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2013年(平成25年)  7月 25日(第4841号)





下水道の役割、大切さ伝える/第1回GKP広報大賞決まる/金沢市にグランプリ
 下水道広報プラットホーム(GKP、会長=長岡裕・東京都市大学教授)は第1回(平成25年度)GKP広報大賞を決定した。グランプリは金沢市企業局経営企画部経営企画課の下水道事業PRビデオ「わたしとトイレと女神さま」が選ばれた。普段目にすることの出来ない下水道を視覚的に、小学生でも理解できる分かりやすい内容で紹介することにより、下水道の役割や大切さを伝えている。職員が脚本を手がけ出演し、動画サイト「You Tube」を使い多くの人の目に留まりやすくした工夫、斬新性が評価された。

汚泥利用マニュアル作成へ/下水協
 日本下水道協会は下水汚泥利用促進検討調査専門委員会を設置し19日、初会合を開いた。下水汚泥由来の資源・エネルギーの有効活用に向けた検討を行うもので、これまでに下水協が発刊してきた下水汚泥の有効利用に関するマニュアル類を整理して「下水汚泥利用促進マニュアル(仮称)」として取りまとめる方針だ。固形燃料化をはじめとした最新技術が反映される。検討は来年度までの2年間。肥料、建設資材、エネルギーの3分野の小委員会を設置して具体的な検討を進めることになる。

WGが精力的に検討/キャラ愛称29日に発表/水道耐震化推進プロジェクト
 水道耐震化推進プロジェクト検討会(委員長=伊藤雅喜・国立保健医療科学院生活環境研究部上席主任研究官)は1日と16日に4、5回目となる検討会を日本水道協会で開いた。「水道PRキャンペーン」と「耐震化阻害要因・リソース分析」の各ワーキンググループ(WG)から取り組み状況が報告された。
 水道PRキャンペーンWGでは、愛称募集をしていたPRキャラクター「水道のお医者さん」に7300点の応募があり、この中から最優秀作品1点と優秀作品10点を選出。最優秀作品に選んだ愛称は応募者が14人おり、宇仁菅伸介・厚労省水道課長の立ち会いのもと、伊藤委員長による厳正な抽選で当選者を決めた。

山形で豪雨、広域断水/西川浄水場が取水できず/濁度上昇
 山形県内を襲った18日の豪雨の影響で、県企業局村山広域水道から用水供給を受ける地域で断水が続いている。厚生労働省水道課の集計では24日8時現在、▽天童市2万500戸▽上山市1万685戸▽寒河江市9017戸▽村山市7723戸▽河北町5500戸▽大江町530戸―で断水が続く。日本水道協会の災害時相互応援協定に基づく応援などで、67台の給水車による応急給水が実施されている。
 断水は寒河江ダム・寒河江川を水源にする西川浄水場で原水濁度が上昇し取水停止したことにともなうもので、浄水施設や送水施設に被害はない。18日の豪雨で原水濁度が約3000度まで上昇し11時から取水停止、受水12市町への給水が停止された。19日10時30分から段階的に給水を再開したが、再度の降雨で原水濁度が上昇したため再び給水を停止した。寒河江川の濁度が低下してきたことに伴い23日17時30分から受水団体への給水を通常の20%程度の送水量で再開した。

水道渇水対策連絡会を設置/厚労省
 厚生労働省は24日、「厚生労働省水道渇水対策連絡会」を設置した。同省水道課と群馬県、茨城県、埼玉県、さいたま市、東京都、千葉県、千葉市の担当者で構成。関東地方整備局が同日9時から利根川水系で10%の取水制限を実施しており、水道における渇水対策を円滑に推進するための措置。
 同連絡会が設置されたのは平成21年に徳島県・香川県の関係者で構成(6月11日~8月10日)して以来4年ぶり。

官民共同研究の成果活用へ/民間企業の発表、パネル討論など/霞ケ浦での浄水処理研究でシンポジウム/茨城県企業局
 茨城県企業局は17日、同局の水源である霞ケ浦に最も適した浄水処理方法を確立するため、民間企業と実施した共同研究の成果を水道界で活用することを目的に「浄水処理技術シンポジウム―茨城発 官民共同研究成果発表会―」を東京大学本郷キャンパスで開催した。共催は、東大大学院工学系研究科附属水環境制御研究センター。古米弘明・東大大学院教授の講演をはじめ、共同研究を行った民間企業5者による成果発表、パネル討論が行われた。
 同局の霞ケ浦を水源とする浄水場では、藻類の大量発生による水処理障害や夏季の溶解性有機物によるトリハロメタン濃度の上昇など、水処理に関するさまざまな課題がある。そこで同局では、民間企業から提案された最新の水処理技術に関する共同研究を平成21年度から23年度まで実施した。また、浄水処理手法の改善調査検討委員会を設置し、共同研究の結果について、学術的知見に基づき評価・検証した。

JSの最新の取り組みを説明/放射性物質含む汚泥減容化など/JS東海下水道連絡会議
 日本下水道事業団(JS)東海総合事務所は3日、「平成25年度JS東海下水道連絡会議」を名古屋市内で東海3県の自治体の下水道職員約100人を集めて開いた。各講演の後に質疑が行われ、参加者はJSの最新の取り組みについて理解を深めた。
 野村充伸・福島再生プロジェクト推進室長は「放射性物質を含む下水汚泥の減容化」について講演。東日本大震災による東電の原発事故により、JSが福島県で行っているこの事業は世界でも類を見ない事業として注目されている。

地下水規制へ法整備を/北見市に230人が参集/北海道地方支部総会
 日本水道協会北海道地方支部の第84回総会が18日、北見市内で関係者約230人を集めて開催された。
 会員提出問題は、1.地下水等による専用水道の利用に係る法整備及び対応について(提案=道東地区協議会) 2.昭和50年度以前に布設された中小口径鋼管の更新事業に対する補助適用について(同=同協議会)―の2題で、いずれも今年10月に郡山市で開催される協会本部の総会に上程することを議決した。
 なお、次期開催地は道南地区協議会の登別市に決定した。

東電に全額賠償を求める/放射性物質対策など審議/関東地方支部総会
 日本水道協会関東地方支部は9日、第81回総会を千葉市の幕張メッセで開催した。会員提出問題10題を審議し、全てを10月に郡山市で開催される日水協本部総会に上程することを決めたほか、平成24年度決算、25年度事業計画・予算等の審議を行い、いずれも承認した。また、役員改選を行い、現在の支部長および幹事を全て再任した。次回開催担当は群馬県支部で、前橋市で開催予定。
 水道水源の水質保全を推進するため、ホルムアルデヒド等、健康や水質管理に影響を及ぼす項目を環境基準と排水基準に設定すること▽福島原発事故に起因する、各事業体が放射性物質対策に要した費用を全額支払うよう東京電力に働きかけること▽利用者の放射性物質への不安払拭のため、検査体制の充実に必要な財政措置を講じること▽放射性物質を含む浄水発生土の除去方法・影響等について調査研究を推進するとともに、最終処分場の確保を進め、保管・管理・資源化中止等に補償を行うこと―などを求めている。

耐震や簡水統合へ支援を/名誉会員に渡邊氏/中国四国地方支部総会
 第82回日本水道協会中国四国地方支部総会が11日、松江市のホテル一畑で開催された。会員ら約300人が出席し、「公的資金補償金免除繰上償還制度について」など会員提出問題8題を審議。同支部名誉会員に渡邊滋夫・前松山市公営企業管理者を承認し、同支部の幹事4市と監事2市が交代した。次期総会開催地は徳島市。
 会員提出問題は1.公的資金補償金免除繰上償還制度 2.水道施設の耐震化等に対する財政支援 3.水道施設の更新事業等に対する財政支援 4.ダムの大型改修に対する補助新設 5.簡易水道事業統合に対する財政支援 6.配水管等の耐用年数の見直し 7.地下水利用等による専用水道に係る法整備及び対応 8.指定給水装置工事事業者の登録更新制度の創設―についての8題。

渇水対策本部を設置/利根川水系取水制限に対応/東京都水道局
 東京都水道局は23日、吉田永局長を本部長とする「東京都水道局渇水対策本部」を都庁に設置し、第1回会議を開いた。同日に行われた第1回利根川水系渇水対策連絡協議会で、24日9時より10%の取水制限を、施設未完成による暫定水利権については20%の取水制限を同水系で実施すると決定したことを受け設置した。この日の会議では、取水制限による影響を最小限に抑えるため、多摩川水系を活用した効率的な水運用を図るとともに、利用者に対し一層の節水を呼びかける方針を決定した。今後、取水制限が強化された際は、さらに対策を検討する。

大阪市との統合は一旦中止/合同訓練などの拡充検討へ/大阪広域水道企業団
 大阪広域水道企業団は大阪市との水道統合に関し、構成団体である府内42市町村と協議の結果、「大阪市との水道事業統合協議は一旦中止する」と決定した。
 大阪市では5月市議会で水道統合の関連議案が否決となり、6月の戦略会議において企業団との統合協議は一旦中止し、同市水道局の民営化に向けた検討に着手する、と方針を示していた。この方針の対応として、企業団と受水市町村も、水道統合協議を一旦中止とすることに決めた。

2種類ボトル水を総会の会場で配布/松江市上下水道局
 松江市上下水道局は、第82回日本水道協会中国四国地方支部総会(11日、同市内)の会場出入口で、2種類のペットボトル水を配布した。参加者らは飲み比べるなど、両方のおいしさを実感していた。
 「松江 古代水」の原材料は同市水源の1つで、湧水の左水(さみず)。同市出身の漫画家のイラストを用いて、デザインを一新した。「松江 縁(えにし)の水」の原材料は、忌部浄水場の浄水で、今年度から製造。名称は公募で決定した。

低含水率、安定処理を実現/新型脱水機の優位性証明/コスト縮減や環境負荷低減も/災害時でも脱水機能保持/日本下水道事業団、石垣
 日本下水道事業団(JS)は、石垣と「圧入式スクリュー濃縮脱水機による脱水ケーキの低含水率化と汚泥性状の変動に対する処理安定化」について共同研究を行ってきたが、このたびその研究成果の概要報告書が発行された。全国8カ所で行われた実証実験では、通年で低含水率化を実現したほか、難脱水汚泥に対しても安定して処理ができることを実証。研究の目標と定めていた値を上回る好結果が得られ、あらためて圧入式スクリュー濃縮脱水機の優位性が証明されたことになる。自治体が求める濃縮から乾燥・焼却までの汚泥処理システム全体の処理コストや温室効果ガス排出量の削減、汚泥の低濃度化や有機分の増大による難脱水化への対応に貢献する新技術として注目が集まる。

アタカの簡易型繊維ろ過などが受賞/第39回優秀環境装置表彰
 日本産業機械工業会主催の「第39回優秀環境装置表彰」の表彰式が4日、東京都港区の機械振興会館で行われた。
 本紙関係では、アタカ大機の合流式下水道改善処理システム「簡易型繊維ろ過施設」とエビスマリンの「噴流型流動促進式水域浄化装置」が日本産業機械工業会会長賞、クボタの「無端ろ布走行式フィルタープレス(クボタランフィル)」が経済産業省産業技術環境局長賞を受賞した。アタカ大機は、昨年の電機浸透式汚泥脱水機に続き、2年連続の受賞となった。

下水道展で次世代鉄蓋の実証試験/蓋の過剰な食込みとがたつきを防止/日本鋳鉄管
 日本鋳鉄管は、昨年の下水道研究発表会で同社が発表した、過剰な食い込みとがたつきを防止する次世代鉄蓋「EVS」(EvolutionVStructure)を今年度から本格販売する体制を整えたことから、PR・普及に力を入れていくとしている。今月30日から開かれる下水道展’13東京では、EVS鉄蓋の実物を展示するほか、耐ガタツキ性能実証試験(布設後16年目相当)を行い、その高い性能を強くアピールしていく。

水回り設備を簡単に増設/新型排水圧送粉砕ポンプで用途拡大/SFA Japan
 SFA Japan(東京都中央区)は、水まわりの設備を自由に配置することができる圧送・排水システムを手がけているが、排水圧送粉砕ポンプ「サニアクセス3」や排水圧送粉砕揚水ポンプ「サニキュービック2クラシック」などの新製品をラインアップに加え、用途拡大を図っている。
 同社の排水圧送(粉砕)ポンプの大きな特徴は、大規模な工事を行うことなく、どのような場所でもトイレや浴室、キッチン、洗面台などの水まわり設備を設置できる点だ。簡単な工事で設置できることから、コストを最小限に抑えることができる。一般住宅や商業施設、公共施設、工業施設など幅広い施設での利用が可能となっている。

企業人事
コスモ工機 6月26日
 ▽常務取締役総務部長(取締役総務部長)関口孝博
 ▽執行役員エンジニアリング部長(エンジニアリング部長)渡部洋之▽執行役員開発部長(開発部長)山内伸児▽執行役員製造部長(製造部長)石井靖
 ▽顧問(常務取締役)藤本俊一▽顧問(取締役)山下孝夫▽退任(取締役)大塚尚嗣

前澤工業  8月29日
 【機構改革】
 ▽マエザワグループ全体の経営戦略の立案・実行をするため、経営企画室と管理本部を統合し経営管理本部とする▽広報・IR部を広報部に改称
 ▽国内水インフラビジネスについて、環境事業、バルブ事業の連携強化を目的に、環境事業本部とバルブ事業本部、開発本部を統合、改編し事業統括本部とする▽開発本部を環境R&D推進室に改編し、その下に技術開発センター、分析センターを置く▽建設事業部をプラント建設事業部に改称▽プロジェクト管理室を環境プロジェクト管理室に改称▽環境事業本部、バルブ事業本部が管轄する各品質保証部をプラント品質保証部、バルブ品質保証部に改称▽埼玉製造所市場開発部をバルブ開発部に改称
 【人事異動】
 ▽執行役員事業統括本部プラント建設事業部長兼調達部長(執行役員環境事業本部建設事業部副事業部長)川口晶己▽執行役員事業統括本部プラント建設事業部副事業部長兼建設部長(執行役員環境事業本部建設事業部建設部長)篠崎長洋▽執行役員事業統括本部バルブ事業部長(執行役員バルブ事業本部バルブ事業部副事業部長)若林晃治▽執行役員事業統括本部埼玉製造所長兼業務部長(執行役員バルブ事業本部埼玉製造所副所長兼業務部長)小関範男▽執行役員事業統括本部埼玉製造所副所長兼製造部長(執行役員バルブ事業本部埼玉製造所製造部長)手塚正三▽事業統括本部環境R&D推進室長兼技術開発センター長(開発本部技術開発センター長)赤澤尚友▽事業統括本部環境R&D推進室技術開発センター部長(開発本部技術開発センター部長)山本志野歩

販売実績順調に伸びる/プレシールコア継手/シーケー金属日本総合住生活
 配管機器メーカーのシーケー金属(本社・富山県高岡市、釣谷宏行社長)と日本総合住生活(本社・東京都千代田区、福永清社長)が、地震などの災害から水道配管を守り利用者に安定した給水を確保する給水配管システムとして開発したシール付管端防食継手「プレシールコア継手」が好調な販売を続けている。
 プレシールコア継手は、水質基準に適合したフッ素系シール材を継手めねじ部に、あらかじめ工場で自動塗布された商品である。均一で最適な厚さに塗られたシール材により、確実なシール性が確保されているため、接合品質のムラがなくなる。また、シール材の潤滑効果でねじ込みトルクが低減することから、転造ねじ接合にも適しており、作業効率が向上し施工品質も安定している。