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2015年(平成27年) 9月 24日(第5023号)
簡水への支援求め要望/政府予算対策合同会議開く/簡水統合の実態も明らかに/簡水協
水道課が生活衛生・食品安全部に/組織再編10月1日付で移管/厚労省
水道事業維持に課題多く…/第7回・札幌市で/厚労省・新水道ビジョン地域懇談会
予算獲得へ全力で/第5回総会を開催/水道議連
工夫とアイデアあふれる12件を表彰/循環のみち下水道賞/国交省
作業の安全確保呼びかけ/処理場死亡事故受け/国交省
水質検査の信頼性確保へ協力求める/給衛協
10月16日に京都で飲料水シンポ
課題対応へ多くの知見が/研究開発報告会で6題発表/首都大との共同研究の報告も/東京都水道局
包括委託へ公民連携推進/5社が取り組み事例紹介/松江市上下水道局が研究会
雨水対策テーマに議論/44自治体・53人が参加/北の下水道場
土石流模型展示や浸水体験/球場等で防災イベント/国交省中国地整局など
常総市へ支援隊派遣/本格復旧に向け調査/東京都水道局
メタのWBC基盤を構築/データの幅広い分析実現/富士通
茨城県鬼怒小貝流域で汚水移送/24時間体制で災害復旧支援/日本下水道管路管理業協会
流域水循環で協議会活動強化/"名水"で地域活性化へ/名水サミットで貴重な資源を再アピール/全国水環境保全市町村連絡協議会
水処理5社とOEM契約/浮上ろ材上向流ろ過システムで/メタウォーター
新型の固相抽出装置を発売/タッチパネルで操作性が向上/ジーエルサイエンス
新たな技術、用途の定義を追加/JISの膜用語が改正
簡水への支援求め要望/政府予算対策合同会議開く/簡水統合の実態も明らかに/簡水協
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全国簡易水道協議会(会長=牧田久・美馬市長)は8日、平成27年度第2回理事会と第1回事務局長会議を、「政府予算対策合同会議」として東京・霞が関の霞山会館で開催した。平成28年度予算概算要求を踏まえ、水道関係予算の確保などを求める要望書を作成。会議終了後に、自民党水道事業促進議員連盟をはじめとした国会議員や、厚生労働省など関係5府省に対して要望活動を実施した。農山漁村を中心とする住民の生活と福祉を支える簡易水道への支援を関係者は訴える。
会議ではまず、厚生労働省水道課の小柳隆一・課長補佐から平成28年度水道関係概算要求、総務省自治財政局公営企業経営室の木村重成・課長補佐から平成28年度水道関係地方債計画案などについて説明を受けた。その後議題として今後の予算対策及び要望活動について、水道関係予算の所要額876億円を確保することなどを盛り込んだ要望書を取りまとめ、要望活動を実施した。
要望活動では財務省をはじめ、厚生労働省、国土交通省、総務省、内閣府を訪れたほか、衆議院第一議員会館では自民党水道事業促進議員連盟の盛山正仁・幹事長、公明党上水道事業促進委員会の古屋範子・委員長らに直接要望書を渡し、簡易水道の整備促進に理解を求めた。牧田会長は、統合期限後も900程度の簡易水道が残ることや、施設の更新・耐震化が進んでいない状況を説明し「命の水を止めるわけにはいかない」と住民生活を預かる簡易水道を持つ自治体を代表して訴えた。
水道課が生活衛生・食品安全部に/組織再編10月1日付で移管/厚労省
厚生労働省は10月1日付で健康局を中心に組織を再編する。それにともない健康局にある水道課は、生活衛生課とともに医薬食品局の食品安全部に移管される。医薬食品局は「医薬・生活衛生局」に食品安全部は「生活衛生・食品安全部」に名称変更される。
組織再編は健康寿命の延伸を推進するのが狙い。15日に「厚生労働省組織令の一部を改正する政令」が閣議決定された。
水道事業維持に課題多く…/第7回・札幌市で/厚労省・新水道ビジョン地域懇談会
厚生労働省水道課は9日、第7回新水道ビジョン推進のための地域懇談会を北海道庁別館で開催した。北海道地域の水道事業体関係者およそ70人が参加。4つのテーマ▽老朽化施設の計画的更新及び耐震化▽広域化▽アセットマネジメントの活用と料金設定▽小規模水道対策―を設定し、各グループに分かれ意見交換した。約75分のグループディスカッションの後、各グループより議論の結果が発表された。
予算獲得へ全力で/第5回総会を開催/水道議連
自民党水道事業促進議員連盟(会長=川崎二郎・衆院議員)は16日、第5回総会を党本部で開いた。厚生労働省から平成28年度水道関係予算概算要求と茨城県常総市での水道被害状況について報告を受け、水道分野の海外展開の現状と課題について東京都水道局、横浜市水道局、川崎市上下水道局にヒアリングした。
工夫とアイデアあふれる12件を表彰/循環のみち下水道賞/国交省
第8回国土交通大臣賞「循環のみち下水道賞」の表彰式が10日、国交省大会議室で開かれた。グランプリの「産官学が連携した効率的な下水処理技術の開発」(前澤工業など)をはじめ、受賞した6部門12件の関係者が喜びを分かち合った。
北川イッセイ・国土交通副大臣はあいさつで、水の災いから国民を守るのに欠かせないことや、低炭素・環境型社会に貢献するという下水道の多用な役割を挙げ、5月に下水道法等を改正したことを紹介。「受賞された皆さまは、下水道に関してアイデアと工夫を凝らし全国の模範となる取り組みを現場で実践しておられる。今後も安心・安全の向上に貢献を」と讃えた。
作業の安全確保呼びかけ/処理場死亡事故受け/国交省
国交省下水道部は1日、下水処理場内の作業の安全確保を呼びかける事務連絡を全国の自治体などへ発出した。8月31日に千葉市の南部浄化センターで発生した作業員の死亡事故を受けてのもの。日本下水道協会の「下水道維持管理指針・総論編・マネジメント編―2014年版―」に基づき、安全管理を徹底するよう求めている。死亡した作業員は地上3階で消防設備を点検中に、送風機ダクトを通している地下2階までの吹き抜けへ転落したという。
水質検査の信頼性確保へ協力求める/給衛協
全国給水衛生検査協会(奥村明雄会長)は2日、厚生労働省と日本水道協会に対して要望活動を行った。奥村会長が関係先を訪れ、厚労省で長坂雄一・水道水質管理官、日水協では尾﨑勝・理事長と面談した。
厚労省には、検査の信頼性を確保するためとして、コストに見合った適切な料金の設定などが水道事業者で行われるように指導することをはじめ、給衛協自主事業への支援や、簡易専用水道の受検率向上への都道府県、市を通じての適切な指導を行うことなどを求めた。日水協にも、入札契約にあたって検査機関の技術向上と精度管理の努力が反映されるよう配慮することなどを求めている。
10月16日に京都で飲料水シンポ
全国給水衛生検査協会は、10月16日に京都市内の京都烏丸コンベンションホールで「20条検査・34条検査からみた飲料水の安全安心に関するシンポジウム」を開催する。水道事業者や衛生行政、登録検査機関が一堂に会し相互理解を深めることを目的に、安藤正典氏(山梨大学非常勤講師)の基調講演と、厚生労働省、水質検査、施設検査の専門家らを加えたパネルディスカッションが予定されている。
課題対応へ多くの知見が/研究開発報告会で6題発表/首都大との共同研究の報告も/東京都水道局
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東京都水道局は4日、同局研修・開発センターで平成27年度研究開発報告会を開いた。同局職員が6題の発表と同局技術開発検討委員会環境技術分科会の活動報告を行ったほか、同局と首都大学東京の共同研究について小泉明・同大学特任教授の講演と、同大学教授らによる5題の報告があった。会場には同局職員、同大学関係者のほか、近隣水道事業体や同局の監理団体である東京水道サービス、PUCの社員など128人が集まった。
冒頭、田村聡志・同局技監が「皆さんの職場には新しい技術につながるようなヒントやアイデアがたくさんあると思う。技術の開発、向上を意識して日々の仕事にあたってもらえれば」とあいさつした。
包括委託へ公民連携推進/5社が取り組み事例紹介/松江市上下水道局が研究会
第2回松江市上下水道事業の維持管理における公民連携研究会(会長=永井康之・山陰経済経営研究所経済調査部長)が8月31日、同市内で開催された。上水道・簡易水道・下水道の各施設について、運転管理の包括的業務委託の推進に向け、将来的な手法や導入可能性などを検討する会合で、今回は5社が先進的な公民連携の取り組み事例を紹介した。
雨水対策テーマに議論/44自治体・53人が参加/北の下水道場
北海道建設部まちづくり局都市環境課は10日、平成27年度の第1回「北の下水道場」を開いた。今回のテーマは雨水対策で、道内の44自治体から53人の下水道関係者が参加。個々の悩みの共有や課題解決に向けて熱い議論が繰り広げられた。
冒頭、越智通浩・公園下水道担当課長が「この北の下水道場を“北海道の大下水道課”と捉え、皆さんがその大下水道課の職員として相互に繋がってほしい」とあいさつ。その後、国土交通省下水道部流域管理官付の和田紘希・水害対策係長(当時)が、「下水道による浸水対策の動向~雨水対策の主流化に向けて~」をテーマに講演した。
土石流模型展示や浸水体験/球場等で防災イベント/国交省中国地整局など
防災ひろば2015inマツダスタジアム(主催=国土交通省中国地方整備局・広島県・広島市、後援=土木学会中国支部、協力=広島東洋カープ)が8月13日に開催された。防災意識の向上を目的としたイベントで、今年で3回目。各種パネルや土石流模型装置の展示、降雨・浸水体験などが行われた。
常総市へ支援隊派遣/本格復旧に向け調査/東京都水道局
東京都水道局は18日、記録的な大雨で甚大な被害を受けた茨城県常総市の水道施設の復旧を支援するため、職員9人を派遣した。水没した相野谷浄水場の応急復旧や本格復旧に向けた調査、水道管路の漏水調査などを行う。具体的には、被害が大きかった浄水場の監視制御設備などを最短で仮復旧する方法などについて、同局が持つノウハウを活かしていく。派遣期間は24日までの予定で、隊長は西部建設事務所の藤川和久・工事第二課長。
派遣職員を見送った青木秀幸・浄水部長は「被災地全域の1日も早い復旧に向けて、全力で応援していきたい」と話す。
今後は現地の被害状況や復旧状況により、二次派遣も行うとしている。
メタのWBC基盤を構築/データの幅広い分析実現/富士通
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富士通は11日、メタウォーターが上下水道事業体向けに提供するクラウド型プラットフォーム「ウォータービジネスクラウド(WBC)」のデータ活用基盤を構築したと発表した。新たな基盤は、蓄積された各種データを2種類のデータベース(DB)を組み合わせてデータを統合することができる。データの一元管理により、複数にまたがるサービスデータの柔軟な検索とリアルタイムなデータ活用や幅広い分析を実現し、サービス品質の向上につなげることができる。
同社は今回、各サービスのデータを横断的に検索する仮想DBと、テキスト・画像・音声などの多様なデータを蓄積・検索するNoSQL型DBを構築した。
仮想DBは、各サービスのデータを物理的な移動なしに、リアルタイムに仮想データベースで統合し、サービス間を横断的に検索するもの。これにより、広域監視サービスによる機器の稼働状況や、保守点検サービスによる点検履歴をあわせて検索することができ、異常を検知した機器の過去の点検履歴から原因を調べることに役立つ。
茨城県鬼怒小貝流域で汚水移送/24時間体制で災害復旧支援/日本下水道管路管理業協会
台風18号による記録的豪雨で、茨城県・鬼怒小貝流域下水道の下妻中継ポンプ場が水没し、ポンプ設備などが被災した。日本下水道管路管理業協会(会長=長谷川健司・管清工業社長)は、県の要請を受け、10日から汚水移送作業を行っている。両者は、平成18年10月に災害時復旧支援協定を締結しており、今回も同協会の災害復旧支援事業と位置付けて行っている。
作業は、ポンプ場の上流約100mに位置するマンホールから下妻幹線を流れる汚水を吸い上げて、約4㎞離れたきぬアクアステーションの流入きょに流している。作業開始直後は、容量10tのバキューム車5台、8tのバキューム車4台の計9台で24時間体制で汚水を吸引している。1日あたり、現場とセンターを約13往復しているという。
流域水循環で協議会活動強化/"名水"で地域活性化へ/名水サミットで貴重な資源を再アピール/全国水環境保全市町村連絡協議会
「昭和・平成名水百選」の認定を受けた全国の市町村が中心となって組織する「全国水環境保全市町村連絡協議会」の第29回全国大会が8月28、29日の2日間、長野県安曇野市で開催された。全国大会も次回は節目の30回を迎えるが、わが国特有の“名水”は地域の文化、自然循環はもとより人間の生活を潤し環境を支える隠れた貴重な資源として再認識されはじめた。昨年制定された水循環基本法で地下水が法的に位置付けされ、さらに今年7月には水循環基本計画が策定、今後5年間の道筋が示された。基本計画のなかでは、渇水への対応や地下水マネジメント、水環境など水循環に関する取り組みを議論する場として公共団体、国の地方支分部局、有識者、水環境に関わる団体などで構成される“流域水循環協議会”の設立を求めている。30年ちかく活動してきた同協議会の役割・存在感も増して次回の第30回大会は、三重県志摩市での開催が決まったが、そこではさらに具体的なアクションプランが示される見通しだ。
水処理5社とOEM契約/浮上ろ材上向流ろ過システムで/メタウォーター
メタウォーターは10日、クボタ、水道機工、水ing、住友重機械エンバイロメント、月島機械の5社と、同社独自技術の「浮上ろ材を用いた上向流ろ過システム」のOEM取引に関する製品取引基本契約を結んだと発表した。水処理関連5社とのOEM契約の締結で、国内外での同システムの普及拡大をさらに加速させていく考えだ。
同システムは、送水された原水が上部水路から越流・流入し、浮上ろ材により上向流ろ過され、ろ過水は越流・放流する仕組みだ。合流式下水道の簡易処理の高度化、未処理下水の簡易処理などに有効なシステムで、豪雨時の合流式下水道から川や海に大量に流出する汚水対策として、汚濁排出量の削減に大きな効果がある。
新型の固相抽出装置を発売/タッチパネルで操作性が向上/ジーエルサイエンス
ジーエルサイエンス(本社・東京、長見善博社長)は2日、水質分析用全自動固相抽出装置「アクアトレースASPE899」の発売を開始した。2日~4日に千葉市美浜区の幕張メッセで開かれた分析・科学機器専門展「JASIS2015」にも出展し、来場者の注目を集めていた。
好評を得ていたアクアトレースASP799の操作部にカラー液晶タッチパネルを採用した。パソコンと接続する必要がなく、すべての操作を本体上で行うことができる操作性の良さが特長で、メソッド作成ソフトにシンプルモードを搭載し、編集がさらに簡単になった。本体メモリには最大120のメソッドを保存することができる。
新たな技術、用途の定義を追加/JISの膜用語が改正
日本工業規格(JIS)の膜用語K3802が8月20日付で改正され、同日付の官報に公示された。改正原案は膜分離技術振興協会が作成したもので、主な改正点は、ナノろ過膜、FO膜、PRO膜などの新たな分離膜技術や、下排水など分離膜の新たな用途に関する定義の追加。膜分離技術の開発が進み、現行規格を現在の技術に合った用語に定義する必要から、改正が求められていた。
改正により、定義が現在の膜分離技術に適合することで、用語の正確な理解に加え、情報や製品の流通において生産者と利用者の利便性が高まることが期待される。K3802は、日本規格協会で購入できる。