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2015年(平成27年)  3月 12日(第4978号)





「井戸管理マニュアル」改訂/更新や事故の事例を充実/災害時の対応策も盛り込み/日水協
 日本水道協会は井戸の管理技術をまとめた「井戸等の管理技術マニュアル」の改訂作業を終え、このほど発刊した。最新の知見や事例、更新・改修に関する技術情報や東日本大震災での教訓を踏まえながら、従来あったマニュアルと事例集を1冊にまとめる形で改訂した。上水道水源の23・3%を地下水が占め、それを取水する井戸施設は全国で約9100カ所を超えるという。重要性が増してきている井戸の管理技術向上へ、マニュアルの活用に期待がかかる。

ベトナムで推進工法を促進/マンホール技術も/ワーキング開く/GCUS
 下水道グローバルセンター(GCUS)は2月24日、「第3回ベトナムにおける推進工法普及活動に関するワーキング」(座長=森田弘昭・GCUS顧問)を日本下水道協会で開いた。今回はベトナムにおける推進工法の普及活動について、報告や今後の方針について議論された。
 報告では、この1月にハノイ市で開かれた「第7回日越下水道分野における技術協力に関する定期会議」について、国土交通省下水道部の担当者から説明された。昨年、ベトナムに授与したベトナム向けの推進工法関連基準(設計・積算基準)を改訂したため、改訂版を改めて授与したという。また、ヤスダエンジニアリングからは、ビンズオン省が発注した推進工事を受注したことが報告された。工事はφ300、L=440で、請負金額は9500万円。さらに、ホーチミン市が発注する工事の入札にも参加するという。

"早割"登録を推奨/水道技術国際シンポ
 7月20~22日に神戸市の神戸国際展示場で開催される「第10回水道技術国際シンポジウム」の参加者募集が行われている。参加料(5月15日まで参加登録受付)は、水道技術研究センター・IWA会員3万5000円、非会員5万5000円、学生1万5000円となっているが、3月末までに登録すると会員、非会員は5000円の割引が適用される。

ミラノ万博で「ビストロ下水道」/水と食とエネルギーの融合をPR
5月にイタリア・ミラノで開幕する国際博覧会(ミラノ万博)の日本館イベント広場に「ビストロ下水道」が登場する。イベントには、35自治体・19団体・3官公庁が参画。その中で、国土交通省下水道部が6月17、18日の2日間、下水道が生み出すチカラをコンセプトに「ビストロ下水道」を紹介する。
 イベントは、水と食とエネルギーの融合を分かりやすく表した電動式の模型や、佐賀市をはじめとした自治体の取り組みをパネル展示する予定。下水汚泥や下水処理水で育てた食材で作ったイタメシの映像を流したり、観客とのクイズ大会なども企画している。現在、協力者を募集中だという。

技術力確保、アセットで討議/事務委・専門委開く/企業団協
 全国水道企業団協議会(会長=小林眞・八戸圏域水道企業団企業長、八戸市長)は2月19、20日の両日、八戸市で第84回事務委員会、第71回専門委員会の合同会議を開催した。
 冒頭、事務局を代表してあいさつに立った日本水道協会の松明淳・調査部長は、先月固まった政府予算案や自民党・公明党の水道関係の議連の活動など昨今の話題に触れながら、広域水道の課題克服へ出席者に活発な意見交換を呼びかけた。
 事務委員会の副委員長を務める古川勲・八戸圏域水道企業団事務局長を座長に議事は進行し、事務委員長報告の取りまとめを軸に意見交換。「技術力確保」「アセットマネジメント」に関する業務実態調査に関する専門委員会からの詳細な報告を踏まえて、出席者による討議が進められ、それぞれの現況・課題認識の共有化が図られた。
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水道事業の運営基盤強化で質疑応答/10日の衆院委員会で
 国会で水道事業に関する質疑応答がなされる場面が相次いだ。水道事業の運営基盤強化に向けて財源確保や官民連携が取り上げられた。
 10日の衆議院財務金融委員会では、鷲尾英一郎議員(民主党)が人口減少などの影響により料金収入が減少することで2040年までに600自治体で30%の料金値上げが必要との試算があることを挙げながら今後の料金改定の傾向や経営健全化について質した。
 厚生労働省の福本浩樹・大臣官房審議官は、費用や財源の見通しを的確に立てられるようアセットマネジメントの実施を自治体に促していること、総務省の亀水晋・自治財政局官房審議官も中長期的な視点に立って経営戦略を策定し、徹底して効率化と経営健全化を図っていくことを説明。麻生太郎・財務大臣も水道事業運営にあたり市町村長の“経営センス”が必要との答弁を行った。
 予算委員会第五分科会では浜地雅一議員(公明党)が官民連携を推進していくべきとの趣旨で、コンセッション方式の導入などについて質問。厚労省の新村和哉・健康局長が大阪市で同市100%出資会社によるコンセッション方式の導入を検討していること等を示し、塩崎恭久大臣も「運営基盤強化を図る上で官民の連携は有効であり、適切な官民連携の手法の検討を」などと述べた。

研究発表会開く
 日本工業用水協会の第50回研究発表会が、2月25、26日に東京・千代田区の自動車会館で開かれた。会員の事業体や企業から約100人が参加し、先進的な工法や最新の調査報告など、20件の研究成果が披露された。また、50回を記念する特別講演(講師=山本功・工水協顧問、並木博・横浜国立大学名誉教授)や、日刊工業新聞社賞、論文賞の各受賞者による記念講演が行われた。

御嶽山噴火災害から学ぶ/若手技師もリーダーシップを/岐阜県都市建築部が水処理の火山灰対応で研修
 岐阜県都市建築部は日頃から技術の継承に力を入れており、1月26日には、中津川浄水場で東部広域水道事務所の若手職員らによる危機管理研修を実施した。御嶽山の噴火災害から学ぶ趣旨で開催されたもので、約20人が参加。危機管理意識の向上を図るとともに、火山灰を含む濁水が原水として流入する非常時でも、浄水処理能力を確保できる対応力を養った。
 御嶽山は昨年9月27日正午前に噴火した。火山灰は麓の濁沢川や王滝川に流入し、牧尾ダム、木曽ダム、木曽川を経て、落合取水口から中津川浄水場に導水される。取水口は牧尾ダムの下流約60㎞に位置する。
 火山灰の影響を直接受ける大規模浄水場は全国的にも珍しく、過去にも昭和54年、御嶽山で今回と同規模の噴火が発生していた。当時の知見は今回の初動対応にも活かされ、噴火2日後の29日にはいち早く、災害対策方針を策定した。
 さらに、都市建築部水道企業課は雨量や水質情報を基準に火山灰による影響の大小を4段階に分け、フェーズ(段階)ごとの対応手順を整理した『タイムライン』も作成。東部広域事務所では状況に合わせ、基準を修正しながら運用した。
 今回の研修では、災害時に中津川浄水場で行った水質管理や浄水処理方法などを報告する座学のほか、火山灰の混入を想定したジャーテストを行う実技研修が行われた。
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配水管更新率を1・0%に/花見小路で雨水幹線に着手/27年度京都市上下水道予算案
 京都市は水道事業及び下水道事業の平成27年度当初予算案を公表した。水道事業の総額は前年度当初予算比6%増の593億8700万円、下水道事業の総額は前年度当初比5・5%増の940億3900万円を計上。3年目となった中期経営プラン(2013―2017)を着実に推進するための諸施策を展開するとともに、経営効率化・財政基盤の強化を前進させる。

  〈水道事業〉
 建設改良費は前年度当初比2・9%増の166億8900万円で、上水道整備事業費は162億円の予算を組む。
 上水道機能維持・向上対策には118億8800万円を投入し、蹴上浄水場・第一高区配水池改良、松ケ崎浄水場・浄水池耐震化、新山科浄水場・中央監視制御設備更新、山ノ内ポンプ場整備などを継続して実施する。さらに老朽管路の更新と耐震化の促進には、68億5000万円の予算で、配水管の更新率を平成26年度の0・9%から1・0%に引き上げる。

〈下水道事業〉
 建設改良費は対前年度当初比2・2%増の192億5700万円を計上する。その内、公共下水道建設事業は182億円で下水道機能維持・向上対策に103億4500万円。管路地震対策、災害用マンホールトイレの整備を行う。浸水対策は42億900万円で塩小路幹線、山科三条雨水幹線、新川6号幹線などの継続事業とともに新たに花見小路幹線などの雨水幹線整備に着手する。

供給系統の二重化など着々と/総務事務センターの運営委託へ/大阪広域水道企業団27年度予算
 大阪広域水道企業団は平成27年度水道事業会計当初予算を公表した。水道事業は前年度比6・8%増の823億9400万円を計上。施設の耐震化をはじめ、供給系統の二重化など安定供給を目指した取り組み、さらに災害に強い水道施設として、浄水・送水施設などの改良更新事業を前進させる。
 建設改良費は対前年度当初比10・16%増の265億1000万円の予算を組み、その内、改良更新事業は242億1000万円を計上した。
 震災対策は149億3900万円で、藤井寺ポンプ場~松原ポンプ場~泉北浄水池のバイパス送水管、庭窪浄水場~万博浄水場の系統連絡送水管を引き続き整備し、安全性の強化策を行う。さらに千里浄水池や釈迦坊川水管橋などの耐震補強を進める。

情報と知識の共有図る/「組織のあり方」などで講演/日水協関東地方支部事務・技術講習会
 日本水道協会関東地方支部は2月20日、横浜市情報文化センターで、平成26年度第2回事務・技術講習会を開いた。同講習会は、水道事業に関する情報と知識の共有を図ることを目的に行われており、今回は「組織のあり方」と「メディアと広報」をテーマにした講演を行った。同支部正会員事業体職員114人が参加した。

百年企業を目指し、新拠点誕生/祝賀会に山本厚労副大臣ら400人/本社・工場竣工式典を開催/光明製作所
 光明製作所(本社・大阪市、金村時喜社長)は2月21日、大阪府和泉市に建設した新本社・工場の竣工式典・見学会及び祝賀会を開催した。同会には経済団体や国会議員、水道関係者ら約400人が出席し、百年企業を目指す新たな拠点の完成を盛大に祝った。
 同社は昭和22年に大阪市生野区に給水用具メーカーとして創業し、“地域社会のニーズに合わせた製品造り”を基本理念に、設計から鋳造、機械加工、組立、検査、販売までを一貫して手掛けている。
 平成16年には和泉市の工業団地・テクノステージにテクノ工場を整備し、仮設配管資材をレンタルするリユーズシステムの生産拠点となっており、今回完成した本社・工場は、テクノ工場の道路を挟んだ向かい側に建設したもの。
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宮城に塩ビ管工場新設/安定供給で震災復興に貢献/積水化学
 積水化学工業は5日、宮城県亘理町に塩化ビニル管の製造工場を新設し、2月27日に竣工式を行ったと発表した。東北地区では唯一の塩ビ管製造拠点となる。震災復興が本格化するなか、東北地区での安定した供給体制を構築するとともに地域との結びつきを強化し、復興の加速に貢献していく。投資額は約2億円。
 新工場は、同社傘下の羽生積水の東北工場として積水化学工業東北物流センター内に設置し、2日から製造を開始した。生産能力は年間4000t。建屋面積は924平方mとなっている。

水再生・海淡化テーマに/エネルギー・コストが課題/信州大・COIシンポジウム
 信州大学は、長野市のホテルメトロポリタン長野で「世界の豊かな生活環境と地球規模の持続可能性に貢献するアクア・イノベーション拠点(COI)」第2回シンポジウムを開いた。同拠点では、信州大学、日立製作所、東レ、昭和電工、独立行政法人物質・材料研究機構、長野県などが共同で、ナノカーボン等を用いた耐久性のある水分離膜などの開発、分離膜などのモジュール化、システム化、プラント量産化、ビジネス化などに取り組んでいる。昨年2月のキックオフシンポジウムから1年経過したことから、今回のシンポジウムでは、水処理技術の各分野から講師を招き、水再生を巡る技術開発動向や海水淡水化を中心とした世界各国の造水に対するニーズなどを紹介した。

マンホール女子が魅力を紹介/下水道の役割を見える化/マンホールサミット2015
 マンホール蓋が持つ魅力を通して市民の下水道への理解を深めてもらおうと、下水道広報プラットホーム(GKP、会長=長岡裕・東京都市大学教授)は7日、東京・神田のメタウォーター本社会議室で「マンホールサミット2015」を開いた。最近急増しているといわれる“マンホール女子”らがマンホール蓋の歴史や技術、文化、デザイン、訪ね歩きの楽しさなど、その魅力やポテンシャルの高さを紹介した。約300人が参加し、盛り上がった。
 長岡会長は「昨年のサミットでは、マンホール蓋の魅力や奥深さに感銘を受けた。マンホール蓋は目に触れない管路と市民をつなぐ扉のようなもので、下水道の役割を見える化する役割や魅力を付加することができる」と述べた。

新社長に粕谷神鋼専務/神鋼環境ソリューション
 神鋼環境ソリューションは6日、取締役会を開き、重河和夫代表取締役社長の退任(顧問就任予定)、後任の代表取締役社長に粕谷強・神戸製鋼所専務取締役の就任を内定した。6月下旬開催予定の定時株主総会およびその後の取締役会を経て正式決定される。