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2015年(平成27年)  3月 19日(第4980号)





ガイドライン改訂版を公表/簡易ツールで"きっかけ"を/下水汚泥エネルギー化促進へ/国交省
 下水汚泥の有効利用を後押しする―。国土交通省下水道部は18日、下水汚泥エネルギー化の導入をイメージするための「下水汚泥のエネルギー化導入簡易検討ツール」と、平成23年3月に策定した「下水汚泥エネルギー化技術ガイドライン(案)」の改訂版を公表した。改訂版は、固形燃料化技術、バイオガス利用技術、ガス化技術など最新技術の動向を踏まえ、より自治体が下水汚泥エネルギー化の導入を検討しやすい内容にしている。併せて、同部と日本下水道協会が下水汚泥固形燃料の利用について検討してきた結果も公表された。下水汚泥の有効利用を推進する取り組みが加速している。

中小の耐震化を後押し/レベルに応じ「策定事例」も/耐震化計画等策定指針改定/厚労省
 厚生労働省水道課による「水道の耐震化計画等策定指針検討会」(座長=宮島昌克・金沢大学教授)の第3回が13日開かれた。指針の改定案や耐震化計画の策定事例案などについて審議された。検討会は今回で最終となり、この日出された意見を踏まえた修正を経て公表される。都道府県などと連携して講習会などを通しての周知も予定しているといい、宮崎正信・水道課長は「中小事業者になるべく使っていただきたい。使いやすいものに」と話した。
 同指針は、前回改定以降発生した東日本大震災での経験や知見を反映したり、中小規模の事業者でも容易に計画を策定できることを目的に改定される。中小事業者が取り組みやすい構成・内容に変更。この中で、指針に基づいて耐震化計画を容易に策定できるよう「耐震化計画策定事例」も加えた。
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耐震化など理解求め/6月1日から/第57回水道週間
 今年の「水道週間」の実施目標が決まった。「カラカラで 蛇口に飛び込む 僕の口」をスローガンに、水道施設・管路の耐震化をはじめ、水源開発、高度浄水施設の整備、給水装置の維持管理、水道料金に関することなど、広く国民に対して水道の現状や課題について理解を深め協力を得る。
 水道週間は厚生労働省と都道府県が主催し今年で57回目。6月1日から7日まで。

固形燃料への理解促進へパンフも
 国土交通省下水道部と日本下水道協会はこのほど、「下水汚泥固形燃料利用幹事会」の検討結果を公表した。この中で▽自治体・受け入れ先が下水汚泥固形燃料に求める要素とマッチング課題▽自治体と利用者のマッチングを容易にするための利用者側への普及施策▽契約形態・取引価格等に関する適切な事業形態の整理―などを、来年度発刊予定の「下水汚泥利用促進マニュアル(仮称)」に盛り込むことが示された。自治体から住民や事業者などへ配布し、下水汚泥固形燃料への理解を促進するパンフレットも作成した。

2年半の活動成果を確認/仙台で合同会議/水道耐震化推進PJ
 第7回水道耐震化推進プロジェクト会議及び第10回水道耐震化推進プロジェクト検討会の合同会議が17日、仙台市内のホテルで開催された。
 今年度末をもって2年半の活動が終了する同プロジェクトの最終会合となったこの会議では、まず、プロジェクト会議の赤川正和・議長(日本水道協会顧問)が登壇し、「関連活動の具現化や広報汎用品の制作など、水道関係者が一体となって取り組んだ議論の成果を議長としても再確認している。しかしながら、南海トラフ地震や首都直下地震など大規模地震の懸念が高まる中、水道事業体の耐震化率の上昇は鈍化傾向にあり、引き続き取り組みを進めていくことが不可欠で、各団体の連携の継続を」と出席者に呼びかけた。

ジャカルタで下水道推進工法/大統領も視察に
 下水道推進工法で進めるインドネシアの「ジャカルタ特別州チリウン川地下放水路建設事業」が現地で注目を集めている。さきごろ、ジョコウィ大統領、アホック特別州知事、バスキ公共事業・国民住宅大臣が訪れ、掘進作業などを視察した。
 事業は内径3500mm、延長1・3㎞の地下放水路を2本建設し、洪水被害を軽減するというもの。インドネシアでは交通渋滞が激しいため、道路を掘り返すことなく長距離やカーブの整備に対応できる“日本の下水道推進工法”が採用され、今年1月より掘進を開始している。
 インドネシア企業のウィジャヤカリヤが、公共事業省から約16億円で落札。日本企業の機動建設工業、ヤスダエンジニアリング、イセキ開発工機の共同体がウィジャヤカリヤと契約し、設計施工計画や施工指導、それに伴う資器材を提供している。

34条外部精度管理/満点S機関は6割/給衛協が実施
 厚生労働省水道課が後援し全国給水衛生検査協会が実施した今年度の簡易専用水道検査外部精度管理調査の結果が明らかになった。34条登録検査機関全128機関(286人)が参加し、100点満点で優秀とされる「S」は83機関(64・8%)、90~99点で一部疑義ありとされる「A」は38機関(29・7%)、90点未満で是正処置の報告が求められる要改善の「B」は7機関(5・5%)だった。

雨水利用の目標を閣議決定
 国や独立行政法人等が建築物を新設する際に最下階床下に雨水を一時貯留できる空間がある場合、雨水利用施設を設置するという目標が10日、閣議決定された。「雨水の利用の推進に関する法律」に基づいて設定されたもの。下水道や河川への雨水の集中的な流出の抑制や、緊急時の代替水源としての活用などに期待している。
 また、国土交通大臣によって「雨水の利用の推進に関する基本方針」が定められ、その中で雨水利用施設に下水道の雨水貯留管が位置付けられた。

ウォーターエージェンシーと協定/災害発生時に応援活動を/大阪狭山市水道局
 大阪狭山市水道局は3日、ウォーターエージェンシーと「災害時における応急対策等業務の応援に関する協定」の締結を行った。送水管理センター運転操作業務などを担う同社が災害時に被害状況調査や応急復旧などで応援を行うもので、吉田友好・大阪狭山市長は「災害時の心強いパートナー」と期待を語っている。
 同市は南海トラフ巨大地震の想定を踏まえ、地震など災害対策を重要な柱に諸事業を展開。水道局では施設の耐震化はもちろん、これまでに第一環境、光明製作所など民間企業との災害時応援協定を結んできた。

水総合システムの導入へ/施設の更新・耐震化を推進/埼玉県企業局27年度予算案
 埼玉県企業局はこのほど、平成27年度水道用水供給事業会計予算案を明らかにした。資本的支出は379億6552万円(対前年度比5・7%増)で、そのうち建設改良費は206億8334万円(同11・1%増)を計上した。
 浄水場や中継ポンプ所の耐震化に45億6422万円を計上し、大久保・庄和・行田・新三郷・吉見浄水場や江南・高坂中継ポンプ所の耐震補強工事を引き続き実施する。送水管路の更新・耐震化には21億7370万円を投入し、川口Ⅰ系・Ⅱ系幹線更新事業に着手するほか、さいたま東部線と鳩ヶ谷線の更新工事完了を目指す。

南海化学と災害時協定を締結/次亜塩の優先的調達を目的に/堺市上下水道局
 堺市上下水道局は2月13日、薬品メーカーの南海化学(本社・大阪市)と災害時における薬品調達に関する協定を締結した。同局と民間事業者との災害時応援協定は13例目。今回は東日本大震災時に薬品調達で支援実績のある南海化学との協定で、木田義和・堺市上下水道事業管理者は「災害支援に対する意識が高く、経験や知識を有し、心強い」と期待を語っている。

創エネ・省エネを推進/段階的高度処理の導入も/埼玉県下水道局27年度予算案
 埼玉県下水道局はこのほど、平成27年度流域下水道事業予算案を公表した。資本的支出は309億5703万円(対前年度比21・9%増)で、そのうち建設改良費は232億3068万円(同21%増)を計上した。
 バイオマス発電などによる「創エネ」と省エネ機器への転換による「省エネ」を推進し、下水処理施設の電力自給率向上と新たな収益の確保を図る「下水道スマートエナジープロジェクト」をスタートする。27年度は6億5203万円の予算を組み、元荒川水循環センターでバイオマス発電施設の設計・工事、中川水循環センターで同施設の調査・設計を行うほか、小山川水循環センターをはじめとする5カ所で太陽光発電設備の設計などを行う。

「見守りネットワーク」を発足/市原市、第一環境など13団体
 市原市は2月1日、「いちはら高齢者見守りネットワーク」を発足した。市水道事業の料金徴収業務を受託する第一環境などの事業者13団体が、日常の業務などのなかで高齢者の異変に気付いた際に、市内に5カ所ある地域包括支援センターに連絡する体制となっている。

施工時期の平準化へ/枝線再構築案件を3月に公表/東京都下水道局の入札不調対策
 東京都下水道局は今年度から、入札不調対策の一環として、特に多く不調が発生している枝線再構築工事を対象に、これまで行っていなかった3月の案件公表を実施している。発注時期を平準化することで、民間事業者が技術者をより計画的に配置しやすくすることを目指している。

メーター分解委託し分別/蓋などの有効活用を促進/岡山市水道局が保育園に贈呈
 岡山市水道局はこのほど、廃棄水道メーターの分別品を市立保育園に贈呈した。同局は昨年7月から、水道の社会貢献策として、水道メーターの分解・分別作業を障害者就労支援事業所に委託。売却する金属を除き、プラスチックや強化ガラスの有効利用を図るもので、教育施設への分別品提供は全国初の試みとなる。

管工事協同組合と初の合同訓練/福山市上下水道局
 福山市上下水道局はさきごろ、同市管工事協同組合などとの合同防災訓練を、同局水道技術研修センターなどで開催した。同局と組合の合同訓練は「地震災害時における水道の応急給水及び応急復旧に関する協定」を締結後、初となる。 "

官民の枠超えた連携が重要/一秒でも早い情報共有が大切/仙台市でゲリラ豪雨の減災対策を討議/水ing主催
 近年、地球温暖化による局地的豪雨の増加とそれによるインフラ施設への被害が懸念されている。気候変動に対する減災に向けた適応策としては、設備、ハード面の対策のみならず、情報というソフト面での手当が重要になる。具体的に下水道施設の場合、ハード施設の計画を上回る降雨に対しての浸水被害の最小化が重要である。3月14日から18日にかけて仙台市で開催された第3回国連防災世界会議に合わせて、水ingでは「集中(ゲリラ)豪雨への減災対策」をテーマにパネルディスカッションを開き、情報共有による減災についてディスカッションした。産官の枠を超えた相互連携が減災対策につながることを示した。 "

短時間施工で高い洗浄効果/松本市でアイスピグ洗浄工法/東亜グラウト工業
 東亜グラウト工業は11日、松本市上下水道局下水道課発注の「圧送管緊急清掃工事」でアイスピグ管内洗浄工法を使って施工を行った。同工法が長野県内で採用されたのは今回が初めて。圧送管はφ100の塩化ビニル管で、施工延長は913mと同工法としては最大規模となった。
 管内でアイスピグを形成させるための特殊アイスシャーベット(SIS)の注入から洗浄終了までは、約50分と短時間で施工を完了。後日、同市下水道課が洗浄効果を確認したところ、流量が148L/分(洗浄前は80L/分)まで回復したという。

アクア事業を再編・統合/日本錬水に水処理膜水処理装置の販売事業移管/日本錬水を三菱レイヨンアクア・ソリューションズに社名変更
 三菱レイヨンは4月1日付で、日本錬水に同社の水処理膜と水処理装置などの販売事業のほとんどを移管し、日本錬水の社名を三菱レイヨンアクア・ソリューションズに変更する。アクア事業を統合・再編し、水環境事業や高機能分離材事業における部材・装置の販売からエンジニアリング、メンテナンスまでを一元化した総合的なアクアソリューションビジネスを目指す。これにより、近年増加しているパッケージ型の案件の受注増に結び付けていく方針だ。

水質分析セミナー開く/検査法改正にも対応/日本ウォーターズ
 水質分析機器を手がける日本ウォーターズは3日に同社ラーニングセンターで、水質分析セミナー2015を開いた。現在、厚生労働省健康局が水道水質検査法検討会でフェノール類告示検査法へのLC/MS法追加および、対象農薬リスト掲載農薬類で標準検査法が定められていない農薬の新規検査方法を検討しており、それに対応した分析結果を得る目的で開催した。

安全DVD地震・津波編を販売開始/日本下水道施設管理業協会
 日本下水道施設管理業協会は、下水処理場維持管理安全DVDの第6巻「もし巨大地震に遭遇したら…東日本大震災から学ぶ地震・津波対策」の販売を開始した。
 今回は、東日本大震災を体験した維持管理職員の証言や映像を記録したほか、震災で得た教訓をもとに、どのような行動をすべきかなど、具体的なポイントや注意点を紹介。震災発生時における安全対策の一助となる内容となっている。
 2部構成で、第1部は「証言:下水処理場から見た東日本大震災」(放映時間21分)、第2部は「巨大地震・津波対策」(同15分)となっている。
 販売価格は、同協会会員が5140円(購入本数による割引あり)、会員以外は8230円となっている。申し込みは、ホームページにある「購入申込書」をFAX(03―3555―1330)または郵送で。