上下水道界の1年を振り返る
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東日本大震災から1年を経過した2012年は復旧・復興に力を尽くした1年だった。利根川水系では大規模な水質汚染事故も発生した。一方、持続可能な上下水道をめざし施設更新、耐震化、新技術の開発、公民連携などの取り組みは営々と続けられた。水ビジネスの海外展開をめぐる動きも活発だ。上下水道界の1年を振り返った。1.は1面掲載の本省を中心としたニュース 2.は地方ニュース 3.は産業界ニュース 4.は水と環境面に掲載したトピックス。
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第4回水道技術・工法研究会
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水道産業新聞社主催、日本水道協会大阪府支部後援の第4回水道技術・工法研究会は11月27日、大阪市阿倍野区の日本水道協会大阪会館で開催した。大阪府内の水道事業者やコンサルタント関係者など約100人が出席し、今回は”水道事業の持続のための最新技術”をテーマに、6社が最新の製品や技術を紹介。さらには京都大学大学院の伊藤禎彦教授が、再構築・高機能化の視点からみた今後の技術開発の方向性、技術ニーズについて特別講演を行った。官民が活発な意見交換を行った同研究会の模様、6社の技術報告についての概要を特集する。
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水道技術研究センター・J―STEP
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水道技術研究センターの浄水技術研究新プロジェクトとして「J―STEP」がスタートした。J―STEPでは、東日本大震災以後の水道事業をどう考えるかという視点に基づき、「しなやかな浄水システムの構築」を目指している。研究体制は浄水技術研究推進委員会、参加企業のプロジェクト委員会、具体的な研究開発を行う3つの委員会で進められる。本紙では、同プロジェクトの意義と期待される成果を展望し、全国の水道事業の継続的発展に役立ててもらうべく特集を企画した。
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課題を追う・アセットマネジメント
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増大する更新需要に対応するため、アセットマネジメント(資産管理)の実施が求められている。水道事業の将来を見通した上での着実な施設更新が望まれる。アセットマネジメントの実施は全国で進みつつある。今回の「課題を追う」では新潟市など4都市の水道事業持続に向けたこの取り組みを検証した。
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復帰40周年を迎えた沖縄の水道
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今年は沖縄本土復帰40周年の節目の年であり、沖縄県内では5月15日に開催された記念式典をはじめ、各種記念行事が行われた。そして、11月10日に億首ダムを舞台に催された「多目的ダム整備事業記念碑除幕」が水道関連の復帰40周年記念行事と位置づけられ、水源開発をはじめとするこの40年の取り組みの意義が再確認された。本紙では、この節目を機に沖縄復帰40周年記念特集を企画、これまでの足跡を振り返ると共に、沖縄地方の水道の今後を展望した。
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岡山西南水道企業団が40周年
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岡山県西南水道企業団は今年6月で、水道用水供給事業の開始から40周年を迎えた。同企業団は20㎞以上離れた河川表流水を水源とし、2市1町に供給している。現在は「岡山県西南水道企業団地域水道ビジョン」に基づき、施設の耐震化、太陽光発電設備の設置を行うとともに、送水管新設工事などを推進している。本紙では三島紀元・同企業団企業長のあいさつ原稿、田中早苗・同企業団事務局長のインタビュー、原稿「岡山県西南水道企業団40年の歩みと事業概要」により、同企業団の取り組みを紹介した。
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管路整備とシステム高度化に向けた方向性を探る
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水道事業の本質的・根源的役割である清浄な水の「輸送」。その役割を支える管路システムの機能維持・向上のための施設整備は常に水道事業体にとって最重要施策であることは関係者の共通認識である。本紙はその認識に立って水道管路整備特集を毎年発行しているが、今回はこの分野で高い水準を誇る主要事業体の水道システムにスポットを当てた内容とした。東日本大震災の教訓を踏まえてさらなるレベルアップを期す仙台市水道局の取り組みについては、同局の山内管理者、安藤次長と首都大学東京の小泉特任教授との鼎談を実施し、管路システムの水準の高さの象徴にもなっているブロックシステムに関して、札幌市・横浜市・新潟市・神戸市・福岡市のそれぞれの取り組みについて技術系幹部の方々に原稿をご執筆いただいた。
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東京都水道局シリーズ-2
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建設工事や施設の維持管理などの現場での事故防止対策は水道事業にとって至上命題だが、事故の根絶には至らないのが実状だ。そうした中、東京都水道局は工事現場の事故防止に向けたアクションプランを策定するなど、その抜本的な解決に向けて積極姿勢を強めている。今回の東京都水道局シリーズ特集では、同局の事故防止・安全対策にスポットを当て、増子局長のインタビュー、田村建設部長と工事安全対策に造詣の深い高木・労働安全衛生総合研究所主任研究員との対談を実施した。
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下水道事業の整備促進と25年度下水道予算
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下水道は社会に不可欠な社会基盤だが公共事業費削減により計画的な下水道事業の実施に支障が出ている。下水道事業体では未整備地域の解消や老朽化した施設の改築更新、下水道資源の有効利用、長寿命化、耐震化、浸水対策、合流式下水道の改善、高度処理など課題が山積しているが事業費削減により計画通りに進められない状況だ。本紙では下水道の整備促進と関係予算の満額確保を支援するため特集を企画。日本下水道協会が実施した予算への提言活動や塩路勝久・国交省下水道部下水道事業課長へのインタビューなどを掲載した。
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倉敷市水道の現状と今後の方向性
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倉敷市の水道は大正5年7月に通水し、市町村合併に伴う施設整備を推進してきた。今年度から『第1次整備事業』に着手するとともに、「水道施設管理システム」の機能充実に取り組んでいる。本紙では、中山公司・水道事業管理者、同市水道局幹部職員3名による座談会などで、同市水道の取り組みを紹介した。
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創立35周年のシンク・エンジニアリング
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シンク・エンジニアリングは今年、創立35周年を迎えた。上下水道を対象に、雷害完全保護システム装備の水位監視装置、流量監視装置を中心に工業計器を納入してきたほか、テレメータ・テレコン装置による伝送装置と監視システムの設計・製作・施工、最近では携帯デバイスを使った施設監視システムも展開し、事業体から高い評価を得ている。さらに近年は、浄水場などの委託管理業務手がけており、電気計装分野の専門技術をベースに、水道事業をマンパワーの面からも支えている。同社技術の導入事例を取材するとともに、35年の歩みと今後の経営展望について岡村國弘・同社社長にインタビューした。
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拠点都市シリーズ=福岡市
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福岡市は大正12年3月に水道事業をスタートさせた。以来、市勢の発展、人口の増加などによる水需要の増大に対応させ、大河川を擁しないという地理的条件を克服するため、19回にも及ぶ拡張事業を重ね、安定給水を確保してきた。現在は、海水淡水化、五ヶ山ダムおよび大山ダムを水源とした福岡地区水道企業団からの受水量の増、多々良浄水場に高度浄水処理施設の導入、浄水場の再編事業、さらに地震など災害対策など新たな水道事業を目指した諸施策を展開している。今回は、昨年4月に就任した尾原水道事業管理者とアカデミックな立場から福岡市水道事業を見続けていた神野九州大学名誉教授に現状や課題について話し合って頂いた。
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第57回簡易水道整備促進全国大会
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関係者一丸となって訴える―。「第57回簡易水道整備促進全国大会」が11月22日、東京・千代田区平河町のシェーンバッハ・サボー(砂防会館別館)で開催される。全国各地から、市町村長を先頭に簡易水道関係者が一堂に参集する。会場には多くの国会議員も応援に駆けつける。集まったおよそ550人の関係者が、簡易水道の整備促進、来年度予算の確保に向けて一致団結を図る。衆議院が解散し、国政をめぐる情勢は不透明だ。来年度予算編成への影響が懸念される。とはいえ、国民生活を支える水道の整備を鈍化させるわけにはいかない。簡易水道事業は、財政基盤が脆弱な上、施設の老朽化や地震対策など課題は山積状態。未普及地域の問題もある。国の支援なくしては立ち行かない簡易水道関係者の思いを訴えていく。
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水道技術国際シンポジウム
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「第9回水道技術国際シンポジウム」(実行委主催)が11月20日(火)から22日(木)までの3日間にわたり、横浜市の「パシフィコ横浜」で開催される。シンポジウムには内外の専門家が一堂に集い、「しなやかな水道システム―安全、持続及び環境の追求」をメインテーマに意見を交換する。さらに今回は、「地震・津波に強い水道づくりを目指して」をテーマに特別セッションを設け、東日本大震災を教訓とした今後の水道システムのあり方をめぐる議論も深める。わが国近代水道発祥の地・横浜市で開かれるシンポジウムの概要とともに、横浜水道の最新動向を紹介、今後の水道技術、国際交流の方向を展望した。
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技術対談・ジオプランの企業展開
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水道事業の資産の7割を占めると言われる管路。その管理・更新に関わる実務に資するものとして、GIS、マッピングシステムに代表されるデータ管理などの関連技術の重要性はとみに高まってきており、今や導入したシステムの良し悪しが水道事業の根幹に関わるといっても過言ではない。ジオプランは、コンピュータシステムの技術を水道事業をはじめとすライフライン分野に特化し注入するという極めて独創的な事業を展開しており、まさに時代を先取りした企業だ。折りしも、同社の代表取締役社長・西澤常彦氏はGIS関連技術を駆使した管路管理をテーマに学位を取得しており、水道分野の根源的な課題克服に向けた企業関係者による真摯な研鑽の成果として注目されている。本紙では、西澤社長と小泉明・首都大学東京特任教授との対談を軸とする技術特集を企画した。
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名古屋市下水道事業100周年
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名古屋市下水道事業が大正元年(1912年)11月に供用開始してから100年の大きな節目を迎え、今月13日には記念式典も開催される予定だ。本紙では、同市下水道事業100周年特集号を発行することで、我が国の下水道分野を1世紀にわたりリードしてきた「なごやの下水道」の足跡を振り返ると共に今後の事業展開を占った。 名古屋市の下水処理施設は全部で15ヵ所あり、大都市の下水道事業としては比較的規模の小さな施設が市域に広く配置されている。また、汚泥処理施設は3施設において集約処理されている。本紙では、編集部内に特別取材班を編成し、全水処理センターを見て回る現場レポートを実施した。
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グリーン・イノベーションEXPO2012
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産業分野のエネルギー・環境・水処理専門展「グリーン・イノベーションEXPO2012」(主催=化学工業会、日本能率協会)が、11月14~16日まで、東京ビッグサイトで開かれる。1966年から隔年で開かれてきたプロセス産業・エンジニアリング技術に関する日本最大級の展示会「INCHEM TOKYO」の展示分野のうち、「製造業向けエネルギー・環境対策」「素材・材料」「水処理」の3つの成長分野に特化して新たに立ち上げた展示会だ。国内外の125社・団体が出展する。同展示会を構成する3つの専門展示会のうち、水処理技術・サービスの展示会「水イノベーション」には46社・団体が出展。国際連合工業開発機関や日本水フォーラムによる特別講演なども予定され、新興国での水ビジネスなどについて最新かつホットな情報を得られる絶好の機会となりそうだ。
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日本工業用水協会第57回通常総会
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日本工業用水協会の第57回通常総会が6日に開かれる。来年度からの一般社団法人移行を控え、定款や組織の見直しも議題となる。6月に経済産業省の産業構造審議会が取りまとめた報告には、新たな料金制度や補助制度が示されており、新体制には、制度改革に向けた取り組みが求められる。本特集では、芳田丈夫・専務理事に課題と展望などを聞いた。
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日本下水道事業団(JS)創立40周年
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日本下水道事業団(JS)は昭和47年11月1日に下水道事業センターとして発足し今年で40周年を迎える。JSは自治体の下水道事業の支援機関として活躍し、日本の下水道事業の発展に貢献してきた。主な業務は下水道施設の実施設計、建設、維持管理、経営企画支援、研修などとなっている。この3月には今後のJSの行動指針となる第4次中期経営計画を発表している。本紙ではJS40周年を記念して特集を企画。JSの谷戸理事長を中心に東洋大学の松尾常勤理事、東京都の小川下水道局長、日本下水道施設業協会の松木会長に、第4次中期経営計画についてそれぞれの立場から意見を述べていただいた。
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横浜でEICA第24回研究発表会
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EICAの第24回研究発表会が10月25日、26日の2日間、横浜市開港記念会館で開催される。EICAは平成3年に上下水道など環境分野の計測、制御、自動化技術を担う産官学連携の学会組織として発足した。研究発表会では東日本大震災を踏まえて大震災の対策面からみた今後の水インフラ整備、災害対応技術・研究への提言を行うことにしている。そこで、EICA会長の清水京都大学大学院教授の原稿、EICA副会長の小浜横浜市環境創造局下水道施設部長へのインタビューでEICAの活動と研究発表会を紹介した。
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課題を追う・・・値上げをしてでも施設更新
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水道事業の「持続」が危惧されている。人不足と財源不足の中、浄水場や送配水管の老朽化が進んでいる。この危機感を共有し必要な対策を講じなければならない。シリーズ企画「課題を追う!チェンジ水道」では値上げをしてでも施設更新をテーマに、信念を持って料金値上げを行い、水道サービスの持続へ向けて施設更新や耐震化に取り組む石狩市と岩国市にスポットを当てた。
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新耐震管ジェネックスをめぐる緊急対談
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我が国水道管路の主要管種であるダクタイル鉄管のトップメーカー・クボタが取り組む近年の技術的アプローチは、耐震性に加えて、施工性、経済性、長寿命化と、管路耐震化を加速するための多様なメリットを持つ新耐震管GENEXの開発を実現した。その多様なメリットにより、GENEXは既に多くの水道事業体が採用しているが、先の旭川市での水道展では、このGENEXにφ300が加わり、小口径はもとより基幹管路のカテゴリーまでラインアップが拡大されることになった。この新たなツールを得た日本の水道事業の管路耐震化はどうあるべきか?本紙では、日本水道協会の尾﨑勝・専務理事と、同社常務執行役員パイプシステム事業部長の木村雄二郎氏との対談を実施することにより、今後の管路耐震化の方向性について語り合っていただいた。
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総会シンポジウム座長・講師の論点と提言
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需要減に伴い料金収入が大幅に減少する中、事業の持続へ向け、老朽化が進行する施設の更新や耐震化、技術の継承などが最大の課題となっている。総会2日目10月18日(木)午後2時15分からのシンポジウムのテーマは、「水道の持続発展に向けて」(今、水道事業管理者は何をすべきか)。座長を務める石井晴夫・東洋大学教授に抱負と問題提起を、講師の方々に論点と提言について執筆していただいた。
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交野市の「星の里浄水場」が竣工
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交野市水道局では第6期拡張事業(平成14~27年度)のメインとして建設を進めてきた浄水場の更新事業が完成した。新たな浄水場は、生物接触ろ過+急速ろ過を採用し、浄水能力は日量2万2500立方mとなる。市民公募で名称は『星の里浄水場』とし、10月23日には通水記念式典を開催する。より安全でおいしい水を目指す交野市水道事業について、中田仁公・交野市長のメッセージ、堀上等史・水道事業管理者職務代理者のインタビューで特集する。
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新耐震管GX形採用事業体の取り組み
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水道事業における管路耐震化の加速が期待される中、管種の選定は事業体関係者にとって極めて重要に要素となる。近年の関連メーカーの技術開発は、「大規模地震が来ても壊れない」本質的な機能に加え、経済性、施工性、長寿命といった水道施設再構築に欠かせぬ視点であるLCCとも合致した製品を提供している。本紙では、長期的な視点を踏まえて管路耐震化を推進する事業体の取り組みの取材により、今後の管路耐震化の進むべき方向性を探った。
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地域の安全・安心に貢献するジェネッツ
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水道事業のカスタマーサービス分野では、単に事業体が民間企業に料金関連業務を委託するだけでなく、両者が災害時の協力協定や地域の安全・安心に関する協定を結ぶケースが増えている。住民との接点を担うカスタマーサービス分野でそうした動きが拡大していることは、まさに水道事業が地域に根ざした基幹的な社会インフラであることの証明と言えよう。本特集では、同分野をリードするジェネッツの取り組みにスポットを当て、市場の現状と今後を展望した。
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第54回水の写真コンテスト入賞作
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本紙主催「第54回水の写真コンテスト」(▽後援=厚生労働省、(社)日本水道協会、全国簡易水道協議会、(一社)日本水道工業団体連合会、(公財)水道技術研究センター、(公財)給水工事技術振興財団、▽協賛=(株)石垣、オルガノ(株)、(株)クボタ、(株)栗本鐵工所、コスモ工機(株)、小松電機産業(株)、(株)ジェネッツ、(株)清水合金製作所、(株)清水鐵工所、第一環境(株)、大成機工(株)、(株)宅配、月島機械(株)、(一社)日本ダクタイル鉄管協会、日本鋳鉄管(株)、日之出水道機器(株)、フジテコム(株)、(株)ライフライン情報社、フジ地中情報(株)、(株)ベルテクノ、前澤工業(株)、(株)森田鉄工所、森松工業(株)、富士フイルム(株)、(株)リコー、(株)日本写真企画)の審査会が去る9月27日に行われた。応募総数約2,184点の中から19作品が入賞した(グランプリ1点、、旭川市水道事業管理者賞1点、水道創設125年賞(横浜市水道局長賞)1点、、水道産業新聞社賞1点、、特別賞5点、、入選10点)また佳作は50作品が選ばれた。本ページでは写真家の丹地保堯氏、藤木高嶺氏の講評とともに上位入賞作品を紹介する。
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旭川水道展紙上紹介
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10月17、18日の2日間、旭川市の旭川大雪アリーナ隣接駐車場で「第46回水道資機材展示会」(主催=日本水道工業団体連合会、後援=日本水道協会、旭川市)が開催される。産業界の主要な団体・企業が一堂に会し、新技術や改良を重ねた製品の展示や実演が行われるなど最新技術動向を得る絶好の機会となっている。また事業体との意見交換を通して、新たな技術開発に繋がるなどの効果も期待でき、官民が連携した技術研鑽の場ともなっている。本紙では出展企業・団体のうち、注目の技術や製品を紹介するほか、同展示会について、日本水道協会の尾﨑勝・専務理事と水団連の坂本弘道・専務理事にコメントをいただいた。
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凍結工法で実績重ねる大勇フリーズ
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凍結工法を用いて水道管路のリニューアルを手掛ける大勇フリーズ(本社・埼玉県川口市、大久保明勇社長)にアメリカ人が「武者修行」に訪れ、技術を習得した3年後、アメリカで大勇フリーズアメリカ支社を立ちあげるという。東日本大震災以降、外国人就業者が減少する中、熱意と向上心で来日した。本紙では来日したレザ・ゴルバニ氏に意気込みを聞くと共に、受け入れた大勇フリーズの大久保太陽専務に今後の展望をインタビューした。
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東京都水道局の事業展開
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東京都水道局の事業展開が益々積極性を増してきている。日本を、そして世界をリードするその前向きな事業スタンスは、我が国の水道分野に大きな活力をもたらせていることに疑問を挟む余地はない。本紙では東京都水道局が今後進める当面の施策の方向性を網羅することをコンセプトとする特集号を企画、増子局長と厚生労働省の石飛水道課長との対談を実施したのをはじめ、局長級幹部の現場随行レポート、インタビュー、本庁部長の執筆による各部の主要施策を掲載。さらに、全量高度浄水処理導入実現が間近に迫った現場レポートを実施した。
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キャンペーンシリーズ 地域で考える水道事業の地震対策
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我が国における大規模地震発生の切迫性とそれに備えた水道事業体の施設整備・地震対策の充実の重要性は全ての水道関係者の共通認識になっているが、その一方で管路耐震化をはじめとする関連の事業が遅々として進まぬ現状がある。本紙では、地域別耐震キャンペーンシリーズ企画をこれまでに11度にわたって発行し、地域ごとの地震対策の充実ぶりを紹介してきた。今回、企画内容をリニューアルし、全国各地の主要事業体の中で、管路耐震化や震災対策に関して技術力を駆使し意欲的な施策を展開する水道事業体の取り組みにスポットを当てる企画とした。新シリーズの第1弾として、福岡市水道局を取り上げ、金沢大学の宮島教授と同局関係幹部とで語り合ったいただいた。
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拠点シリーズ=横浜市
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我が国近代水道のパイオニア、横浜市水道事業は今年で創設125周年の節目を迎えた。また、今年は平成27年度までを計画期間とする『横浜市水道事業中期経営計画』の初年度となる。今回の拠点都市シリーズは横浜市とし、就任2年目に入り中期経営計画の着実な執行に意欲を覗かせる土井局長と、水道局長就任前から土井氏と親交のある長岡東京都市大学教授とでこれからの横浜水道の方向性について語り合っていただいた。
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横浜市水道事業の最新動向
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125年にわたって日本の水道事業をリードして来た横浜水道。今年を初年度とする中期経営計画では、老朽管更新の事業量増加を打ち出すなど、持続と発展に向けて積極的な姿勢がより明確になっている。本紙では、拠点都市シリーズに合わせて横浜水道特集を企画。技術系部長による鼎談・インタビューを実施したのをはじめ、同局幹部の原稿執筆により、主要施策を紹介した。
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「下水道の日」・下水道新技術推進機構20周年
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国土交通省は毎年9月10日を「下水道の日」と定めている。この日を中心に下水道の役割や下水道整備の重要性などについて、国民の理解と関心を一層深めることを目的にして関連行事が全国各地で開催されている。「下水道の日」は著しく後れていた下水道の普及促進を図るため、昭和36年に全国下水道促進デーとして始まった。今年度の標語は「下水道 お水がいってる またくるね」。また、下水道事業の発展に大きく貢献している下水道新技術推進機構がこの9月で20周年を迎える。下水道の日の関連行事を紹介すると共に、下水道新技術推進機構の最新研究を紹介した。
下水道新技術推進機構は平成4年9月に創立され今年で20周年を迎える。この間、産官学の知識と経験を結集して下水道技術の研究、調査などを行い新技術を普及促進させることに取り組んできた。20周年を記念して石川理事長の原稿とともに、現在取り組んでいる主な研究を紹介した。
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森田実氏を囲む小林企業長(八戸)・亀山企業長(石巻)との鼎談
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水道事業の広域化は料金収入の安定化やサービス水準の格差是正、余剰施設能力の活用、災害・事故等の緊急時対応力の強化など大きな効果が期待できる。また、人材や資金の有効活用などスケールメリットを生かした事業運営により技術の継承を含めた運営基盤の強化も可能にする。水道に造詣の深い政治評論家の森田実氏と、広域水道の先がけである八戸圏域水道企業団の小林眞企業長(全国水道企業団協議会会長)、東日本大震災からの復旧・復興に全力で取り組む石巻地方広域水道企業団の亀山紘企業長に、「東日本大震災からの復興とこれからの水道事業/広域水道の役割と期待」をテーマに語り合っていただいた。
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「防災の日」上下水道の災害対策
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地震、豪雨などの災害対策の充実を図ることが上下水道事業体にとっての最重要課題であることは改めて強調するまでもない。本紙が、9月1日の「防災の日」に合わせて、例年発行している上下水道の災害対策特集の今年の企画は、「備え」「知恵」をキーワードに企画。日水協・下水協両団体幹部に「備え」のあり方についてインタビューを実施したのをはじめ、地震発生から5年が経過した新潟県中越沖地震被災地・柏崎市の取り組み、東日本大震災で甚大な被害を受けた浦安市の取り組み、今夏の九州地方における水害の教訓、さらには、未だにその原因について学界で議論が繰り広げらけれている新潟地震での昭和大橋落橋に関するトピックスを掲載することで、今後に向けた知恵を探る内容とした。
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浜松市の管路耐震化で語り合う
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昨年3月11日に発生した東日本大震災では、管路耐震化の重要性が改めて示された。浜松市では、東海地震の切迫性が叫ばれる中、東日本大震災を教訓に整備計画を見直し、基幹管路の耐震化を最重要課題に位置づけ、予算を重点配分するなど、積極的な取り組みを行っている。本紙では、耐震化の重要性を再認識することを目的に対談を企画。浜松市の鈴木勲・水道事業及び下水道事業管理者と日本ダクタイル鉄管協会の本山智啓・理事長とで、管路の耐震化や管路整備のあり方などについて語り合っていただいた。
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日水協中国四国支部水道事例発表会
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第12回日本水道協会中国四国地方支部水道事例発表会が8月30日から2日間、山口市周南市のホテル「ザ・グラマシー」で開催される。現在、水道事業は諸問題が山積しており、今回の水道事例発表会でも、問題解決に向けた研究成果の披露が期待されている。本紙では開催地を代表して、磯部恒明・同市上下水道事業管理者にインタビューするとともに、「事例発表会の概要」や「発表内容」を紹介した。
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課題を追う「水道水源林管理の重要性」
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河川水にしろ、地下水・湧水にしろ、水道水の源となる原水の質と量を支えているのが水源域の森林であることに異論はないだろう。その森林の健全性を保つ必要性が再認識されているからこそ、近年は水源保護条例制定等に代表される施策の強化が進んでいると言えよう。その一方で、当初から水源保全の本質的な理解に基づいて、およそ1世紀もの間、水道事業自らで森林を所有し管理してきたのが、東京都・横浜市・函館市の3事業体だ。今回の課題を追うは、水源保全の礎である森林管理をルーチンワークとする3事業体の関係者と滝沢東大教授とで、この根源的な仕事の意義と方向性について改めて語り合っていただいた。
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管路耐震化に向けた日水協での議論の成果
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管路耐震化の推進とそれに伴う効果的な整備手法や適切な管種選定のあり方は今や我が国の水道事業体にとって最重要のテーマと言っても過言ではない。ここに来て昨年の東日本大震災の教訓や知見を施策に反映する動きも活発化しつつあり、今後に向けた管路耐震計画の成否が今後の水道事業運営を大きく左右することになるだろう。本紙ではこのような情勢を踏まえ、日本水道協会の工務常設専門委員会での議論や同協会から発刊された『水道施設設計指針』の最新版における管路の耐震化の方向性にスポットを当てた技術特集を企画した。
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福山市上下水道局発足記念座談会
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広島県福山市では4月、水道局と建設局下水道部が組織統合し、「福山市上下水道局」が発足した。本紙では、堤行彦・福山市立大学都市経営学部教授を座長に、赤澤收・同市上下水道事業管理者、同局職員5名の座談会で、上下水道の現状や課題、今後の方向性などを語り合っていただいた。
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企業シリーズ・扶桑建設工業
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扶桑建設工業は、水処理施設の設計・施工、水道用資機材の販売、上下水道施設のメンテナンスなど多様な事業分野を手がける総合水関連企業として着実な歩みを続けている。今年設立66周年を迎え、100年企業に向け様々な再構築を行っているが、その最大の目玉が新鋼管工場の建設。最新鋭の設備を誇る同工場を核に、鋼管部門を事業の新たな柱の一つに育てる方針。その挑戦は始まったばかりだが、今後の動向が注目されるところである。そこで、同社の発祥の地と同じ香川県を故郷とする水道技術研究センターの安藤茂専務理事を迎え、同社の現状、今後の展開、新鋼管工場建設の背景、官民連携のあり方などを巡って阿部和夫取締役四国本店長と対談して頂いた。
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第49回下水道研究発表会を振り返る
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日本下水道協会主催の第49回下水道研究発表会が7月24日から26日まで神戸市の神戸国際会議場で開催された。口頭発表358編、ポスター発表18編の産官学の下水道関係者の研鑽の成果を軸に、今年も活発な意見交換が行われたことは成果として強調できる。今年は東日本大震災を受けて大震災特別セッションを設けたのが特徴だった。本紙では「下水道研究発表会を振り返る」特集号を企画。本紙取材陣が選んだ発表の概要紹介などを掲載することで下水道研究発表会の成果を再確認する内容とした。
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日本水道協会総会プレ特集
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日本水道協会の第81回全国総会が10月26日から3日間にわたり旭川市で開催される。現行方式で最後の開催となる今年の総会は、まさに節目の会議となる。本紙では、水道界最大の行事である日水協総会参加の意義を再確認することを目的とした〝総会プレ特集〟を企画、日水協の尾﨑専務理事や開催地・旭川市の三島管理者のインタビューを実施したのをはじめ、開催事務局や水道展にもスポットを当てることで、〝旭川総会〟の意義と魅力を探った。
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東京都シリーズ1.管路システムを強くする取り組みとは
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安定給水の根幹を支える管路システムの強靭性を目指す取り組みは水道事業の永遠のテーマとも言えるが、東京水道の近年のこの取り組みは、多様な視点に基づいて一層積極性が増してきている。本紙恒例・東京都水道局シリーズの今年度の第1弾は、「管路システムを強くする」とし、増子局長インタビューや給水部幹部による座談会をはじめとする各部門における「強くする」取り組みの内容を紹介した。
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薬注ポンプの最新動向
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昨年の原発事故を受けた電力不足などで一時、次亜塩素酸ソーダの供給不足とそれに伴う断水が懸念されたことは記憶に新しく、浄水処理における次亜や薬注設備の重要性が改めて浮き彫りとなった。また日水協が改訂を進めている水道施設設計指針では、薬注設備の重要性を再確認し、独立した章を設けて詳述されることとなる。次亜を正確かつ安定して注入する専用ポンプはこれまで、多様な運転方式による製品が開発され、それぞれ技術的強みを活かした採用実績を積み重ねてきた。さらに近年、注入精度や運転制御、エアトラブルなど、従来の技術的課題を克服した意欲的な新製品が相次いでリリースされており、技術革新は着実に進んでいる。そこで今回は薬注ポンプの最新動向を紹介する。
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拠点都市シリーズ=徳島市
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徳島市の水道事業は20年間に及んだ第4期拡張事業、第1・2次配水管整備事業により、「市民皆水道」「ライフラインとしての水道の安定性強化」などを図ってきた。同22年度に水道料金を平均19.61%改定し、現在は『徳島市水道ビジョン』『徳島市水道施設耐震化計画』『徳島市水道事業中期行動計画』などに基づき、事業を推進している。本紙では久米好雄・徳島市水道事業管理者と、三浦久人・一般社団法人日本ダクタイル鉄管協会顧問に、これらの取り組みを中心に語り合っていただいた。 徳島市は第4期拡張事業(平成2~21年度)で、未普及地域への管網整備、新たな水源(吉野川表流水)の確保とともに、第十浄水場内施設の拡充などを図った。本紙では、久米好雄・徳島市水道事業管理者との対談に先立ち、三浦久人・一般社団法人日本ダクタイル鉄管協会顧問に同行し、第十浄水場をはじめ、同市の水道施設などを視察した。
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水道の接続的発展へ鍵を握る小規模水道のあるべき姿
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我が国において持続可能な水道を目指す上で大きな課題になっているのが、脆弱な財政基盤と技術力・人材確保に苦労している中小規模水道の現状だ。とりわけ、山間部や島嶼地域では、その地勢・立地条件からも効率的な事業運営を行う上で制約も多く、課題が山積している。また、東日本大震災被災地の多くの水道が小規模事業体によって運営されており、復興に向けたあり方が問われている。本紙では、中小規模水道の現況・課題・展望を軸にした特集号を企画、滝沢東大教授と沖縄県の下地環境生活部長との対談、震災被災地・宮城県山元町の成田副町長のインタビュー、中小規模水道の経営問題に詳しい浜銀総研の佐藤室長のインタビューを実施した。
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日水協中部地方支部総会
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来たる7月20日、日本水道協会中部地方支部総会が岐阜市において開催される。中部地方の水道関係者が集結し、水道事業を取り巻く諸課題解決へ活発な討議が期待される。本紙では、開催地・岐阜市の取り組みや中部地方支部の話題を中心とした特集を企画した。
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水道運営管理協会・特別対談
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水道ビジョンにも示されているとおり、官民連携の促進は水道事業に関する施策の重要な柱だ。広域化を含む事業運営の最適化を考えた場合、官民連携が適切な形で日本の水道市場に根付くかどうかが今後の水道事業の命運を左右すると言えよう。水道事業における官民連携の代表的フィールドであるO&M業務については、民間団体である「水道運営管理協会」が民間企業の技術力向上に向けた取り組みを積極的に進めている。本特集では、同協会の一般社団法人移行1周年を記念し、水道事業における官民連携についてあらためて展望すべく、服部博光・同協会代表理事と石飛博之・厚生労働省水道課長に対談してもらった。
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日水協中国四国地方支部総会
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第81回日本水道協会中国四国地方支部総会が19日、山口県支部の山口市の担当により、ホテル松政で開催される。同市の水道は現在、「山口市水道ビジョン」~安心・安定・持続をめざして~(平成23年3月策定)に基づき、事業を推進している。本紙では原稿「開催地・山口市の紹介」「山口市水道事業の今とこれから」とともに、第63回全国水道研究発表会(平成24年5月16~18日、松江市)での同市の論文「粉末活性炭の銘柄によるトリハロメタン除去能の違い」、ルポ「平成21年7月中国・九州北部豪雨による山口市水道施設の被災教訓と対策」などで、同市の取り組みを紹介した。
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石飛厚労省水道課長を囲む座談会
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厚生労働省が21世紀水道の道しるべとすべく「水道ビジョン」を公表してから8年が経過し、新たなビジョンづくりへの作業がスタートしている。「新水道ビジョン策定検討会」の初会合の席上滝沢智座長(東京大学大学院教授)は、「先人の努力により築いた高水準の水道をいかに次の世代に引き継ぐかが我々の重要な使命だ」と語っている。新水道ビジョンの目的は、まさに水道事業の永遠の課題である「持続」の実現にあるといえる。厚労省の石飛博之水道課長と産業界代表に「新水道ビジョン」の目的と方向、関連企業の役割をめぐり意見交換していただいた。
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日水協北海道地方支部総会
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第83回日本水道協会北海道地方支部総会が7月12日、同支部道北地区協議会が開催担当となり深川市で開催される。北海道地方支部総会は、北海道の水道関係者が一堂に会して議論や意見交換を行う水道界の重要行事であり、毎年、その成果が注目されている。今回の本紙日水協北海道支部総会特集では、開催地である深川市の山下貴史市長(北空知広域水道企業団企業長)や、増本弘次・北海道環境生活部環境局環境推進課水道担当課長、道北地区協議会区長都市である旭川市の三島保・水道事業管理者のインタビュー、北海道支部長都市である札幌市の北野靖尋・水道事業管理者からのメッセージなどを掲載した。
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日水協関東地方支部総会-1
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第80回日本水道協会関東地方支部総会が7月10日、茨城県支部が担当し水戸市で開催される。日水協の地方支部総会の中でも最も規模の大きな会議であり、関東地方の水道関係者が一堂に会して意見交換が行われる水道界の重要行事だ。今年も水道事業が抱えるさまざまな課題の解決に向けた活発な議論が期待されている。今年の本紙日水協関東地方支部総会特集では、開催地水戸市の水道事業や関東地方支部、茨城県支部の活動状況についてインタビュー・寄稿で紹介したのをはじめ、5月に利根川水系で発生したホルムアルデヒドによる大規模水質事故への各事業体の対応、北関東の主要水道事業体新任トップへのインタビュー、群馬県東部地域での水道広域化を掲載した。
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日水協関東地方支部総会-2
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今年5月に利根川水系を水源とする水道事業体を直撃した大規模水質事故。流域の産業廃棄物処理業者が排出したヘキサメチレンテトラミンが浄水処理過程での塩素と反応したことで水道水質基準値を上回るホルムアルデヒドが生成された今回の事故は、その被害規模と事故原因の特異性が関係者に強い衝撃を与えた。本紙では、浄水場への取水停止に追い込まれた5事業体の事故対応についてレポートした。
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日水協関東地方支部総会-3
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この春、関東地方の水道事業体で相次いでトップが交代し、どのように事業運営を行うか注目が集まっている。本紙では、北関東の主要水道事業体である宇都宮市、前橋市、高崎市の新任トップへのインタビューを実施、トップとしての抱負や関東地方支部総会への期待などについて聞いた。
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