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2014年(平成26年) 1月 6日(第4879号)
耐震化に予想上回る反響/対象絞るPR策も有効に/水道耐震化推進プロジェクト
コンセッションPFI実施へ/ガイドライン素案示す/PPP/PFI検討会/国交省
包括委託テーマに研修/JS
イギリス研修を継続/より効果的な国際研修を/日水協
下水道技術検定などの合格者を発表
高濁度対応の報告書まとまる/沈殿池改修や天日乾燥床増設/受水量調整などで断水回避へ/山形県村山広域水道
ウォーターエイドジャパン理事長 滝沢 智 東京大学大学院教授に聞く
合同で初の水道災害訓練/豪雨対応へ実践的・大規模に/兵庫県と日水協兵庫県支部
県内初の合同防災訓練/松山市内で応急給水・復旧/日水協愛媛県支部
アイスピグの洗浄効果をPR/浜松市の実習施設でデモ施工を実施/アイスピグ中部地域協会
自ら行動と決断を/松原正社長が年頭挨拶/前澤工業
検査のレベル向上を/簡専水技術研究発表会開く/給衛協
耐震化に予想上回る反響/対象絞るPR策も有効に/水道耐震化推進プロジェクト
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水道施設の更新・耐震化の重要性や必要性を利用者らに訴えようと水道界を挙げて取り組む「水道耐震化推進プロジェクト」が着々と進行している。PRキャンペーンキャラクターの愛称募集や、ウェブサイトを活用した「レッツ!水道健診」への参加は予想を上回る数字をカウント。また、静岡県内をモデルにテレビCMなどを実施した結果、地域や女性といった対象を絞ったPR策が効果を上げることも分かってきたという。水道事業体の広報活動を後押しするプロジェクトに期待がかかる。
コンセッションPFI実施へ/ガイドライン素案示す/PPP/PFI検討会/国交省
国土交通省下水道部はさきごろ、下水道施設の運営におけるPPP/PFIの活用に関する検討会(座長=滝沢智・東京大学大学院教授)を開催した。8回目となる今回は、下水道事業における公共施設等運営事業等の実施に関するガイドラインの素案が示された。下水汚泥の有効利用に関する事業を中心に、DBO事業やPFI事業の事例が年々増加している中で、新たなPFI事業方式であるコンセッション方式PFI事業の事例は皆無となっており、検討会ではコンセッション方式PFI事業の下水道事業を実施するための考え方について検討している。
ガイドライン素案には、PPP/PFI手法の整理とメリット、コンセッション方式PFI事業の解説を掲載。コンセッション方式PFI事業については、主に下水道管理者が検討すべき事項を整理し、民間収益施設併設型事業・公的不動産事業については、下水道管理者と民間事業者の双方に参考となる事例を紹介している。
包括委託テーマに研修/JS
日本下水道事業団(JS)は下水道管路施設の包括的民間委託に関心のある地方公共団体や民間事業者の職員を対象にした官民合同研修「下水道管路施設の包括的民間委託の現況と課題~実施例と課題~」を2月6日に研修センターで実施する。全国的な管路施設の老朽化の進行に伴い、機能保全・事故発生の防止の観点から適正かつ計画的な維持管理が求められている現状を踏まえ、新たに実施する研修。
研修では、国土交通省下水道部や日本下水道管路管理業協会からの講師が包括的民間委託の現状や、導入事例を紹介しながら講義を行う。包括的民間委託を活用した下水道管路施設の管理に関して先進的な事例をケーススタディとして学び、特に中小の地方公共団体の管路施設管理計画の策定への活用が期待される。
研修の申し込みは、JSのホームページから募集案内を入手し行う。申し込み期限は今月17日だが、定員50人になり次第締め切るとしている。
イギリス研修を継続/より効果的な国際研修を/日水協
日本水道協会は12月19日、今年度初めてとなる第50回国際委員会を開き、来年度の国際研修計画を決めた。委員長は宮内潔・大阪市水道局理事、副委員長は石橋良信・東北学院大学大学院教授が引き続き務める。来年度の国際研修として1.イギリス水道事業研修(旧名称・イギリスWTI研修) 2.協会間連携インドネシア水道事業研修(旧名称・各国水道事業研修) 3.専門別研修 4.国際会議での論文発表研修―を実施する計画。
下水道技術検定などの合格者を発表
JSは11月に全国11都市で実施した第39回下水道技術検定の第2種・第3種と、第27回下水道管理技術認定試験(管路施設)の合格者を発表した。合格者数は第2種が155人(合格率21・7%)、第3種が1751人(同32・6%)で、下水道管理技術認定試験(管路施設)は657人(同36・0%)だった。
高濁度対応の報告書まとまる/沈殿池改修や天日乾燥床増設/受水量調整などで断水回避へ/山形県村山広域水道
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山形県村山広域水道の「浄水能力強化に関する検討委員会」と「受水市町連携強化に関する検討委員会」の検討結果をまとめた報告書では、ハード面について浄水能力強化の目標を示し、目標達成のための対策として、沈殿池と天日乾燥床の改修を平成26、27年度の2カ年で実施するとしている。また、ソフト面はハード対策が完了すれば、原水濁度が昨年7月と同レベルになっても、受水市町が受水量調整などを行うことで断水を回避できるとしている。
村山広域水道では、昨年7月18日からの大雨により、原水である寒河江川の濁度が上昇し、西川浄水場の浄水処理能力を超える状況になったため、長時間にわたり送水を停止することになった。これにより、受水団体のうち4市2町で最大8日間の断水が発生し、約5万4000世帯が影響を受けた。
これらを踏まえ吉村美栄子知事から「災害時においても、水道水を安定的に供給する対応策の検討」の指示があり、細谷知行副知事を委員長とし、ハード面を検討する「村山広域水道浄水能力強化に関する検討委員会」と、ソフト面を検討する「村山広域水道受水市町連携強化に関する検討委員会」を設置、それぞれで検討を行ってきた。浄水能力強化検討委員会は、浄水処理が停止に至った原因と課題を整理し対策を検討することなどを目的とし、受水市町連携強化検討委員会は、断水の期間や範囲、生活への影響が今回よりも少なくなることを目標にソフト対策を検討することなどを目的にしている。
ウォーターエイドジャパン理事長 滝沢 智 東京大学大学院教授に聞く
NPO法人ウォーターエイドジャパンは、イギリスのNGOである「ウォーターエイド」の理念・目的に対する日本の協力を得ることなどを目的に、昨年2月に設立され、11月の理事会において滝沢智・東京大学大学院工学系研究科教授が理事長に就任した。本紙では、途上国で安全な飲料水と衛生施設にアクセスできない人々への支援に取り組むウォーターエイドとウォーターエイドジャパンの取り組み、日本の上下水道関係者への期待などを滝沢理事長に聞いた。
合同で初の水道災害訓練/豪雨対応へ実践的・大規模に/兵庫県と日水協兵庫県支部
兵庫県と日本水道協会同県支部の合同事業として、初となる水道災害の情報伝達訓練および応急給水実務訓練がこのほど実施された。同県は「兵庫県水道災害相互応援に関する協定」を、県内水道事業体間と締結(平成10年3月)。同県支部は平成24年4月から、「兵庫県内における水道事業の技術連携」の活動を行っている。訓練を通じて災害対応力の向上を図るもので、県内市町や企業団など43水道事業体が参加した。
県内初の合同防災訓練/松山市内で応急給水・復旧/日水協愛媛県支部
日本水道協会愛媛県支部はさきごろ、県内初の合同防災訓練を実施した。同県内での地震などによる水道施設事故の発生に備え、円滑な応急給水・復旧などの訓練を通じ、水道事業体相互の協力体制の強化を図った。
2日間の訓練には、同県内20水道事業体の約50人が参加。伊予灘を震源とするマグニチュード7・2の地震で、松山市で震度6強を観測。同市での大規模断水を想定し、応援要請など情報伝達や応急給水、応急復旧を行った。
初日は情報伝達、応急給水などの訓練を実施。応急給水訓練では給水タンク車10台が同市竹原浄水場で充水後、小学校の運動場で、小学生ら約90人も参加し、給水タンク車および緊急用貯水槽による給水などを行った。
2日目は同市水道管路管理センターで、漏水調査および応急給水用仮設配管の施工などを行った。
アイスピグの洗浄効果をPR/浜松市の実習施設でデモ施工を実施/アイスピグ中部地域協会
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アイスピグ中部地域協会は、浜松市上下水道部でアイスシャーベットを使った管内洗浄工法「アイスピグ管内洗浄工法」の説明会を開き、工法説明や試験施工を行った。試験施工は、同部の水道技術研修施設で行われ、管内に砂や砂利、小石、ナットを投入し、管外に排出できるかどうかなどについて確認した。
アイスピグ管内洗浄工法は、専用の機械で製造されたシャーベット状の氷をピグとして管内に注入して洗浄する技術で、特殊アイスシャーベット(SIS)の移動とともに、管内壁を痛めることなく夾雑物や赤さびなどの付着物を除去できるのが大きな特徴だ。シャーベット状の氷は管路形状の変化に追従することから、異形管や途中で口径が変化する管路、伏越し管でも効果的な洗浄を実現した。また特殊アイスシャーベットに使われる材料は水と塩のみで、安全性や環境への影響も問題がない。従来工法と比較して作業時間や洗浄に使用する水量を節約できるというメリットもある。
自ら行動と決断を/松原正社長が年頭挨拶/前澤工業
前澤工業の松原正社長は6日、埼玉県川口市の本社で年頭挨拶を行った。
松原社長は「ここ数年、皆さんの英知と努力で我が社は市場環境に耐え得る会社となった。これからは上下水道の再構築が課題となっているが、力強く生き残れるかと言うと不安もある。右肩上がりの時代が過ぎ、当社の基盤もゆるんでいた。それを脱却すべく舵を切り、目標も達成できた」と振り返った。
検査のレベル向上を/簡専水技術研究発表会開く/給衛協
全国給水衛生検査協会(会長=奥村明雄・日本環境センター理事長)は12月12、13日に東京・蒲田の大田区産業プラザPioで、簡易専用水道検査全国技術研究発表会を開いた。34条登録検査機関をはじめとする給衛協会員や自治体の衛生部局から約100人が参加。発表の14課題について奥村会長は「レベルが年々上がっており、心強く感じる」と話した。
研究発表は、技術委員を座長に4部で構成。施設の維持管理、細菌の生息実態、簡易水道検査の考察、災害時対応などをテーマに、日ごろの業務を通じた真摯な取り組みの成果が披露された。初日は、発表のほかに小嶋隼・厚生労働省水道水質管理室基準係長の講演もあった。
奥村会長は、「検査の付加価値を高めることが、貯水槽水道の設置者・管理者のインセンティブとなり、ひいては検査の受検率の向上、検査収入の増加、検査体制の整備につながっていく」と34条機関の技術力向上に期待を寄せた。