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2014年(平成26年) 10月 20日(第4945号)






原発事故の影響色濃く/福島県で現地調査部会/水道復興支援連絡協議会/厚労省
 厚生労働省水道課は15日から16日にかけて、「東日本大震災水道復興支援連絡協議会」の福島県での現地調査部会を開催した。福島県は地震、津波、原発事故の“三重苦”に見舞われた地。15日現在、災害査定調査は、通常査定約28億円、特例査定約124億円が実施されたが、原発事故により帰宅困難区域や居住制限区域に指定されている地域では、未調査である地域やこれから災害査定を受ける地域もある。住民の帰還のめどや街づくりの方向性が見えないことで、水道復旧の進捗が思うように図られないことも予想される。

上下水道職員の減少顕著に/建設投資は前年度比増/平成25年度公営企業決算/総務省
 総務省が平成25年度の地方公営企業決算の概要を明らかにした。これによると、地方公共団体が経営する水道事業の数は2112事業で、前年度と比べ11事業の減となった。このうち上水道は1352事業で2事業減、簡易水道は760事業で9事業減となっている。工業用水道事業は154事業で前年度から1事業増えた。公共下水道・流域下水道・農業集落排水施設・漁業集落排水施設などの下水道事業は3639事業で、6事業増となった。
 職員数は、水道が4万7108人、工業用水道が1693人、下水道が2万8860人。これは、5年前の平成21年度との比較でそれぞれ4547人(8・8%)、143人(7・8%)、3251人(10・1%)少なくなっており、職員の減少を顕著に示す数字となっている。
 また、建設投資額は水道が1兆793億円で前年度比4・2%増となった。下水道は1兆5497億円で0・2%増、工業用水道も418億円で10・0%増となっている。

賛助会員参与会会長に木股クボタ社長が/27年度予算確保へ尽力/下水協
 日本下水道協会の賛助会員参与会が6日、下水協会議室で行われた=写真。会長に木股昌俊・クボタ代表取締役社長が選任され、副会長には中村満義・鹿島建設代表取締役社長、松木晴雄・日本下水道施設業協会会長の2人が選ばれた。
 木股会長は「会員の発展のために努力していきたい。下水道の予算が落ち込んでおり、企業は厳しい状況が続いている。平成27年度予算の必要性を強く訴えていきたい。皆さんの支援を受け尽力していきたい」と予算確保へ会員の結束を訴えた。

ウンディー探検隊 全国展開へ/子どもたちに下水道をもっと身近に/職員熱演!国交省と浜松市がコラボ
 国土交通省下水道部の職員が自ら演出・出演する“ウンディー探検隊”が9月30日、浜松市の小学校に登場した。小学4年生52人が、うんちのキャラクターのお面をかぶったウンディー隊長、隊員1号、2号、3号と一緒にうんちの流れを追いながら、水・資源循環の中で健康的な生活や下水道の役割について学んだ。

浄水処理の課題改善へ/新潟でワークショップ/水道技術研究センター
 水道技術研究センターは10日、新潟市水道局の信濃川浄水場で「一緒に課題を解決しませんか?浄水処理ワークショップ」を開いた。浄水処理に関する課題を改善するとともに、他事業体職員との情報交換や人脈形成を図ることが目的。新潟県内の事業体職員19人が参加し、それぞれが抱えている課題の改善に向けたディスカッションなどを行った。

競争参加資格の申請方法など公示
 日本下水道事業団は1日、平成27・28年度に発注する建設工事と建設コンサルタント等業務の契約を締結する場合の競争参加資格の申請方法などについて公示した。定期の競争参加資格の申請はインターネットと郵送による方法がある。インターネットの場合は11月4日から来年1月15日まで開設されているページで申請データを送信する。郵送の場合の提出時期は1月5日~23日。定期の申請以降に申請する場合は郵送のみの受け付け。審査結果の通知はホームページに「有資格者公表用名簿」を掲載することで代える。有効期間は認定日から29年3月31日まで。

札幌でのシンポ参加者募集
 全国給水衛生検査協会は11月21日に札幌市内のKKRホテル札幌で「20条検査・34条検査からみた飲料水の安全安心に関するシンポジウム」を開催する。国、衛生行政、水道事業体、20条・34条登録検査機関が一堂に会し、講演やパネルディスカッションを通じて相互理解と連携を深める。現在、参加者を募集しており、参加費は無料。締め切りは11月7日だが100人の定員になり次第締め切る。申し込み方法など詳細は、給衛協ホームページに掲載してある案内を参照。

国・自治体・民間企業による連携が結実/東京下水道の技術を活用/設計、建設、維持管理一括で/共同企業体に契約合意書発行/マレーシア下水道整備プロジェクトが始動
 東京都下水道局と東京都下水道サービス(TGS)が技術的な支援を行ってきた、マレーシアにおける下水道整備プロジェクトで、同国政府は住友商事とマレーシアの大規模インフラ開発企業であるMMCとのコンソーシアム(共同企業体)に対して契約合意書を発行、プロジェクトが本格的に始動した。このプロジェクトで共同企業体は、東京下水道の技術力を活用し、管きょやポンプ所、下水処理場に至る下水道システム全体の設計から建設、維持管理までを一括して実施する。東京下水道の技術が採用されたことで、日系企業がプロジェクトに参入する機会が拡がり、日本の下水道界の活性化や東京および日本の産業力強化につながるとともに、マレーシアの水環境改善にも大きく貢献できる。また、同国政府と契約を交わすことができた背景には、国土交通省をはじめとする日本政府のさまざまな支援があり、国・地方自治体・民間企業の連携による取り組みが結実した形だ。官民連携による下水道システム輸出の成功事例として、他の自治体や民間企業の国際展開に弾みがつくことが期待される。

膜新設や耐震管布設推進/11年間で174億円投入/鳥取市水道局
 鳥取市水道局は財政収支計画(平成27~29年度)や施設整備(更新)計画(同27~37年度)、同市水道事業財政計画シミュレーションなどの概要を、同市水道事業審議会(会長=松原雄平・鳥取大学教授)で明らかにした。同局は現在、平成17年6月に策定した経営指針『鳥取市水道事業長期経営構想』の見直しに取り組んでおり、その一環で、長期的視点に立った施設整備(更新)と財政収支の各計画策定に取り組んでいる。施設整備(更新)計画では、11年間で約174億円を投じ、送配水・膜ろ過施設の整備や耐震管への布設替え、震災時応急給水拠点の増設などを推進する。

高濁度原水対応で意見交換/水道技術研究センター職員と/国立保健医療科学院水道工学研修
 国立保健医療科学院の今年度の水道工学研修では、水道技術研究センターが今年6月にまとめた「高濁度原水への対応の手引き」についての意見交換会が行われた。手引きの内容について研修受講生と意見交換することで、同センターの今後の取り組みに活かすことが目的。同センターからは科学院OGの相澤貴子・主席研究員と中川勝裕・浄水技術部主任研究員が出席、受講生と活発に意見を交換した。

15小学校に水飲み場整備へ/安全性PRや蛇口文化継承/岩国市水道局
 山口県岩国市は、同市水道誕生75周年記念事業として、3小学校に「水飲み場」を水道局負担で整備した。水道水の安全性をPRし、蛇口の水を直接飲用できる水道の歴史と文化の継承を啓発するもので、夏休み期間中に設置した。
 同市の小学校水飲み場整備事業は、次世代を担う子どもに、安全で安心して飲める水道水を身近に親しんでもらうため、今年度から5年間で15校程度を実施。総事業費は6000万円程度を見込んでいる。

安定供給の持続へ委託実施/今月30日まで提案書等受付/三重県企業庁、施設の運転管理などで
 三重県企業庁は「北勢水道統括運転管理及び浄水場等管理業務委託」、「中勢水道運転管理業務委託」、「多気浄水場運転管理業務委託」のそれぞれの事業者募集を公告した。将来にわたって安定供給を持続していくため、浄水場をはじめ取水所やポンプ所といった各施設の運転管理などを委託する。委託業務期間はいずれも平成27年4月から30年3月までの3年間で、受託者の選定は総合評価一般競争入札で行う。
 詳細は、三重県ホームページ(http://www.pref.mie.lg.jp/)の三重県物件等電子調達システムで閲覧できる。問い合わせは、「北勢水道統括運転管理及び浄水場等管理業務委託」は北勢水道事務所総務管理部経営管理課(電話059―351―1561、電子メールsuidoh@pref.mie.jp)まで。「中勢水道運転管理業務委託」は中勢水道事務所経営課(電話059―295―0200、電子メールsuidoc@pref.mie.jp)、「多気浄水場運転管理業務委託」は南勢水道事務所経営課(電話0598―38―2497、電子メールsuidon@pref.mie.jp)まで。

水環境保全へ各地でPR/松田局長、渡辺技監を先頭に/東京都下水道局「油・断・快適!」月間
 東京都下水道局は10月を「油・断・快適!下水道」のキャンペーン月間として、各地で街頭キャンペーンを実施し、良好な水環境を保つため、下水道に油を流さないようPRしている。8日に中央区で行ったイベントでは松田芳和・同局局長が、9日に荒川区で行ったイベントでは渡辺志津男・同局技監が先頭に立ち、グッズの配布やアンケート、パネル展示などを行った。

27年度予算編成方針を公表/札幌市水道局
 札幌市水道局は、平成27年度予算編成方針の概要を公表した。この方針に基づき、27年度予算案が編成される。
 予算編成方針を「持続更新時代のなか、長期的な視点に立ち、さらなる健全経営のスタートを切る」とし1.安全で良質な水の確保 2.安定した水の供給 3.利用者に満足される水道 4.健全経営のもと自立した水道―という4つの目標を掲げた。
 詳細は同市ホームページ(https://www.city.sapporo.jp/suido/index.html)を参照。

大地震でもPE管の被害なし/ニュージーランド・クライストチャーチ市を調査/ポリテック
 配水用ポリエチレンパイプシステム協会(ポリテック)は9月15日から17日にニュージーランドのクライストチャーチ市で、2010年から2011年にかけて発生した3度の大きな地震による液状化でのポリエチレン管(PE管)と、その周辺の地盤状況について調査を行った。調査では地震により液状化が起きても、PE管に被害がなかったことを改めて検証した。
 調査には地震工学が専門の宮島昌克・金沢大学教授が同行。ポリテックからは塩浜裕一・技術委員長、須賀良平・企画委員長が参加した。

既設と同様の砂ろ過方式で/砺波広域圏事務組合松島浄水場更新事業/水ing 
 砺波広域圏事務組合水道事業所の松島浄水場更新事業を設計・施工する水ingグループ(水ing、砺波工業、藤井組、梅本建設工業、中央設計技術研究所)は14日、同浄水場内で起工式を行った。同事業は、耐震性向上や安定した浄水処理を目的に、既設施設日量5万立方mのうち半量分を「凝集沈でん+急速ろ過方式」で更新するもの。砂ろ過設備は、維持管理性を最大限配慮し、既設と同型式・同形状のろ過池(グリンリーフ・フィルタ=全自動自己水洗浄型自然平衡形ろ過装置)にクリプトスポリジウム対策を加えた設備を採用した。施設能力は、日量2万5000立方mで、事業期間は平成26~29年度末までの4年間。大規模な土木工事を含む砂ろ過方式のDB案件で、エンジニアリング会社がJVの代表企業を務めるのは同社が国内初となる。

就任インタビュー・日本鋳鉄管社長 笹田幹雄 氏
 6月25日の株主総会で、笹田幹雄氏が日本鋳鉄管社長に就任した。笹田社長は、川崎製鉄(現JFEスチール)に入社し、水島製鉄所で27年間にわたり、製造技術に携わった技術者だ。また、川崎製鉄と日本鋼管の統合時には、工場の統廃合に携わり操業率を向上させ、効率化に貢献したほか、同社の常務や専務として事業経営を支えた。

高精度な注入ポンプへ進化/直観的な操作を可能に/幅広い自動制御を実現/NKW―VL型バルブレス式液中ピストンポンプ/ウォーターテック
 ウォーターテック(早坂克浩社長)は、液中ピストンポンプのコントローラーをリニューアルし、11月1日受注分から販売を開始する。新型液中ピストンポンプは様々な現場ニーズに対応可能な高精度でより操作性の高いものに改良された。10月29日から3日間にわたり開催される名古屋水道展の同社ブースで初披露され、全ての新型コントローラーの作動状況を体感できるようにするという。