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2013年(平成25年) 12月 16日(第4875号)






「依然低い」水道耐震化率/基幹管路33・5%/浄水施設21・4%/平成24年度・厚労省調べ
厚生労働省水道課は13日、平成24年度末時点での水道施設の耐震化状況を明らかにした。これによると、基幹管路の耐震適合率は全国平均で33・5%、浄水施設の耐震化率は21・4%、配水池の耐震化率は44・5%だった。同課はこの結果を「依然として低い状況にある」と評価している。これは昨年と同じ表現であり、いかに耐震化の進捗が鈍いかを表しているかもしれない。事業の性質上、単年での急激なポイントアップは期待できないかもしれないが、耐震化は水道界が直面する最大の課題の1つ。その着実な取り組みを望みたい。

耐震化、老朽化対策に重点/水道は461億円/平成25年度補正予算案
 平成25年度の補正予算案が12日、閣議決定された。5日に閣議決定されていた「好循環実現のための経済対策」に基づいて編成され、社会資本の強靱化、老朽化対策に重点が置かれた内容となっている。施設の耐震化や老朽化対策は上下水道が直面する課題。今回の補正予算に来年度予算もあわせ、連続的で着実なこれら事業の推進が期待される。
 水道関係は、水道施設の耐震化・老朽化対策等の推進として厚生労働省428億円、国土交通省29億円(北海道分9億円、離島分20億円)を計上。また水道施設の災害復旧費に4億円を計上し、台風や豪雨で被害を受けた水道施設の復旧を図る。厚労省水道課によれば、25年度当初予算の災害復旧費3億5000万円のうち2億1000万円を執行済み。現在査定中も含め今後5億4000万円の執行を見込んでいるという。
 下水道関係の予算額は、国交省の社会資本整備総合交付金1310億円と防災・安全交付金1847億円の内数。社会資本整備交付金では成長基盤の整備や都市構造の再構築等を通じた地域の成長力の底上げを図るとしており、魅力ある街づくりの基礎となる下水道の普及に充てられる。防災・安全対策交付金では地震・津波対策、老朽化対策などを支援する。

水道議連が田村厚労相に予算確保を要望
 先月27日に設立した自民党水道事業促進議員連盟の川崎二郎・会長、盛山正仁・幹事長、務台俊介・事務局長が田村憲久・厚生労働大臣のもとを訪れ、議連設立の報告と総会で決議した要望を伝えた。
 水道施設の耐震化や老朽化対策の推進、簡易水道の財源・技術基盤の確保、広域化による効率的な運営体制の推進、東日本大震災被災地の水道施設の早期復旧・復興への措置などに向け、来年度予算での所要の事業費の確保を求めた。

サウジアラビアと政府間協議
 国土交通省下水道部はさきごろ、サウジアラビア水電力省と現地で政府間協議を行った。日本からは加藤裕之・流域管理官をはじめ、水ing、積水化学などの民間企業らが、サウジアラビアからは水電力省の開発担当次官や国家水公社の民営化担当者など約30人が参加した。国交省は日本の下水道事業の成功要因や処理水・汚泥の再利用の状況、管路の老朽化やアセットマネジメントの現状について報告。サウジ側からはメディナ、ダンマン両都市における今後の民営化や投資の見通し、下水処理水の販売を柱とした今後のビジネスモデルなどが説明された。

入札・契約制度を改定
 日本下水道事業団は、施工体制確認型総合評価方式の対象工事を土木・建築工事では予定価格1億円以上、機械設備工事および電気設備工事では同5000万円以上に適用すると発表した。また、総合評価方式(技術力審査型)の技術力評価で自己評価方式を試行することにしている。いずれも、来年1月6日以降に公告する工事に適用となる。

予算編成に備える/簡水協
 全国簡易水道協議会は東京・永田町の本部事務所に「簡易水道予算対策本部」の看板を掲げ、大詰めに迫った来年度予算案の編成に備えている。
 先月開催した簡易水道整備促進全国大会では、簡易水道等施設整備費182億円の確保などを求める4本の要望決議を採択し、国会議員や関係各府省庁に要望活動を粘り強く重ねてきている。

S50形管の本格採用へ/昭島・羽村市招き見学会/武蔵野市水道部が試験施工
 武蔵野市水道部は現在、S50形ダクタイル鉄管(以下、S50形管)の試験施工を実施している。配水補助管の布設替え工事として行っているもので、耐震性の向上と漏水の防止を目的としている。また、同部は試験施工にあわせ、5日、昭島市水道部と羽村水道事業所の職員を集め、「S50形ダクタイル鋳鉄管施工見学会」を開いた。3事業体は定期的に勉強会を開催しており、今回もその一環。

ホルムアルデヒド分析に関心/田中厚労省管理官の講演も/日水協関東地方支部水質研発
 日本水道協会関東支部は11月27日、都内の新宿明治安田生命ホールで水質研究発表会を開いた。水質管理業務に関わる課題への取り組みを通じ、得られた知見を共有する目的で毎年開いている。今年は13題の発表があった。
 発表に先立ち、厚生労働省水道課の田中紀彦・水道水質管理官が講演。「新水道ビジョンの推進要素とされる関係者間の連携は、水質管理においても重要。事故を未然に防止し、突発事への対応能力を向上するためにも、連携して情報共有やリスクの把握、水源監視体制の強化にあたる必要がある」と話した。また、水質基準に関する動きとして、今年4月に施行した農薬類の見直しのほか、来年4月に亜硝酸態窒素の検査方法の追加などを含む検査法告示の改正を予定しているとした。
 発表の中では、利根川水系の事故時に検出されたホルムアルデヒドの分析時間を告示法の約2分の1に短縮する簡便な手法の発表もあり、参加者の関心を集めていた。

ルポ・東京都下水道局・荏原雨水調整池を訪ねて
 近年、ゲリラ豪雨が全国各地で頻発し大きな被害をもたらしている。東京都下水道局は「東京都豪雨対策基本方針」に基づき、1時間50mmの降雨に対応するため、区部全域で関連施設の整備を進めている。同局が推進している浸水対策を広くPRすることを目的に、さきごろ報道関係者を集めて実施した荏原雨水調整池の施設見学会に参加し、同局の浸水対策を取材した。

新水道ビジョン、新地方公営企業会計制度で講演会/次世代に上下水道を引き継ぐ/盛岡市上下水道局
 盛岡市上下水道局はさきごろ「新水道ビジョン・新地方公営企業会計制度講演会」を同局庁舎で開催した。佐藤裕弥・浜銀総合研究所地域戦略研究部地域経営研究室長が講演を行い、会場の参加者と活発な質疑応答を展開した。今年3月に公表された新水道ビジョンで示された、将来の事業環境の大きな変化に対応するため、同局職員が共通認識を持つこと、また、平成26年度からの新公営企業会計制度の適用にあたり、その内容と影響について同市上下水道事業経営審議会委員の理解を得ることを目的にしており、職員研修講演会と経営審議会講演会の2部構成で行った。

4市合同防災訓練を実施/上町断層帯地震を想定し/大阪市水道局
 大阪市水道局は11月20日から23日まで、『19大都市水道局災害相互応援に関する覚書』に基づき、福岡市水道局、神戸市水道局、新潟市水道局と合同防災訓練を実施した。訓練には大阪市と災害協定を結ぶ大阪府トラック協会や地元小学生らも参加し、応急給水や復旧作業など災害発生時の行動確認を行った。
 訓練は20日、M7・5の上町断層帯地震が発生し、大阪市全域で減断水が発生しているとの想定で開始した。局内に本部会議を立ち上げ、神戸市、福岡市の両水道局への応援要請を行い、神戸市と新潟市との間では情報伝達訓練を並行して行った。

宿日直業務の事業者を募集/前橋市水道局
 前橋市水道局は、業務時間外の来庁者や問い合わせに対応する宿日直業務の委託に向けて事業者募集を開始した。事業者の選定にあたっては、公募型プロポーザル方式を採用している。業務期間は平成26年4月1日から27年3月31日までの1年間。
 書類提出・問い合わせは同局経営企画課(電話027―898―3011)まで。同局ホームページで実施要領などを参照できる。

サンパウロでの事業展開へ向け/ジオプラン、TWIが採択/経営改善や無収水削減を支援/JICA中小企業連携促進基礎調査
ジオプランと東京水道インターナショナル(TWI)の共同企業体が提案した「水道事業効率化のためのハイパーマネジメントシステム事業調査」が、国際協力機構(JICA)の中小企業連携促進基礎調査に仮採択された。同調査は、ブラジル・サンパウロ州のサンパウロ州上下水道公社(SABESP)を対象に、ジオプランの「ハイパーマネジメントシステム(HMS)」とTWIの無収水対策や管路維持管理のノウハウを組み合わせて、無収水の削減や水道事業の経営改善を持続的に支援するもの。今後はJICAと2014年1月初旬に契約し、1月から6月の予定で現地調査や事業モデル開発、効果の検討などを行う。

環境負荷低減と耐食性向上を実現/ステンレス溶射、鉛レスの新型バタ弁を開発/JWWA規格改正で採用に弾み/クボタ
 クボタが「地球にやさしいエコフレンドリー製品」として開発・販売した「新型のバタフライ弁」が、日本水道協会規格(JWWA B138)の改正に伴い、JWWA規格品となった。
 新型バタフライ弁は、シートの材質を従来のクロムめっきから新たに採用したステンレス溶射に変更したことで、耐腐食性向上と六価クロムの廃液処理工程を無くし環境負荷の低減を図った製品。また、地球環境を配慮し、バルブ本体の標準部品に仕様される鉛の含有量をほぼゼロに低減している。NS形管にも適用でき、管路システムの耐震化にも貢献できる。
 また、充水開度部では流量を抑え、一定流量区間を設けることで通水時の充水作業を容易にできる充水型もラインアップし、ボトム部の突起寸法を最小限に抑えたことで、据え付けの際の制約を軽減させている。

培った技術力で水道界に貢献へ/横浜水道OBの起業に注目集まる/アクアエンジ
 横浜市水道局OBが起業した(株)アクアエンジ(代表取締役=白濱英一・元横浜市水道事業管理者)の事業活動が本格化してきた。技術者不足に悩む中小水道事業体へのアドバイスを軸にしたコンサルティングや新技術を駆使した水道関係製品の販売代理店など、長年の水道実務で育んだ技術力と見識で「水道界に恩返し」しつつビジネスチャンスを模索している。
 アクアエンジの設立は平成21年10月。役員は、白濱代表取締役のほか、横浜市水道局理事・水道技術管理者を務めた國富進氏、髙橋成治氏の両氏を加えた3名で構成され、監査役は元同局部長の秋山武久氏が務めている。従業員は今年4月1日現在では14名で、1.水に関する企画・調査・研究・工事の施工監理、コンサルティング業務 2.労働者派遣事業法に基づく特定労働者派遣 3.その他付帯業務―を事業内容としている。建設コンサルタントとして上水道及び工業用水道部門の資格登録済みで、社内には技術士(上下水道部門3名)、第1種電気主任技術者(1名)、測量士(1名)、水道施設管理技士(3名)、税理士(1名)―の有資格者がいる。

手引き案の積極的活用を/計画的更新の重要性PRへ/日本GM工業会
 日本グラウンドマンホール(GM)工業会の平成25年度臨時総会および講習会がこのほど、大阪市淀川区の大阪ガーデンパレスで開催された。総会では上半期事業報告や総合企画、技術、調査環境、広報などの各委員会の活動内容について報告が行われた。
 特に、9月末に公表された『ストックマネジメント手法を踏まえた下水道長寿命化計画策定に関する手引き(案)』(以下、手引き案)において、マンホールふたは更新対象施設として盛り込まれたことから、今後事業体への営業活動に積極的に活用することなどを確認した。

加入促進に全力/岩野理事長が会見/東管協組
 東京都管工事工業協同組合の岩野隆一理事長は11日記者会見し、平成25年を振り返るとともに、26年の抱負を明らかにした。
 26年の展望については「組合の永遠の課題である加入促進に賛助会員との連携で新たな手法を導入するとともに、組合の付加価値向上を模索していきたい。議会や行政との連携強化も目指したい。また、来年は管工機材・設備総合展が当組合の主催で行われるので、何としても成功させたい」と強調した。

赤水防止に加え残塩維持にも威力/特定電磁波で赤錆を黒錆に/日本システム企画のNMRパイプテクター
 このほどアクアエンジが販売に関する代理店契約を結んだ「NMRパイプテクター」は、管路内部に発生した赤錆を特定電磁波によって黒錆に変えることで赤錆の水道水への溶出を止める機能を持つ。開発した日本システム企画によると、「管の外面に同製品を設置し管内に特定電磁波を送ることで、管路内の水分子が小さな凝集体になり水和電子を連続的に放電させ、赤錆を黒錆に還元する」とのことで、更新や更生等の工事を実施することなく、安価で短期間に赤水防止を実現できるという。これまでは、水道施設での実績は少ないが、国内では医療機関等の建物内での給水設備、海外でも公共施設の屋内設備などで実績が多いといい、英国バッキンガム宮殿でも採用されているとのことだ。

焼却灰不純物の低減方法の模索を/下水リンの活用で講演/施設協
 日本下水道施設業協会は13日、東京都中央区の馬事畜産会館で第20回「下水道循環のみち」セミナーを開き、日本燐酸の用山徳美氏が「肥料用リン資源としての下水道リンの循環のみち」をテーマに講演した。
 用山氏は、リン資源問題について、高品質リン鉱石の枯渇やリン鉱石の偏在、採掘コストの増加など課題があると指摘。持続的なリン利用のためには、リン資源の輸入形態の多様化やリン鉱石ソースの多元化だけでなく、国内の未利用リン資源の活用が必要だと説明した。

本社を東京・晴海に移転/月島機械
 月島機械は、本社を移転し、16日から業務を開始した。
 移転先の住所は次のとおり。
 〒104―0053東京都中央区晴海三丁目5番1号(電話番号、FAX番号は変更なし)

事務所を移転/オールライナー協会
 オールライナー協会は、事務所を移転し、1月6日から業務を開始する。
 移転先は次の通り。
 〒101―0062東京都千代田区神田駿河台4―2―5御茶ノ水NKビル7階、電話03―5289―4340、FAX03―5289―4341