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2013年(平成25年) 12月  5日(第4872号)





水道が直面する課題訴え/来年度予算の確保へ陳情活動/日水協・運営会議開く
 日本水道協会は第3回運営会議を11月28日、東京・市ヶ谷の日水協本部で開いた。約80人が参加した会議では、▽第83回総会会員提出問題の処理▽平成26年度全国会議の開催日及び会場―について審議し了承された。終了後には26年度水道関係予算などについて自民党などに陳情活動を行った。陳情では、総会(郡山全国会議)で議論された会員提出問題を要望事項にまとめ、国会議員らに水道事業の“生の声”を直接伝えた。
 運営会議では、さきの総会で決議された17題の会員提出問題を審議の上、自民党やそれぞれ関係する府省庁へ陳情することで了承された。また、26年度全国会議は10月29から31日の3日間、名古屋市の「ポートメッセなごや」で開催されることが決まった。このほか報告事項として、▽25年度全国会議(郡山市)について▽予算・税制などに関する政策懇談会への陳情▽自民党水道事業促進議員連盟の設置▽2018年国際水協会(IWA)世界会議・展示会の東京開催―などが説明された。

東京湾再生の"輪"広げる/「官民連携フォーラム」が設立
 東京湾再生官民連携フォーラム設立総会が11月23日、東京・青海のタイム24ビルで開催された。東京湾再生のために課題や知見、取り組みを共有し、改善方策を検討することが目的で、団体や個人会員224人が参加した。東京湾の魅力を発掘・創出・発信し、知恵や工夫を出し合うことで東京湾再生の輪を広げる狙いもある。
 発足した5つのプロジェクトチーム▽生き物生息場づくりPT(佐々木淳・東京大学大学院教授)▽指標PT(岡田知也・国土交通省国土技術政策総合研究所海洋環境研究室長)▽モニタリングPT(古川恵太・横浜国立大学客員教授)▽東京湾大感謝祭PT(木村尚・NPO法人海辺つくり研究会理事・事務局長)▽江戸前ブランドPT(上田勝彦・水産庁増殖推進部研究指導課情報技術企画官)―については、各提案者から活動内容が紹介された。

江戸前に行列できる/東京湾大感謝祭
 フォーラムと併せて開催された「東京湾大感謝祭」には1200人が来場し、大盛況に終わった。メインホールで行われたトークショーでは、日本テレビ「ザ!鉄腕!DASH!!」プロデューサーの島田総一郎氏と海洋環境専門家の木村尚氏が対談。現在放送中の“DASH海岸”の撮影エピソードなどを交え、東京湾に関するトークを繰り広げた。
 江戸前の味の試食では、先着300人にほうかし(アサリ汁)やアサリ豆腐などが振る舞われ、行列ができる人気となった。

大津市で第3回官民連携推進協開く/厚労省・経産省
 水道分野における官民連携推進協議会の平成25年度第3回会議が11月15日、大津市の滋賀県庁舎で開催された。滋賀県内の水道事業者ら約130人、23の民間事業者が参加し、官民連携を巡る問題点などについて意見交換した。
 水道分野を取り巻く環境が年々厳しさを増す中で、諸課題に対し官民連携など地域の実情に応じた形態による運営基盤の強化が不可欠。そうした中、厚生労働省と経済産業省が連携し、平成22年度から水道事業者と民間事業者のマッチング促進を目的とした官民連携推進協議会を設け、全国各地で実施している。平成25年度は札幌市、東京都と開催し、今回の大津市の後は2月に高松市で開催する予定。

営業専門委で消費税率改定など話題に/日水協
 日本水道協会は11月18日、第18回営業業務専門委員会を開いた。お客さまサービスの向上を目指し、事務常設調査委員会の下に設けられた比較的新しい委員会だが、事業体の高い関心を集めている。今回は、消費税率改定への対応など7題の課題について、参加都市の取り組みを話し合った。冒頭に委員長、副委員長を互選し、委員長は安藤修一・名古屋市上下水道局経営本部営業部営業課長、副委員長は石原公男・札幌市水道局総務部営業課長に決まった。
 挙げられた課題(提案都市)は、▽消費税率改定に伴う対応(名古屋市)▽個人情報の持ち出しに係る情報管理(広島市)▽私人(個人)検針員への委託又は雇用状況(静岡市)▽過料処分事務(静岡市)▽宅内漏水に係る減額(減量)(静岡市)▽災害時における水道料金の減免制度等(京都市)―について。

協力得て特例査定を推進/東電賠償で厚労省の支援求める/水道復興支援連絡協議会福島県部会
 厚生労働省水道課は11月27日、第2回となる東日本大震災水道復興支援連絡協議会福島県現地調査部会を福島市内で開催した。厚労省からは復興支援および災害査定の概要、津波被災地域での特例査定後の保留解除に必要な協議設計手続き事例、水道施設などの災害復旧事業における都市再生機構への一体的業務委託の活用について説明があり、福島県食品生活衛生課からは県内の復興・復旧の概況の説明があった。福島県における特例査定は、東京電力福島第一原子力発電所の事故の影響などで遅れており、厚労省側からは被災事業体の協力を得ながら進めていく意向が示された。また、避難指示区域の見直しに伴う水道の復旧はこれから本格化することや、原発事故に関する東電からの損害賠償については、各事業体に適正な金額が支払われるよう厚労省の支援を求める意見が出されるなど、福島県の復興に向けては課題が多いことが浮き彫りとなった。厚労省の担当官は「まず、皆さんの困っていることを聞かせて欲しい」と参加者に呼びかけた。
 県内で災害査定が終了したのは11市6町5村3企業団の34事業。災害査定調査額は、通常査定分が約28億円、特例査定分が約114億円となっている。特例査定については、相馬地方広域水道企業団上水道事業といわき市上水道事業では査定済みで一部保留解除も決定している。南相馬市原町上水道事業と浪江町上水道事業では査定は済んでいるが保留解除には至っていない。また、双葉地方水道企業団上水道事業は、楢葉町と広野町の査定は実施済みで、双葉町、大熊町、富岡町は今月実施する予定。

意見交換会を初めて開催/要望書を今月上旬送付/利根荒水協総会
 利根川・荒川水系水道事業者連絡協議会(利根荒水協、会長=吉田永・東京都水道局長)は11月19日、さいたま市のラフレさいたまで第90回総会を開き、水質事故等の報告を行ったほか、関係都県の知事などに対する要望活動について審議し、承認した。総会後には、水源のリスク把握など複数のテーマを設けた意見交換会を初めて実施した。また、埼玉県企業局の行田浄水場、同浄水場内の水質管理センターの視察を行った。

「神田下水」が土木遺産に/わが国初の近代下水道/東京都下水道局
 東京都下水道局の「神田下水」がこのほど、土木学会の選奨土木遺産に認定された。
 神田下水は、1885年(明治18年)に建設されたレンガ積みの卵形管。関東大震災、第二次世界大戦、激増した路面交通量など、設計時の想定をはるかに上回る負荷に耐えた815mの管きょが、128年経過した今もなお現役で活躍している。受賞理由としても、現在でも一部が機能を果たしているわが国初の近代下水道であることが挙げられ、現役の施設として機能していることが高く評価されたことが窺われる。

耐震化の取り組みをPR/大原浄水場で落書き大会/浜松市上下水道部
 浜松市上下水道部は11月28日、大原浄水場で落書き大会を開き、近隣の旭ヶ丘幼稚園の園児39人が築造工事中の第5配水池の壁面をキャンバスにして思い思いに絵を描いた。
 同部は、施設の耐震化に力を入れており、老朽化により耐震性能が劣る大原浄水場第1・2配水池の代替施設として第5配水池(RC造)の築造工事を進めている。容量は1万立方mで、漏水防止や劣化を防ぐため、配水池内面は防食防水塗装仕上げとしている。工期は平成24年度からの2カ年。

開館15周年で記念行事/写真コンテスト表彰式など/奥多摩水と緑のふれあい館
 東京都水道局と奥多摩町は、小河内ダムの仕組み・役割や奥多摩の自然などをPRする共同施設「奥多摩水と緑のふれあい館」が、11月に開館15周年を迎えたことから、11月3日から17日の期間、開館15周年記念行事を館内で実施した。
 期間中の9日には、今年度の来館者数が15万人に達したことから、開館15周年にちなみ、来館15万人達成記念セレモニーを行った。佐々木史朗・水道局浄水部長と加藤一美・奥多摩町副町長のあいさつに続きくす玉開きを行い、来館者15万人達成を盛大に祝った。

受水槽内の塩素消費量把握へ/有識者招き研究会を開催/千葉県水道局
 千葉県水道局は11月12日、同局幕張庁舎で第1回受水槽内塩素消費量実態調査研究会を開いた。学識経験者と水道技術研究機関、衛生行政機関の有識者を構成員として招き、同局の「おいしい水づくり計画」の水質目標である残留塩素濃度0・4㎎/Lの達成に向け実施した受水槽内塩素消費量の挙動調査について、意見や助言を求めた。
 冒頭、座長を務めた小泉明・首都大学東京特任教授が「残留塩素の低減化を目指していきたいが、安全性とおいしさの追求はトレードオフの関係にある。調査研究により、受水槽内の塩素消費量の挙動をしっかりと把握できれば良いと考えている」とあいさつした。

本山ダク協理事長が講演/大阪広域水道企業団セミナー
 大阪広域水道企業団は11月25日、大阪市の赤十字会館でセミナーを開催し、構成団体の水道事業者ら約150人が参加するなか、本山智啓・日本ダクタイル鉄管協会理事長が『東京水道の広域化』について講演を行った。

情報共有しスキルアップ/現場は創意工夫の宝/区部、多摩で業務発表会開く/東京水道サービス
 東京水道サービスは、業務で得た知見や経験、課題解決に向けた取り組みなどを発表することで、職員間で情報交換を行い、スキルアップを図ることを目的に同社独自で報告会や発表会を開いている。

◆設備管理部業務報告会
 同社の平成25年度設備管理部業務報告会が11月22日、東京都足立区の設備管理部小右衛門事業所で行われ、8件の業務報告があった。同報告会は今回で5回目となり、若手社員が準備から当日の運営まで手作りで行っている。また、発表者も入社間もない若い社員が多いのが特長で発表のテクニックを磨く機会にもなっている。
 発表終了後、原島武・同社設備企画部長がすべての報告に対して講評し、「現場は創意工夫の宝であるので、今後も業務改善に積極的に努めてもらいたい。今日の発表を自分の職場に持ち帰って適用できないか再検討し、ぜひとも水平展開を図ってほしい」と総括した。
 最後に増子社長が「今日の発表でみなさんが頑張っているのがよくわかった。単に委託を受けるだけではなくて、局と一緒に水道事業をやっていくんだという意識が必要。両者が協力してはじめて水道事業が運営できるので、社員の皆さんもそういった主体的な意識を持って取り組んでほしい」と期待を込めた。
◆多摩事業本部業務発表会
 一方、多摩事業本部では、11月27日、同社多摩事業本部で「多摩事業本部業務発表会」が開かれ、18件の発表が行われた。同発表会は今年で4回目となる。冒頭、原薗一矢・多摩事業本部長は「今回の発表会で示された成果を多くの職員が共有し、社内で広く普及することで、円滑な事業運営につなげていきたい」とあいさつした。

非開削技術の最新情報を共有へ/20編の研究成果を披露/JSTT研究発表会
 日本非開削技術協会(JSTT、安中德二会長)は11月27日、東京都港区の発明会館で第24回非開削技術研究発表会を開いた。非開削の管推進技術や検査・診断技術、更生強靱化技術など、20編の最新研究成果が披露された。
 冒頭、安中会長は「6つのジャンルに分けて議論できるようになっているので、積極的な参加をお願いしたい。研究発表会が皆さんにとって有益なものになれば」とあいさつした。

インドネシアで無収水対策事業/最新の漏水探索機を活用/横浜ウォーター、グッドマン
 横浜ウォーターとグッドマンは、インドネシアのメダン市で、漏水調査と配水管網の維持管理指導を行う。JICAが国内中小企業を対象に今年度から開始した民間提案型普及・実証事業に採択され、11月8日に業務委託契約を結んだ。活動期間は、2013年11月から2015年3月まで。
 今回の調査事業では、グッドマンが独自開発した樹脂管漏水・配管路探索機「D305」を活用して、配水管の80%以上で樹脂管が使われているインドネシア・北スマトラ州のメダン市で、漏水量の削減や普及を行う。また、両社で協力して同事業を行うことで、北スマトラ州水道公社が自立して持続的な配水管の維持管理(無収水対策)を実施できるように技術的な支援も行う。

下水道を見える存在に/三位一体の水辺づくりが大切/東京設備協講演会 栗原氏が講演
 東京下水道設備協会は2日、東京都新宿区の角筈区民センターで公開講演会を開いた。21世紀水倶楽部理事やGKP(下水道広報プラットホーム)企画運営副委員長として活動するメタウォーターの栗原秀人氏が「江戸・東京の水模様」~多摩川にアユ1200万匹が戻ってきた~をテーマに講演した。

電磁波水脈探査システムなど紹介/中小企業総合展2013
 中小企業総合展2013がさきごろ、東京ビッグサイトで開かれ、約400社の企業が独自の技術・製品を紹介した。3日間で、5万4119人が来場した。
 水関係では、内外地下開発(横山訓久・代表取締役)が独自の電磁波測定システム(VLF探査)で水脈を探査して、その調査結果をアクアカルテ(水脈分布図)としてまとめるサービスや井戸の改修技術「Re―Well工法」を紹介した。

設立25年で記念誌を作成
 日本産業廃棄物処理振興センター(岡澤和好・理事長)はこのほど、設立25周年を迎えるにあたり、記念誌「25年のあゆみ」を作成した。記念誌は記録としてまとめることで次代に残すことを目的にまとめられており、センター設立や発展の経緯から同センターが取り組んできた各事業の変遷を関連する記録やデータ類によって振り返っている。