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2016年(平成28年)  2月  1日(第5053号)






「経営戦略」策定を支援/簡水統合で激変緩和措置も/公営企業管理者会議開く/総務省
 総務省は1月26日、全国都道府県・指定都市公営企業管理者会議を同省講堂で開き、平成28年度の地方公営企業関係の主要施策について担当官が説明した。この中で、中長期的な経営の基本計画である「経営戦略」について、“ガイドライン”を作成し公表したことや地方財政措置を講じるなど支援を用意していることを紹介し、策定を要請した。同日付で公営企業三課室長通知している。「経済・財政再生計画」の集中改革期間である28年度から30年度までの間に集中的に策定を推進し、32年度までに策定率100%を目ざすとしている。なお、会議ではこのほか、簡易水道事業について、10年間の激変緩和措置を設けて統合を推進することも明らかにされた。

次期5か年事業計画を報告/業務の革新、連携強化など柱に/理事会開く/下水協
 日本下水道協会は1月28日、第18回理事会を開き、平成28年度の事業計画案や予算案などについて審議した。冒頭、曽小川久貴・理事長は「来年度は協会が公益法人となり作成した中期計画が最終年度で、節目の年を迎える。再来年度から始まる新たな中期計画案の検討状況なども報告するので、忌憚のないご意見をいただきたい」とあいさつした。
 現在、検討を進めている新たな中期計画案「次期5か年事業計画(案)」は、計画期間を平成29年度から33年度の5カ年に設定。新下水道ビジョンや改正下水道法、会員ニーズへの対応などを受けて、▽業務の革新▽業務の再構築▽連携の強化▽意識の改革▽経営の改善―の5つの改革を柱に打ち出している。

下水道駅伝でマンホールカード配布/GKP
 下水道広報プラットホーム(GKP)は、開発中の“マンホールカード”のサンプルを今月6日に開催される「第30回下水道職員健康駅伝大会」で配布する。さらに駅伝優勝チームには、2000枚分のカード発行権を贈呈するという。
 マンホールカードは、GKP内に設置されたプロジェクトチーム「マンホール・エンジョイ・プロモーション」(統括チームリーダー=澤田洋一・国土交通省都市局公園緑地・景観課企画専門官)が、幅広い層を対象に下水道へ興味を持つきっかけにしてもらうことを目的に、カード型下水道広報用パンフレットとして開発しているもの。

簡水の持続へ支援策を/委員会設置し検討開始/簡水協
 全国簡易水道協議会は簡易水道運営問題検討委員会を設置した。簡易水道や小規模水道が将来にわたって安全な水供給を確保するために必要となる国などによる支援内容を検討し、提言を取りまとめるという。
 簡易水道事業は、平成19年度の補助制度の見直しを受け統合が進められてきている。先ごろ条件付きで統合期限を3年間延長する方針が国から示されたが、事業効率や今後の更新・耐震化、人口減少などを考慮すれば事業環境の厳しさが増すと指摘されている。簡水同士が統合しても上水道にならないケースや離島など依然として簡水として残存するものもあり、財政支援の強化や、運営に必要な事務手続きの支援などが求められている。

小中学生考案マンホール蓋が実物に
 昨年の下水道展'15東京で開催された「デザインマンホールふたコンテスト」で最優秀賞に選ばれた作品がこのほど、実物の下水道マンホールふたとして作成された。
 思いやりや平和の願いを込めたという宗像琴美さん(文教大学付属小4年)の『かがやく東京~地球の中で~』と、いちょうとスカイツリーで東京らしさを伝える寺戸菜那小さん(江東区立深川第六中3年)の『東京日和』の2作品。東京・有明にある東京都虹の下水道館(有明水再生センター)に展示されている。

寒波影響の断水は最大37万6000戸に
 1月23日から西日本を中心に各地で相次いだ、記録的な寒波の影響による断水は、厚生労働省の集計で、福岡県11万6536戸、島根県3万6842戸など最大22府県、約37万6000戸に及んだ。
 凍結・破損した給水管の漏水多発による配水池水位低下によるものが主だが、ポンプ停止やろ過施設凍結が報告された箇所もあった。給水車による給水など各地で対応がなされた。

首都圏最大級の上下水道包括委託/業務効率化とサービス向上へ/日立、第一環境、日立プラントサービスJVに/戸田市上下水道部
 埼玉県の戸田市上下水道部は1月28日、上下水道事業包括業務の優先交渉者に選定した日立製作所・第一環境・日立プラントサービス共同企業体(代表企業:日立製作所)と業務委託契約を結んだ。同事業は、浄水場やポンプ場などの上下水道施設の運転管理業務、上下水道窓口業務など48業務を包括委託したもの。対象人口は約13万5000人となり、上下水道事業の包括委託としては首都圏最大規模の事業となる。山本義幸・上下水道部長は「スケールメリットによる経費削減のほか、性能発注とすることで民間の創意工夫やノウハウを生かしてサービスの拡充が図れる。持続に向けた官民連携のモデルの一つとなれば」と意気込む。委託期間は平成28年度から32年度までの5年間で、提案額は17億円。

大阪府域一水道の第一歩/水道統合で基本協定調印/大阪広域(企)と四條畷市・太子町・千早赤阪村
 大阪広域水道企業団は1月25日、大阪市中央区のKKRホテル大阪で四條畷市、太子町、千早赤阪村と水道事業の統合に関する基本協定の調印式を行った。同企業団が目指す“府域一水道”の第一歩となるもので、事業開始は平成29年4月1日を目指す。
 同企業団は、大阪府の『大阪府水道整備基本構想(おおさか水道ビジョン)』における広域化のロードマップに基づき、“府域一水道”の実現を目指して受水団体との水道事業統合に取り組んでいる。

インタビュー・中小規模水道の管路整備のあり方を考える ~石狩市の水道管路の「ベストミックス」~ 石狩市建設水道部水道施設課長水道技術管理者 清野馨氏
 水道事業の根幹を成す管路システム。水道事業が成熟期を迎えたわが国においては耐震化や更新を計画的・継続的に行っていくことが急務となっているが、中小規模水道を中心に多くの事業体が財政難や技術力と人材の不足によって的確な管路更新を実践できない状況にある。そうした中、知恵と熱意を駆使して着実に管路整備を実践しているのが石狩市だ。本紙では、同市の管路整備の柱になっている「ベストミックス」を主導する同市水道技術管理者の清野馨氏にお話を伺い、中小規模水道の管路整備の進むべき方向性を探った。

中東最大の膜処理装置受注/オマーンの下水処理場に480台/大規模施設への受注拡大へ/クボタ
 クボタは、オマーンで中東地域最大規模となる下水処理施設向けの膜処理装置を受注した。同社の膜処理装置が採用されたのは、同国の首都マスカット市のアルアンサブ下水処理場の更新拡張工事で、大規模処理施設向けの膜処理装置「RW400」を480台設置する。同事業により、施設能力はこれまでの日量5万5000立方mから12万5000立方mとなり、中東最大級のMBR施設となる。同社では、今回の実績を生かし、国内外の大規模案件の受注拡大を目指す。

ロボット清掃の効果確認/山北町の配水池でデモ/ロボット協会
 日本水中ロボット調査清掃協会は1月26日、神奈川県山北町の丸山配水池(PC配水池)で、ロボットによる配水池内底盤清掃のデモを行った。参加した日本水道協会の川北和德・顧問と若林武夫・規格課長、同協会顧問の眞柄泰基・全国簡易水道協会相談役、同協会特別会員の長岡裕・東京都市大学教授、伊藤禎彦・京都大学大学院教授、京大生らは、ロボット搭載のCCDカメラの映像をモニターで見ながら、堆積した沈殿物や清掃状況を確認した。沈殿物は最大でも5mm程度で、管理状態は良好だった。

若年者の技術向上を/実技シートとDVD完成/2級合格レベルの内容/全管連
 全国管工事業協同組合連合会(大澤規郎・会長)は1月25日、東京都足立区の都立城東職業能力開発センター(小林俊文・所長)で建築配管施工基本実技シート(受講者編・指導者編)と解説用DVDが完成したことについて記者会見した。
 現在の管工事業界は熟練のノウハウを持つ団塊世代の退職や若年入職者の減少で人材不足が深刻化している。また、中堅・中小企業の存続に不可欠な技能の継承も困難になりかねない状況となっている。

水環境のスマート化テーマに/雨水管理、省水の最新情報を発信/インターアクア2016
 第7回国際水ソリューション総合展「インターアクア2016」が1月27日から29日までの3日間、東京ビッグサイトで開かれた。「水環境のスマート化と水ビジネスの次代を切り拓く」をテーマに、国内外から85の企業・団体が出展し、最先端の水処理技術や機器を紹介した。併催プログラム「AquaWeek」では、雨水管理・利用と、水の「効率化・高機能化」と「省水・省エネ」の各テーマによるシンポジウムやセミナー、プレゼンテーションを通じて研究・開発の最新情報を発信した。

更に耐震化の促進を/賀詞交歓会開く/全管連
 全国管工事業協同組合連合会(大澤規郎・会長)は1月18日、東京・品川の品川プリンスホテルで新年賀詞交歓会を開いた。
 冒頭、挨拶した大澤会長は「阪神大震災から21年、東日本大震災から5年が経ち、水道のライフラインを担う我々は耐震化や老朽化施設の更新を強く訴えて災害対策を進めていく。国の水道予算は自民党水道事業促進議員連盟の先生方の尽力で増加した。今後も一層、行政や関連団体と連携を密にし、組合会員の意見に基づく施策を展開していきたい」と決意を述べた。