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2016年(平成28年)  1月 14日(第5049号)





公営企業会計導入を円滑に/“手引き”改訂版を発刊/国交省、下水協
 国土交通省下水道部と日本下水道協会はこのほど、「下水道事業における公営企業会計導入の手引き」の“移行対応版”を発刊した。平成25年5月に発刊した2013年度版の手引きを改訂した形で、総務省がとりまとめた「地方公営企業法の適用に関するマニュアル」との整合性を図ったほか、すでに公営企業会計を導入している自治体のアンケート調査結果や参考事例も盛り込んだ。改訂版は下水協のホームページから無料ダウンロード(会員限定)することができ、冊子も販売されている。地方公営企業法の適用を目指す自治体の円滑な移行につながることが期待される。

水道耐震化「依然低い」/基幹管路 36・0%、浄水施設 23・4%、配水池 49・7%/平成26年度・厚労省調べ
 厚生労働省水道課はこのほど、平成26年度末時点での水道施設の耐震化状況を明らかにした。基幹管路の耐震適合率は全国平均で36・0%、浄水施設の耐震化率は23・4%、配水池の耐震化率は49・7%だった。同課では「依然として低い状況にある」としているが、これは前年度と同じ表現での評価だった。
 調査は、平成20年度から、水道事業の耐震化の推進施策の一環として実施しているもので、毎年この時期に公表している。

「技術継承の教科書に」/維持管理指針改訂で講習会/工水協
 日本工業用水協会はさきごろ、「工業用水道維持管理指針2015」の発刊を機に都内で講習会を開き、自治体職員など約80人が参加した。
 指針の改訂は1993年以来の約20年ぶりで、アセットマネジメントや災害対策、環境対策・省エネルギー対策などを新たに追加したのが特長。講習会では、改訂委員会の委員らが追加事項や工業用水の維持管理で重要な事項を解説した。
 冒頭、本郷秀昭・工水協専務理事は「熟練技術者が減り、現場管理のあり方が喫緊の課題となっている。指針を活用して技術継承も進めてほしい」と述べた。

下水道の魅力伝える/高専対象にワークショップ/GKP未来会
 GKP下水道を未来につなげる会(未来会)はさきごろ、「水ビジネスと下水道のワークショップ」を木更津市の木更津下水処理場で開いた。今回は木更津工業高等専門学校の学生約50人を対象に、下水道の魅力を伝え下水道界で活躍するイメージを持ってもらうために実施した。

基盤強化方策の検討進む/広域化や料金適正化など/厚労省
 厚生労働省が設置している水道事業基盤強化方策検討会(座長=滝沢智・東京大学大学院教授)の第5回が12月24日に開かれた。これまでの検討を踏まえ強化方策に盛り込むべき事項について議論を深めた。広域化などの取り組みを参考にするため埼玉県、長野県、京都府からヒアリンも行った。次回、1月22日の最終回で取りまとめる。

現代用語に"ビストロ下水道"が
 現代人として必要と考えられる用語にマスコミなどで使われる新語を加えて編集された事典・用語辞典である『2016現代用語の基礎知識』に、“ビストロ下水道”の用語が登録された。

“暮らしとまちの未来支える”/ビジョン・経営計画案を公表/西谷浄水場再整備など推進/横浜市水道局
 横浜市水道局はこのほど、横浜水道長期ビジョン・中期経営計画の素案を公表した。長期ビジョンは、水道事業、工業用水道事業の20~30年後を想定した長期的な見通しを示す水道事業ビジョンで、基本理念「暮らしとまちの未来を支える横浜の水」や基本姿勢、目指す将来の姿、取り組みの方向性などを明らかにしている。中期経営計画は、同ビジョンで描く将来像を具体化するための平成28年度から31年度の経営計画であり、西谷浄水場の再整備や災害時給水所の整備、計画的な管路の更新・耐震化などを推進していくことを掲げている。同局は2月3日までパブリックコメントを実施しており、その後、意見を反映し、策定・公表する予定となっている。

触媒式脱臭剤の供給契約/横浜市環境創造局向けに/横浜ウォーター
 横浜ウォーター(本社・横浜市、五十川健郎社長)はこのほど、横浜市環境創造局と「触媒式脱臭剤」の物品供給契約を締結した。「触媒式脱臭剤」は、活性炭に金属触媒を担持することで酸化触媒として作用し、臭気の原因物質である硫化水素などを二酸化硫黄として無臭化を図り、加えて活性炭への揮発成分蓄積量を抑える機能を有していることから、長寿命化を図ることができる。
 同社は、自動車排ガス分野で採用されている触媒技術を応用した「触媒式脱臭剤」の優位性に着目し、同分野で活躍する企業とともに、同局の栄第二水再生センターで、実証フィールド実験を2年間実施した。

実践的な事業管理めざし/ISO55001を取得/NJS、NJS・E&M
 NJS(村上雅亮社長)と、グループ会社で料金徴収業務から運転管理業務までを手がけるNJS・E&Mは、12月22日付けでアセットマネジメントシステムの国際規格「ISO55001」の認証を取得した。
 登録範囲は、上下水道分野におけるアセットマネジメントサービス事業(経営支援、調査、計画、設計、運営、ICT、官民連携)に関する業務で、幅広い登録範囲で認証を取得したのが大きな特徴だ。村上社長は「コンサルティング業務だけではなく、実践的な事業管理を担っていけるようアセットマネジメントサービス事業全般を対象に認証を取得した」と説明する。

円滑な応援へ合同防災訓練/応急給水には札管協も参加/札幌市水道局、仙台市水道局
 札幌市水道局と仙台市水道局は12月15日から17日の3日間、札幌市で合同防災訓練を実施した。両局は「19大都市水道局災害相互応援に関する覚書」において相互に応援幹事都市となっており、災害時における応援の円滑な実施などを目的として「合同防災訓練に関する覚書」を締結している。これまでも開催地を交代しながら2年に1回合同訓練を行っており、9回目となる今回は、応急給水計画立案訓練や応急給水実地訓練などを行った。今回は初めて冬期に実施し、冬道での運転や厳寒期での作業などを経験する訓練となった。
 訓練は、月寒断層を震源とする地震が発生、札幌市内で最大震度7を観測し、市内の広範囲で断水が発生したことを想定。札幌市水道局からの応援要請を受け、仙台市水道局の職員が給水車などの車両で応援に駆けつけた。

欧州ではSPR工法事業に特化/オランダに新会社設立/積水化学
 積水化学工業は12日、欧州エリアの管路更生事業の構造改革を行い、事業会社と工事会社を譲渡するとともに、オランダに設立した新会社でSPR工法関連製品の製造・販売に特化した事業を行っていくと発表した。欧州では、景気悪化により公共事業が縮減し、汎用品の価格競争から脱却できず、同事業では赤字が続いていた。今回の構造改革で10~20億円の収益改善を見込む。

水源保全PRへ消防局と連携/オリジナルボトル販売/横浜市水道局・はまっ子どうし
 横浜市水道局は同市消防局と連携して、同市のオフィシャルウォーター「はまっ子どうしTheWater」のラベルに横浜消防を舞台に女性消防士の活躍を描いた小説「消防女子!!」のイラストをデザインしたオリジナルボトルを製造し、1月10日から販売を開始した。より多くの水道利用者に水源保全の大切さや同市水道事業について理解を深めてもらうとともに、「横浜は、私が守る」という消防職員の強い使命感「超使命感」、消防は女性も活躍できる仕事であることを伝えることが目的。