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2014年(平成26年)  3月 31日(第4898号)






下水汚泥から水素創出/B―DASHプロジェクト/国交省
 国土交通省下水道部は28日、平成26年度に実施する下水道革新的技術実証事業(B―DASHプロジェクト)を発表した。学識経験者による評価委員会で、▽下水汚泥から水素を創出する創エネ技術▽既存施設を活用した省エネ型水処理技術(標準活性汚泥法代替技術)▽既存施設を活用した省エネ型水処理技術(高度処理代替技術)▽ICTによる既存施設を活用した戦略的水処理管理技術▽既存施設を活用したICTによる都市浸水対策機能向上技術―の5分野から6件の事業を選定した。新技術の開発や実用化を加速することで下水道事業のコスト縮減、再生可能エネルギーの創出などを実現し、日本企業による水ビジネスの海外展開を支援していく。

水循環基本法が成立/内閣に水循環政策本部も/全会一致
 27日、水循環基本法案が衆議院本会議で全会一致で可決、成立した。水循環に関する施策を集中的・総合的に推進するため、内閣に内閣総理大臣を本部長とする水循環政策本部を設置することや、政府が総合的・計画的に講じるべき施策を盛り込んだ水基本計画を策定すること、健全な水循環の重要性の理解と関心を深めるため8月1日を「水の日」と定めることなどを求めている。

激甚で復旧費嵩上げ/2/3に交付要綱改正/厚労省
 厚生労働省は、“激甚災害”で水道が被災した場合に災害復旧費を通常2分の1から3分の2に嵩上げするよう、補助金交付要綱を4月1日から改正する。対象となるのは、災害がいわゆる激甚法の激甚災害として政令で指定され、適用すべき措置として第3条及び第4条が指定された場合で、「査定事業費が現在給水人口1人あたり1万円以上のもの」または「査定事業費が1億円(簡易水道事業の場合は5000万円)以上のもの」の条件を満たす場合。

ポスターのデザイン・活用法に新風/健康のため水を飲もう
 「健康のため水を飲もう」推進委員会(委員長=武藤芳照・日本体育大学日体大総合研究所所長)は12日、第15回会合を日本水道協会で開いた。全国の水道事業体、学校、スポーツ関係機関などに配布するポスターのデザインについて話し合った。ポスターは毎年好評を得ており、配布数も年々着々と増えている。熱中症患者が増える夏を控え、今年も「水を飲もう」運動に熱が入る。

信頼される組織に向け企画室を新設/日水協
 日本水道協会は4月1日付で総務部に「企画室」を新設する組織改正を行う。企画室では、各部がやるべきことや各部の連携に必要な企画立案、協会広報などの業務を担う。水道界を取り巻く激しい環境の変化に協会組織を挙げて迅速に対応する狙いがある。状況に応じて理事長特命の事項にもあたるという。

創設施設改修で「持続」をPR/鍋屋上野、緩速系が概成/関係者集め通水式開く/名古屋市上下水道局
 名古屋市上下水道局の鍋屋上野浄水場緩速ろ過施設の改修工事がほぼ完工した。同浄水場は、同市初の浄水場として大正3年に給水を開始し、今年で100年の節目を迎えた“なごや水道のシンボル”。老朽化対策および耐震性強化のため、平成22年6月に改築工事に着手し、次の100年も水源の水質保全に積極的に取り組む決意を象徴する施設として再稼働する。25日には、その第一歩となる通水式(水入れ式)および地元見学会が開催された。

主要事業体新年度予算
豊平川水質保全が本格化/管路更新の事業量大幅増/札幌市水道局
 札幌市水道局の平成26年度予算は、資本的支出に対前年度14・5%増の279億6800万円を計上し、収益的支出378億3300万円(対前年度比3・7%増)と合わせて658億100万円の積極予算となった。
 主要事業となる施設整備事業には108億1200万円を計上し、25年度補正予算と合わせると128億8100万円となる。同事業の主な内容を施設別に見てみると、導・浄水施設の整備では、豊平川水源水質保全事業に3億8500万円、浄水施設の耐震化に9億6000万円を計上。豊平川の上流部における自然由来の水質汚染や非常時のリスク対応を見据えてバイパス管を整備する豊平川水源水質保全事業はシールド工事等の関連施設整備がいよいよ着工となる見通しだ。

安全・安心で積極姿勢/事業規模前年度18・6%増/札幌市下水道事業
 札幌市建設局が明らかにした平成26年度下水道事業予算によると、建設事業費に155億2000万円(対前年度当初予算比3・7%増)を計上。管理的経費・公債費(元償還金)等と合わせた事業規模は888億7900万円(同18・6%増)と積極予算を組んだ。
 下水道建設事業費の主な内訳を見ると、施設別では▽管路68億円▽ポンプ場17億5500万円▽処理場69億6500万円―。施策別では1.一般整備30億2300万円(構成比19・5%) 2.改築・更新67億2200万円(43・3%) 3.浸水対策29億300万円(18・7%) 4.水質改善8億9500万円(5・8%) 5.地震対策17億8100万円(11・5%) 6.有効利用1億9600万円(1・2%)―となり、改築・更新に加え、浸水対策や地震対策などの安全・安心に関わる事業費を増やして積極姿勢を強めている。

災害対策・環境施策を推進/中期経営計画が最終年度/仙台市水道局
 仙台市水道局は平成26年度当初予算を公表した。資本的支出は147億8801万円(対前年度比8・3%増)で、このうち建設改良費に95億6101万円(同10・2%増)を計上した。仙台市水道事業中期経営計画(22~26年度)の最終年度にあたり、震災復興計画に掲げる「新次元の防災・環境都市づくり」に向けた災害対策と環境施策の推進に重点を置いた。
 建設改良費の内訳は、配水管整備事業費が46億8353万円、施設整備事業費が43億974万円、受託等工事費が5億6774万円となっている。

地域再生、減災対策に全力/管きょ災害復旧が終了見込み/仙台市下水道事業
 仙台市は平成26年度当初の下水道事業予算を公表した。資本的支出には508億1136万円(対前年度比44・2%増)を計上。このうち、建設改良費は329億5764万円(同73・5%増)で、引き続き南蒲生浄化センターや管きょ施設などの災害復旧を進めるとともに、防災集団移転先の整備に合わせた施設整備、改築・更新に合わせた耐震化など、地域再生と減災対策に全力を挙げる。管きょ施設については、26年度内で全ての災害復旧工事が終了する見込み。

建設改良費が61・3%増/効率的施設整備など重点/阪神水道(企)
 阪神水道企業団の平成26年度予算は、資本的支出125億2800万円(対前年度当初予算比17・7%増)、建設改良費54億3600万円(同61・3%増)を計上。財政計画(24~27年度)に基づき、効率的・効果的な施設整備や危機管理体制の充実・強化などに重点を置いている。

東北最大級のセラ膜ろ過施設/大沢第二浄水場竣工式/横手市上下水道部
 秋田県の横手市上下水道部が建設を進めていた東北最大規模のセラミック膜ろ過施設「大沢第二浄水場」が完成し、27日に竣工式が開かれた。同浄水場は老朽化した上内町浄水場の代替施設で、計画浄水量は日量1万1800立方m。処理方式は雪解け水や集中豪雨時の高濁度にも対応できるセラミック膜ろ過方式を採用した。発注方式は設計・施工を一括して行うDB方式で、メタウォーター・半田工務店・横手電気工業特定建設共同企業体が担当した。また、施工監理は日本水工設計が行った。

早期復旧へ災害時協力/フジ地中、管組合と協定/尾道市
 広島県尾道市は19日、災害時の早期復旧を目的とした協定を締結した。ソフト面・ハード面で充実を図るため、フジ地中情報と「災害時における応援協力に関する協定」、尾道管工事協同組合と「災害時における応急対策活動協力に関する協定」をそれぞれ締結した。
 同社とは▽委託業務以外の受付窓口▽漏水調査▽応急給水の補助、同組合とは▽水道施設の応急処置▽緊急作業―などを連携して実施する。

民間初、ISO55001取得/国内の上下水道施設で展開/官民連携でアセット推進/海外展開も視野に/水ing
 水ing(水谷重夫社長)は11日、民間企業としては国内で初めてアセットマネジメントシステムの国際規格「ISO55001」の試行認証を取得した。適用範囲は下水道施設の包括委託業務。今回の認証取得により、全国の運転・維持管理現場に展開可能となっており、今後は下水道施設の包括委託現場や上下水道施設現場への展開を視野に入れて取り組みを進めていく方針だ。また、世界中で同規格が普及することもにらみ、海外展開も図っていく。

滝沢浄水場更新事業に着手/セラ膜で高濁度対応も万全/メタグループ、会津若松アクアパートナー
 メタウォーターは28日、同社を代表企業とするグループと特別目的会社「会津若松アクアパートナー(株)」が会津若松市水道部から受注した「滝沢浄水場更新整備等事業」に4月1日から着手すると発表した。同事業は、同市の基幹浄水場である滝沢浄水場の設計・建設と、更新浄水場と既存浄水場の運転管理をDBO方式で行う。また、各浄水場の運転管理と送配水施設の維持管理業務は会津若松アクアパートナーが取水から蛇口まで一貫した維持管理体制を構築して実施する。
 滝沢浄水場の更新については、将来予想される原水の悪化への対応やクリプトスポリジウムへの対策を図るとともに、高濁度発生時でも安定した浄水処理を行うため、敷地内に施設能力2万7000立方m/日のセラミック膜ろ過方式の浄水施設を新たに建設する。耐久性や省スペース性に優れ、原水水質の変動にも強いセラミック膜を採用することで浄水処理の安定性を確保する。また、
取水口から配水池までの水位差エネルギー(9・91m)を最大限活用するとともに、敷地面積を有効利用し太陽光発電設備を導入するなど、環境負荷の低減を図る。

企業人事・代表取締役専務に串田氏/栗本鐵工所
 栗本鐵工所の串田守可専務取締役が4月1日付で代表取締役専務(パイプシステム・生産・技術・設備担当)に就任する。代表取締役を2名体制とすることで、激変する市場環境に対応し、経営体制の一層の強化及び充実を図る。