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2016年(平成28年)  5月 12日(第5075号)





内水浸水対策に「七つ星」/ガイドライン類を策定/国交省
 国土交通省下水道部は4月25日、地方公共団体の浸水被害を軽減するため、内水浸水対策に関する7つのガイドライン類を策定した。同部はこれらを「七つ星」と名付け、内水浸水対策の“道しるべ”とした。近年多発する浸水被害に対応するため、昨年に下水道法、水防法を改正。これに基づいた新たな内水浸水対策を推進していきたい考えだ。

日水協・尾﨑理事長が現地に/熊本地震
 熊本地震発生から約1カ月。熊本県内の被災地では復旧作業が着々と進んでいる。9日に日本水道協会の尾﨑勝・理事長が福岡市、熊本市、益城町に入り、現場視察や日水協各支部から派遣されている応援隊に対して激励などを行った。大西一史・熊本市長からは「全国のネットワークを駆使し、その組織力による水道の支援活動に感謝している」との言葉もあり、さらなる全国水道事業体の連携で被災地の支援活動を展開させる。
 最初に訪問した福岡市水道局では、清森俊彦・福岡市水道事業管理者と面会。福岡市は日水協九州地方支部長都市として地震発生直後から日水協本部とともに情報収集を開始し、九州をはじめ全国の事業体とともに15日には熊本市、益城町、宇城市、御船町などで応援活動を展開、現在は西原村、阿蘇市、南阿蘇村においても応急給水や応急復旧を行っている。

水の天使が丸川大臣を表敬訪問
 2016年度ミス日本「水の天使」の須藤櫻子さんが4月25日、丸川珠代・環境大臣を表敬訪問した。須藤さんは丸川大臣の出身地・神戸市の水循環の取り組みを中心に紹介した。
 神戸市では、阪神・淡路大震災で消火用水がなく大規模な火災が発生したことを教訓に、下水処理水を利用して地域に小川を作り、憩いの場として整備。被災した東灘処理場では、処理場を再建する際の復興事業として、下水バイオガスを再生可能エネルギーに活用していることを説明した。

浸水対策サイト「アメッジ」開設
 国土交通省下水道部はさきごろ、下水道浸水対策ポータルサイト「アメッジ」(http://shinsui-portal.jp/)を開設した。浸水対策に取り組む地方公共団体の職員に活用してもらうことが目的。浸水対策に関する先進事例やガイドライン、関係する法律・制度などの行政情報をはじめ、日本下水道協会や日本下水道事業団などが実施する研修情報などを掲載している。

イノベーション賞の募集を開始/日水協
 日本水道協会は今年度の「水道イノベーション賞」の募集を開始した。多くの課題を抱える水道界にあって様々な工夫を持って課題の克服に取り組んでいる正会員を表彰するもので、平成26年度に創設された。昨年度からは、中小規模事業体ならではの取り組みや特定分野に特化した取り組みを対象にした特別賞も設けている。
 応募用紙は同協会ホームページからダウンロードできる。締め切りは6月10日。問い合わせは総務部企画室(電話03―3264―2282 Eメールsoumu-kikaku@jwwa.or.jp)まで。

水道・ガス無線自動検針で実験/戸建住宅で正確性など検証/見守りサービス活用検討も/横浜市水道局・東京ガス・日立製作所
 横浜市水道局は今年度、東京ガス、日立製作所とともに、「ガス・水道メーター無線自動検針システム」の戸建住宅への対応に向けた実証実験を実施する。3者は昨年度、共同住宅において同システムの実証実験を進め、無線自動検針の正確性について十分な結果を得るとともに、水道とガスの使用量データの同時取得による見守りサービスなどへの活用に一定の成果を見込んでいる。今年度も実証実験を継続し、地中に設置されたメーターでの検針の正確性を検証するとともに、データセンターへの接続試験、見守りサービスのビジネスモデルの検討などを行う。

全道下水道事業担当者会議開く/北海道建設部
 北海道建設部まちづくり局都市環境課はさきごろ、平成27年度全道下水道事業担当者会議を札幌市内の自治労会館で開いた。
 同課の若山英樹・下水道グループ主幹は「10年ぶりに下水道法が改正され、昨年11月に完全施行された。われわれ地方自治体は、これらの取り組みが求められているところで大変身の引き締まる思い」と話したほか、「ここ3年、皆様の要望額が予算額を上回っている状況が続き、事業の実施について、より一層の重点化・効率化を」と述べた。

熱心な議論各地で
補助拡充など6項目決議/持続可能な事業運営めざし/簡水協中国・四国
 平成28年度全国簡易水道協議会中国・四国ブロック会議が4月14日、広島県安芸高田市の美土里生涯学習センターまなびで開催された。来賓や7県の水道協会関係者ら約40人が出席し、各県協会提出議題などを審議した。石田耕太郎・簡水協常任理事(鳥取県簡易水道協会会長、同県倉吉市長)は「持続可能な事業経営に向け、投資財源の確保を」とあいさつ。
 各県協会提出議題の審議では、提出協会が応急給水資機材の整備・鉛管更新・水質検査への補助創設、統合後の国庫補助金(交付金)の激変緩和措置や事業債の継続活用などの要旨を説明。全国簡易水道大会・通常総会(5月31日、富山市)への提出を承認した。
 また、簡易水道事業の責務を全うするため、国に実現を要望する6項目を決議した。

統合計画などで意見交換/簡水協近畿
 全国簡易水道協議会近畿ブロック会議が4月19日、大津市の琵琶湖ホテルで開催された。6題の会員提出問題とともに各府県が抱える課題などを報告し、熱心に意見交換を行った。
 開催地である滋賀県水道協会長の小椋正清・東近江市長は「滋賀県には49カ所の簡易水道事業がある。上水道への統合を進めると共に、諸課題に対応していきたい」とあいさつ。続いて全国簡易水道協議会副会長の戸田善規・兵庫県多可町長は「熊本地震はライフラインを担う水道事業者が一丸となって応援していかねばならない。各地で地震発生が危惧される中で、危機管理体制の強化が重要だ。簡易水道は財政や組織が脆弱なところが多い。上水道への統合を進める中で、その課題なども検討したい」と述べた。

自然災害、危機管理対策も/簡水協東北・北海道
 全国簡易水道協議会の東北・北海道ブロック会議が4月26日、青森市の青森国際ホテルで開催された。7道県から提案された各議案を審議し、すべて原案通り採択した。
 冒頭の挨拶では、開催県会長の久慈修一・日本水道協会青森県支部簡易水道部会長(蓬田村長)、開催地の加賀谷久輝・青森市副市長、簡水協副会長の山崎一雄・北海道京極町長が登壇。簡易水道事業が抱える課題解決に向けた取り組みの必要性に加え、さきの熊本地震について被災地の早期復旧への祈念や自然災害への備え、危機管理対策の重要性を訴える趣旨の発言が相次いだ。

“地震に強いライフラインを”/耐震化への支援充実求める/企業団協北海道
 平成28年度全国水道企業団協議会北海道地区協議会総会が4月27日、西空知広域水道企業団の開催担当により新十津川町で開かれた。会員提出問題1題を全国水道企業団協議会総会に上程することを決めたほか、平成28年度事業計画・収支予算などについて審議、承認した。役員改選では、石狩東部広域水道企業団を会長に再任した。来年度開催担当は石狩西部広域水道企業団。
 冒頭、同地区協議会会長を務める原田裕・石狩東部広域水道企業団企業長(恵庭市長)が「今年度の企業団協総会が千歳市で行われるが、皆さんからお手伝いをいただきながら、全国から出席される関係者の方々をしっかりとおもてなししたい」、熊田義信・西空知広域水道企業団企業長(新十津川町長)が「災害時であっても水を安定的に供給することが非常に重要で、地震に強いライフラインの整備が必要。経営状況は厳しいが、工夫しながらの事業運営を」とあいさつした。また、来賓として登壇した山田博・北海道環境生活部環境局環境政策課水道担当課長は「災害に対しては常日頃からの備えが欠かせない。施設の更新・耐震化や危機管理対策の推進を」と語った。

矢巾町の工事発注業務を支援/設計・積算、施工監理など/横浜ウォーター
 横浜市水道局が100%出資する横浜ウォーターと岩手県矢巾町は4月28日、「平成28年度矢巾町給配水管設計・施工監理等業務委託」契約を締結した。同社が同町の実施する配水管工事の発注業務を支援することで、同町の持続可能な水道事業経営をサポートする。同社は昨年度も同町から同様の業務を受託しているほか、両者に横浜市を加えた3者で包括的連携協定を締結、広域連携を推進している。
 実施期間は平成28年12月10日まで。同社がこれまで長年にわたって培ってきたノウハウを活かし、同町が策定した管路更新計画の確実な実施に向け、同町が実施する配水管工事に係る設計・積算業務、施工監理業務、設計変更などの発注業務を支援するとともに、設計・積算業務を横浜市にある同社内で実施できるよう、遠隔操作システムを導入・運用する。また、実地研修などを通じたアドバイス業務も行う。

IWA世界会議へ向けて/上下水道一体で準備進める/東京都
 東京都水道局と下水道局は2018年に東京で開催されるIWA世界会議・展示会の準備体制を整えるための人事を5月1日付けで発令した。水道局は斉田典彦・企画調整担当部長、横山則子・総務部国際施策推進担当課長、齊藤洋祐・課長代理が、下水道局は田中宏冶・企画担当部長、井上俊治・総務部国際展開担当課長、吉岡保宏・課長代理が「IWA世界会議準備担当」を兼務する形で業務を担う。
 IWA世界会議・展示会は、世界各国の専門家が上下水道、水環境分野に関する知見を共有するための国際会議で、日本で開催されるのは初めてとなる。2018年IWA世界会議・展示会の開催に向けては、昨年9月、都知事を会長とする開催国委員会(事務局=日本水道協会)を立ち上げ、検討を重ねてきた。今年3月にはIWA本部の役員理事が東京を訪れ、会場となる東京ビッグサイトなどを視察した。そこで明らかになった課題などを今後具体的に詰めていくことになる。

下水道により親近感を/若年世代向けに広報展開/東京都下水道局
 東京都下水道局は下水道により親近感を持ってもらうため、「下水道局ってなんだろう?」をキーワードにパンフレットやポスター、動画などを用いた広報を展開している。
 雑誌「東京グラフィティ」と連動して実施しているもので、10代から20代の若年世代50人に、あらかじめ下水道の役割や仕組みを説明した後、「あなたが考える下水道局のキャッチコピーは?」、「下水道局についてどう思いましたか?」などをテーマにインタビュー。回答者が「誰よりも完璧主義」、「あたりまえの大切さを知りました!」といった自らの意見を書き込んだボードを掲げた写真を、パンフレットやポスター、動画に編集した。
 パンフレットは同局主催のイベントや下水道関連のイベントのほか、若年世代に特に人気の書籍・雑貨店「ヴィレッジヴァンガード」でも配布している。ポスターは都庁や同局の各事務所のほか、周辺に大学がある主要駅近くの郵便局などに掲示、動画は動画共有サイトのYouTubeで公開している。
 同局は昨年度、下水道利用者の下水道に関するイメージや認知度、関心度、要望などを調査する「東京都下水道局広報広聴アンケート」を実施した。その結果、下水道へのポジティブなイメージ、関心度、認知度はいずれも若年世代ほど低い傾向にあることなどがわかり、若年世代に向けた広報などに積極的に取り組んでいる。

美術館と協同で水テーマに絵画展/18IWA世界会議記念/東京都水道局
 東京都水道局は府中市美術館とのコラボで水をテーマにした絵画展を開く。2018年IWA世界会議の開催を記念して行うもので、開催は5月21日から7月3日まで。展示では改めて水の大切さを感じてもらう機会とするため、同美術館の所蔵品の中から水辺の景色などを描いた絵画約130点を集めて展示する。
 同局が今年2月には発表した「東京水道イノベーションプロジェクト」の中で“水をテーマにした絵画展の開催”は施策のひとつとなっている。水に関する絵画展を多摩川周辺の美術館と開催し、ワークショップや講演会などを通じて、IWA世界会議に向けて水の大切さを再認識する機会を増やすことを目的としている。

専用水道配水管をDB方式で更新/クボタが2年で11㎞布設/終了後は神戸市が公営化へ
 神戸市内の専用水道の管路更新をクボタがDBで受注―。同社が更新を実施するのは生野高原住宅の専用水道。同住宅は、昭和40年代に既存の給水区域から遠く離れた場所に別荘地として造成されたものの工事完了検査が不合格のまま分譲されるなどの経緯があり、管路は『生野高原専用水道管理組合』が所有。しかし、昭和40年代に布設された管路は老朽化が進行し、住民負担で配水管の更新に取り組むこととし、一般社団法人・生野高原水道建設協会がDB方式(設計・施工一括発注方式)で、クボタに発注した。同社が2年間で配水管を延長11㎞布設後、神戸市水道局に譲渡することで、公営化が予定されている。起工式が4月21日、生野高原住宅内で行われた。

仙台市に四輪駆動給水車/被災地での活動経験いかし/第一環境
 第一環境は東北支店に加圧式給水車を1台導入、仙台市水道局で活用してもらうことを申し出て、同局将監送水ポンプ場に配置した。同社は同局の北地区(青葉区・泉区)の窓口業務や料金収納、検針など料金関係業務を受託しており、同局の災害時対応にも貢献する。同局ではこれまで6台の給水車を所有しており、1台増えることで初動時の給水体制強化が期待される。発災時には同局の依頼により給水車を出動させる。納入した加圧式給水車の容量は3tで、同社が所有する給水車では初めての四輪駆動車。
 4月27日に同局本庁舎で「納入式」を行った。宮﨑勝己・代表取締役社長をはじめとした同社役員や東北支店関係者と、髙橋新悦・仙台市水道事業管理者ら同局幹部が出席した。宮﨑社長は「被災地における水道サービス継続の重要性を認識した」と、さきの熊本地震で自ら被災地で応急給水活動を実施したことを触れながら「これまで当社が被災地支援で得た多くの経験や反省を生かし、被災地でも安心して水が使える環境整備に全力で努めていきたい」と述べた。

水道施設の迅速な復旧へ/災害復旧協力の覚書締結/全管連管機連
 全国管工事業協同組合連合会(全管連、大澤規郎会長)は9日、都内ホテルで全国管工機材商業連合会(管機連、一瀬克彦会長)と「災害時における緊急復旧の応援協力に係わる覚書」を結んだ。全管連は、管材商社の全国組織である管機連と覚書を締結することで、災害発生時に各地域で必要な復旧資機材の確保が速やかに行える全国ネットワークを構築し、水道施設の迅速な復旧支援に貢献する考えだ。これまでに両連合会の会員間では、岐阜、千葉、東京、静岡、愛知、大阪、静岡、多摩地域の8地域で災害協定を結んでいるが、今回の覚書締結を契機に他地域での連携を加速させていく。
 また、両連合会は覚書の実効性を高めるため、訓練を行うとしている。
 調印式で、大澤会長は「熊本地震の復旧は完了していないが、(覚書の締結は)将来に向けて大きな価値があることだ」と意義を強調。一瀬会長は「締結を契機に訓練などを含めて出来ることをやっていきたい」と抱負を述べた。

PPP事業の強化・拡大へ/経常利益は51億円/メタウォーター決算
 メタウォーター(木田友康社長)は4月26日、2016年3月期決算で経常利益が前年同期比37・4%減の51億円、純利益が同44・3%減の28億円だったと発表した。売上高は同3・6%減の1031億円、営業利益は同34・3%減の54億円だった。セグメント別の売上高をみると、プラントエンジニアリング(PE)事業は同8・7%減の590億円、サービスソリューション(SS)事業は同4・3%増の441億円となった。
 木田社長は「売上高計上時期の遅れや一時費用の発生などにより減収減益となったが、受注残高は増加傾向を持続することができた」と説明。つづけて「PPP事業の受注はこれまで年間2件ペースだったが、16年3月期は5件受注することができた。また、米国水処理エンジ会社のAAS社グループを完全子会社化した」と成果を紹介した。

シールド事業を統合/アジアなど海外展開を加速/IHI、JFE、三菱重工など5社
 IHI、JFEエンジニアリング、ジャパントンネルシステムズ、三菱重工業、三菱重工メカトロシステムズの5社は4月26日、トンネル用シールド掘進機事業の統合に合意したと発表した。事業統合により、堅調に増加することが見込まれる国内需要の取り込みに加え、今後需要拡大が見込まれる中国、インド、ASEAN諸国を中心とした海外展開を加速させる。

濁度障害対応へ膜装置/熊本地震の被災地へ支援/トーケミ
 トーケミは熊本地震発生後の支援活動として新たに、熊本県山都町環境水道課および宮崎県五ヶ瀬町建設課の要請を受けて膜処理装置を設置した。いずれも地震後の濁度障害に対応するもので、山都町の矢部長谷配水池には4月28日、五ヶ瀬町の福祉施設には27日、SMF膜処理装置(2立方m/時)2台を据え付けた。
 矢部長谷配水池では従来、取水した沢の表流水に次亜塩素酸ナトリウムを注入し配水していた。

耐震一発くんが施工数増加/地震対策3工法で防災・減災へ/下水道既設管路耐震技術協会総会
 下水道既設管路耐震技術協会(会長=遠藤裕邦・日本ヒューム取締役)は4月22日、東京都中央区の銀座東武ホテルで第15回定時総会を開いた。平成28年度事業計画を承認したほか、役員改選を行い遠藤会長を再任した。
 28年度事業では、協会が取り扱う地震対策3工法(既設人孔耐震化工法、フロートレス工法、耐震一発くん)の広報・普及活動を行い、防災・減災対策に貢献していく。また、施工管理者講習会や施工技術者研修会を行い、技術者の育成や施工品質の向上を図るほか、調査・研究事業として施工箇所の品質調査や安全施工パトロールを行う。

熊本地震の被災地に1000万円/クボタグループ
 クボタグループは熊本地震被災地への支援として、義援金1000万円を日本赤十字社などに送った。また、被災地の水・環境インフラの復旧に向けて、必要となる資機材の供給、技術支援等を進めるとしている。