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2013年(平成25年) 11月 11日(第4865号)






原水悪化対応手引きが大詰め/浄水・管路の研究着々と/水道技術研究センター
 水道技術研究センターが浄水技術委員会と管路技術委員会を相次いで開催し、浄水・管路両部門で進めている研究の最新動向が報告された。原水水質の悪化に悩む中小事業体向けの手引き作成が最終段階に入り、次世代の管路を構築するための「Pipe Stars」でも予防保全型の維持管理マニュアルに関する検討などが着実に進んでいるようだ。地球温暖化など自然環境の変化や施設の老朽化、省エネ対策に人口減少社会への対応など立ち向かうべき課題が山積の水道界。課題解決の一助となるべく産・官・学が英知を集結させた同センターの研究の成果に期待がかかる。

【浄水技術委員会】
 第3回浄水技術委員会(委員長=国包章一・元静岡県立大学教授)が6日開かれ、今年度実施した研究事業の状況などについて話し合われた。その中で、平成23年度から実施し、最終年度を迎える「経年化浄水施設における原水水質悪化等への対応に関する研究(厚生労働科学研究費事業)」の原水水質悪化への対応について報告があった。研究は、中小の水道事業体が異常気象に伴う水質の悪化対応に苦慮している実情を踏まえた内容。実態把握や浄水処理薬品の種類・使用条件・知見をもとにした対応技術の整理を行うことで、中小事業体が容易に採用できる浄水処理プロセスや施設改善方策を検証しており、最終段階を迎えている。

【管路技術委員会】
 5日に開いた第3回管路技術委員会では冒頭、委員長に田村聡志・東京都水道局給水部長が選任され、平成25年度に実施した研究事業の報告では次世代の水道管路に関する研究「Pipe Starsプロジェクト(共同研究事業)」の状況が説明された。

名古屋・さいたまでセミナー
 水道技術研究センターは、新水道ビジョンをテーマにした「第23回水道技術セミナー」を名古屋市(12月19~20日・名古屋国際センター)とさいたま市(来年1月16~17日・市民会館おおみや)で開催する。申し込みは名古屋会場が12月3日、さいたま会場が12月26日までで両会場とも定員は150人。受講料は会員1万8000円、会員以外2万6000円。申し込み・問い合わせは同センター水道技術セミナー事務局(電話03─3597─0214、Eメールseminar@jwrc-net.or.jp)まで。

新水道ビジョン推進へ"ミニ懇談会"/厚労省
 厚生労働省水道課は10月30日、新水道ビジョンの推進に役立てようと水道事業体と情報交換する〝ミニ懇談会〟を開いた。この日は午後から水道技術管理者研修を開いており、午前中を利用して各地方を代表する事業体である仙台市、東京都、名古屋市、大阪市、岡山市、福岡市の技術系幹部に集まってもらった。新水道ビジョンの印象をはじめ、ビジョンに掲げている広域化や人材確保、危機管理対策、財源確保などを巡って情報を共有し意見交換した。出された意見は、協議会を設置して進めているビジョン推進のロードマップづくりの参考にする。

元横浜市下水道局長の河合氏らが受章
 秋の叙勲・褒章の受賞者が発表された。上下水道関係では髙橋邦夫氏(元山形県企業局長)、時谷暢明氏(元千葉県水道局長)、河合菊雄氏(元横浜市下水道局長)、山野好章氏(元神奈川県公営企業管理者)、鹿嶽宰氏(元大阪府水道企業管理者)が瑞宝小綬章を受章した。また、管工事関係者で横須賀武士氏(全国管工事業協同組合連合会理事)、北川晶夫氏(元全国管工事業協同組合連合会理事)が旭日双光章を、松田二三夫氏(浅岡工業(株)職長)、伊藤昭彦氏((株)カケン工務部次長)、松江久人氏(山岡工業(株))建設環境部取締役兼任部長)、大熊泰雄氏(全国管工事業協同組合連合会理事)が瑞宝単光章、武井昭和氏(和歌山県管工事業協同組合連合会副会長)が黄綬褒章を受章した。ほかにも、本多清治氏(全国ビルメンテナンス協会副会長)が旭日小綬章を受章している。

26年度事業計画書を公表/第二原連の工事本格化・水道局/第一期再構築は750ha実施・下水道局/東京都
 東京都は7日、平成26年度の主要事業計画書を公表した。水道局、下水道局では、それぞれ「東京水道経営プラン2013」「東京都下水道事業 経営計画2013」の2年目にあたることから、プラン・計画で掲げた施策を着実に進めるための事業計画となっている。水道局は施設の更新や管路の耐震化などを、下水道局は老朽化した施設の再構築や浸水対策、震災対策などを推進する。また、地方公営企業会計制度の見直しや来年4月からの消費税引き上げへの対応を行っている。

【水道局】
 水道局は、建設改良費に999億4200万円(対前年度予算比120億700万円増)を見込んだ。また、主要施設整備事業の総額は、消費税引き上げなどを盛り込み、1260億円(同30億円増)とした。大規模浄水場更新積立金は50億円(同額)とした一方で、大規模浄水場更新に向けた代替施設整備のため、6億900万円(同3億6500万円増)を取り崩す。また、奥多摩水道施設整備積立金からは12億9800万円(同6億7500万円増)を取り崩す。安全でおいしい水の安定的な供給に向けて必要な事業に予算を配分している。

【下水道局】
 下水道局では、利用者の安全・安心を支える施策を強化・スピードアップするとともに、快適な水環境の創出とエネルギー対策の両立に取り組んでいくとしている。
 区部下水道事業の下水道建設費は1550億円(対前年予算比100億円増)を見込んだ。これは、消費税と労務単価の引き上げによるもの。
 再構築に関しては、都心4処理区を対象とした第一期再構築エリアの枝線再構築を750ha実施する。経営計画2013では、計画期間内に2100haの再構築を行うことになっており、さらに41年度に第一期再構築エリアの再構築を完了させる目標に向け、年700haのペースで再構築を進めることが必要になっている。同局では、年700haペースを軌道に乗せるため、適切に事業を執行していくとしている。幹線の再構築については8㎞、主要設備の再構築は113台実施する。

優先交渉権者にメタグループ/送配水維持管理とのSPC設立へ/契約締結は年末までに/会津若松氏の滝沢浄水場更新事業
 会津若松市水道部は5日、基幹浄水場である滝沢浄水場の更新、更新浄水場および既存浄水場の維持管理業務をDBO方式で実施する「滝沢浄水場更新整備等事業」の優先交渉権者に、メタウォーターを代表企業とするグループ(構成企業=フジタ、八ッ橋設備、メタウォーターサービス、日本水工設計、会津土建、目黒工業商会)を選定したと発表した。メタウォーターグループは今後、同市との基本協定を締結し、「送配水施設維持管理業務等業務」の優先交渉権者である会津若松水道サービスと特別目的会社(SPC)を設立することになる。同市とSPCの契約締結は12月末までに行われる予定。新たに設立されるSPCは、これまでの「会津若松方式」と同様に、浄水施設および送配水施設の維持管理が事業目的となる。

安全管理徹底し事故防止を/意識向上へ講習会など実施/東京都下水道局・事故予防対策強化月間
 東京都下水道局は、工事が最盛期を迎える11月を「事故予防対策強化月間」として、下水道工事における安全管理を徹底するとともに、工事に携わる一人ひとりの安全意識の向上を図るため、講習会の開催やパトロールの強化など様々な取り組みを進めている。
 「事故予防対策強化月間」のスタートにあたり、安全意識の高揚を図るため、1日、都庁で下水道工事安全管理者講習会を開いた。安全管理優秀現場と安全標語の表彰式、安全管理優秀現場の事例発表、渡邉富雄・東京労働局労働基準部安全課主任安全専門官による特別講演を行った。会場には同局職員や工事受注者など約600人が集まった。

湖北地方水道の連携強化を/地域住民も記念イベントに/創立50周年式典を開催/長浜水道企業団
 長浜水道企業団は滋賀県初の広域水道として昭和38年に発足し、今年で創立50周年を迎えた。2日には企業団庁舎前で関係者ら約40人が参加するなか、記念式典を開催し、さらに式典後は下坂浜浄水場を開放して記念イベントも行い、地域住民らとともに50年の節目を祝った。

水源涵養林を協働で保全/横浜信用金庫と協定締結/横浜市水道局
 横浜市水道局は10月23日、横浜信用金庫と、横浜市固有の水源地である山梨県道志村に同局が所有している水源涵養林を協働で保全する「水源エコプロジェクト協定」を締結した。この協定に基づき、同局は横浜信用金庫から、平成26年度から28年度までの3年間に各年度30万円、合計90万円の寄附を受ける。寄付金は、同局が道志村に所有している水源涵養林の中に設けた、平成26年度から28年度の間に同局と横浜信用金庫が協働で整備を行うエリア「《よこしん》みんなの森」の整備費として活用される。

松下・神戸市所長が講演/神戸みなとの知育楽座
 神戸みなとの知育楽座Part5『神戸のみなと・まち・歴史をもっと知ろう!』の第3回講演が10月18日、神戸海洋博物館ホールで行われた。今回は松下眞・神戸市水道局中部センター所長が「神戸への水の道~古代ローマから産業革命のイギリス、そして神戸~」と題して講演した。

人事・東京都水道局
16日付
 ▽西部支所給水課長(下水道局計画調整部計画課課長補佐・基本計画主査)加藤正樹▽南部支所配水第一課長(西部支所給水課長)小久保学

INCHEM TOKYO2013/水関係の最新技術が一堂に/日本能率協会化学工業会
 化学・環境エンジニアリングの総合展「INCHEM TOKYO2013」(主催=日本能率協会、化学工学会)が10月31日から3日間、東京ビッグサイトで開かれた。432社・団体が出展し、1万9777人が来場した。同総合展は4つの展示会で形成されるが、その一つの水処理技術・サービスの専門展示会「水イノベーション」には、水処理プラントや水処理装置、機能材・水処理薬品、部材から管理・運営サービスなど幅広い技術・サービスが展示された。また日本水フォーラムや国際連合工業開発機関(UNIDO)による特別講演・セミナーなども行われ、新興国での水ビジネスなどについて最新の情報提供が行われ、多くの来場者で賑わった。

小流量制御形バタ弁に新機能/ギア比可変減速機できめ細かい制御/栗本鐵工所
 栗本鐵工所は、小規模流量制御を実現し、水道管路の初期通水時における白濁などのトラブルを解消したBT─V形、BT─VT形バタフライ弁に、オプションとして変速形ギアハンドル(減速機)を採用し、初期の通水流量がさらにきめ細かく制御可能となった。同製品は先に開催された郡山水道展の同社ブースで紹介され、好評を博した。

オゾン技術講習会開く/様々な分野の技術を結集/全量高度の金町浄水場見学も/日本オゾン協会
 日本オゾン協会(藤原正弘会長)は10月28、29日に東京・蒲田の大田区産業プラザで第31回オゾン技術に関する講習会を開いた。講習会では水道、下水道をはじめ様々な分野で用いられているオゾン応用技術について9題の講演により紹介された。2日目には見学会も実施され、東京都水道局の金町浄水場を見学した。同浄水場は今年4月に第三期工事が完了し、日量150万立方mを全量高度浄水処理(オゾン↓生物活性炭処理)している。

橿原、山口で業務開始/奈良県で初の実績/第一環境
 第一環境は奈良県橿原市、山口市から上下水道料金検針徴収業務を受託し、10月から業務を開始した。
 橿原市では、10月1日にお客さまセンターを開設し、業務を開始した。開所式で、宮崎勝己常務は「奈良県内の事業体からの業務受託は初めての実績となる。さらに業務品質とサービスの向上に努めていきたい」と抱負を述べた。受託業務は、▽検針業務・水道の使用開始や中止の開閉栓現地処理業務▽収納業務(滞納徴収)▽給水停止や給水停止解除業務・開閉栓受付、電話交換業務▽水道メーター取替業務▽給水装置工事受付業務─など。受託期間は3年間。

簡単操作で写真台帳を作成/最新の要領・基準に準拠/オリンパスイメージングなど
 オリンパスイメージングは、NECソフト、ルクレと共同開発した工事写真管理ソフト「蔵衛門御用達14」シリーズ(スタンダード版、プロフェッショナル版)を22日から発売する。
 蔵衛門御用達シリーズは、工事写真と写真情報をガイドに沿って登録するだけで、工事写真台帳を作成・印刷できるデジタルアルバムシステム。14版では、デジタルカメラのデータをガイドに従ってドラッグとドロップするだけの簡単な操作で、工事写真の取り込みや台帳の作成・管理が行えるのが大きな特長だ。

11月27日に研究発表会開く/JSTT
 日本非開削技術協会(JSTT)は11月27日、東京・虎ノ門の発明会館で2013年(第24回)非開削技術研究発表会を開催する。▽非開削管推進技術(事例・発表)▽非開削管推進技術(理論・分析)▽非開削検査・診断技術▽非開削地下探査技術▽非開削改築推進技術▽非開削更生強靱化等技術─の項目について発表が行われる。参加希望者は11月25日までに同協会事務局までメール(office@jstt.jp)またはファクス(03─5639─9975)で申し込む。参加費は会員3000円、官庁・学校関係1000円、非会員6000円(論文集費含む)。

推進工事技士の実地合格者発表/日本推進技術協会
 日本推進技術協会は8日、2013年度の推進工事技士試験(実地試験)の合格者を発表した。受験者数は306人で、合格者は223人(合格率72・9%)だった。学科、実地試験を通しての受験者総数は514人で、最終合格率は43・4となった。試験は、東京、名古屋、大阪、福岡、那覇の5会場で行われた。
 合格者の発表は、同協会で合格者の受験番号を掲示するほか、ホームページ、機関誌の「月刊推進技術」11月号に掲載する。

環境衛生管理技術者試験の合格者を発表/日本建築衛生管理教育センター
 日本建築衛生管理教育センター(篠崎英夫理事長)は5日、第43回建築物環境衛生管理技術者試験の合格者を発表した。受験者数は9441人で、合格者数は1000人(合格率10・6%)だった。試験地は、札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、福岡の6会場。
 合格発表は、同センターのホームページ、厚生労働省と同センター本部で合格者の受験番号を掲示している。