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2013年(平成25年)  1月 17日(第4797号)





上下水道の「防災対策」「復興」加速へ/平成25年度予算・入れ替え要求
 安倍政権発足にともなう平成25年度予算の概算要求が11日に締め切られた。各省とも「復興・防災対策」など3分野に重点化した要求に入れ替えたかたち。上下水道の復興・防災対策が加速することになる。25年度予算案は今月末に閣議決定される見込み。なお、15日には平成24年度補正予算案が閣議決定されている。補正予算、本予算と連続しての公共事業の推進に、上下水道関係者の期待が集まりそうだ。

耐震化・老朽化対策に全力/24年度補正で約300億円/厚労省
 厚生労働省水道課が明らかにした平成25年度水道関係予算の概算要求によると、公共事業関係予算(水道施設整備費)は、東日本大震災の復旧費等(復興庁計上分200億円)を除き、厚労省、内閣府(沖縄)、国交省(北海道、離島・奄美、水資源機構)計上分の合計で264億6200万円となった。
 24年度予算額(521億8400万円)と比べ大幅減額に映るが、これは昨年9月の要求時に“全国防災”の観点で耐震化の推進のために要求していた294億円が計上されなかったため。ただし、耐震化については24年度補正予算案で「水道施設の耐震化・老朽化対策等の推進」として300億4900万円を計上しており、この補正予算案を加えた実質的な概算要求額は565億1100万円で、24年度予算額と比べ108.3%となっている。

下水汚泥バイオマス活用を/防災・安全交付金の創設も/国交省
 国土交通省は12日、平成25年度国土交通省関係予算概算要求の入れ替えについて発表した。それによると現在の要求額と同額の4兆7410億円(対前年度比1.05)を要求している。
 概算要求時の特別重点要求(グリーン)及び重点要求については、施策の意義を見直した上で「復興・防災対策」、「成長による富の創出」、「暮らしの安心・地域活性化」の3分野に重点化した要求に入れ替えた。下水道分野では重点要求として海外先導的プロジェクトの実施(2億円)を求めていたが復興・防災対策に入れ替えた。特別重点要求の下水汚泥バイオマスを活用した発電技術の実証(下水道革新的技術実証事業、約20億円)はそのまま要求する。

下水道の価値高める事例に/GKP広報大賞創設
 下水道広報プラットホーム(GKP)が「GKP広報大賞」を創設した。下水道界で展開されている広報活動のうち、他業界へ効果的に働きかけている取り組みなど優れた事例を発掘し、表彰するもの。
 “下水道インフラの価値を高める上で最も優れている”と認めたグランプリ受賞者を、GKP広報大賞審査会事務局から国土交通大臣賞(循環のみち下水道賞)候補に推薦。受賞事例はGKPホームページに掲載する。先進的な取り組みを下水道界に広く普及させていくことが狙いだ。

「下水道が身近に」/水の天使・酒井さん1年振り返る
 下水道新技術推進機構は10日、第311回技術サロンを開いた。今回の講師はミス日本「水の天使」酒井美帆さんが務めた。酒井さんは、「水の天使として過ごした1年間と日本の下水道広報について考えたこと」をテーマに、イベントなどの体験を通じた感想を話した。

貯水槽水道の水質劣化/従属栄養細菌と塩素の関係調査/厚労科研費研究
 厚生労働科学研究費補助による「貯水槽水道における水の滞留や不適切な管理による水質の悪化とその対策に関する研究」の第4回委員会(委員長=早川哲夫・麻布大学教授、事務局=全国給水衛生検査協会)がさきごろ、都内で開かれた。報告書の作成に向け、研究経過を確認し執筆の分担を決めた。また、補足調査について検討した。

第2回アジア・太平洋水サミットが5月にタイで
 第2回アジア・太平洋水サミットが5月19~20日にタイ・チェンマイで開催される。さきごろ行われたタイ政府とアジア・太平洋水フォーラム執行審議会の協議で決まった。同サミットは昨年2月に開催予定だったが、タイで発生した洪水被害の影響を踏まえ、延期されていた経緯がある。同サミットの全体テーマは「水の安全保障・リーダーシップと責任―水災害に焦点をあてて」と設定されている。

本格採用視野に入念な検証/25年度も拡大して実施/S50形ダク管を試験施工/横浜市水道局
 横浜市水道局は、栗本鐵工所が開発した呼び径50の耐震型ダクタイル鉄管(製品名:S50形ダクタイル鉄管)の試験施工を実施した。小口径配水管の布設替でダクタイル鉄管を主力管種とする同局では、今後の管路整備において呼び径50配水管での耐震化が課題になっており、課題克服に向けたポテンシャルを有しているS50形管に注目していた。試験施工は平成25年度も拡大して実施することにしており、施工結果などを踏まえつつ、本格採用を視野に入れながら入念な検証を行う方針だ。

浄水処理などの知見報告/イオン交換や膜、VUV処理/大学委託研究報告会開く/東京都水道局
 東京都水道局は、平成24年度大学委託研究報告会を同局研修・開発センターで開き、5人の学識者が23年度に実施した研究の成果などを報告した。18年度から行っている委託研究は同局にとって重要なテーマを扱っており、その成果は、同局の事業や研究に大きく貢献している。この日の報告会では、浄水処理などの最新の知見について、会場の職員と学識者の間で活発な質疑応答が行われた。
 研究テーマは1.安全・安心な水道水確保のための浄水処理技術に関する調査 2.1,4―ジオキサンの処理に関する調査研究 3.気候変動による水道への影響評価と適応策に関する調査―の3つに大きく分かれており、1.については松井佳彦・北海道大学大学院教授、伊藤雅喜・国立保健医療科学院生活環境研究部上席主任研究官、鈴木拓也・八戸工業大学工学部講師が、 2.については松下拓・北海道大学大学院准教授が、 3.については滝沢智・東京大学大学院教授がそれぞれ報告した。

施設の耐震化・耐水化を推進/機能確保や迅速復旧に向け/地震・津波対策整備計画を策定/東京都下水道局
 東京都下水道局は、「下水道施設の地震・津波対策整備計画」を策定した。都が昨年8月に公表した「地震・津波に伴う水害対策に関する都の基本方針」に基づくもので▽水再生センターおよびポンプ所の耐震化▽水再生センターおよびポンプ所の耐水化▽高潮防潮扉操作の遠方制御による自動化―を推進する。同局では今後、同計画を着実に進め、首都直下地震などによる地震や津波に対しても、下水道機能を確保するとともに、被災した際には迅速な復旧ができるよう万全を期すとしている。

立川、八王子単独処理区を編入/経営効率化と水環境の向上へ/東京都下水道局流域下水道
 東京都下水道局はこのほど、立川市と八王子市の単独処理区の流域下水道への編入に向け、基本協定を締結した。編入することで、スケールメリットを活かした施設の更新と維持管理ができるため、経営の効率化を図ることができる。また、高度処理を導入することで、多摩地域の水環境の向上を実現できる。

有効率96%の実現を/職員対象に漏水防止研修/神戸市水道局
 神戸市水道局はさきごろ、漏水防止作業・実技研修を実施した。実技を通じて、漏水調査技術および水質確認手順などを習得するもので、水道実務経験1年以上(初級)の技術職員とともに、漏水防止対策に関心がある技術職員、事務職員ら約40人が受講した。
 東部センターでの座学研修では、衣笠馨・同センター工事係長が「漏水防止作業研修」と題し、漏水調査の目的や漏水防止方法などを説明。衣笠係長は「新たな漏水調査方法を効率よく実践し、給配水管網整備と一体的に推進することで、『中期経営目標2015』の有効率目標値96%の達成を」とまとめた。

神戸市で減災対策シンポ/大学中心の防災連携など紹介/土木学会地震工学委員会
 第4回相互連関を考慮したライフライン減災対策に関するシンポジウム(主催=土木学会地震工学委員会ライフラインの地震時相互連関を考慮した都市機能防護戦略に関する研究小委員会)がさきごろ、神戸市内で開催された。地震防災の最新研究、先進的取組事例などが紹介され、関係者ら約50人が聴講した。

流量調節弁故障で約9000戸が減断水/横浜市水道局
 横浜市水道局今井配水池のポンプ設備の流量調節弁が10日朝に故障し、南区、港南区、保土ヶ谷区、戸塚区の標高65m以上にある約9000戸で減断水が発生した。断水時間は午前6時頃から同10時15分頃。同局では、バイパス弁を開放したほか、他の配水エリアからの系統切替や給水車・広報車の出動により対応した。

電車中吊りで耐震対策PR/神戸市水道局
 神戸市水道局は12~19日までの8日間、「災害に強い水道づくり」を発信するポスターを、市営地下鉄車内の中吊り広告スペースに掲出している。

19日に震災記憶継承でイベント/神戸市水道局
 神戸市水道局は19日、震災関連イベント「子や孫に語り継ぐ阪神・淡路大震災の“水”の記憶」を同市水の科学博物館および奥平野浄水場で開催する。阪神・淡路大震災(平成7年1月17日)から18年が経過し、伝承の力の重要性などを踏まえ、体験談などを継承する。

新年の決意新たに/業界団体が各地で賀詞交換会を開く
巳の如く脱皮重ね前進を/設立50年迎え事業貢献進化/関西WC
 平成25年水道関係新年賀詞交換会(主催=関西ウォータークラブ、共催=日本水道協会・日本下水道協会・日本工業用水協会・全国簡易水道協議会・日本水道工業団体連合会)が8日、大阪市中央区のシティプラザ大阪で開催された。関係者ら約400人が出席し、新年を迎えた喜びを分かち合った。

閉塞感打破に期待膨らむ/官民一丸で事業推進を/中部WC
 中部地区の新年賀詞交換会が8日、7団体(日水協、下水協、工水協、簡水協、水団連、水コン協中部支部及び中部ウォータークラブ)の共催により、名古屋市内の名鉄ニューグランドホテルで開催された。安倍政権の国土強靱化計画の推進に期待が膨らむなか、約350人の関係者らが閉塞感の打破に期待を寄せた。

官民連携の強化を目的に研修/水道事業を発展させる場に/九州WC
 九州ウォータークラブは10日、福岡市中央区のヒルトン福岡シーホークで会員ら約100人が参加する中、新春賀詞交換会を開催した。

管更生と雨水管理の指針解説/更生管の長期品質確保が課題/流出解析モデルの最新情報も/水コン協関東支部・技術講習会
 全国上下水道コンサルタント協会関東支部は、都内で今年度3回目の技術講習会を開いた。水コン協の委員会活動の成果の一環である「管きょ更生工法における設計・施工管理ガイドライン(案)」(日本下水道協会)と約10年ぶりに改訂された「下水道雨水管理計画策定マニュアル(改訂版)」(水コン協)について、実際に調査を担当した委員が概要を説明。コンサル所属の技術者に加え、地方公共団体職員なども参加し、知見を深めた。

出展企業の募集を開始/管工機材・設備総合展/東京管工機材商業協同組合
 東京管工機材商業協同組合(橋本政昭理事長)は第45回管工機材・設備総合展の開催要領を決めた。「未来に残そう 水と空気とエネルギー」をテーマに7月31日から3日間、東京ビッグサイトで開催する。同組合は同総合展実行委員会(向山英雄委員長)を設置、1月15日から出品企業の募集を開始した。
 同総合展は東京都管工事工業協同組合と1年ごとに開催担当を交代して開催しており、新たな需要を開拓する業界最大規模のイベントとして定着している。会期は7月31日から8月2日までの3日間で、午前10時から午後5時(最終日は4時)まで開場。

PE管の施工品質確保へ/4都市で施工講習会開く/ポリテック
 配水用ポリエチレンパイプシステム協会(ポリテック)主催の水道配水用ポリエチレン管(以下、PE管)・継手施工技術講習会がこのほど、名古屋市内で開催された。
 同講習会は例年、全国2会場で開かれているが、PE管に対する関心の高まりを受け、今年度は東京都、仙台市、岡山市を含む4都市で開催している。名古屋会場には市内外の工事事業者ら約70人が参加。施工技能の習得に向けて熱心に受講した。

革新的水処理などテーマ/1月に東京で公開シンポ/JST
 科学技術振興機構(JST)は平成25年1月30日、東京都江東区の東京ビッグサイト会議棟1FでCREST「持続可能な水利用を実現する革新的な技術とシステム」研究領域(研究統括=大垣眞一郎・国立環境研究所理事長)の第1回公開シンポジウムを開く。参加費は無料(交流会参加費は4千円)。参加申込締切は1月18日。詳細・参加登録は同機構http://www.water.jst.go.jp/sympo2012/まで。

関西ものづくり新撰に選定/協和工業・カマンエア
 協和工業のカムレバーロック式急速空気弁『カマンエア』がこのほど、近畿経済産業局の『関西ものづくり新撰(以下、新撰)』に選定された。12月17日の認定証交付式では、小林利典局長から清水重信社長に認定証が手渡された。
 新撰は、優れた新製品や技術を持つ関西の中小企業の販路拡大を支援するもので、同局は応募件数133件の中から1.節電・省エネ 2.医療・健康 3.先端技術 4.防災・セキュリティ 5.新市場創出―の5分野・計33件を選定。カマンエアは 5.で選ばれ、カムレバー操作で簡単に分解組立作業ができるなど、優れたメンテナンス性が高く評価された。

三田市から料金徴収業務受託/第一環境
 第一環境は25日、兵庫県の三田市上下水道部から新規に水道料金徴収等業務を受託し、契約を締結したと発表した。
 業務内容は▽窓口電話受付・収納業務▽開閉栓業務▽滞納整理業務▽検針・検量業務▽料金算定・調定業務▽検定満了メーター取替業務▽下水道使用料関連業務―など。期間は、平成25年4月から平成28年3月までの3カ年。業務は上下水道部庁舎内に設置される「三田市お客さまセンター」で行うこととなる。

下水道関係者の交流の場/恒例の囲碁大会開催/東京下水道設備協会
 東京下水道設備協会は、2月11日に「東京下水道設備人囲碁大会」を開催する。同大会は、都下水関係者と協会会員による親睦を兼ねた同好会として実施されているもので、今年で31回を数える。協会では「最近参加されていない方、初心者の方、そして若い方も、関係者が顔をそろえる機会なのでぜひ参加を」と呼びかけている。
【開催概要】
「第31回 東京下水道設備人囲碁大会」
 日時:平成25年2月11日(月)10時30分~16時30分、場所:日本棋院3階A教室(千代田区五番町7―2・市ヶ谷駅下車徒歩3分)
 参加費:1人3000円(昼食代含む・当日会場で申込みを受け付ける。申込締切:平成25年1月31日(木)

30日から環境・エネ商談会/ジェトロ・大阪府
 「ジェトロ 環境・エネルギービジネス商談会」が1月30日から2日間、大阪市内で開催される。ジェトロ(独立行政法人日本貿易振興機構)大阪本部主催、大阪府共催で、海外の調達・技術開発担当者を招聘し、国内企業の海外展開を支援。海外企業16社は▽水処理機器▽水上設置太陽光発電▽汚泥脱水処理▽汚泥処理リサイクルなどで、購買や共同開発・連携を模索している。参加申込締切は今月18日で、問い合わせはジェトロ大阪本部事業推進課(電話06―6447―2309)へ。

下水道PRに協力を/主婦連に年始のあいさつ/日本下水道施設管理業協会
 日本下水道施設管理業協会は9日、主婦連合会に年始の挨拶に赴き、事務局の若月壽子さんと面談した。