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2016年(平成28年)  4月 28日(第5073号)





被災地でマンホールトイレ/今後の環境整備に課題も/熊本地震
 熊本地震で被災した熊本市内の避難所で「マンホールトイレ」が活用されている。4カ所の避難所に5基ずつ整備されていたものが利用され、被災者の生活の一部分を支えている。災害時のトイレ問題は切実だ。衛生環境を保つためトイレは必要不可欠だが、トイレに行くのを控えることによってエコノミークラス症候群につながるとの指摘もある。今回の震災では同症候群が原因で亡くなった被災者もいる。支援物資や給水活動の様子が報道で伝えられるが、これらと同様に重要なトイレの問題。下水道の復旧とあわせ、注目していきたい。

下水管渠1次調査が25日に完了
 下水道災害時における大都市間の連絡・連携体制に関するルール(大都市ルール)に基づき、東京都と全政令市が実施していた熊本市内の下水管渠の1次調査が25日完了した。翌日の26日、熊本県に被害状況が報告された。管路調査は合計2545㎞実施され、うち大都市は1643㎞実施した。また、マンホールの調査は合計8万6198基実施、うち大都市の支援数は5万5367基だった。前震の発生直後から東京都と全政令市が熊本市に駆けつけ、調査を精力的に進めていた。

26日9時現在断水は1万6495戸
 厚生労働省のまとめによると26日9時現在の断水戸数は熊本・大分・宮崎の3県で11市町村1万6495戸。このうち6市町村については復旧に中長期(2週間程度またはそれ以上)を見込んでいる。市町村(戸数)は次の通り。
 ▽益城町(約8220戸)▽御船町(約160戸)▽西原村(約260戸)▽大津町(約80戸)▽南阿蘇村(約1530戸)▽阿蘇市(約2000戸)

緊急インタビュー 熊本地震初動対応で支援 東京都水道局浄水部長 青木 秀幸 氏
 大規模地震の続発により現地の大きな混乱を招いた熊本地震。そのような厳しい状況下での現状把握とその後の速やかな復旧計画の取りまとめが水道復旧の大きな要素となることは論を待たない。今回、その役割を果たしたのが、地震発生直後に現地に駆けつけ、当初予定とは異なる活動も厭わずに復旧支援に臨んだ東京都水道局の青木浄水部長だ。本紙では、帰還間もない青木部長の緊急インタビューを実施し、今回の復旧支援活動を振り返っていただいた。

府域一水道の実現に向けて/7市町と水道統合に向け、検討開始/平成31年度の事業開始を目指し/大阪広域水道企業団
 大阪広域水道企業団は25日、大阪市中央区のホテルプリムローズ大阪で泉南市、阪南市、豊能町、能勢町、忠岡町、田尻町、岬町の7団体と水道事業の統合に向けての検討、協議に関する覚書を締結した。既に四條畷市、太子町、千早赤阪村と統合協定を締結し、平成29年度には水道統合をスタートさせる。第2弾となる7団体は平成31年度の事業開始を目指して取り組む。
 大阪府は、水道整備基本構想『おおさか水道ビジョン』で広域化のロードマップを策定し、その中で府域一水道を最終目標に立てた。企業団は、この構想に基づき、府域一水道の実現を目指して、市町村と連携を図りながら、広域化の推進に取り組んでいる。

中井町の経営戦略策定へ/アドバイザリー契約を締結/横浜ウォーター
 横浜市水道局が100%出資する横浜ウォーターは15日、神奈川県中井町と「平成28年度水道事業財政計画等アドバイザリー業務委託」契約を締結した。同社が有する水道事業運営ノウハウを活かし、同町の経営戦略の策定に向け、経営分析や財政収支見通しの策定に関するアドバイザリー業務などを行う。同日、同町役場で契約締結式を開き、五十川健郎・同社社長と杉山祐一・同町長が契約書を取り交わした。
 契約期間は平成29年2月17日まで。経営戦略を平成30年度に策定するための取り組みとして、経営分析を実施するとともに、水需要予測や更新計画などに基づく財政収支見通しの策定に向けて支援する。また、執行体制のあり方についても共同で検討する。

新トップ横顔 就任インタビュー 横浜市水道事業管理者・水道局長 山隈 隆弘 氏
 今月1日付で横浜市水道事業管理者・水道局長に就任した山隈隆弘氏は市長部局で多様な職務を経験し、総務局長を経て水道事業トップとなった。近代水道のパイオニア・横浜水道の新たな舵取り役となった山隈新管理者にこれまでの仕事を振り返っていただくとともにトップとしての抱負を伺った。

企業団協地区協議会総会
諸課題解決へ一致団結/九州地区協へ義援金送る/東北地区
 全国水道企業団協議会東北地区協議会は21日、第23回総会を岩手県奥州市で開催し、7題の会員提出問題を全国総会へ提出ことなどを決めた。役員改選では、会長に石巻地方広域水道企業団の亀山紘・石巻地方広域水道企業団企業長(石巻市長)が再任した。次期総会は石巻地方広域水道企業団が担当する。その他の議事では、熊本地震が発生したことを受け、九州地区協議会に100万円送ることが了承された。
 亀山会長が「震災からの5年間、幾多の困難を経験しながらも全世界からの支援のもと様々な苦難を乗り越え今を迎える。広域的事業運営の経験を活かし、一致協力し、諸課題解決に取り組む」と語った。

近隣事業者との連携に支援を/群馬東部水道企業団加入/関東地区
 全国水道企業団協議会関東地区協議会は22日、第23回総会を都内のホテルルポール麹町で開催した。役員改選を行い、吉川伸治・神奈川県内広域水道企業団企業長を会長に選任した。4題の会員提出問題を全国水道企業団協議会総会に上程することを決めたほか、平成28年度の事業計画、予算などを審議し承認した。また群馬東部水道企業団の加入、皆野・長瀞上下水道組合の退会が認められた。来年度の第24回総会は都内で開催予定。
 会員提出問題は1.水源地域における関係機関の連携と財源措置 2.安定給水確保のための水利権制度の運用 3.公的資金補償金免除繰上償還の制度復活及び許可要件の緩和 4.水道事業者の連携による水道施設のダウンサイジングに対する支援―。

施設更新への財政支援拡大を/提出問題3題を全国総会に/中部地区
 全国水道企業団協議会中部地区協議会第21回総会が21日、三条地域水道用水供給企業団の開催担当により燕市で開かれた。約30人が出席するなか、会員提出問題3題を全国水道企業団協議会総会に上程することを決めたほか、平成28年度事業計画・予算などの議案を審議し、いずれも承認した。また、役員改選を行い、愛知中部水道企業団を会長に再任した。次回開催担当は砺波広域圏事務組合。
 会員提出問題は1.料金収入減少に伴う水道事業に対する財政支援 2.生活基盤施設耐震化等交付金の満額交付 3.水道料金に対する軽減税率の適用―。

各地から熊本地震の被災地支援/38隊編成で漏水調査・復旧作業/事業体と管工事組合が連携し
 熊本市の漏水調査・復旧作業支援のため、各地から順次現地へ向かっている。日本水道協会が各地方支部へ要請したもの。38隊編成(九州=8、中国四国・中部・関東=各7、仙台市=2)で、指揮班は福岡市が務める。
 千葉県水道局では、日本水道協会からの民間事業者を含めた水道技術者の追加派遣要請を受け、千葉県水道管工事協同組合に協力要請し、会員事業者の水道技術者6人を被災地に派遣した。会員事業者の6人は掘削用重機や舗装用重機、その他工具などを持参し、27日早朝に千葉県を出発した。現地に到着次第、先発の同局技術職員4人と連携して、熊本市内で漏水調査から修繕までの一連の作業を行う。派遣期間は5月9日までを予定しているが、延長要請があった場合は引き続き対応することになる。同局と同組合と「災害時等における水道復旧活動に関する協定」を締結しており、それに基づき、協力要請した。

熊本地震の被災地へ企業の支援続く/資材調達や技術支援を/クボタ
 上下水道関連の団体・企業は熊本地震発生直後から、上下水道の被害調査や復旧支援に向けて動き出している。被害が甚大な被災地域のライフラインを確保するため総力を挙げている。
 クボタは、発生した熊本地震に対して、15日早朝に本社に対策本部を設置して、九州支社はもとより本社、東京本社、阪神工場が連携して被災事業体の復旧支援を行っている。必要な復旧資材の調達・搬送に加え、人的支援、補修方法などの技術支援を行うなど、同社の総力を挙げて支援にあたっている。

活性炭1・5t出荷/手動式膜処理装置も/トーケミ
 トーケミは18日、対策チームの設置とメンバーの選出を行い、社内で保有する緊急用装置・資機材の保有状況の確認を開始した。福岡市博多区の西部支店を本部とし、熊本および大分県内を中心に水道事業所の訪問活動を行っている。由布市水道課の要請を受け、臭気・濁質除去用の水道用活性炭1・5tを出荷するとともに、緊急対策として手動式膜処理装置(2立方m/時)10セットの製作を開始した。

協会規格にφ250、300を追加/日水協4地方支部に入会/ポリテック定例総会
 配水用ポリエチレンパイプシステム協会(略称ポリテック、会長=田畑勝治・クボタシーアイ社長)は22日、東京都中央区の鉄鋼会館で平成28年度定例総会を開き、新年度の事業計画などを決めた。審議では、POLITEC規格φ250、300の追加制定案、日本水道協会の4地方支部への新規入会などについて了承した。また、役員改選の結果、田畑会長が再任された。

被災地支援へ情報交換を/副理事長に三宅勝氏就任/中部WC総会
 中部ウォータークラブの平成28年度総会が19日、名古屋市中央区のローズコートホテルで開催された。今年度事業計画および予算案、役員改選などを審議し、設立50周年を迎える来年度に向けた準備、また、熊本地震における被災地支援のあり方などについて検討を開始することを確認した。会議に先立ち、熊本地震による犠牲者に哀悼の意を表し、全員起立で黙祷を捧げた。
 冒頭、山田雅雄理事長は「被災地の一日も早い復興を願い、本クラブとしての支援内容を早急に検討する。今日は特に、被災地の復興に向けた実のある情報交換をお願いしたい。総会後には2事業体から、将来を見据えた経営戦略をテーマに講演頂く。災害は避けられない前提で、今後の事業のあり方を考える良い機会にしてほしい」とあいさつ。
 役員改選では、理事の互選により山田理事長が再任され、三宅勝・水問題研究所理事(元名古屋市上下水道局長)が新たに副理事長に選任された。

5月1日で「クボタケミックス」に/KCブランドマークは継続/クボタシーアイ
 クボタシーアイ(本社・大阪市浪速区、田畑勝治社長)は、5月1日付で社名を「株式会社クボタケミックス」に変更する。28日付けでクボタ(本社・大阪市浪速区、木股昌俊社長)が同社を完全子会社し、クボタグループとして、ダクタイル鋳鉄管をはじめとするパイプシステム事業との連携を進めていく。新会社の代表取締役社長は、田畑氏が続投する。
 社名の略称「KC」を表すブランドマークは、新社会社でも使用する。

八木伊三郎会長を再選/5工法でニーズに対応/パルテム技術協会総会開く
 パルテム技術協会(会長=八木伊三郎・芦森工業常務取締役技術統括本部長)は22日、東京都港区のANAインターコンチネンタルホテル東京で第11回定時総会を開き、平成28年度事業計画などを決めた。また、役員改選が行われ、八木会長が再選された。
 総会の冒頭、挨拶した八木会長は「熊本県で地震が頻発しているが、当協会としてできる限りのことをしていきたい。管路更生市場の10年後はどうなっているか。まだまだ伸びていく市場だと思っている。我々は強い技術がある。ホースライニング工法、パルテムSZ工法、パルテム・フローリング工法、パルテムHL工法、パルテムフレップ工法の5工法で下水道、農水のほか、水道管、農水圧力管までカバーでき、あらゆるニーズに対応できる。水道管では耐震性も証明した。会員も増加し強い組織になった。今後も会員の皆さんが活躍できるよう頑張っていきたい」と述べ、会員の協力を求めた。

注目される推進工法の開発を/5団体が総会開く
 推進技術関連団体(ユニコーン協会、管周混合推進工法協会、ジオリード協会、ベビーモール協会、PIT&DRM協会)の総会が19日、東京都千代田区の麹町会館で開催され、平成28年度の事業計画などが了承された。
 総会後の合同懇親会では5団体を代表して、菊地眞・ユニコーン協会会長(鉄建建設専務執行役員)が「今年はジオリード協会が加わり5団体となった。今後も参加団体を増やし躍進の第一歩としたい。熊本地震の被害が甚大で一層の防災対策が必要と感じた。日本は水害が多発しており、雨水貯留管の新設に推進工法は欠かせない。オリンピックに向けて推進工法の需要は増えてくると思うが、人手不足や技術継承が問題となっている。注目される技術を開発して発展していきたい」と抱負を述べた。

北関東支店を開設/水ing
 水ingは、1日付で北関東支店を開設した。埼玉県、群馬県、栃木県、新潟県、長野県における業容拡大のため、北関東営業所を北関東支店とした。連絡先は、次の通り。〒330―0854埼玉県さいたま市大宮区桜木町4―252ユニオンビル2F、電話048―643―7544、FAX048―643―8181。

被災地に義援金/下水道既設管路耐震技術協会
 下水道既設管路耐震技術協会は22日、都内で理事会を開き、熊本地震の被災地に100万円の義援金を送ることを決めた。