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2014年(平成26年) 10月 23日(第4946号)





ミャンマーで無収水対策/東京水道が新たな事業モデルで
 東京水道がミャンマーのヤンゴン市で無収水対策事業に乗り出す。今月20日、都水道局の監理団体である東京水道サービス(TSS)と東洋エンジニアリングが設立した合同会社が、ヤンゴン市開発委員会と契約を締結した。都水道局、三井物産も日本側のメンバーとなっている今回の事業は「公民連携」「日本製資器材の調達」「ODAの活用」という特徴を持っており、地方自治体が関わる国際展開では初の事業モデルとなる。水道事業体の国際展開の新たな形として注目が集まる。

GAIAプロジェクト始動/学・行政交流でイノベーションを/国交省
 国土交通省下水道部が新たなプロジェクトを始動させる。その名も「GAIAプロジェクト」。Gesuido Academic Incubation to Advancedの頭文字を取ったもので、“GAIA”には“地球”という意味がある。下水道に関する技術開発の公募を通じて、学と行政の交流で新しいイノベーションを起こし、“地球規模”で貢献することを目指す想いが込められている。
 具体的には、大学などを対象に1技術あたり500万円程度をサポートする。公募のテーマは、1.食と下水道の連携に関する技術研究開発 2.下水再生水利用に関する技術研究開発 3.下水処理における微生物電池活用に関する技術研究開発―で、11月28日まで募集している。

水道促進で地方創生へ/老朽化対策など申し入れ/公明党
 公明党の上水道事業促進委員会と厚生労働部会は合同で22日、塩崎恭久・厚生労働大臣に上水道事業の促進について申し入れを行った。委員長・部会長を務める古屋範子・衆院議員らが塩崎大臣と面会し、予算の確保の必要性を訴えた。
 上水道事業の促進は地方創生につながると話した古屋議員は特に、水道管路の老朽化が進行していることを挙げ「老朽化が進む中、自治体は予算がなく改修が進まない。(現在のペースでは)改修するのに130年かかる。ライフラインである水道の優先順位を上げてほしい」と求めた。塩崎大臣は「蛇口をひねれば美味しい水を飲めるのを守ってきたが、更新のピークを迎え万が一のことが起これば、それが当たり前でなくなる」などと危機感を示した。

下水道技術セミナーの参加者を募集/下水協
 日本下水道協会は、東京、大阪、福岡で開催する「下水道技術セミナー」の参加者を募集している。第24回となる今回は、近年ゲリラ豪雨による浸水被害が増加していることから、古米弘明・東京大学工学系研究科教授や関根正人・早稲田大学理工学術院教授が「都市浸水対策について(仮題)」をテーマに基調講演をする。また、国土交通省下水道部が「新下水道ビジョンについて(仮題)」を、東京都、大阪市、福岡市が「下水道事業における省エネルギーの取り組みについて(仮題)」を講演する。参加費用は正会員、準会員、特別会員は9300円、賛助会員は1万1400円、非会員1万7500円となっている。申し込み・問い合わせは、同協会技術研究部研修課(電話03―6206―0284)まで。

トピック巡り活発な議論/水道事業運営のこれからは/自分たちに合った手法を/国立保健医療科学院水道工学研修
 今年度の国立保健医療科学院水道工学研修では、水道界の最新トピックである官民連携と住民とのコミュニケーションをテーマにしたセミナーをそれぞれ開いた。多くの知識と経験を持つ外部講師が講演を行い、受講生と活発な質疑応答、議論を行った。
 「水道運営の多様な形態」をテーマにしたセミナーでは、谷口淳・水みらい広島総務・企画部総務・企画課長、蔭山佳秀・箱根水道パートナーズ代表取締役(JFEエンジニアリングアクアソリューション本部副本部長、理事)、川上貴幸・メタウォーターサービスソリューション事業本部PPP事業部プロジェクト計画部事業企画第二グループマネージャーがそれぞれの取り組みについて講演した。

19大都市覚書で合同防災訓練/災害協定締結の民間業者等も協力/堺市上下水道局、岡山市水道局
 堺市上下水道局と岡山市水道局は1日から3日まで、合同防災訓練を実施した。今回は堺市において地震が発生したとの想定で、岡山市が応援隊を派遣。堺市が災害時応援協定を結ぶジェネッツやホームセンターのコーナン商事の協力も得て、小学校や病院での応急給水活動などを行った。
 両市の合同訓練は『19大都市水道局災害相互応援に関する覚書』に基づき、応援幹事都市での関係にある堺市と岡山市が毎年交互で開催し、今年で4回目となる。
 今回はジェネッツが給水栓の組み立てなどの訓練に参加、また局庁舎に隣接するホームセンターのコーナン商事は岡山市水道局応援隊の支援車両を駐車場に受け入れた。

技術継承の効果的な推進へ/13人をエキスパートに認定/東京都水道局
 東京都水道局は16日、都庁で「平成26年度東京水道技術エキスパート認定式」を開いた。「東京水道技術エキスパート制度」は、高い技術を持つ経験豊富な職員を東京水道技術エキスパートに認定し、様々な場で経験・ノウハウを他の職員に伝えることで、効果的に技術の継承を進めるもので、新たに13人をエキスパートに認定した。
 エキスパートは、職員からの業務上の問い合わせに対して指導や助言を行うほか、経験やノウハウといった暗黙知を他の職員が活用できるように形式知化する。また、各部署からの依頼により、各種検討会にアドバイザーとして参加する。

広域的に水質検査を実施/水道GLP認定を更新/周南都市水道水質検査センター協議会
 周南都市水道水質検査センター協議会は8月25日付で、日本水道協会の水道GLP(水道水質検査優良試験所規範)の認定を更新した。9月29日に日本水道会館で認定証授与式が行われ、磯部恒明・同協議会会長(周南市上下水道事業管理者)が出席し、尾﨑勝・日水協理事長から認定証を受け取った。

水道災害シンポの参加者募集/南海トラフ巨大地震に備え/淡路市で来年1月22、23日開催
 「―阪神淡路20年―1・17は忘れない―水道災害シンポジウム~南海トラフ巨大地震に備えて~」(主催=阪神・淡路大震災20年事業水道災害シンポジウム実行委員会、ひょうご安全の日推進県民会議)が、来年1月22、23日の2日間、兵庫県淡路市の淡路夢舞台国際会議場で開催される。鍬田泰子・神戸大学准教授による基調講演やパネルディスカッション、研究事例発表、フォーラムが予定されている。現在参加者を募集しており、申込期限は12月19日必着。参加費は無料となっている。
 申し込みは、FAX(078―362―3962)またはホームページ(http//web.pref.hyogo.lg.jp/kc02/sympo2014.html)から行う。ホームページからは開催要領・参加申込書などの閲覧・ダウンロードができる。問い合わせはシンポジウム実行委員会事務局である兵庫県企業庁水道課経営計画班(電話078―362―3684、電子メールsuidouka@pref.hyogo.lg.jp)まで。

「新たな高度処理技術」が優秀賞/都下水道局らが開発、日経地球環境技術賞で
 東京都下水道局と東京都下水道サービス、メタウォーターが共同開発した「新たな高度処理技術」が、日本経済新聞社が主催する「2014日経地球環境技術賞」の優秀賞を受賞した。

横浜ウォーターと業務提携/国内外の課題解決に貢献/日本原料
 日本原料(川崎市、齋藤安弘社長)と横浜ウォーター(横浜市、五十川健郎社長)はさきごろ、国内外で水道事業の安心・安全、信頼向上に貢献する事業を推進するため、包括的連携に関する協定を締結した。両社は、相互の強みを活かして連携した取り組みを推進することで、国内外の水道事業者が抱える課題に適切に対応して水道事業の発展に貢献するとともに、事業の拡大を目指す。
 業務提携の内容は、1.シフォンタンク等浄水技術の拡販に関する取り組み 2.浄水技術の運営(運転・維持管理等)に関する取り組み 3.JICA、ODA事業における推進強化に関する取り組み 4.フィリピンにおける推進強化に関する取り組み 5.その他、アジア・中東・アフリカ諸国への取り組み 6.事業連携パートナーの選定に関する取り組み 7.被災地復旧支援に関する取り組み 8.小規模集落への災害時対応型移動式浄水器の拡販に関する取り組み 9.両社のビジネス推進に資する連携強化に関する取り組み―。

耐震性貯水槽を拡販/滞留なく自由設計も/扶桑建設工業
 扶桑建設工業は、飲料水兼用耐震性貯水槽の提案・販売を強めている。地上式・地下式ともに堅調な伸びを示しており、一昨年度より災害対策を意識する水道事業体からの引き合いが増加している。
 飲料水兼用耐震性貯水槽は、水道管と直結して水を常時循環させている状態から、地震時の揺れや配水管の破損による漏水を検知すると緊急遮断弁で水の流れを遮断し、貯水槽内に水を確保するもの。地震・災害時には、新鮮な飲料水や消火用水を地域住民に迅速に供給することができる。

消火栓・排水栓用の省力開放型鉄蓋「EVS」を販売開始/防災対策への貢献図る/日本鋳鉄管
 日本鋳鉄管は、過剰な食い込みとがたつきを防止する省力開放型の鉄蓋「EVS」(Evolution V Structure)を消火栓・排水栓向けに開発し、製造販売を開始した。
 同社は、東京都をはじめとする各事業体が災害時に消火栓などを活用して応急給水や消火用水に役立てる方針を打ち出したことから、そのニーズや災害対策に貢献するため、消火栓・排水栓用のEVSの開発を進めてきた。
 EVSは、蓋外周側の角部を受枠内周の勾配面に接触させて、金属変形させることで、蓋の過剰な食い込みやがたつきを防ぐ新たな支持構造技術を取り入れた鉄蓋。EVSの蓋の食い込み力は、従来の鉄蓋より低いことから、開放が容易であり、迅速な応急給水、消火活動に貢献することができる。

過去最大φ250で施工/富田林市内の汚水管で/藤野興業・アイスピグ工法
 藤野興業(富田林市・藤野正勝社長)は8日、富田林市上下水道部の下水圧送管でアイスピグ洗浄工法のデモ施工を実施した。同工法として過去最大口径のφ250に適用したもので、周辺5市町村の自治体職員が視察に訪れるなか、管内夾雑物を絡め取ったアイスシャーベットの一部を到達地点でサンプル回収し、除去効果をアピールした。

巻き込み鋼管の塗装作業性確立/長寿命化塗装で講習会/鋼管協会
 日本水道鋼管協会は17日、東京・市ヶ谷の日本水道会館で長寿命形無溶剤エポキシ樹脂塗料塗装方法の施工監理者講習会を開催した。同講習会は昨年から実施しており、今回で3回目となる。今回は34人が受講し、施工管理講習修了者は全国で155人となった。受講修了者は現場で塗装工に対して指導する立場になる。

上水供給事業に初参画/フィリピン・ブトゥアン市で/長大
 総合建設コンサルタントの長大は15日、フィリピン・ミンダナオ島北東部のブトゥアン市の上水供給事業に参入する。同社が国内外で水事業に参入するのは今回が初めて。同社は、事業の運営主体となる特別目的会社(SPC)タギボ・アクアテック・ソリューションズに5%出資する覚書を締結、年内には株式譲渡を受ける予定。SPCは、すでにブトゥアン市水道公社へ水を一括供給するコンセッション契約を締結している。

30日に海外水道フォーラム/日水協全国会議で
 日本水道協会、厚生労働省、Japan―YWP(ヤング・ウォーター・プロフェッショナル)の共催により、日水協全国会議開催期間中の30日、名古屋市のポートメッセなごやで「海外水道フォーラム」が開かれる。“水道セクターの運営形態・その将来”をテーマに、東南アジアを中心とする約10の海外水道協会が参加して、各国の優れた取り組み事例を発表する。また、Japan―YWPから日本の事例紹介もある。時間は、14時から17時30分を予定している。全国会議出席者は申し込み不要で参加できる。参加費は無料。