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2013年(平成25年) 11月 14日(第4866号)
大阪市、水道民営化で素案/上下分離方式の経営形態/新会社に運営権を売却
普及促進の仕組み構築/情報集約機能の一元化も/下水道ICT活用検討会/国交省
下水道研発 3編に最優秀賞/下水協
MBR国際標準化に向け/規格案の素案を検討/国交省
政策懇談会で水道の現状を説明/日水協
製造業支えるインフラ/耐震化等の継続的な措置を要望/工水協
ロシアの都市問題解決へ協議会
事業運営や人材育成が課題に/PFI導入など情報共有/大都市下水道局長会議が静岡市で
伊豆大島豪雨被害の支援活動を振り返る/東京都水道局
3市水道局初の合同訓練/連携強化と住民主体めざし/札幌市・仙台市・新潟市
安定給水の誓い新たに/6施設が土木遺産に認定/神奈川県企業庁
発電電力を全て売却/固定価格買取制度を活用/都の施設では初/東京都水道局葛西給水所の小水力発電
水環境フェアに4千人来場/神戸市
アフリカの水環境改善へ/はまっ子どうし売上金を寄附/横浜市水道局
23編の研究成果を披露/ハリケーン・サンディの調査報告も/東北大で第25回研究発表会を開く/EICA
ストック分野で18の新製品/バリューチェーン化で成果/積水化学工業
体制一新し更なる成長へ/会長・社長就任で披露会/森松工業
高性能な超音波流量計を発売/幅広い管径、全管種に対応/グッドマン
12月に講演会開催/応募締切り迫る/設備協
公民連携で豪雨被害を克服/加圧給水車で給水支援活動/第一環境
防災委員会設置へ/25年度臨時総会開く/全国さく井協会
水・環境システム事業部を移転/東芝
12月に市民環境学校/グリーンサイエンス21
大阪市、水道民営化で素案/上下分離方式の経営形態/新会社に運営権を売却
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大阪市はこのほど、水道事業民営化の検討素案をまとめた。経営形態としては上下分離方式の民営化とし、市が100%出資する新会社を設立。新会社に30年間の運営権を売却し、企業経営に優れた人材を登用するなどの内容を盛り込んでいる。業務開始は平成27年度を目指しており、実現すれば自治体単位では全国初の水道事業民営化となる。
大阪市は、大阪広域水道企業団との統合を今年6月の市議会反対によって方針転換、水道事業民営化の方向で検討を進めてきた。大阪市水道事業が目指す方向性や課題解消に向け、抜本的な経営改革を行うためには、民営化の検討が必要とし、1.公共性の担保、 2.効率性・発展性、 3.早期の実現可能性―の観点から、民営化素案をまとめている。
11日には、橋下徹市長も出席するなかで市戦略会議を開き、民営化素案をもとに議論。水道施設、水利権などは市が保有し、運営権を売却する上下分離方式の民営化、平成23年度にコンセッション方式の導入に向けて新設された公共施設等運営権制度の活用などの方針を確認した。
普及促進の仕組み構築/情報集約機能の一元化も/下水道ICT活用検討会/国交省
国土交通省下水道部は5日、日本下水道新技術機構で第4回下水道におけるICT活用に関する検討会(座長=山田雅雄・中部大学客員教授)を開いた。検討会の成果は、下水道政策研究委員会で10月から検討が開始された「新下水道ビジョン(仮称)」に反映させる。来年2月に管理・運営施策をテーマに開かれる第5回の研究委員会までに報告書をまとめることになった。研究委員会で示された新たな下水道中期ビジョン(持続のみち)では、「人・モノ・カネの一体管理」の中でICTの活用も挙げられている。
下水道研発 3編に最優秀賞/下水協
日本下水道協会は10月30日、第50回下水道研究発表会の口頭発表セッション最優秀賞表彰式を協会会議室で行った。口頭発表344編のうち最優秀賞に選ばれたのは▽「嫌気性アンモニア酸化反応を利用した窒素除去における処理方式の検討」中村安宏氏(明電舎)▽「管路内設置型熱回収技術を用いた下水熱利用に関する実証事業」水窪俊博氏(大阪市)▽「階段式ストーカ炉による汚泥焼却廃熱を利用した発電システムの検討」水野孝昭氏(タクマ)―の3編だった。
MBR国際標準化に向け/規格案の素案を検討/国交省
国土交通省下水道部は1日、今年度の第1回膜分離活性汚泥法標準化検討委員会(委員長=山本和夫・東京大学環境安全研究センター教授)を日本下水道事業団で開催した。
この検討委は国内における膜分離活性汚泥法(MBR)の標準化に関する知見を集約し、国際標準化に向けて検討するため平成24年度に設置。低品質な製品や不適切な運転管理などによって、MBR本来の性能が得られずに評価が下がり、MBR導入の鈍化につながることが懸念されている中で、MBRの性能やその評価方法、運転方法などに関する標準化は効果的と期待されている。
政策懇談会で水道の現状を説明/日水協
6日、自民党本部で開かれた「予算・税制等に関する政策懇談会」に日本水道協会の尾﨑勝・理事長が出席し、水道事業の円滑な推進のための支援を訴えた。
政策懇談会は来年度の予算編成に向けて各分野の関係団体から意見・要望を聞くために開かれたもので、この日は飲食や理容など生活衛生、年金関係の各関係団体に混じり公衆衛生部門から水道の日水協が出席した。
製造業支えるインフラ/耐震化等の継続的な措置を要望/工水協
日本工業用水協会は10月28日、経済産業省に対し、工業用水道の更新や耐震化事業に対する継続的な国の措置について要望活動を行った。杉浦誠治・会長代理(愛知県企業庁技術監)を団長とする要望団は、経済産業省で河村延樹・大臣官房審議官らに面会し、国の支援を求めた。
杉浦会長代理は「補助の継続性が確保されない場合、事業の遅延や資金収支計画の悪化等の影響が出る。工業用水道は、わが国の製造業を支えている非常に重要な産業インフラであり、一般予算、補正予算化による国の継続的な措置が不可欠」と訴えた。これに対し、河村審議官は「夏に着任して以来、工業用水を数カ所見せていただき、工業用水が地域振興や産業の役に立っていることを改めて認識した。事業者のためのみならず、社会全体のためという点をプラスアルファしたものに対して、最大限の努力をしていきたい」と応じた。
ロシアの都市問題解決へ協議会
国土交通省は日露都市環境協議会を設立し、10月30日に設立総会を開いた。国交省、厚労省などの5省や、クボタ、水ing、メタウォーターをはじめとした82の民間企業・団体が参加。ロシア都市部の人口増加等に伴い、都市環境問題などを改善するため産官学の幅広い関係者間で知見や情報を共有していく。昨年11月には、ロシアの都市・環境・インフラ等の課題について日露の官民が話し合う「日露都市環境問題作業部会」の創設が合意されており、この推進母体としての役割も期待されている。
事業運営や人材育成が課題に/PFI導入など情報共有/大都市下水道局長会議が静岡市で
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施設の大規模更新時期を迎えつつある大都市の下水道事業にとって、安定的な事業運営や人材の育成・確保が大きな課題となっているようだ。10月31日に静岡市で開催された全政令市と東京都による第109回大都市下水道会議(局長会議)では、このテーマを巡って各都市が現状と取り組みを紹介。PFIや包括的民間委託などの先進事例や、監理団体を活用した人材確保の取り組みなどが披露された。大都市の下水道事業が抱える課題解決へ向け熱心に情報交換した。
会議は、提案されたテーマに沿って各都市が回答を寄せる形式で進行。「下水道事業の運営及び人材の育成・確保」については札幌市など8都市が提案。これらの都市では水の使用量が減少傾向にあり下水道使用量収入が伸び悩んでいる一方で、老朽化した施設の改築・修繕に要する費用が増大。施設管理の無人化・委託化による人件費削減、汚泥処理の集中化など維持管理費の削減に努めている。札幌市では中継ポンプ所・雨水ポンプ場17カ所をすべて無人化し、比較的小規模の分流式の処理場4カ所の運転管理業務を委託。汚泥処理は2カ所で集中処理しているという。
伊豆大島豪雨被害の支援活動を振り返る/東京都水道局
台風26号の影響による甚大な豪雨被害を受けた大島町では、一時3000世帯に及ぶ断水が生じた。東京都水道局は、3次にわたり支援部隊を派遣。応急給水や被害状況の確認、仮復旧に向けた技術的支援などにあたった。本紙では各部隊長から話を伺い、活動を振り返った。
3市水道局初の合同訓練/連携強化と住民主体めざし/札幌市・仙台市・新潟市
札幌市、仙台市、新潟市の3市水道局が10月28日から30日にかけて、大地震による断水を想定した合同訓練を仙台市内で実施した。札幌市と仙台市は「19大都市水道局災害相互応援に関する覚書」に基づいて合同防災訓練に関する覚書を結んでおり、これまで2年おきに開催地を交代しながら行ってきたが、昨年仙台市が新潟市とも災害相互応援に関する覚書を結んだことから、初めて新潟市を交えた3市での実施となった。
安定給水の誓い新たに/6施設が土木遺産に認定/神奈川県企業庁
神奈川県企業庁(神奈川県営水道)の水道施設のうち6施設が、土木学会選奨土木遺産に認定された。いずれも、創設期に建設された施設で、わが国初の県営広域水道の歴史を永く県民に伝える貴重な施設であることが認定理由となった。10月27日には、認定書授与式が今回土木遺産に認定された水道記念館(寒川町)で行われ、土木学会関東支部選奨土木遺産選考委員会委員を務める中藤誠二・関東学院大学理工学部准教授から古谷幸治・神奈川県公営企業管理者・企業庁長に認定書が手渡された。
発電電力を全て売却/固定価格買取制度を活用/都の施設では初/東京都水道局葛西給水所の小水力発電
東京都水道局の葛西給水所で、先月1日から小水力発電設備が運転を開始した。全発電電力を再生可能エネルギー固定価格買取制度を活用して売電する都として初めての施設となる。小水力発電設備の最大出力は340kWで、予定発電電力量は約140万kWh/年。事業費は2億5000万円。年間で4600万円程度の収益と約530tのCO2削減が見込めるという。同局では、平成28年度末までに再生可能エネルギーによる発電設備を1万kW分整備する目標を掲げており、今後はこの固定価格買取制度も活用した発電設備の整備を進めていく考えだ。
水環境フェアに4千人来場/神戸市
2013西水環境フェア「平磯探検隊」(神戸市建設局西水環境センターなど共催)が10月19日、垂水処理場内の垂水平磯芝生広場周辺で行われた。親しまれる下水道の一環で、下水処理場の探検や顕微鏡観察をはじめ、ザリガニ釣り体験、演奏・踊りなどのステージイベント、白バイ・ごみ収集車の展示など、多彩な催しが繰り広げられる中、親子連れら約4000人が来場した。
アフリカの水環境改善へ/はまっ子どうし売上金を寄附/横浜市水道局
横浜市水道局は、今年6月に横浜市で行われた第5回アフリカ開発会議にあわせ、1本販売するごとに1円をアフリカ支援に寄附することを目的とした同市オフィシャルウォーター「はまっ子どうしTheWater」の限定ラベルボトルを販売した。その結果、寄附金の総額は84万8088円となり、JICAの「JICA基金(アフリカ支援)」を通じて、アフリカの水環境改善などに役立てられることになった。横浜市が実施したアフリカ応援キャンペーン「ヨコハマforアフリカ」の一環。
23編の研究成果を披露/ハリケーン・サンディの調査報告も/東北大で第25回研究発表会を開く/EICA
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環境システム計測制御学会(EICA)は10月31日、11月1日の2日間、仙台市の東北大学片平キャンパスで第25回EICA研究発表会を開催した。一般論文、査読論文、新未来プロジェクト、米国ハリケーン・サンディ下水道被害復旧調査報告など23編の発表があった。特別講演では、仙台市建設局の安附太郎・下水道経営部下水道計画課主査が「東日本大震災と仙台市の下水道」と題して講演した。また、基調講演では、東北大学大学院の吉岡敏明教授が「災害廃棄物処理の新しいコンセプトとその効果」をテーマに熱弁を振るった。また、2日目には仙台市南蒲生浄化センターと宮城県石巻ブロック災害廃棄物処理施設などを見学した。
ハリケーン・サンディの調査報告
EICAでは東日本大震災調査経験を活かしハリケーン・サンディの現地調査団(中里卓治団長ら12名)を結成。1.米国の高潮浸水被害対策を学ぶ 2.今後の災害対策に活かす 3.東日本大震災津波被害を伝える―を目的に調査を行った。調査団は今年9月16日から20日の日程で現地視察を行っており、NJ州水環境学会や被害のあった4カ所の処理場視察などを実施した。今回はその、中間報告を行った。
ストック分野で18の新製品/バリューチェーン化で成果/積水化学工業
積水化学工業(根岸修史社長)は12日、中期経営計画「GS21―SINKA!」の進捗状況や各カンパニーの事業概況・目標などを説明した。
根岸社長は「今年度は5カ年の中期経営計画の最終年度。10月末に第二四半期の決算発表を行ったが、当年度の通期営業利益を当初の740億円から810億円まで上方修正した。19年ぶりの最高益を狙っている。今年は中期計画の最終年度であるとともに次期中期計画の準備の年なので、各カンパニーがさらに進化すべく、その骨子を練っているところだ。来年春には示していきたい」と事業の概況を紹介した。
体制一新し更なる成長へ/会長・社長就任で披露会/森松工業
森松工業はこのほど、岐阜市内の岐阜グランドホテルに取引先企業の関係者ら約150人を集め、会長・社長就任披露会を開催した。今年8月の取締役会で松久信夫・前代表取締役社長が代表取締役会長に、松久晃基・前代表取締役副社長が代表取締役社長に就任したことを受けて開催されたもので、新体制の下でさらなる成長を目指すことをアピールした。
高性能な超音波流量計を発売/幅広い管径、全管種に対応/グッドマン
探索機・測定機の総合商社グッドマン(本社=横浜市、渡邊研一・代表取締役)は、11月からポータブル超音波流量計「Uf801P」、河川・用水路用超音波流量計「Uf831」の販売を開始した。2つの流量計は、超音波流量計で40年の実績があるフランスのウルトラフラックス社製。同社が日本の総代理店となっている。
ポータブル超音波流量計「Uf801P」の大きな特長は、管径6mmから10mまでの幅広い管径に対応し、あらゆる管種で活用できる点だ。また、精度は0・5%~と高い性能を誇る。
12月に講演会開催/応募締切り迫る/設備協
東京下水道設備協会は12月2日、東京都新宿区の角筈区民ホールで「江戸・東京の水模様」~多摩川に鮎が1200万匹帰って来た~をテーマに公開講演会を開催する。講演者は21世紀水倶楽部理事やGKP(下水道広報プラットホーム)企画運営副委員長として活動するメタウォーターの栗原秀人氏。
参加希望者は住所・氏名・電話番号を明記し、FXA(03―3346―3055)またはEメール(
watanabe@setubikyo.or.jp
)で申し込む。受講料は無料、応募締切りは11月22日。
公民連携で豪雨被害を克服/加圧給水車で給水支援活動/第一環境
7月28日、山口県と島根県の県境で豪雨が発生し、山口市内では1時間あたり143mmの雨量を観測した。山口市の阿東地域では簡易水道の浄水場が冠水したほか、配水管が破損して断水に見舞われた。応急給水活動には、下関市や宇部市、周南市のほか、同市と災害協定を締結している第一環境が給水活動を支援した。ここでは、公民連携の事例として、第一環境の給水支援活動を中心に紹介する。
防災委員会設置へ/25年度臨時総会開く/全国さく井協会
全国さく井協会(会長=脇雅史・参議院議員)はこのほど、名古屋市で臨時総会を開くとともに、「いい井戸の日」のイベントを行った。
総会であいさつした知久明副会長は「大震災以降、地下水が見直されており、防災井戸が注目されている。これからも防災井戸の設置を全国的に展開していきたい」と述べ、会員の協力を求めた。
総会では会務報告や事業実施状況が報告されたほか、防災委員会(仮称)を設置することが了承された。同協会では防災井戸を全国的に普及させるとともに、国に対しても補助制度などで働きかけていくとしている。
水・環境システム事業部を移転/東芝
東芝は、水・環境システム事業部を移転して、18日から営業を開始する。新事務所には、グループ会社を含むスマートコミュニティ事業の関連部門が集結し、同事業の中核拠点として複合的なソリューションをグローバルにトータルに提供するとしている。移転先は次のとおり。
〒212―8585川崎市幸区堀川町72番地34、電話044―331―0815、FAX044―548―9569
12月に市民環境学校/グリーンサイエンス21
NPO法人グリーンサイエンス21(海老江邦雄理事長)は12月12日、東京飯田橋のセントラルプラザ10階で第18回市民環境学校を開く。
今回のテーマは、「災害時における飲料水確保とトイレの問題」。東京都水道局の田代則史・総務部調整担当課長が「東京都水道局の耐震対策」、木村技研の木村朝映社長が「簡易トイレの必要性」をテーマに講演する。
開催日時は、12月12日13時30分~16時30分。参加費は、会員が500円で、非会員は1000円。定員は40人。申し込み方法は、名前と連絡先を記入して事務局にFAX(03―3952―1121)を送信する。