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2013年(平成25年) 11月 18日(第4867号)






「水道議連」発足へ/課題山積の水道界を後押し/自民党
 自民党の国会議員により「自民党水道事業促進議員連盟」が発足することになった。水道を「国民生活に密着した都市環境」という点で捉え、その整備促進につながる活動を進めていく。人口減少に伴う収入減、老朽化施設の増大、耐震化や危機管理対策、人材の確保…取り巻く環境が変化し現在の水道は課題山積。新水道ビジョンが示した将来あるべき水道の姿の実現のためにも、政界のバックアップが大きな力となる。

盛岡で"地域懇談会"/新水道ビジョン推進へ
 厚生労働省水道課は25日に北海道・東北地方の水道事業者や水道用水供給事業者、水道行政担当部局を対象にした「第1回新水道ビジョン推進のための地域懇談会」を盛岡市で開催する。各地域での取り組みの先進事例や今後の方策などについて情報共有し、地域内の連携を図り新水道ビジョンに示した施策を積極的に推進することが目的。同課は積極的な参加を呼びかけている。

食と下水道の連携に「下水灰」/BISTRO下水道Ashチーム発足/国交省
 食と下水道の連携を進めるため「下水灰」を食へとつなげていく―。国土交通省下水道部は、下水汚泥焼却灰を肥料の原料として活用する技術について議論しようとプロジェクトチームを立ち上げた。その名は「BISTRO下水道Ashチーム(仮称)」。13日、日本下水道新技術機構で第1回の会議が開かれ、設置背景などが説明された。下水灰の農業利用を進めることで、食と下水道の関連性を高めていくという。
 現在、全国で発生する下水灰のおよそ7割が建設資材にリサイクルされ、3割は埋め立て処分。農業利用はわずか1%に留まる。東日本大震災発生後は、建設資材のセメント化のリサイクルが減り、埋め立て処分が増えた。そうした状況を踏まえ、Ashチームでは肥料など農業利用の向上につながる技術について議論していく。

下水道展14大阪開催計画など報告/賛助会員参与会開く/下水協
 日本下水道協会は13日、第30回賛助会員参与会(会長=幡掛大輔・クボタ特別顧問)を開いた。下水道展’14 大阪の開催計画や下水道事業促進全国大会、下水道意見交換会議について話し合い、来賓として出席した国土交通省の岡久宏史・下水道部長が下水道行政の動向について講演した。
 下水道展’14大阪の開催計画の中では、名称を今年までの「世界に誇る技術の祭典 下水道展」から「日本発!くらしを支える底力 下水道展」に変更する点が発表された。

全国初 下水管から熱回収/更生工事と同時に熱回収管設置/事業化に向け実証実験スタート/仙台市、積水化学
 仙台市と積水化学工業は、下水道管から取り出した熱エネルギーを有効利用する実証研究を開始した。老朽化した下水道管を更生する際に熱回収管を巻き付け、管路内を流れる未処理下水から熱を回収し、利用するシステム。これまで日本では下水処理場やポンプ場などの大きな施設から下水熱を利用する取り組みは数例あったが、都市に張り巡らされた下水道管きょから熱を取りだして利用する事例は全国で初めてとなる。実証実験は平成27年3月までで、季節変動や雨天時の影響などを確認したり、維持管理面の検証や事業化に向けた課題整理などを行う。
 実証実験は、同市若林区の大型スーパー「ヨークベニマル若林店」で行われている。下水道から取り出された熱は水道水を加温し、スーパーの調理場で使用される。この店舗ではお湯を1日におよそ4600L使用する。ガスを使用する場合と比べると年間で約78%のコスト削減が見込めるという。またCO2を25%削減できるとしている。スーパー近くに布設されている約50年を経過したφ1200の管きょ45mを管路更生工法を用いて耐震化すると同時に熱回収管を巻き付ける。具体的には既設管内部にスパイラル状に巻き付ける硬質塩化ビニル材製のプロファイルにあらかじめ1㌢ほどの熱回収パイプを通したものを使用する。熱回収パイプに不凍液を循環させ、下水熱で液を温める仕組みだ。

ジェネッツと災害時の応援協定/災害対応力の強化を目指し/大津市企業局
 大津市企業局は1日、ジェネッツと『災害時における応援に関する協定』を締結した。地震など災害発生時にはユーザーとの迅速な対応、さらに災害対策の施策に向けた情報交換なども行い、官民連携による災害対応力の強化を目指す。
 同企業局は市民サービス向上の一環として、平成22年度から検針や窓口受付、料金などの収納業務をジェネッツに委託し、『企業局お客様センター』を開設している。
 現在、企業局においては全国の水道事業体と同様に多発する豪雨被害や大規模な地震など自然災害の備えが喫緊の課題。有事の際には、ユーザーへの対応を迅速かつ的確に行える体制整備の一環として、今回、ジェネッツと協定を締結した。
 協定内容は、電話の受付対応作業およびリスト作成作業、水道・下水道・ガス開閉栓リスト作成作業。さらに防災訓練の参加や災害対策の諸施策策定に向けての情報交換なども行う。

事業経営のあり方など討議/和歌山で分科会・定時総会/革新技術やビジョン案紹介も/下水道研究会議
 平成25年度下水道研究会議分科会・定時総会が7日から2日間、和歌山市内で開催された。同会議は政令市を除く都市(一般市)と国・関係機関が連携し、下水道の技術・経営的課題の解決に向けた研究調査を行い、事業促進を図っている。今年度の分科会では「これからの下水道事業経営」「課題アンケート」の2課題の討議、定時総会では「持続的な下水道事業運営」のほか6講演などが行われ、会員29市の関係者や来賓ら約60人が出席した。来年度の開催場所は長崎市。
 分科会には助言者の国土交通省や日本下水道協会、日本下水道新技術機構、土木研究所が同席。座長に入川理・豊中市上下水道局技術部長を選任した。
 「これからの下水道事業経営」では、下水道革新的技術実証事業(B―DASHプロジェクト)に関し、和歌山市の事例発表「下水道バイオマスからの電力創造」と、日本下水道事業団(JS)の講演「超高効率固液分離技術を用いたエネルギーマネジメント」とともに、下水協の講演「下水道経営の現状・課題」が行われた。

サイトワゴンなどを見学/クボタ阪神工場で研修会/日水協大阪府支部
 日本水道協会大阪府支部は5日、兵庫県尼崎市のクボタ・阪神工場で秋季研修会を行った。研修会では、東日本大震災における管路被害状況の報告、さらに郡山市水道展で注目を集めた『サイトワゴン』などを見学。作業員が掘削溝に入ることなく機械で耐震管『ジェネックス』を接合し、さらに工事情報を管理するサイトイノベーションのコンセプトについて説明を受けた。

工事現場でのマナー向上を/苦情減少へ講習会を開催/東京都水道局
 東京都水道局は11日、豊島区の豊島公会堂で水道工事マナー講習会を開いた。同局では近年、給配水管耐震化事業の推進により、工事量が増加しているが、同時に近隣住民からの水道工事に対する苦情も増加傾向にあり、騒音や振動、交通渋滞のほか、工事現場でのマナー、態度に関する苦情も多く寄せられている。講習会では、現場での工事関係者のマナーを向上し、近隣住民の不満を減らすため、原田玲児・東京国道事務所管理第一課占用第二係長、青柳教恵・アクア代表取締役、佐野峯清隆・東京都警備業協会専任講師による講演を行った。会場には同局給水部と建設部発注工事の受注者約500人が集まり、熱心に耳を傾けた。

約2500戸で断水発生/山形市
 山形市で13日、約2500戸で断水が発生した。同市上下水道部によると、老朽化した配水管の布設替工事を行っていたところ、仕切弁付近で漏水が発生、工事現場の上流側にある仕切弁を閉めたため、午前10時ごろから下流側が断水した。同部では、復旧工事を行うとともに、給水所を5カ所設置して応急給水活動を行った。断水は午後6時に解消している。布設されていたのは昭和50年に布設したT形ダクタイル鋳鉄管。同部では、漏水原因を究明するため施工企業への聞き取り調査などを行う一方、より客観的な調査をするための検討も進めている。