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2014年(平成26年)  4月 14日(第4902号)






浸水対策にストック活用を/被害の最小化を目指す/国交省・下水協
 国土交通省下水道部と日本下水道協会は9日、ストックを活用した都市浸水対策機能向上検討委員会(委員長=古米弘明・東京大学大学院教授)の最終とりまとめを公表した。平成17年に提言された浸水対策の方向性を示す「都市における浸水対策の新たな展開」の考え方に新たな方向性を取り入れた。ストックを最大限活用して施設の計画や現状を改めて理解した上で、より効率的で効果的な浸水対策を推進するというもの。東日本大震災の教訓や国土強靭化基本法の成立を踏まえ、ハード・ソフト対策を組み合わせた総合的な浸水対策を加速させることで、浸水被害の最小化を図る。

「水とエネルギー」「漏水対策」に焦点/IWA・国際セミナーを開催
 IWA(国際水協会)の国際セミナー・ワークショップが8日、日本水道協会で開催された。IWA役員会の開催に併せて企画された催し。「水とエネルギー」と「ウォーター・ロス」をテーマに、講演などを通して参加した多くの上下水道関係者が情報共有した。
 冒頭のあいさつで、IWA会長のグレン・ダイガー氏は2018年に東京で世界会議を開催することに触れ、「IWAにとって東京はアジアの中で重要」などと話し、IWAと日本の関係の深さを強調。IWA国内委員長を務める東京大学大学院教授の花木啓祐氏は日本が持つ水関連技術の今後の世界展開に期待を寄せた。

滋賀県をハブに登録/琵琶湖モデルを発信/国交省
 下水道の運営ノウハウなどを必要な国に提供するために国土交通省が発足させた水・環境ソリューションハブ(WES Hub)に滋賀県が加わった。3月28日に開いた運営委員会で審査し新規登録を認めた。ハブにはこれまで北九州市など9団体が認定されていた。

フォローアップ委設置へ/内閣府への要望も/水制度改革議連
 超党派の国会議員でつくる水制度改革議員連盟は10日、第10回総会を衆議院第一議員会館で開き、「水循環基本法」が今国会で成立し公布されたことに伴う今後の対応を協議。水循環政策本部を速やかに設置するよう内閣府に要望していくことなどを決めた。内閣府へはほかに、水循環基本法の政令案を適当な段階で議連に報告することや法制化初の今年の「水の日」(8月1日)について政府が積極的な啓発を行うことを求める。
 このほか、議連の中に学識者で構成される水循環基本法フォローアップ委員会(仮称)の設置を決定。「水の日」を目標に設置を進める。

5新技術研究に成果証明書/下水道機構
 日本下水道新技術機構は3月27日、平成25年度の新技術研究について「成果証明書交付式」を開いた。証明書を通じ、研究成果の普及や拡大を図る。今回、成果証明書が交付された研究は5研究で、次の通り。
 ▽大規模災害に対する早期機能回復のための情報システムのあり方と構築方法に関する共同研究(東芝、日立製作所、三菱電機、明電舎、メタウォーター)▽XバンドMPレーダ情報利活用に関する共同研究(オリジナル設計、中央設計技術研究所、東京設計事務所、東芝、中日本建設コンサルタント、日水コン、日本上下水道設計、日本水工設計、ニュージェック、三菱電機、メタウォーター)▽活性汚泥法等の省エネルギー化技術に関する共同研究(石垣、川崎重工、クボタ環境サービス、三機工業、東京設計事務所、日本上下水道設計、前澤工業、メタウォーター、安川電機)▽バイナリー発電に関する共同研究(神鋼環境ソリューション)▽補助燃料ゼロを目指した脱水、焼却システムに関する共同研究(岐阜市、メタウォーター、月島機械)

海外の会議で技術のPRめざす/GCUS
 平成26年度下水道グローバルセンター(GCUS)第1回運営委員会が9日、自治体、企業などの会員が参加して日本下水道協会で開かれた。今後の予定として、平成27年4月に韓国で開催される第7回世界水フォーラムにGCUSとして参加を検討していると報告された。また、同年6月に米国で開かれる第5回EWA(欧州水協会)、WEF(米国水環境連盟)、JSWA(日本下水道協会)特別会議に参加し、B―DASHなどの技術を広めるよう会員に求めた。

第2回広報大賞の締め切り迫る/GKP
 下水道広報プラットホーム(GKP)の第2回(平成26年度)「GKP広報大賞」の応募締め切りが今月25日(必着)に迫っている。応募対象は下水道界の団体のほか、NPO、ボランティア団体、市民団体、学校など幅広く設定。グランプリを受賞した事例は、国土交通大臣賞(循環のみち下水道賞)へ推薦される。
 エントリーは、GKPのホームページより応募用紙をダウンロードの上、必要事項を記載し、事務局まで電子メールで提出する。問い合わせ・応募先は、日本下水道協会内のGKP事務局(Eメール)entry@gk-p.jpまで。

合流改善を推進し汚濁負荷削減へ/雨水滞水池上に高速ろ過/大林・メタ・三島JVが施工/福山市上下水道局
 福山市上下水道局の中央雨水滞水池築造工事がこのほど完成した。『福山市合流式下水道緊急改善計画』(以下『合流改善計画』)に基づき、公共用水域へ流出している汚濁負荷量を削減するため、降雨初期の高汚濁濃度下水を一時貯留する「雨水滞水池」と、その上部に「高速ろ過施設」を建設。事業費は約26億8600万円で、設計・施工は大林組・メタウォーター・三島産業中央雨水滞水池築造工事共同企業体、監督管理は地方共同法人日本下水道事業団が担当した。

サービス向上、経営効率化へ/フジ地中情報が窓口業務受託/唐津市水道局が料金センターを開設
 唐津市水道局は、サービス向上や経営の効率化を目指し、フジ地中情報に窓口業務などの包括的委託を行い、1日に庁舎1階で同市水道局料金センターの開所式を実施した。同式には、坂井俊之・唐津市長をはじめ、受託者の田村典行・フジ地中情報社長らが出席し、祝辞やテープカットを行うなど、料金センターの開所を祝った。
 同局では管路維持管理、浄水場の運運転管理など積極的に官民連携を推進しており、今回の料金センターの開設は、水道利用者サービスの向上、経営の効率化を目指した取り組みとなる。フジ地中情報は昨年6月から同局の漏水調査業務を受託しており、総合評価方式条件付一般競争入札で今回の『窓口業務等包括委託』を受注した。契約期間は平成29年3月末までの3年間。

残塩低減化の取り組みなど報告/新たなPR方法の提案も/千葉県水道局おいしい水づくり推進懇話会
 千葉県水道局は3月19日、同局庁舎で第16回おいしい水づくり推進懇話会(座長=佐々木弘子・聖徳大学人間栄養学部教授)を開いた。平成18年度から27年度を計画期間とする「おいしい水づくり計画」の進捗状況や、受水槽内塩素消費量実態調査、トリクロラミン調査について、事務局からの報告を踏まえ、構成員が意見を交換した。

災害時の迅速な応急活動へ/協定の実施細目取り交わす/横浜市水道局、横浜市管工事協同組合
 横浜市水道局は3月31日、同局本庁舎で横浜市管工事協同組合と「横浜市水道施設に係る災害時等の応急措置の協力に関する協定」の実施細目の調印式を開いた。同協定は、災害時に同組合が応急給水活動や復旧活動に協力することを定めており、実施細目は協力の具体的な活動内容などを取り決めたもの。両者の協力体制を確立し、より迅速な応急活動の実施を目指している。調印式では、土井一成・同局局長と佐々木靖太・同組合理事長が実施細目を取り交わした。

公民連携で応急復旧を/初の合同防災訓練実施/横浜市水道局・横浜建設業協会
 横浜市水道局と横浜建設業協会(土志田領司会長)は3月21日、中区の横浜公園で初の合同防災訓練を実施した。協会会員企業による管路の応急復旧訓練のほか、水道局職員による災害用地下給水タンクや緊急給水栓からの応急給水についての説明・実演を行った。休日だったこともあり、通りがかった多くの市民が訓練を見守った。両者は平成24年3月に「災害時における水道施設等の応急措置に関する協定」を締結しており、訓練に参加した同協会会員企業は、水道の構造や復旧作業手順への理解を深めた。

財政健全化へ使用料改定/平均改定率は21・6%/さいたま市下水道部
 さいたま市下水道部は、下水道事業の財政健全化に向け、下水道使用料を今年7月請求分から改定する。平均改定率は21・6%。平成22年7月以来、4年ぶりの改定となる。
 一般家庭や工場、事業所などが対象の一般汚水は、使用水量の有無に関係なく負担する基本使用料が、税抜きで改正前660円から改正後666円となる。汚水排水量に応じて負担する従量使用料は、10立方mまでは1立方mにつき改正前15円から改正後17円、10超~30立方mは同111円から140円、30超~50立方mは同137円から174円などとなり、汚水排水量が増加すると改定率も上昇する。また、公衆浴場汚水については据え置く。

用水供給先に安全性をPR/水道GLP認定を取得/岡山県広域(企)
 岡山県広域水道企業団は1月28日付で、日本水道協会の水道GLP(水道水質検査優良試験所規範)の認定を取得した。3月26日に日本水道会館で認定証授与式が行われ、岡山県副知事の足羽憲治・同企業団企業長と渡辺英樹・同企業団浄水課課長補佐・水質管理班長が出席し、尾﨑勝・日水協理事長から認定証を受け取った。

下水道PRポスターを制作/京都市上下水道局、若手職員が手がける
 京都市上下水道局は下水道事業のPR活動として、新たにマンホールにスポットを当てたポスターを制作した。
 同局は平成22年の同市下水道80周年を契機に若手職員らを中心とした下水道事業PRプロジェクトチームを発足させ、様々な広報活動を展開している。

水質自動監視の保守点検業務で提携/中四国で定期整備を受託/部品交換や故障一次対応も/水みらい広島、環境電子
 水みらい広島(本社・広島市、真鍋孝利社長)と環境電子(本社・福岡市、山本隆洋社長)は、水質自動監視装置の保守点検業務について、提携することで合意した。環境電子の製品で、メダカを使用した水質自動監視装置「メダカのバイオアッセイ」について、水みらい広島は環境電子の事前了承を得て、中国地方と四国地方で、地方公共団体や民間事業者への納入装置の定期点検整備や部品交換、機器故障時の一次対応などを行う。両者の強みを効果的に組み合わせ、迅速かつ安全な保守点検体制の構築、利用者の満足度向上などを図る。業務提携基本契約書の調印式は9日、水みらい広島本社内で行われた。

広域水道の礎支える/岩手中部(企)お客様センター開所/第一環境
 第一環境は、今年度から岩手中部水道企業団から水道料金等検針・徴収業務委託を受託し、1日に水道料金お客様センター開所式を開いた。
 同企業団は、北上市と花巻市、紫波町の各水道事業と岩手中部広域水道企業団の水道用水供給事業を統合して新たに設立され、1日から岩手中部水道事業を開始している。経営基盤と技術基盤の強化を図るのが目的で、広域化の先進事例として注目されている。水道料金等検針・徴収業務委託は、第一環境が受託し、各市町にお客様センターを開所している。受託期間は6年間。

初のロボット技士誕生/中里建設水理部 萩原学さんに聞く
 日本水中ロボット調査清掃協会の第1回ロボット清掃主任技士、ロボット清掃技士資格試験が行われ、第1号の「ロボット技士」が誕生した。
 同協会はこれまでロボット清掃技術士の資格試験を行っていたが、試験内容をレベルアップし、昨年11月に新たな資格試験を実施。ロボット清掃主任技士は46人、ロボット清掃技士は3人が合格し、中里建設(栃木県佐野市)水理部の萩原学さんも初の主任技士となった。

給水財団と意見交換/給水装置工事の技術向上へ/全管連青年部
 全国管工事業協同組合連合会青年部協議会と給水工事技術振興財団は、東京都中央区の同財団で意見交換会を開いた。消費者に身近な存在として、日頃から給水装置工事の施工を行っている全管連会員から生の声を聞き、将来の給水装置工事の技術・技能向上につなげたいとの同財団の申し入れにより意見交換が行われた。

食と環境の科学賞の公募を開始/東京顕微鏡院・こころとからだの元氣プラザ
 東京顕微鏡院と「こころとからだの元氣プラザ」は4月1日から、「遠山椿吉記念 食と環境の科学賞」の公募を開始した。今年度の重点課題は、食品やヒト媒介微生物や残留化学物質、天然有毒・有害物質など「食品の安全」に関する研究、「感染症」に関する研究、シックハウス、アスベスト、大気汚染、ビル衛生、飲料水の安全性、水と感染症など「生活環境衛生」に関する研究。原著論文、応募・推薦用紙、受賞候補者略歴、業績一覧などの応募書類の締め切りは6月30日まで。選考委員会で、研究論文を選考の上、1件を採択し、10月に発表する。副賞は賞金100万円。授賞式、記念講演、レセプションは来年2月17日に開催する予定。詳しくは東京顕微鏡院のホームページを参照のこと。