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2013年(平成25年) 9月 9日(第4852号)
低コスト技術をパッケージ採用/建設費3割、維持管理費2割削減/下水道未普及解消へ
会員提出問題は17題に/講演、表彰など震災特別企画も/郡山全国会議/日水協
IWA―ASPIREが開幕/若手水道専門家の議論も/韓国・大田市で
新理事長に浜田氏/給水財団
タイ研修生が表敬
消化ガスシステムの技術提案を募集/JS
早明浦ダムの取水制限が解除
下水汚泥有効利用セミナーを黒部市で
組織挙げての施工管理/幹部が一斉に工事安全パト/札幌市水道局
創立40年迎え決意新たに/相生市で記念式典開く/西播磨水道企業団
残塩低減化へ9月中に試験/受水槽塩素消費調査まとめへ/千葉県水道局おいしい水づくり推進懇話会
兵庫県、岡山県で断水
10%取水制限を一時的に緩和/利根川水系渇水対策連絡協議会
"ど真ん中祭"で水道水をPR/名古屋市上下水道局
今後も緊張感持って検査/沖縄県企業局が認定更新
南京町広場でミスト散布/神戸市水道局
国内最大の浸漬式PVDF膜整備へ/高い処理性と維持管理費低減を実現/水ingグループ
光触媒で施設を長寿命化/窓への施工で遮熱効果も/汚れやひび割れ抑制/日本メンテナスエンジニヤリング
ICタグ付きマンホール/日立製作所が採用/鉄蓋が情報発信基地に/トミスなど4社が開発
TSS社長に増子氏/TGS社長に小川氏
54・2%が備蓄水を保存せず/三菱レイヨン・クリンスイ調べ
低コスト技術をパッケージ採用/建設費3割、維持管理費2割削減/下水道未普及解消へ
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国土交通省国土技術政策総合研究所と愛知県美浜町は4日、美浜町の現行下水道計画に対し、低コスト技術の活用などにより建設費3割、維持管理費2割を削減できる研究成果が得られたと発表した。低コスト技術は幹線管きょのルート見直し、管きょの浅層埋設、小口径マンホール、改良型伏越しといった国交省のクイックプランで評価されたものをパッケージで採用した。国交省は美浜町をモデルケースに、下水道整備の遅れている自治体を支援することにしている。
愛知・美浜町と国総研が研究
美浜町で研究された下水道を効率的に整備するための低コスト技術である幹線管きょ整備は、高額な推進工法を適用しないことを前提にルートを再検討し、開削工法を大幅に増やすことでコストを削減をするもの。枝線管きょ整備は小口径マンホール、改良型伏せ越し、浅層埋設を採用し施工性とコストの問題を同時に解決した。
会員提出問題は17題に/講演、表彰など震災特別企画も/郡山全国会議/日水協
日本水道協会は5日、第2回運営会議を開いた。来月に迫った郡山市で開催する全国会議(第83回総会・水道研究発表会)について、総会会員提出問題を審議したほか、東日本大震災に関連した特別企画の内容が報告された。また、来年度の上水道関係予算について、厚生労働省の宇仁菅伸介・水道課長、総務省の笠井敦史・公営企業経営室課長補佐から概算要求の説明を受け、会議後に要求額の確保などを求め自民党議員と財務省に対し要望活動を実施した。
全国会議での特別企画は、東日本大震災の発災当時を振り返るとともに、復興に向けた方策を探るもの。復旧・復興の取り組みに関する40編の研究発表や、講演が予定されている。また、被災地における応援活動に対する感謝状の贈呈式も行われ、全国の383事業体と水道関係11団体に感謝状が贈られる。
総会会員提出問題は、各地方支部から提出された49題を集約した17題。
IWA―ASPIREが開幕/若手水道専門家の議論も/韓国・大田市で
IWA(国際水協会)の第5回アジア太平洋地域会議・展示会(IWA―ASPIRE)が9日、韓国の大田(テジョン)市内で開幕した。11日まで3日間、研究発表やワークショップなどが順次行われる。展示会には、日本水道協会や水関連企業などのジャパンパビリオン、東京都(水道局・下水道局)のブースが出展され、多くの来場者で賑わっている。
開会式の前日には、第4回若手水道専門家プログラムが開催された。日本人10人を含む約50人が参加した。
新理事長に浜田氏/給水財団
給水工事技術振興財団の理事長に、現・顧問の浜田康敬氏が就任する。4日都内で開かれた臨時理事会の互選により決定された。厚生労働大臣の認可を経て、10月1日付で就任する。
タイ研修生が表敬
JICA草の根技術協力事業で来日したタイ下水道公社の5人が2日、国土交通省を訪れ岡久宏史・下水道部長を表敬した。5人は埼玉県と日本下水道事業団の研修に参加するため2週間の予定で来日した。
消化ガスシステムの技術提案を募集/JS
日本下水道事業団(JS)は愛知県から受託した矢作川浄化センターの基本設計業務で、汚泥消化施設、消化ガス有効利用施設などの技術提案の公募を行うことにした。民間企業から幅広く技術の提案を受け、JSが設置する評価委員会で総合的な評価を行った結果を、設計や工事発注仕様に反映する。
矢作川浄化センターは全体計画48万3000立方m/日、現有能力26万4000立方m/日で、現在の汚泥処理フローは濃縮―脱水―焼却。汚泥量の増加に備え、減容化による後段処理の能力縮小や消化ガスの有効利用を図るために消化ガスシステムを導入する。技術提案の対象汚泥量は全体計画の8分の1および8分の2相当としている。
公募は9日から開始し、10月25日まで。応募要項はJSホームページからダウンロードできる。
早明浦ダムの取水制限が解除
国土交通省四国地方整備局が事務局を務める「吉野川水系水利用連絡協議会」は4日、早明浦ダムの取水制限を全面解除した。秋雨前線や台風17号の影響による降雨で、同ダムの貯水率は100%を回復。これを受け、同整備局や香川県内の自治体は、渇水対策本部を解散した。取水制限は8月2日から34日間(一時解除期間6日間含む)に及び、この間のダム貯水率は8月25日0時に最低24・0%を記録した。なお、厚生労働省が設置している水道渇水対策連絡会の構成員から、徳島県と香川県は5日に削除された。
下水汚泥有効利用セミナーを黒部市で
日本下水道協会は10月24~25日に富山県黒部市で「第26回下水汚泥の有効利用に関するセミナー」を開催する。下水汚泥の再資源・有効利用を促進する活動の一環として毎年開いているセミナーで、国や大学、研究機関、自治体などが実施事例や最新動向を紹介・発表する。開催地の黒部市では、下水汚泥に農業集落排水汚泥、浄化槽汚泥、事業系食品残渣を混合しメタン発酵させることにより発生したバイオガスを場内の発電や設備の熱源などとして利用するという先進的な取り組みを行っている。セミナーの詳細や、申し込みなどは下水協ホームページ「研修講習会のご案内」を参照。
組織挙げての施工管理/幹部が一斉に工事安全パト/札幌市水道局
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札幌市水道局では、管路工事をはじめとする施設建設現場における「工事安全パトロール」を定期的に実施している。このパトロールには部長職を筆頭とする技術系幹部も参加して一斉に実施しており、組織を挙げて工事現場の事故防止や施工管理の充実が図られている。
同局の「工事安全パトロール」は、平成5年度から本格的に実施されており、頻度は年に定期4回、臨時4回、夜間1回を基本とし、さらにそれぞれの所管部門の判断によって随時行うことも多く、「1年のうちに各現場を最低1度は回ることが基本。全工事現場でのパトロール実施を目指す」(同局関係者)という積極性に富んだものになっている。パトロールは原則抜き打ちで実施しているために施工現場の緊張感維持に向けても好作用をもたらしているようだ。
創立40年迎え決意新たに/相生市で記念式典開く/西播磨水道企業団
創立40周年を迎え、事業の充実・発展へ決意新たに―。西播磨水道企業団が今年で創立40周年を迎えた。昭和48年9月に相生市と揖保川町で「相生揖保川水道企業団」を創設後、御津町の加入と西播磨水道企業団への名称変更(同57年12月)、揖保川町・御津町など合併し、たつの市発足(平成17年10月)などを経て、現在は2市域に安定給水している。記念式典が2日、相生市のラヴィーナ相生で開催された(本紙8月29日号で特集掲載)。
残塩低減化へ9月中に試験/受水槽塩素消費調査まとめへ/千葉県水道局おいしい水づくり推進懇話会
千葉県水道局は8月30日、同局庁舎で第15回おいしい水づくり推進懇話会を開いた。平成18年度から27年度を計画期間とする「おいしい水づくり計画」の進捗状況や、受水槽内塩素消費量実態調査について事務局から報告があり、それらを踏まえ、構成員が意見を交換した。また、前懇話会までの構成員が今年3月に任期を終了したことから、構成員の入れ替えを行い、座長は佐々木弘子・聖徳大学人間栄養学部教授、副座長は鎌田素之・関東学院大学理工学部准教授を再任した。
同計画の各施策のうち、残留塩素の低減化については、平成24年度における残留塩素濃度の年平均値は0・59mg/ℓで、27年度までに0・4mg/ℓの目標値を達成するため、今年度は9月中に北船橋給水場、北習志野分場および幕張給水場で塩素注入量を低減化する試験を実施する。
受水槽内塩素消費量実態調査は、通常使用時の受水槽を対象とするA調査と、使用を停止している受水槽を対象とするB調査を行い、受水槽内の塩素消費量の挙動を調査するもの。これまでの結果から、A調査では受水槽内の水の入れ替え回数が多いほど塩素消費量が小さくなる傾向を確認し、B調査では残留塩素の消費量は時間経過とともに低下する傾向を確認した。B調査は今月まで実施し、調査終了後は、これまでの調査結果をまとめたうえで、受水槽内塩素消費の考え方を整理し、残留塩素低減化に向けた基礎資料にする。
兵庫県、岡山県で断水
9月1日から5日にかけて各地で降った大雨により、上下水道施設でも被害が発生した。
兵庫県市川町では最大60戸、同県神河町では1戸、岡山県高梁市では最大59戸、同県赤盤市では最大50戸が断水したが、いずれも復旧している。
10%取水制限を一時的に緩和/利根川水系渇水対策連絡協議会
利根川水系渇水対策連絡協議会は、6日午後5時から、利根川水系からの10%の取水制限を一時的に緩和した。最近の降雨により河川流況が好転してきたことを踏まえた措置。取水制限は7月24日から継続してきた。一方で、利根川上流8ダムの貯水量が抜本的に改善されていないことから、引き続き節水への協力を呼びかけている。
"ど真ん中祭"で水道水をPR/名古屋市上下水道局
名古屋市上下水道局は、安全でおいしい水道水をPRするため、8月24、25日に行われた「第15回にっぽんど真ん中祭り」の参加者や観覧者に水道水を提供したほか、パネル展示を行った。
水道GLP
信頼されるデータを提供/江東微生物研究所が認定取得
江東微生物研究所はこのほど、水道GLP(水道水質検査優良試験所規範)を取得した。2日に日本水道協会理事長室で認定証の授与式が行われ、大湊克己・環境分析センター長と今野英明・同センター検査部科長が、尾﨑勝・日水協理事長から認定証を受け取った。
水質検査を含む環境衛生検査の主体となっている同センターは、平成16年にISO9001の認定を受けている。大湊センター長は、「水道事業者から信頼されるデータを提供したいという思いと、ISOの求める品質以上のものを目指したいと考えたのが、GLP取得のきっかけ」と話す。
若手への技術継承に/柏崎市ガス水道局が認定更新
柏崎市ガス水道局はこのほど、水道GLP(水道水質検査優良試験所規範)認定を更新した。8月27日に日本水道協会理事長室で認定証の授与式が行われ、坂爪忠義・局長と白井広一・浄水課長が、尾﨑勝・日水協理事長から認定証を受け取った。
同局は、赤岩、谷根、川内の3つの水道専用ダムを水源とし、市全域に自然流下で配水している。また、昨年10月には刈羽村を事業統合し、給水区域に加えた。赤岩、谷根ダムには、カビ臭対策として5段階の選択取水設備を有しているが、更なる水質の向上を目指し、高度浄水処理の導入を検討している。
同局の職員91人のうち、浄水課職員は15人。坂爪局長は、「小さな事業体で水道部局を持つことは大変なことで、水質プロパー職員もほぼ1人という体制で、本当によく頑張ったと思う。新人を含め若手職員への技術継承という面でも意義のある更新だと思う」と話した。
今後も緊張感持って検査/沖縄県企業局が認定更新
沖縄県企業局は水道GLP(水道水質検査優良試験所規範)認定を更新し、さきごろ日本水道協会理事長室で認定証の授与式が行われた。平良敏昭・企業局長(公営企業管理者)と新城清春・水質管理事務所長が出席し、尾﨑勝・日水協理事長から認定証を受け取った。
平良局長は、「GLPが良いモチベーションになった。職員一同、何があろうと1日でも水を絶やしてはならないという緊張感を持って今後も日々の検査に取り組んでいきたい」と話した。
南京町広場でミスト散布/神戸市水道局
神戸市水道局は8月13、14日、水道水を使用したドライミスト散布機の実演を南京町広場で行った。記録的な猛暑の中、市民や観光客らは気温低減効果を実体験した。同局は環境貢献を通じ、水道の良さを再認識してもらう視点を取り入れながら、水の有効利用などを促進している。
国内最大の浸漬式PVDF膜整備へ/高い処理性と維持管理費低減を実現/水ingグループ
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膜ろ過方式で更新整備する春日那珂川水道企業団の東隈浄水場施設改良事業の事業者が水ingを代表企業とする「水ing・三井住友・安川・三水・サンコー特定建設工事共同企業体」(水ingグループ)に決まった。同事業は、老朽化した浄水施設の更新や既存施設の耐震化をDB方式で行うもの。また、水需要量の見直しを行い、施設能力を日量2万5000立方mにダウンサイジングして更新整備することとした。水ingグループは、高濁度対応や省エネ、膜の長寿命化などのメリットがあり、維持管理費の低減に強みをもつ高強度の浸漬式PVDF膜を活用して更新整備する提案を行い、高い評価を得た。浸漬式PVDF膜の浄水場としては国内最大で、平成30年3月に完成予定。契約金額は45億9300万円。
光触媒で施設を長寿命化/窓への施工で遮熱効果も/汚れやひび割れ抑制/日本メンテナスエンジニヤリング
日本メンテナスエンジニヤリングは、光触媒で塗装表面の汚れやひび割れなどを抑制する技術を開発した。光触媒の酸化チタンを酸素欠陥した「低次酸化チタン」に着目。可視光で親水性機能を高める防汚・長寿命化コーティング液は、窓ガラス・外壁のすすや雨すじ汚れなどを防止し、ひび割れ抑制効果も備え、長寿命化に繋がる。また、同液に工夫を加えた遮熱コーティング液は、窓内側への施工で遮熱効果も期待できるとしている。
光触媒は日本で発見・開発された技術で、光を吸収すると、他の物質に化学反応を起こさせる機能がある。有害物質の除去や脱臭、防汚などの効果があり、建築用内外装材などに幅広く活用されている。
ICタグ付きマンホール/日立製作所が採用/鉄蓋が情報発信基地に/トミスなど4社が開発
トミス(本社・東京、戸簾俊久社長)はIRO(アイアールオー、本社・千葉県松戸市、井上久仁浩社長)、日立化成(本社・東京、田中一行社長)、日立システムズ(本社・東京、高橋直也社長)と共同で「ICタグ付きマンホール」を4月から発売していたが、このほど日立製作所電力システム社が採用したことを明らかにした。同マンホールは鉄蓋にICタグを埋め込み、読み取り装置(リーダー)でデータを読み取ることで必要な情報が必要な時に確認できる国内初の画期的な製品。災害対策にも威力を発揮することから注目を集めている。水道事業体からの問い合わせも多く、今回の採用を機に本格的に拡販していくとしている。
TSS社長に増子氏/TGS社長に小川氏
東京水道サービス(TSS)は1日、取締役会を開き、前東京都水道局長の増子敦氏を社長に選任、同日付けで就任した。飯嶋宣雄前社長は、兼任していた子会社の東京水道インターナショナル社長を引き続き務める。
東京都下水道サービス(TGS)は8月30日に取締役会を開き、前東京都下水道局長の小川健一氏を社長に選任し、1日に就任した。前田正博前社長は、1日付けで下水道メンテナンス協同組合理事長に就任。8月30日に開かれた同組合の臨時総会で選任された。
54・2%が備蓄水を保存せず/三菱レイヨン・クリンスイ調べ
三菱レイヨン・クリンスイは8月29日、防災備蓄に関わる意識・実態調査結果を公表した。それによると、54・2%の人が住居内に防災備蓄用のペットボトル水を保存していないことがわかった。昨年の調査に比べて、備蓄していない人が9%増加。東日本大震災から2年が経過し、防災意識が低下しているという結果となった。