢化社会/福祉部局との連携など情報交換/日水協営業専門委
 日本水道協会は14日、第17回営業業務専門委員会を開いた。▽福祉部局との連携(提案都市=福井市)▽社会福祉施設及び有料老人ホームの料金算定(福岡市)▽相続人調査の基準(大阪市)▽開閉時の対応(京都市)―について情報交換。4題のうち3題は高齢化を反映した課題であり、給水人口の減少以外にも水道事業にとって少子高齢化社会への対応が課題であることが再認識させられた。

新規テーマで排熱発電効果を検証へ/下水道機構
 下水道新技術推進機構は4日、平成24年度第2回技術委員会(委員長=松井三郎・京都大学名誉教授)を同機構の会議室で行った。継続8課題と新規1課題について審議した。
 新規課題は「下水処理場における小型バイナリー発電による排熱利用に関する共同研究」。汚泥処理プロセスにおけるエネルギー利用は大別すると嫌気性消化過程において発生する消化ガスと下水汚泥焼却からの排熱が有望とされている。

主任技術者4554人合格
 給水工事技術振興財団は10日、平成24年度給水装置主任技術者試験の合格発表を行った。合格者は4554人だった。試験は10月28日に全国9会場で実施。1万3325人が受験し合格率は34.2%だった。

ろ過池、配水池、雨水調整池に設置/長沢浄水場にメガソーラー/浄水、送配水の安定性確保/施工企業は東芝/川崎市上下水道局
 川崎市上下水道局は、平成18年8月に策定した「川崎市水道事業及び工業用水道事業の再構築計画」に基づき、再構築工事を進めている長沢浄水場に太陽光発電設備を設置する。定格出力は1100kWと、いわゆる「メガソーラー」となる。施工企業の選定に当たっては、公募型プロポーザルを実施し、東芝を受託者とした。浄水処理および送配水の安定性を確保することが大きな目的であるため、発電した電力は場内で使用することを前提にしており、売電は行わない。自然流下で浄水処理・送配水を行っている長沢浄水場は、消費電力も比較的少ないので、停電時だけではなく通常時においても太陽光発電が担う役割は大きくなる。「再構築計画」では新エネルギーの導入を掲げており、環境への貢献につながる取り組みだ。

災害相互応援覚書を締結/職員間のつながり強める狙いも/仙台市水道局と新潟市水道局
 仙台市水道局と新潟市水道局は11月20日、仙台市水道局庁舎で「災害相互応援に関する覚書」を締結した。締結式には山内晃・仙台市水道事業管理者と元井悦朗・新潟市水道事業管理者が出席して署名後に握手を交わした。
 覚書の内容は▽災害時における応急給水、応急復旧に必要な職員の派遣▽災害発生時における必要な資機材、燃料、物資等の提供▽合同防災訓練の実施―となっている。

小泉首都大特任教授が東京都の水源地を視察
 小泉明・首都大学東京特任教授は11月26日、東京都水道局の水源地を視察した。藤村和彦・水源管理事務所長の案内で、かねてから視察を希望していた多摩川上流域の水道水源林や、水質に関する長年の研究フィールドである小河内ダムを丸1日かけて見て回った。

GX形管を本格採用/LCCの低減など評価/大分市水道局来年4月から
 大分市水道局では、平成22年度から技術基準審査委員会においてGX形ダクタイル鋳鉄管(φ75~φ250)の採用について協議してきたが、今年、試験施工を実施し、その検証の結果、施工性やライフサイクルコスト(LCC)の低減に繋がるとの結果が得られたため、このほど、来年4月からの本格採用を決定した。

ホーチミン技術者の研修実施/「技術交流の覚書」の一環で/大阪市水道局
 大阪市水道局は、ベトナム・ホーチミン市水道総公社(SAWACO)の水道技術者3人を受け入れ、9日から5日間にわたり▽浄水処理▽配水管理システム▽原水水質モニタリング▽水質水源保全▽電気機械設備の維持管理―など多角的な技術研修を行った。

会計見直しなどで講演/呉市内で管理職講習会/日水協中国四国地方支部
 平成24年度日本水道協会中国四国地方支部管理職講習会がさきごろ、呉市の呉阪急ホテルで開催された。鳥生幹夫・日水協調査部調査役らの講演が行われ、会員事業体の職員ら60人が出席した。
 鳥生調査役は「地方公営企業会計制度の見直しについて」と題し、資本制度・会計基準の見直し内容などを説明しながら、「持続可能な水道事業に必要な資産規模の把握を」と強調した。

重要路線の未調査・未対策の解消を/管路管理の徹底訴える/調査技術の開発推進も/管路協が国交省に提案書
 日本下水道管路管理業協会(会長=長谷川健司・管清工業社長)は19日、国土交通省下水道部に下水管路の損傷状況の把握と対策の実施など、5項目の提案を行った。笹子トンネル事故では社会資本の適切な管理の重要性が再認識された。下水管路も老朽化が進行しているが、下水管路の劣化状況調査は進んでいないのが現状だ。提案では、重要路線の未調査、未対策の箇所に対して迅速な対策を講じるよう強く求めた。

工水浄水場で太陽光発電事業/千葉県で企画提案採択される/国際ランド&ディベロップメントら
 国際ランド&ディベロップメント(本社:東京都千代田区、金丸直幹社長)は13日、千葉県企業庁が公募した「千葉県袖ヶ浦浄水場におけるメガソーラー設置運営事業」の事業者に選ばれた。LPガスの製造販売などを手がける堀川産業との共同提案が採択された。提案納付金額は年額190万4762円。土地の使用料も合わせると、319万1016円を県に納める計画だ。平成25年10月に稼働を開始する予定。再生可能エネルギーの固定価格買取制度がスタートして以降、水インフラ分野でも発電設備の導入が活発化しているが、こうした動きがさらに加速しそうだ。

水道耐震管への理解深める/髙田教授がセミナーで講演/防災白熱アカデミィ
 NPO法人防災白熱アカデミィ(理事長=髙田至郎・神戸大学名誉教授)は3日、仙台市内でライフライン耐震管路セミナーを開いた。セミナーには水道事業体と企業から約80人が参加した。髙田教授らの講演を通して参加者は水道耐震管の役割と重要性に理解を深めていた。

PRのパートナー企業を選定/耐震化推進プロと連携/水団連更新・耐震化PR委
 日本水道工業団体連合会は11月30日、東京・市ヶ谷の日本水道会館で第5回水道施設更新・耐震化促進PR委員会を開いた。一般市民に水道施設の更新・耐震化の必要性をPRするキャンペーン企画のコンペを行い、広告代理店の(株)I&SBBDOをパートナー企業に選定した。
 キャンペーンは、水団連も設立発起団体として参加している「水道耐震化推進プロジェクト」と連携して行っていく。具体的には、モデル地区を選定し、水道施設の更新・耐震化の促進を目的に、一般市民に効果的なPR手法を検証する。

臨時総会開き活動状況確認/レジン製品協会
 レジン製品協会の平成24年度臨時総会がこのほど、岐阜市内の東海ヒューム管会議室で開催された。

大震災の復興計画等をテーマに/本部提案型講習会開く/水コン協関西支部
 全国上下水道コンサルタント協会関西支部(森一英支部長)の平成24年度技術講習会(本部提案型講習会)がこのほど、大阪市北区の昭和設計大阪ビルに会員、事業体関係者など約80名を集めて開催され、東京設計事務所の神保志朗氏、水コン協技術委員会委員(東京設計事務所)の古屋敷直文氏の講演が行われた。
 本部提案型講習会は、協会活動による調査研究などで得られた成果を基に本部で講習テーマおよび講師を準備し、支部が地域のニーズを考慮して講習テーマを選択して開催する講習会。地方支部会員と上下水道事業体職員への技術情報の提供をより充実させるため、平成22年度から実施されている。

来年1月に事例発表/日本オラクル
 日本オラクルは1月24日、東京都目黒区のウェスティンホテル東京で「オラクル インダストリー リーダーシップ サミット2013」を開き、スマートメータリングの導入事例などを紹介する。詳細はhttp://www.oracle.co.jp/industryまで。