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2016年(平成28年)  6月  2日(第5081号)





広域化のパイオニアとして/第60回総会 千歳市で開催/企業団協
 全国水道企業団協議会(会長=小林眞・八戸圏域水道企業団企業長、八戸市長)の第60回総会が5月26日、北海道千歳市で開催された。全国から水道企業団関係者およそ150人が出席し、企業団が抱える課題を共有。国に実情を訴え、財政支援を求めることなどを趣旨とした11本の会員提出問題は、その通り陳情することに決めた。

雨水管理や事業管理/課題解決に向け議論/下水道研究会議
 一般市の下水道担当部局長で構成し、下水道事業が抱える技術的・経営的課題の解決に向けて調査研究を行ったり情報共有を図っている下水道研究会議(代表幹事=長谷川浩市・横須賀市上下水道局技術部長)の勉強会が5月19、20日に日本下水道協会で行われた。国土交通省下水道部をはじめ、下水協、国土技術政策総合研究所、日本下水道事業団、日本下水道新技術機構をまじえ、講演や分科会を通じて課題の解決策を探った。
 今回は40市から48人が出席。部局長で構成する同会議だが、現場の“第一線”で活躍する課長級職員を今回は対象にした。「ヨコとタテの連携を図る機会になる。鮮やかな結論は無いが、方向性をまとめたい」(長谷川代表幹事)として、下水道法改正のポイントに絞った分科会を設置。「広域連携」「雨水管理」「これからの事業管理」をテーマに議論を深めた。

小水力発電や水ビジネスなど討議/水の安全保障
 水の安全保障戦略機構(執行審議会議長=丹保憲仁・北海道大学名誉教授)は5月23日、第14回基本戦略委員会を中央大学後楽園キャンパスで開いた。
 須見徹太郎・国土交通省水資源部水資源計画課長が水循環基本計画に関する取り組み状況や今後の展望を紹介したほか、石井美樹・日本水道協会工務部技術課長が平成28年熊本地震における同協会の対応について説明した。また、中島大・全国小水力利用推進協議会事務局長が「水源地域の永続的活性化のための小水力発電」を、吉村和就・グローバルウォータ・ジャパン代表が「COP21、パリ協定は水ビジネスの勝機」を、山田正・中央大学教授らが「玉川を世界遺産に」などをテーマにした討議を行った。

耐震継手ダクタイル鉄管に被害なし/2回の震度7に耐える/水道の早期復旧に効果/「寄り添い隊」が活躍/熊本地震の復旧支援/クボタ
 クボタは4月14日に発生した熊本地震の直後に、「復旧支援として被災事業体へ寄り添い、資材提供だけでなく、漏水への対応などクボタでできることは何でもやる」と決意し、「寄り添い隊」を結成して被災地の支援活動を展開している。この「寄り添い隊」の活動の一環として、管路被害の状況や管路が埋設されていた場所の状況を調査した。調査地域は、熊本市、阿蘇市、益城町、西原村など4市7町村におよぶ。
 耐震継手ダクタイル鉄管は熊本市の518㎞をはじめ、最大震度7を2回記録した益城町の5㎞、その他震度6強以上を記録した大津菊陽水道企業団、宇土市、宇城市に合計約580㎞埋設されていたが、地震による被害は報告されていない。

迅速・的確な応急対策を/災害時協定を締結/富士宮市、ヴェオリア・ジェネッツ
 富士宮市は5月18日、水道料金等徴収業務を委託しているヴェオリア・ジェネッツと「災害時等における水道の応急対策活動に関する協定」を締結した。災害などの発生時に相互の協力により迅速かつ的確に応急対策活動を実施するためのもので、同社は同市からの要請を受け、▽広報活動▽電話及び窓口対応▽応急給水活動▽その他同市が要請する業務―を実施することとしている。

局所的豪雨の浸水被害予測迅速に/自助や施設運転を支援/福井市、富山市フィールドに実証システム運用開始/メタウォーターを代表とする8者/B―DASHプロジェクト
 メタウォーターを代表企業とする8者からなる共同研究体が平成27年度B―DASHプロジェクトに採択された実証事業「都市域における局所的豪雨に対する雨水管理技術実証研究」の実証システムが完成し、福井市と富山市で運用を開始する。全国的に近年多発している局所的集中豪雨(ゲリラ豪雨)などによる下水道管路内の水位上昇や浸水氾濫などを事前に予測し、予測情報を配信することで、自助・共助、施設運用に活用し、その浸水被害軽減効果を評価することが目的となる。

施工技術向上と意識高揚へ/指定工事事業者19社を表彰/新潟市水道局
 新潟市水道局は5月23日、同局水道研修センターで、平成28年度新潟市指定給水装置工事事業者表彰式を行った。指定給水装置工事事業者の施工技術の向上と意識の高揚を図ることを目的に平成22年度から行っているもので、水道管布設、給水装置の施工内容が優秀で他の模範となる事業者をそれぞれ水道管布設工事部門、給水装置工事部門の優良工事店、非常時対応などで多大な貢献のあった事業者を緊急修繕協力部門の優良工事店として表彰状を授与する。今年度は3部門、計19社を表彰するとともに、今年4月に発生した平成28年熊本地震の災害復旧支援に係わる特別表彰として1団体、24社に感謝状を授与した。

地下水源設備の地震対策を/豊橋で第62回総会開く/日水協愛知県支部
 日本水道協会愛知県支部は5月24日、豊橋市のホテルアソシア豊橋で第62回総会を開いた。関係者89人が出席する中、平成28年度の事業計画や一般会計予算、会員提出問題、役員改選について審議した。
 審議した会員提出問題は「地下水源設備に対する地震対策について」の1題で、日水協中部地方支部総会に上程することを決定。熊本地震の被害調査結果を踏まえ、耐震対策の見直しとともに地下水源設備に対する対策の検討を要望した。役員改選では、引き続き豊橋市が支部長となった。

浄水場運転など管理委託更新へ/松山市
 松山市公営企業局は、公募型プロポーザル方式で、市之井手浄水場の運転管理などの委託を更新する。履行期間は平成29年4月1日~同34年3月31日で、提案限度価格は16億5000万円(消費税および地方消費税は別)。
 参加資格要件や評価基準などを記した募集要領は今月30日17時まで、同局管理部浄水管理センター(市之井手浄水場内)において、直接受け渡しする(平日9~17時)。問い合わせは同センター(電話089―977―0198)へ。

下水道交付金の要望額確保を/大阪府下水道協会
 大阪府下水道協会は5月20日、摂津市の市立コミュニティプラザで第53回総会を開催した。同総会には会員ら約200人が出席し、『下水道事業における交付金の要望額確保』など会員提出問題を巡って熱心に意見交換を行った。

鉛フリー銅合金“クリカブロンズLN”を開発/JIS登録終え、本格供給へ/低ニッケル、低コストを実現/栗本鐵工所
 栗本鐵工所はこのほど、今後水道界で予定されるニッケル(以下Ni)の水質基準の規制強化や鉛フリー銅合金の市場課題となっている原材料コストの低減を実現した「クリカブロンズLN」を開発した。2006年に開発された同社の鉛フリー銅合金「クリカブロンズ」を進化、発展させたもので、時代のニーズを先取りする次世代型鉛フリー銅合金として今後の普及が期待される。
 近年、世界的に水質に対する環境負荷物質の規制が強化される中、日本では2014年4月に水質管理目標設定項目である「Ni及びその化合物」の目標値が0・02㎎/Lに変更され、将来的には水質基準値化されることも想定されている。
水質基準中のNiは、鉛と同様、水道水中に溶出しやすいため、将来的なNiの基準値化に対応可能な鉛フリー銅合金のニーズが高まっている。とともに、現在JIS化されている鉛フリー銅合金は、鉛水質規制以前に使用されてきた鉛入り銅合金JIS H5120 CAC406と比較して高コストであること、また一部のフィールドにおいて水流環境下での耐食性に課題が残る合金もあり、普及を妨げる要因となっていた。そこで同社では、これらの課題を解決する鉛フリー銅合金「クリカブロンズLN」を開発し、このほど鋳物用銅合金地金CACIn905、銅及び銅合金鋳物CAC905、銅合金連続鋳造鋳物CAC905CとしてJISに登録された。

ヤンゴン市で飲料水製造実験/2017年度の事業化めざす/JFEエンジニアリング
 JFEエンジニアリングは5月20日、ミャンマーのヤンゴン市と共同で飲料水供給の実証実験を開始したと発表した。ヤンゴン市ダラ配水ステーション敷地内に日量24立方mの飲料水を製造するパイロットプラントを設置し、2017年2月まで実証実験を行う。実験結果をもとに、ヤンゴン市で2017年度の事業化を目指す。

新会長にクボタケミックスの田畑社長/RRロングと離脱防止金具の普及へ/塩化ビニル管・継手協会
 塩化ビニル管・継手協会は5月23日、平成28年度定時総会終了後に東京都千代田区の如水会館で記者会見を開き、会長にクボタケミックスの田畑勝治社長が就任したと発表した。
 今年度事業では、技術関連事業として規格制定の検討にあたって製品の評価・検証を行うほか、RRロング管と離脱防止金具の普及に向けて評価・検証を行う。また、長野県神城断層地震や熊本地震での塩ビ管の被害調査分析や評価・検証などを行っていく。

若手技術者の育成に注力/原宣幸理事長を再任/神奈川県管工事業協同組合総会
 神奈川県管工事業協同組合(理事長=原宣幸・原設備工業代表取締役)は5月24日、海老名市の県水会館で第55回通常総会を開いた。箱根水道包括委託事業の推進や共同受注事業の積極的な取り組み、青年部への支援を柱とした平成28年度事業計画を承認したほか、役員改選を行い、原理事長を再任した。
 原理事長は「熊本地震では日本水道協会の要請により熊本で復旧支援を行った。今後は応援復旧、応援給水をより一層しっかりと行える体制をつくっていく。また、重点事項として今年度は若手技術者の育成に取り組んでいきたい。青年部の取り組みを全面的にバックアップしていく」と述べた。

水コン協の技術力底上げを/技術士二次対策で講習会/関水コン
 全国上下水道コンサルタント協会関西支部の平成28年度技術士試験対策講習会が5月17日、大阪市北区の昭和設計大阪ビルで開催された。会員企業の社員や事業体職員ら約80人が集まるなか、講師や合格者3人によるレクチャーおよび質疑応答が行われた。
 冒頭、北秀文・支部長(三水コンサルタント常務取締役)が「技術士は上下水道事業体が抱える課題に対し、複合的かつ多面的な視点でのアドバイザリーが求められるプロ中のプロ。難しい業務と感じるだろうが、お客さまと接するなかで成長を実感できるやり甲斐のある仕事である。1人でも多くの受講者が合格し、水コン協の底力、プレゼンスの向上に寄与してほしい」とあいさつ。
 講習では佐久間宏・日水コン下水道事業部担当部長が二次試験の概要、筆記および口頭試験対策における留意点、科目ごとの準備と対策などについて説明した。

水道作文・ポスター作品コンクール実施/神奈川県管工事協会
 神奈川県管工事業協同組合を母体とする神奈川県管工事協会(原宣幸会長)は5月24日、4回通常総会を開き、平成28年度事業計画・予算を決めたほか、役員改選を行い原会長を再任した。
 28年度事業では、節水活動事業として例年神奈川県企業庁と共催している水道作文・ポスター作品コンクールを行うほか、災害対策活動事業として神奈川県企業庁との災害対策実働訓練、熊本地震被災地などでのボランティア活動、災害対策計画の整備、資機材の備蓄などを実施する。