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2020年(令和2年) 8月 17日(第5433号)
巨大地震への備え 水道界挙げて/大都市検討会に大賞/水道イノベーション賞/日水協
若手支援資金の募集延長/世界会議踏まえ10月まで/IWA国内委
9月から研修会を再開/ネットでライブ配信も/下水協
優先交渉権者にメタウォーターら/来年4月から運営事業開始/有明・八代工業用水道のコンセッション/熊本県企業局
本格的な施設更新へ事業量増加/水道包括第2ステージを公告/事業継続へ官民連携を深化/荒尾市企業局
停電対策で移動電源車/揚水ポンプ所に電力供給/神奈川県企業庁
改築や浸水対応などの課題を共有/中長期的施策を協議・検討/大都市下水道計画研究会
台風シーズンに備え公開訓練/排水樋管ゲートの操作を確認/川崎市上下水道局
「多様な役割」の推進に国費継続を/関係省庁に要望書/大都市下水道会議
持続可能へ施設更新の国費確保を/新しい働き方、感染対策措置も/コロナ禍の中央提言/施設協
ICT活用で新規事業創出へ/スタートアップ企業3社へ出資/JFEエンジ
巨大地震への備え 水道界挙げて/大都市検討会に大賞/水道イノベーション賞/日水協
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日本水道協会は14日、今年度の「水道イノベーション賞」の受賞事業体・取り組みを発表した。大賞は大都市水道局大規模災害対策検討会で、南海トラフ巨大地震への対策と全国への発信の取り組みを高く評価した。近年、自然災害が相次いでいる。今年の豪雨災害ではいまだ水道施設が復旧しない地域もある。災害への備えは水道界が取り組むべき最大の課題の1つであることを改めて思わせる取り組みでもあった。中小規模の事業体や特定分野に特化した取り組みなどを対象にした特別賞には、北海道木古内町・知内町、豊橋市上下水道局を選んだ。賞に選ばれなかった応募事例も今後、公表する予定。水道界は多くの課題に挑む。課題解決への手がかりを、皆で共有したい。
若手支援資金の募集延長/世界会議踏まえ10月まで/IWA国内委
IWA(国際水協会)日本国内委員会(委員長=松井佳彦・北海道大学大学院教授)が水分野の若手の国際活動を支援するために設けている「若手国際活動支援等資金」の今年度の募集期間が、10月15日まで延長される。デンマーク・コペンハーゲンで開催されるIWA世界会議が10月から来年5月に延期されたことを踏まえた措置。7月29日に日本水道協会で行われた第48回国内委員会で決めた。
9月から研修会を再開/ネットでライブ配信も/下水協
日本下水道協会では新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、第57回下水道研究発表会等の開催中止をはじめ、上半期に予定していた各種研修会の開催を延期していたが、各種感染対策を講じた上で、9月から下水道職員養成研修会を皮切りに順次再開していく。
研修事業の再開にあたっては、感染予防策を講じるなど同協会の「研修実施における新型コロナウイルス感染症対策マニュアル」に基づき、会場定員を50%未満に制限するほか、検温・消毒等の予防策を行う。また、インターネットを介した研修映像のライブ配信など新たな取り組みも併せて実施する。
優先交渉権者にメタウォーターら/来年4月から運営事業開始/有明・八代工業用水道のコンセッション/熊本県企業局
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熊本県企業局は7日、工業用水道事業では全国初のコンセッション事業となる「熊本県有明・八代工業用水道運営事業」の優先交渉権者に、メタウォーターを代表企業とするコンソーシアム「キラッとくまもとアクア」(構成員=熊本県弘済会、NTT西日本、ウエスコ、メタウォーターサービス)を選定したと発表した。厳しい経営環境の下、施設老朽化や人材確保といった課題を抱える有明工業用水道と八代工業用水道について、PFI法に基づき運営権を設定し、運営権者が運営等を行う公共施設等運営事業を行うもの。今後は、9月の基本協定の締結、10月の運営権設定と実施契約の締結を経て、来年4月に運営事業の開始を予定している。事業期間は令和23年3月31日までの20年間。
本格的な施設更新へ事業量増加/水道包括第2ステージを公告/事業継続へ官民連携を深化/荒尾市企業局
荒尾市企業局は7日、水道事業包括委託(第2ステージ)の事業者選定を公募型プロポーザル方式で実施すると公表した。
第2ステージの事業期間は、令和3年4月から5年間。平成28年度から開始した第1ステージのスキームを継続し、窓口業務や料金徴収業務、水源地などの水道施設の運転管理、保守点検、施設再構築計画、アセットマネジメント、水道施設工事の発注・施工、排水設備関連業務などを包括的に民間事業者に委託する。本格的な施設更新に着手し、事業量を増加させたのが大きな特徴となっており、事業者には第1ステージで策定したアセットマネジメントで定めた更新計画の実践と適宜改訂により効率的な更新につなげることを求めている。また、事業期間中に第3ステージ以降の更新計画の見直しの実施に向け、ライフサイクルコストの考えに基づいた更新時期の定量的判断が可能なノウハウ・ツールを有していることも求めている。
停電対策で移動電源車/揚水ポンプ所に電力供給/神奈川県企業庁
神奈川県企業庁は、県営水道の配水池への送水を担う揚水ポンプ所の停電対策として移動電源車を導入した。敷地等の制約で非常用発電設備を設置することが難しい揚水ポンプ所が停電した際に、移動電源車から電力を供給し送水を継続する。7月28日には寒川浄水場でお披露目式と職員への説明会を行った。
平成30年の台風24号通過時には県営水道の給水区域内でも多くの停電が発生した。一部地域では10時間以上停電が続き、揚水ポンプ所からの送水も停止したため、配水池の貯留量が大きく減少し断水の危険性が高まった区域があった。この経験を踏まえ、移動電源車を導入することにした。58カ所ある揚水ポンプ所のうち、令和5年度までに6カ所のポンプ所で、移動電源車と安全かつ容易、迅速に接続できるように電源接続盤の整備を進める予定としている。また、敷地が狭く移動電源車が入ることができない揚水ポンプ所が停電した場合に備えて、可搬型のディーゼル発電機も配備した。
改築や浸水対応などの課題を共有/中長期的施策を協議・検討/大都市下水道計画研究会
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第57回大都市下水道計画研究会が7月30日、ウェブ会議方式で開催され、メンバーの東京都と政令市、日本下水道事業団から55人が参加した。アドバイザーとして、国土交通省の山縣弘樹・下水道部下水道事業課企画専門官、黒木雄介・同計画調整係長、国土技術政策総合研究所の岡安祐司・下水道研究部下水道研究室長も参加した。同省から情報提供があったほか、今年度の活動、来年度予算要求に向けた要望活動などについて議論した。また、新型コロナウイルス感染症に関連した大都市の下水道関連業務の対応状況などについて共有した。
台風シーズンに備え公開訓練/排水樋管ゲートの操作を確認/川崎市上下水道局
川崎市上下水道局は、本格的な台風シーズンの到来に備え、多摩川の水位上昇時に逆流を防ぐための排水樋管ゲートの操作や、排水ポンプ車の運用を確認する実地訓練を公開した。
同市では、昨年の台風(令和元年東日本台風)により多摩川の水位が上昇し、排水樋管周辺地域に深刻な浸水被害が発生したことを受け、有識者などを交えた「令和元年東日本台風による排水樋管周辺地域及び河川関係の浸水に関する検証委員会」を設置。検証結果を踏まえ、今夏の台風シーズンまでに直ちに備えるべき短期的対策として▽排水樋管ゲートの電動化・フラップ機構付ゲート化▽観測機器の設置・遠方制御化▽排水樋管ゲート操作手順と活動体制の見直し▽排水ポンプ車導入―などの取り組みを進めてきた。
訓練は、7月31日、8月5、6日の3日間にわたり、浸水被害があった山王、宮内、諏訪、二子、宇奈根の5カ所の排水樋管周辺で行われ、地域の住民も立ち会った。
「多様な役割」の推進に国費継続を/関係省庁に要望書/大都市下水道会議
東京都と政令市20市で構成する大都市下水道会議は、関係省庁に対し下水道事業の推進に向けた要望活動を行った。21都市の首長の連名で、国費負担の継続とともに、関係制度の充実や安定した財源の確保などの措置を求めた。今年は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響から、当番市の広島市から各省庁に要望書を提出する形とした。
要望の内容は、住民の安全・安心な社会生活と活力ある社会経済活動を支え、「多様な役割を担う下水道事業の推進」に必要な財源として、社会資本整備総合交付金と防災・安全交付金に加え、効果の明確な事業や効率的な事業について、さらに別枠で個別補助制度の拡充などを求めるもの。
持続可能へ施設更新の国費確保を/新しい働き方、感染対策措置も/コロナ禍の中央提言/施設協
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日本下水道施設業協会は今年度の中央提言を実施した。新型コロナウイルスが世界的な脅威となる中、いかに持続可能な下水道事業の運営を確保するかを主眼に、1.パンデミック下でも安定運転可能な下水道施設実現のための国費確保 2.「新しい働き方」実現のためのパラダイムシフト 3.建設工事における感染防止対策措置の継続―を求める内容の提言書をまとめ、国土交通省下水道部に提出。7日、木股昌俊・会長(クボタ会長)、中村靖・副会長(メタウォーター社長)らが同省を訪れ、植松龍二・部長、松原誠・下水道事業課長ら下水道部幹部と意見交換した。
ICT活用で新規事業創出へ/スタートアップ企業3社へ出資/JFEエンジ
JFEエンジニアリングは7月29日、東京センチュリーと設立した共同投資ビークル「J&TC Frontier」が、ICT技術を活用するスタートアップ企業3社への出資を決定したと発表した。今後、各社と共同でICTを活用したソリューション事業の創出を狙う。
また、ベンチャーキャピタルファンド(VC)2件への初出資も決めた。VCが出資するスタートアップ企業などとの交流機会を増やすとともに、最先端の技術情報を取得することで、新規事業の探索を加速させていく。
同社では、共同投資ビークルを通じて、今後3年間で100億円程度の投資を行い、革新的技術を持つスタートアップ企業との協業に取り組んでいく方針だ。
出資するスタートアップ企業は、A・L・I・Technologiesと、Arent、ディープインサイトの3社で、いずれもICTを活用した革新的な技術で新しいビジネスモデルの構築に取り組んでいる。
A・L・I・TechnologiesはAI搭載のドローンを活用したソリューションの提案などを行っている。施設の点検業務をドローンに代替することで、設備のメンテナンス作業の負荷低減や特殊環境下における安全性の改善などが見込めるなど、点検業務の効率化を実現する。