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2013年(平成25年) 10月 10日(第4859号)
下水道施設の老朽化対策で提言/予防保全型管理に転換を/国交省下水道部・日本下水道協会
役割の明確化、連携が必要/継承すべき技術の整理も/下水道事業運営のあり方検討会報告書案示す
尾﨑理事長が被災地調査/復旧・復興の現状を把握/日水協
下水道フューチャーセンターを開催/国交省下水道部、土木学会
群馬東部水道広域化で基本計画/施設整備などで388億円/安定した水供給実現へ/研究会が策定
技術協力などで覚書締結/ミャンマー・ヤンゴン市と/東京都水道局らのコンソーシアム
本紙新人記者が見る新潟市信濃川浄水場
業務の工夫や改善等を発表/MIP賞に3題選出/日水協東北地方支部水道技術事例発表会
研究課題の成果を報告/水道技術事例発表会に併せ開催/3技術研究委員会
上下水道まなび隊を開催/堺市上下水道局
維持管理性能や環境性能を向上/オイルフリーのフィルタープレス開発/全自動運転で省力化・無人化実現/石垣
コンパクト化と高い耐震性実現/国内外で不断水工法の普及促進へ/水研と提携で画期的な不断水分岐割T字管を開発/コスモ工機
就任インタビュー/"人との繋がり"を大切に/ウォーターテック社長 早坂克浩 氏
駒ヶ根市で料金徴収業務開始/災害時協定を締結/ジェネッツ
広報と管路耐震化で講演/新潟県で技術説明会開く/日本ダクタイル鉄管協会関東支部
ボイラ管理を体験し興味を/キッザニア内にパビリオン/三浦工業
貯水槽や農薬分析で講演/残塩水でレジオネラ菌存在も/給衛協近畿支部研修会
下水道施設の老朽化対策で提言/予防保全型管理に転換を/国交省下水道部・日本下水道協会
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国土交通省下水道部と日本下水道協会が共同で設置した「下水道施設の老朽化対策に関する検討委員会」(委員長=長岡裕・東京都市大学教授)は2日、最終提言をまとめた。最終提言では管路や処理場の健全度を効率的に点検・調査するための方法、将来の維持管理・改築時に配慮することについてまとめた。最終提言を踏まえて今後、地方公共団体などがアセットマネジメントに基づく予防保全型管理を着実に進めていくことが期待されている。
最終提言の項目
1.施設全体を対象としたマネジメントの実施 2.施設の健全度等を把握するための効率的な点検・調査の実施 3.新設・修繕・改築時における将来の維持管理・改築への配慮 4.新しい時代のニーズに対応した機能向上の推進 5.施設情報の収集・蓄積・共有化 6.アカウンタビリティの向上(住民等の理解と協力の推進) 7.老朽化対策に係る技術開発 8.地方公共団体への支援
役割の明確化、連携が必要/継承すべき技術の整理も/下水道事業運営のあり方検討会報告書案示す
国土交通省は9月30日、日本下水道協会で第6回下水道の事業運営のあり方に関する検討会(委員長=花木啓祐・東京大学大学院教授)を開き、事務局の示した報告書案に対する委員の意見を調整した。報告書では、持続的な事業運営のために事業主体が「最低限実施すべき」役割と「本来実施すべき」役割を明確にした上で、人員の確保や、関係主体との連携を進める必要があるとしている。
また、事業主体が継承すべき技術力と関係主体が継承すべき技術力を整理し、国や下水道事業団による研修や資格制度も活用した技術力の確保に努めるべきとした。
尾﨑理事長が被災地調査/復旧・復興の現状を把握/日水協
尾﨑勝・日本水道協会理事長は2日~3日の2日間、東日本大震災の被災地現地調査を行った。復旧・復興の現状を把握するため、宮城県と福島県の8水道事業体を訪問し、意見を交換した。訪問したのは▽石巻地方広域水道企業団▽七ヶ浜町水道事業所▽相馬地方広域水道企業団▽南相馬市建設部水道課▽福島地方水道用水供給企業団▽福島市水道局▽いわき市水道局▽双葉地方水道企業団―(訪問順)。
下水道フューチャーセンターを開催/国交省下水道部、土木学会
国土交通省下水道部と土木学会はさきごろ、福岡市内で「下水道フューチャーセンターin福岡」を開催し、学識経験者や国、自治体の下水道実務関係者ら約40人が参加した。各分野の垣根を超えて討論することで、次世代の下水道についてアイデアを創造することが狙い。土木学会主催のシンポジウムも同じ日に実施された。
群馬東部水道広域化で基本計画/施設整備などで388億円/安定した水供給実現へ/研究会が策定
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群馬県東部の3市5町(太田市、館林市、みどり市、板倉町、明和町、千代田町、大泉町、邑楽町)で構成する群馬東部水道広域研究会は、「群馬東部水道広域化基本計画」を策定した。計画期間は平成27年度から36年度までの10年間。今年7月に策定した広域化の基本方針である「群馬東部広域化基本構想」で描いた長期的な将来像である「持続可能な水道による安定した水の供給」を実現するための具体的な施設整備計画・財政計画にあたる。水道施設再構築に伴う施設整備事業費、既設施設および管路の更新事業費、管路の新設事業費、営業設備費を合計すると、計画期間内の事業費の総額は約388億円となっている。また、今回の水道広域化では、市町が構成団体となる企業団を設立し28年4月からの事業運営開始を目標にしているが、基本計画では、将来の経営状況を踏まえると早急に群馬県用水供給事業と群馬東部地域との垂直統合についても推進する必要があると指摘している。
技術協力などで覚書締結/ミャンマー・ヤンゴン市と/東京都水道局らのコンソーシアム
東京都水道局、東京水道サービス、三井物産、東洋エンジニアリングで構成する日本コンソーシアムは9月26日、ミャンマー連邦共和国のヤンゴン市開発委員会と水道における技術協力などに関する覚書を締結した。今後、ヤンゴン市の水道を改善していくことを目的に、情報交換や人材育成、水ビジネスを見据えたプロジェクト組成の検討を行っていく。都水道局では、この協力関係を通じて同局の国際貢献ビジネスを一層推進していくとしている。
本紙新人記者が見る新潟市信濃川浄水場
新潟市水道局における“広告塔”の役割も兼ねているという新潟市水道局の信濃川浄水場。小学生による社会科見学をはじめ、イベントの際には多くの地域住民で賑わう。地域のランドマーク的な存在となっている高さ53mの高架配水塔が印象的だ。「新潟市で最も新しく、21世紀を担う基幹浄水場です」と説明してくれたのは、総務部総務課広報・人材育成室の川瀬悦郎主幹。建設当時、信濃川浄水場建設室が設置されていた計画課に在籍していたという川瀬さんに、同浄水場が担う“市民広報”という視点から施設を案内していただいた。
業務の工夫や改善等を発表/MIP賞に3題選出/日水協東北地方支部水道技術事例発表会
日本水道協会東北地方支部は8月29日・30日の2日間、「第16回水道技術事例発表会」を福島市のホテル福島グリーンパレスで開催した。支部内の事業体職員など185人が出席し、19題の発表について活発な意見交換が展開されたのをはじめ、同支部が設置している3研究会からの報告や厚海亮・福島県保健福祉部食品生活衛生課技師の特別講演などが行われた。
発表会では10の事業体から、水質管理や維持管理など、日頃携わっている業務上の工夫や改善、調査などの発表があった。平成22年度から、参加者の意欲向上のために表彰制度を導入しており、優秀な発表に対してMIP賞を授与している。今年は▽青森市の水道水源地における植林事業について(青森市企業局・宮川伸治主査)▽浄水場運転の節電対策について(盛岡市上下水道局・富井健技師)▽NPOと企業、地域との連携による災害体制の構築(北上市上下水道部・小原太吉主任)―の3題が選ばれた。
研究課題の成果を報告/水道技術事例発表会に併せ開催/3技術研究委員会
日水協東北地方支部の第16回水道技術事例発表会では、同支部が設置している3つの技術研究委員会から、研究課題についての報告があった。
給水装置研究委員会は、「給水装置の適正な維持管理について」報告した。給水装置の適正な維持管理に必要な情報の提供と共有をテーマに、東北地方支部内の水道事業者へアンケート調査や給水用具の製造者等へヒアリング調査を実施。ヒアリング調査の結果では、顧客台帳の作成や管理が適正な維持管理につながるが、作成には関係者間で理解と連携を図ることが課題だとした。維持管理に関わる情報交換については、水道事業者が主導になることが必要との回答もあった。
上下水道まなび隊を開催/堺市上下水道局
堺市上下水道局は8月11日、小学生に上下水道事業への親しみを持ってもらうため『夏休み自由研究・上下水道まなび隊』を開催し、会場となった三宝下水処理場や局庁舎に親子連れなど約200人が集まった。
同イベントは夏休みの自由研究に役立つよう、上下水道に関する様々な実験や観察コーナーをはじめ、水や管材料などを用いた工作コーナー、給水タンク車や移動電源車などを展示した防災コーナーなどを設けた。さらにペットボトルロケットなどの水あそびの場も設置し、参加者らは楽しみながら水を学ぶひと時を過ごした。
維持管理性能や環境性能を向上/オイルフリーのフィルタープレス開発/全自動運転で省力化・無人化実現/石垣
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石垣は、オイルフリーのろ布走行型フィルタープレス「ラースタフィルターER(型式:ISDC―ER)」を開発した。ろ板周辺部やろ布走行用チェーンのオイルフリー化に加え、ろ板締め付けシリンダーを電動化することで、維持管理性を大幅に向上させるとともに環境負荷を低減させたのが最大の特長だ。維持管理の効率化によりメンテナンス要員の削減を図ることができ、時代のニーズにマッチした機種といえる。すでに2水道事業体から受注しており、来年度には稼働するとしている。同社では、本格的に営業展開を行い、浄水場排水処理施設の更新・増設市場でのシェアを拡大したい考えだ。
コンパクト化と高い耐震性実現/国内外で不断水工法の普及促進へ/水研と提携で画期的な不断水分岐割T字管を開発/コスモ工機
コスモ工機(加藤正明社長)は、コンパクトなフランジレスの不断水分岐割T字管「コスモ耐震型ロータリーバルブ」を開発した。割T字管に内蔵させた円弧状の弁体が、割T字管の内周面と既設管の外周面との間を回転して分岐部を開閉する画期的な構造で、従来の分岐部に仕切弁が付随する割T字管では克服することが難しかった課題を解決する“次世代不断水分岐割T字管”だ。すでに8月には、国内第一号の採用実績をつくっている。
大きな特長は、薄型の分岐用弁体を既設管直近に内蔵し、分岐部に仕切弁が不要なため、穿孔ストロークが短くなり、穿孔精度の向上と穿孔機の小型化を実現した点が挙げられる。これにより、穿孔軸長が短くなり、工事スペースの大幅なコンパクト化を可能にした。
就任インタビュー/"人との繋がり"を大切に/ウォーターテック社長 早坂克浩 氏
今年7月に社長に就任した早坂氏は入社からこれまで営業一筋。「入社してすぐに、機械を分解して修理するという教育を受けましたので自社製品のトラブルにはすぐに対応できました。営業マンも現場対応ができるように教育されてきましたし、それが当社の存在価値でもあると思います」と話す。
駒ヶ根市で料金徴収業務開始/災害時協定を締結/ジェネッツ
ジェネッツ(深澤貴社長)は、長野県駒ヶ根市(杉本幸治市長)から上下水道料金徴収業務を受託し、1日から業務を開始した。業務開始に先立って市役所本庁舎1階に設置した上下水道料金お客様センターの開所式を行うとともに、「災害時における応急対策に関する協定」の調印式を実施した。
広報と管路耐震化で講演/新潟県で技術説明会開く/日本ダクタイル鉄管協会関東支部
日本ダクタイル鉄管協会関東支部は9月25日、新潟市産業振興センターで技術説明会を開いた。新潟県内の事業体職員53人が参加する中、水道事業が抱える今日的課題として、広報活動と管路の耐震化に関する2題の講演を行った。
ボイラ管理を体験し興味を/キッザニア内にパビリオン/三浦工業
三浦工業(本社=愛媛県松山市、高橋祐二社長)は9月30日、「ボイラ施設」パビリオンを、キッザニア甲子園(兵庫県西宮市)に出展した。同社は産業用ボイラ(小型貫流蒸気ボイラ)や、水処理装置などの製造・販売を手掛けている。職業・社会体験型施設のキッザニアで、ボイラの点検や修理、確認などの作業体験を通じて、子どもたちにボイラの役割や仕組み、エネルギーの大切さなどを啓発する。
貯水槽や農薬分析で講演/残塩水でレジオネラ菌存在も/給衛協近畿支部研修会
全国給水衛生検査協会近畿支部の平成25年度研修会が9月20日、メルパルク京都で開催された。会員ら約50人が出席する中、貯水槽実態調査や農薬分析法の事例発表、堀場雅夫・堀場製作所最高顧問の特別講演が行われた。