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2015年(平成27年)  1月 19日(第4966号)






地震に強い水道に向け/「水道の耐震化計画等策定指針」改定へ/厚労省
 厚生労働省水道課は、耐震化を効率的・効果的に進めるための基本的な考え方を示した「水道の耐震化計画等策定指針」の改定に着手した。学識者、事業体、関係団体からの委員による検討会を設置し、9日に第1回会合を開いている。前回平成20年の改定後発生した東日本大震災で得られた知見を加えることや、特に耐震化計画の策定が遅れている中小事業体の耐震化を促進すること、より使いやすい指針にすることなどが改定のポイントになる。同指針が策定される契機となった阪神・淡路大震災からちょうど20年。過去の教訓を糧に、地震に強い水道づくりにつなげる。 "

償還年限を40年に延長/法適用の経費も対象に/平成27年度地方債計画/総務省
 総務省は14日、平成27年度の地方債計画を明らかにした。地方公営企業法非適用企業の公営企業会計適用に要する費用を公営企業債の対象にすることや、公営企業債の償還年限の延長も盛り込んでいる。
 公営企業債のうち、水道事業は上水道3849億円、簡易水道485億円の計4334億円(26年度計画額=3987億円)、下水道事業は1兆981億円(同=1兆1093億円)、工業用水道事業は178億円(同=210億円)となった。ほかに東日本大震災分として水道事業2億円、下水道事業17億円を計上した。住民生活に関連した社会資本の整備を着実に推進するため事業の実施状況等を踏まえ所要額を計上したとしている。
 公営企業債の償還年限については、水道事業、下水道事業とも40年に延長。企業債の償還期間と施設等の耐用年数のギャップを縮小させる。構造的な資金不足を解消させ、長期的な視点に立った健全な企業経営につなげる狙いがある。

"GAIA"に7件選定/地方大の研究開発サポート/国交省
 国土交通省下水道部は6日、今年度実施する7件の下水道技術研究開発(GAIAプロジェクト)を発表した。募集テーマは、▽食と下水道の連携▽下水再生水利用▽下水処理における微生物電池活用―に関する技術研究開発で、11件の応募があった。下水道の政策課題の解決を目的に1技術あたり500万円程度費用を負担し、学と行政の交流で“新しいイノベーション”を起こすため、今年度から実施している。同部の加藤裕之・流域管理官は「地方大学の活性化に」と期待を寄せている。

水道課を含む組織改正が7月に
 厚労省は27年度、健康局を再編する。水道課は生活衛生課とともに医薬食品局食品安全部へ移管され、局名は医薬・生活衛生局(仮称)、部名は生活衛生・食品安全部(仮称)とされる。組織改正は7月を目標に手続きが進められる。

工水予算は24億7800万円に
 経産省産業施設課が14日明らかにした27年度工業用水道事業関係予算案は、同省計上分の工業用水道事業費と、国交省計上分の水資源開発事業費の合計で24億7800万円となっている。概算要求と同額で26年度当初予算額と比べ7億4000万円の増。

三大震災の経験・教訓学ぶ/兵庫県南部20年、新潟中越10年踏まえ/セミナー「水道マン震災を語る」開催/防災白熱アカデミィなど主催、本紙後援
 兵庫県南部地震20年・新潟県中越地震10年記念セミナー『水道マン震災を語る~伝えたいこと~』が16日、大阪市中央区のプリムローズ大阪で開催された。主催はNPO法人防災白熱アカデミィ・災害科学研究所・スマートインフラ研究会、後援は水道産業新聞社。同セミナーには水道関係者や市民ら約100人が参加するなか、兵庫県南部、新潟中越、東日本と大震災時に奔走した水道事業者の経験、教訓を巡って講演、意見交換を行った。 "

和田堀給水所更新が本格化/2池を段階的に撤去・整備/東京都水道局
 東京都水道局が平成33年度までの工期予定で整備を進めている和田堀給水所の更新工事が本格化しつつある。同給水所は、同局が最初に実施した拡張事業(=第一水道拡張事業)において建設されたもので、1期工事で建設された2号配水池(大正13年完成)と2期工事で整備された1号配水池(昭和6年本体完成)の2池で構成され、前者は四角形、後者が円形となっている。いずれも、老朽化が進み、耐震性強化も急務となっているため、抜本的な更新に着手した。配水池容量も旧施設の6万立方mから11万立方mと大幅に増強される。

災害に備え各地で訓練を実施/応援初動体制の確立へ/紀伊半島沖地震を想定/神戸市、大阪市、新潟市の3水道事業体
 神戸市水道局と大阪市水道局、新潟市水道局はこのほど、合同防災訓練を2日間、神戸市内で実施した。「19大都市水道局災害相互応援に関する覚書及び同実施細目」(平成25年3月締結)に基づき、応援初動体制の確立や応急対策活動の習熟を図るもので、小学生や地域住民も参加した。

漏水補修の技術・製品学ぶ/情報伝達でワークショップも/日水協兵庫県支部
 日本水道協会兵庫県支部はこのほど、平成26年度危機管理訓練(漏水補修実務訓練・情報伝達検討会)を開催した。同支部技術連携並びに同県水道災害相互応援に係る協定に基づくもので、同県内水道事業体、企業(漏水補修実務訓練のみ)の関係者らが参加した。

リスボン世界会議の報告など/第199回技術懇話会を開催/大阪市水道局
 大阪市水道局は12月25日、職員ら約60人が出席するなか、局庁舎会議室で第199回技術懇話会を開催した。
 同局では昭和25年から若手職員を中心に局内での調査研究、海外視察で得られた知見、水道界における先進的な技術開発事例などをテーマに定期的に技術懇話会を開催している。

エネ自立型焼却炉開発へ/民間企業の共同研究者を公募/東京都下水道局
 東京都下水道局は、下水汚泥焼却時に安価な発電を行い、汚泥焼却炉の使用電力量を発電電力量が年間で上回り、かつ補助燃料を必要としない「第三世代型焼却システム」の開発・導入に取り組んでいる。今回、同システムに必要なエネルギー自立型焼却炉の開発に着手するため、民間企業から共同研究者を募集する。応募期間は今月26日午後5時まで。この共同研究は、同局の「技術開発推進計画2010」で定めた「開発技術の導入を前提とした共同研究」として行う。
 応募時は、共同研究申請書と企画書を各2部作成し、同局計画調整部技術開発課(都庁第二本庁舎7階中央)に持参する。詳細は同局ホームページを参照。問い合わせは同課(電話03―5320―6607)まで。

断水時の病院への給水想定し/岡山市水道局
 岡山市水道局はさきごろ、水道防災対策訓練を独立行政法人国立病院機構岡山医療センターなどで行った。同局は平成9年から訓練を続けているが、災害時の断水における優先的な給水を想定し、初めて病院で実施。局職員や同局退職者災害時支援協力隊、第一環境の関係者ら約280人が参加した。

県内水道事業体の協力体制強化へ/日水協広島県支部
 日本水道協会広島県支部第9回合同防災訓練が2日間にわたり、同県三原市内で実施された。「同支部水道災害相互応援対策要綱」(平成9年7月施行)に基づき、円滑な情報伝達、応援派遣および受入体制の確保、応急給水および応急復旧などで、県内水道事業者の協力体制の強化を図るもので、関係者ら約110人が参加した。

PFIで改築とバイオマス施設新設/FIT活用でCO2削減へ/運営・維持管理は20年/愛知クリーンエナジー豊川浄化センター汚泥処理施設等整備・運営事業
 メタウォーターとメタウォーターサービス、シーエナジーが出資し、中日本建設コンサルタントが協力企業として参画する特別目的会社「愛知クリーンエナジー」(社長=渡邉博澄氏・メタウォーター)は、12月22日に愛知県と「豊川浄化センター汚泥処理施設等整備・運営事業」の事業契約を締結した。同事業は、PFI方式で、豊川浄化センターにある既存の汚泥処理施設の改築とバイオマス利活用施設の新設および20年間の運営・維持管理を行うもので、下水道事業では全国に先駆けた取り組みとなる。

5年契約が増加傾向/人材育成・確保で検討へ/日本下水道施設管理業協会受託実態調査
 日本下水道施設管理業協会はこのほど、平成26年度の下水道処理施設維持管理業務の受託実態調査報告書をとりまとめた。受託契約額が増加したほか、公共工事設計労務単価の上昇に伴い、一人あたりの運転管理費が上昇した。また、複数年契約が毎年徐々に増加して全体の60%を超え、特に5年契約が増加傾向にあることがわかった。
 会員企業の一人あたりの運転管理費は、労務単価の上昇や就業人口の減少などの影響から同3・7%増の659万2000円となったが、従業者数は同1・5%減の1万3632人となっている。また、下水道処理施設全体の維持管理費のうち、運転管理等委託費は全体の約30%で、そのうち同協会会員の契約額は約75%となることがわかった。調査結果でも見られるように、人材の確保・育成が課題となっていることから、企画総務委員会において会員企業の人材確保・育成を議題に検討を行っていくとしている。

簡易水質測定手法開発へ/北京市下水処理場で評価試験/オプテックスなど3社
 オプテックス、共立理化学研究所、北京城市排水監測中心有限公司の3社は、共同で簡易水質測定の評価試験を行う。12月28日に中国北京市内で開かれた第8回日中省エネルギー・環境総合フォーラムで「北京市下水処理場における水質分析の簡易化とデータ収集システムの評価に関するプロジェクト」の協力合意書に調印した。 "

厚労省報告書で耐震管に分類/中間報告臨時理事会開く/ポリテック
 配水用ポリエチレンパイプシステム協会(会長=田畑勝治・クボタシーアイ社長)はさきごろ、東京都中央区の鉄鋼会館で、平成26年度中間報告臨時理事会を開いた。企画委員会、需要開発グループ、技術委員会の活動結果中間報告や平成27年度の運営などについて審議した。また、昨年10月に名古屋市で開催された名古屋水道展について、同協会ブースの来場者は過去最高の488人(前年度比198%増)だったことが報告された。

出前授業の受講者が3万人突破/下水道の役割を効果的に広報/管路総研
 管路管理総合研究所が行っている下水道や水環境に関する出前授業の累計受講者数が3万人を突破した。2007年5月に出前授業を開始してから2014年12月現在まで、32都道府県で3万582人が受講し、年間の受講者数も過去最高を記録した。受講者の内訳は小学生が60%、中学生13%、高校生4%、大学生2%、イベント参加者17%、下水道業界関係者4%となっている。