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2015年(平成27年)  9月 17日(第5022号)





常総市の断水 依然続く/排泥作業や応急給水/約7400戸
 鬼怒川の決壊により浄水場が水没、川の東部全域で断水した茨城県常総市では、約4400戸を給水する東部配水場は13日に応急復旧が完了したものの、約7400戸に給水する相野谷浄水場は現在も復旧していない。15日午後、冠水状態が解消したことを受け、汚泥の排出作業に着手した。被害状況を確認しながらポンプ設備の復旧作業が行われる。厚生労働省では日本水道協会、横浜市、東京都とともに、12~13日の調査に続いて15日に現地に入り、被害状況の調査にあたっている。16日には塩崎恭久大臣、永岡桂子副大臣が現地を訪れている。

街づくりとの調整が課題/厚労省・水道復興支援連絡協議会/岩手県現地調査部会
 厚生労働省水道課は8~9日、岩手県内で東日本大震災水道復興支援連絡協議会の現地調査部会を開いた。被災地域の現状を確認し、復興への課題を把握するためのもので、岩手県では10回目。17~18日には宮城県、30日~10月1日には福島県で開催する。
 岩手県現地調査部会では、岩手県県民暮らしの安全課の職員とともに宮古市、山田町、大槌町、大船渡市の関係者からヒアリングし、意見交換。宮古市、山田町、大船渡市には現地視察に訪れ、区画整理事業など復興事業の進捗を確認した。

料金改定手引き作成作業に着手/日水協
 日本水道協会は1日、第1回料金改定業務の手引き(仮称)検討ワーキンググループを開催した。2月に改定版を発刊した「水道料金算定要領」と「経営情報公開ガイドライン」を、具体的に解説し使いやすくするための“手引き”の作成作業に入った。

下水道の魅力を感じて/GKP北海道が発足
 マンホールの下に広がる世界をのぞきませんか―。GKP北海道は9~10日の2日間、札幌市と北海道地方下水道協会と共催で「下水道のフシギ 下水道事業パネル展」を札幌駅前通の地下歩行空間で開催した。これにより、GKP北海道が正式に発足した。
 9日のオープニングセレモニーでは、冒頭、札幌市と北海道地方下水道協会を代表して、坂田和則・札幌市建設局下水道河川担当局長が「このイベントで下水道の魅力を感じていただき、今後も下水道を応援していただければ」とあいさつ。続いて、GKP北海道を代表し、船水尚行・北海道大学大学院教授が「下水道は私たちに様々な便益を与えてくれている。この機会に下水道の仕組みを知ってほしい」と呼びかけた。

被害拡大の防止に貢献/大崎市の処理場に応援職員派遣/JS
 日本下水道事業団(JS)は、関東・東北の記録的豪雨で施設が冠水した大崎市古川師山下水浄化センターを支援し、被害拡大の防止に貢献した。渋井川の堤防決壊箇所から東に約2・5㎞の箇所に位置する同センターは、JSが水処理施設の改築工事を受注しており、現地の受注者より周辺情報の報告を受けていた。
 同センターでは堤防の決壊によって、沈砂池と汚泥棟の一部に約25cmから30cmの浸水が発生。水位が上昇し危険な状況になってきたことを受けて、JSは11日の午後、現場へ応援職員を4人派遣した。

常総市でマンホールポンプ応急復旧
 国土交通省の16日の発表によると、鬼怒川決壊による常総市の浸水した下水道区域は、石下処理区と水海道処理区の2つ。石下処理区はマンホールポンプの応急復旧や下水道管の閉塞調査を実施し、下水道を使用できる状態だが、水海道処理区は上水道の復旧の目途が立っていないため、18日までにマンホールポンプの応急復旧を行う予定。下水道管の閉塞調査は道路パトロールにあわせて実施している。両地区とも排水の支障が生じた場合を想定し、バキュームカーによる緊急排水の準備もしている。

記録的豪雨の被災地を官民が支援/断水被害の小山市を支援/給水袋1万8000袋を提供/東京都水道局
 東京都水道局は12日、記録的豪雨の影響で断水被害が発生した栃木県小山市に職員6人を派遣し、給水袋(6L)を1万8000袋提供した。
 同局は、11日夕方の日本水道協会関東地方支部からの要請に応え、12日6時に保永政幸・総務部総務課危機管理担当係長と水道緊急隊第一副隊の職員5人が特別緊急車など車両3台で小山市に向けて出発。8時30分に現地に到着して給水袋の荷下ろしを完了した後、指定された応急給水場所で応急給水の補助作業などを行った。

常総市で応急給水活動/加圧式給水車2台を派遣/第一環境
 茨城県常総市から料金徴収業務を受託している第一環境は10日午後に加圧式給水車を同市に配備し、11日から市役所や水海道第一高校、三妻公民館などで応急給水を行っている。応急給水活動は、9時から21時まで行い、多くの市民に飲料水や生活用水を給水している。
 同社は、鬼怒川の堤防が決壊した10日13時に東京都港区の本社に対策本部を設置。10日14時30分頃に同市都市建設部水道課の要請を受け、千葉県八千代市と水戸市に配備していた加圧式給水車(2t)を出動させ、茨城県阿見町で給水を行い、1台を市役所、もう1台を坂手配水場に配置した。

管路の断層横断対策で講演/最新の研究成果を披露/宮島教授が米国ロサンゼルスで
 米国のロサンゼルス市水道電気局は、同水道局舎内の講堂で宮島昌克・金沢大学教授を講師に招いて『水道管路の断層横断対策講演会』を開催した。講演会には、同局職員に加えて、ロングビーチ市やパサデナ市等のロス近郊の水道事業体、地質や管路のコンサルタント、カリフォルニア州立大の教授等110人超の聴衆を集めて行われた。

水道水の水質管理で2講演/第120回研究会開く/岩手紫波地区水道事業協議会
 岩手紫波地区水道事業協議会(会長=吉田孝・矢巾町上下水道課長)は8月28日、盛岡市のホテルルイズで第120回研究会を開いた。同協議会は事務、技術の課題解決に向けた研究会を定期的に開いており、今回は水道関係者約90人が出席するなか、鎌田素之・関東学院大学准教授が「農薬から見る今後の水質管理のあり方」、菊地知男・セントラル科学代表取締役社長が「非常時における水道水等飲料水の確保と水質検査の重要性」と題した講演を行った。

400枚のマンホールふたテーマ別に紹介/「マンホール」発刊
 全国各地のマンホールふたを自転車でまわりながら撮影しつづけている石井英俊さんが、『マンホール 意匠があらわす日本の文化と歴史』を10日に発刊した。

広島市内で水道講演会/災害対応や将来像など説明/ダク協中国四国支部
 日本ダクタイル鉄管協会中国四国支部(宮本晃支部長)は8月31日、講演会を広島市内で開催した。関係者ら約110人が出席する中、水道の災害時応援対応や水道事業の将来などに関する3題の講演が行われた。
 宮本支部長の開会あいさつ後、宮内潔・日本水道協会大阪支所長が「水道の災害時応援対応と早期復旧に向けた資機材等の確保について」と題して講演した。

総合防災訓練に参加/漏水止めるデモ実施/三管協
 三多摩管工事協同組合(三管協、松田英行・理事長)は1日、立川市の昭和記念公園で行われた「東京都・立川市合同総合防災訓練」に参加した。応急復旧訓練として、噴出孔のついたダクタイル鋳鉄管(300mm)に給水車からホースを接続して加圧し、噴出孔から噴き出した漏水を割継ぎ輪により止めるデモンストレーションを実施。三管協からは、渡辺防災・災害対策部長を隊長として、2人一組で作業を行った。作業は三管協だけでなく、水道局職員、東京水道サービス社員も行った。

11月に今治市でセミナー/膜分離技術振興協会
 膜分離技術振興協会は、11月5日と6日に、今治市の今治地域地場産業振興センターで第13回上下水道膜セミナーを開く。協会で発行している「浄水膜(第2版)」に基づき、浄水膜の基礎、制度や国内外の実用例、下排水処理関連の膜技術の動向などを紹介する。2日目は今治市の馬越浄水場と伊予市の宮下浄水場の見学を予定している。
 申し込みは、協会ホームページから申込書をダウンロードしFAX(03―6712―0192)またはEメール(info@amst.gr.jp)に必要事項を記入し送る。締め切りは10月29日。参加費は、地方自治体所属者は4000円、会員企業は1万円、非会員企業は1万2000円。「浄水膜」の希望者は、別途テキスト代2500円が必要。

浄水施設と配水施設を委託/登米市水道事業所
 登米市水道事業所は、浄水施設等管理運転業務と配水施設等維持管理業務を委託する。受託事業者は、公募型プロポーザル方式で選定する。「浄水施設」の業務内容は▽運転管理業務▽保守点検業務▽環境整備業務▽水質管理業務▽その他付帯業務―。委託予定額は10億7200万円。「配水施設」の業務内容は▽配水管路等維持管理業務▽緊急工事施工業務▽緊急工事施工業務▽漏水調査業務▽給水車維持管理業務▽図面等整理業務▽その他附帯業務―。委託予定額は2億5300万円。
 いずれも、委託期間は平成28年4月1日から33年3月31日までの5年間。プロポーザル参加申し込み受付は9月24日~28日、選定結果の通知は11月27日となっている。9月24日に市役所登米庁舎で参加資格要件、業務提案書の作成方法などの説明会を開催する。
 詳細は同事業所ホームページ(http://tome-suido.com/)参照。

豪雨被災地支援へ1000万円寄付/クボタ
 クボタは11日、台風18号に伴う記録的豪雨で被災した自治体の支援と地域の復興のために、義援金1000万円を寄付すると発表した。